では収録内容の詳細を

MARCH MAYHEM 2004 (DVD-R)
(約2時間収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。OVWから初めて(?)発売された公
式のビデオ・ディスクでして、ワシは大阪梅田のイグニッション・レコードさん
で3,000円にて購入しました。別にイグニッション・レコードさんに義理立て
するつもりはないけど、米国から通販で購入すると送料込み約29ドル必要
となるので、通販に絡む手間隙を思うと3,000円ってのは非常に良心的で
はないやろか。
 さて本DVD−Rの内容は2004年3月6日にOVWがお膝元ケンタッキー
州ルイビルのニュー・デイヴィス・アリーナにて開催した定期興行を元ネタに、
TV放送用(ルイビルでは土曜の夜11時より絶賛放映中?)に加工したもの
が素材となっているみたい。
では『1軍WWE』に昇格間近のあの人や、『1軍WWE』から脱落して再調
整中のこの人、『WWEのファーム団体OVW』の定期興行を盛り上げるた
めに里帰りして来たあんな人までテンコ盛りの収録内容を報告いたします。
 あ、ワシってあんまりOVW内の抗争図式に詳しくなく、しかも英語での実
況を全く聞き取れないので、例によってトンチンカンな報告となるやも知れま
へんが、これまた例によって笑って勘弁してやってね。

○まずは先週のTV放送を振り返りましょう...
  先週の幕切れは総勢15名程の選手が入り乱れる大乱闘。『1軍WWE』
 から降格調整中のショーン・オヘイヤが存在感だけは示しておりますワ。
○いよいよTV放送のオープニング...
  ドロウニング・プールのヒット曲『ボディーズ』をBGMに、カート君やライノ
 らのOVWでのファイト模様なんかも織り込まれておりますワ。
 あ、TV放送の実況席ですが、ご存知ジム・コルネットとディーン・ヒルさん
 (←ヒルさんについてはワシは知識不足です)です。
@Southern Tag Title Match :
 Tank Toland & Chris Cage
 vs. Nova & The Idol (w/Trudy DeNucci)
  オープニング・マッチはサザン・タッグ王座を巡る攻防。モンスター・ファク
 トリーからOVWへやって来たタンクと『RAW』にてラ・レジスタンスの『噛ま
 せ犬』役を務めた事があるらしいケージが、サザン・タッグ王座に就くノヴァ
 (中期ECW時代はアホ・キャラやったね)とアイドル(この人については調
 査中)に果敢に挑戦。両チームともスピーディなタッチ・ワークを披露した末
 に、王者コンビ側の女子マネのデェヌーシが不運な巻き添えを喰らい、直
 後にアイドルがケージに綺麗に丸め込まれてジ・エンド。王者コンビのタイ
 トルがスルリと若手コンビへ移動した瞬間です。
○場面は変わって...
  2週前の放送でアイボリー姉さん(タフ・エナフの女教官)と、独立団体系
 に参戦歴のあるホールとの対戦が決定。
APersonal Challenge Match :
 Jillian Hall vs. Ivory
  ってな事でアイボリー姉さんとホールの試合ですワ。特に遺恨が絡むっ
 て『お話』ではなく、握手から始まるクリーン・ファイトでした。けどホールは
 野暮ったい化粧と同等以上の野暮ったいファイト振りで、アイボリー姉さん
 が付き合ってやっているのが手に取るように分かりますんや。で、アイボリ
 ー姉さんもさすがにタフ・エナフの女教官やね、ホールに見事に丸め込ま
 れてフォール負けを演出ですワ。さてさてホール、晴れてWWEに昇格し
 て貧相なバストをアイボリー姉さんみたいに豊胸してもらえるやろか。
○場面は変わって...
  ショーン・オヘイヤ&マット・モーガン(第2回タフ・エナフ優勝者で、チー
 ム・レスナーの一員として1軍昇格するも、僅かの時間でOVWへ逆戻り)
 とインスペクター・インパクト(この直後に『スマック・ダウン』へ昇格し、カ
 ートGMの車椅子を押す役回りとなる現ルーサー)とのイザコザの模様を
 プレイ・バック。
BTag Match :
 Seth SkyFire & Standing Thunder
 vs. Brent Albright & Chris Masters
  第3試合はスカイファイヤー&サンダーの若手コンビと、アマレスの下地
 があるアルブライト&マスターズ(ボディ・ビルではMr,カリフォルニアなん
 やて)がコンビを組む“トラブル・シューターズ”との顔合わせ。アルブライト
 がスカイファイヤーの腕をガッチリと極め、楽々と勝利の凱歌を。
○場面は変わって...
  ジム・コルネットとディーン・ヒルさんがリングに上がり、OVWの今後の
 主要興行の予定をアナウンス。また1軍WWEからスーパー・スターズが
 派遣(看護婦さんの世界でよく使われる、御礼奉公みたいなモンやろか)
 されるって事も付け加え、会場の(そしてTVの前の)皆さんの視聴意欲を
 煽っておりますワ。
○場面は変わって...
  第2回タフ・エナフ優勝者であり、『スマック・ダウン』ではバッシャム兄弟
 を飼い慣らして怖いものなしでブイブイ言わしていたシャニークワが客席
 の最前列にドッカリと腰を下ろしました。
○場面は変わって...
  共に第3回タフ・エナフ優勝者であるマット・カポテリ(『RAW』のダーク・
 マッチに出場歴あり)とジョニー・スーパースター(この直後に『RAW』へ
 昇格し、ビショフGMのお茶汲み役となる現ジョニー・ナイトロ)の遺恨劇を
 プレイ・バック。発端はチームを組んでノヴァ&アイドル組と戦っている最
 中、突然ジョニーがマットのタッチを拒否した事でして、その後にジョニー
 のパイル・ドライバーを喰らったマットが首を負傷したって『お話』みたい。
CGrudge Match :
 Matt Cappotelli vs. Johnny Superstar
  って事でマットとジョニーの遺恨清算戦。まだ首にギプスを巻いているマ
 ットに対し、当然ジョニーは負傷箇所への集中攻撃で猛攻。けど勢い余っ
 たのか、ジョニーはレフリーを殴ってしまい痛恨の反則負け。しかし直後に
 客席最前列に居たはずのシャニークワがリングに上がりマットに暴行を。
 ウーン、シャニークワって新たな共演者を加え、まだまだマットとジョニーの
 遺恨劇は続いて行くみたいですな。
D"Handsome"Jimmy Valliant Retirement Ceremony
  ジョニー・バリアントとのコンビでWWFタッグ王座にも就いた事のあるジ
 ミー・バリアントが略歴プロモ(さすがに名場面ばかり)に続いて引退発表
 のためにリングへ登場。痩せ細った身体には正直驚いたけど、十八番の
 サザン・テイスト溢れる“ブキウギ”を披露し客席を沸かしてくれました。
 でも、このまま惜しまれつつ引退なんてならないのがこの世界の掟(笑)。
 リング上にジェリー・“ザ・キング”・ローラーのパチものキャラであるケニー
 ・“ザ・キング”・ボーリン(←エゲツない名前やなァ)一派が現れてバリアン
 トに難癖を付け出し、これまたこの世界の掟通りにバリアントの餌食に。
 こうして名優ジミー・バリアントの引退発表会は滞りなく終わりましたんや。
 と、書きたいのですが、そうは問屋が卸さないのが、これまたこの世界の
 掟(苦笑)。さっきネットで見たら、なんとジミー・バリアントさん、まだまだ
 現役でドサを回っておられるみたいでっせ(爆笑!)。
ETag Match Ordered by Jim Ross : 
 John Laurinaitis & Inspector Impact
 vs. Sean O'haire & Matt Morgan
  試合のサブ・タイトルをご覧いただきたいのですが、このタッグ戦はW
 WEの重役であられるジム・ロスさんの指示で組まれたものらしいんや。
 多分誰か1軍に上げるべき奴は居ないかとの思いがあっての事やと想
 像しますが、これが全くの駄目試合。ポロ・シャツ(WWEのロゴ入り)姿
 で、ワシは今日は試合はしませんって四方に訴えている悪役のジョン・ロ
 リネィティス(全日本時代はジョニー・エースとして活躍し、WCWのフロン
 トを経由して現在はWWEのエージェント)が、オヘイヤ組の猛攻撃を受
 けて足元のもつれた相棒インスペクター・インパクトに不意打ち気味にタ
 ッチされてしまい、試合に強制参加させられるってところが最大の見せ場
 なんやけど、オヘイヤにもモーガンにもインスペクター・インパクトにもそん
 な細かいリング上での機微を表現する腕なんて持ち合わせておまへん。
 多分「このヘタクソどもが!」とハラワタ煮えくり返り(でも顔に出せんのが
 辛いな、ロリネィティスさん)でリングに上がったはずのロリネィティスを待
 っていたのは、フィニッシュに向けての一連のムーブをキチンとこなせない
 オヘイヤの無様な姿。コーナー・ポストに上手く登れない上に、フィニッシ
 ュとなったダイビング・ボディ・プレスも見苦しいフォームで飛行距離の足
 りないホンマに最低の代物でしたワ。
 黙ってオヘイヤにフォールされたロリネィティスですが、控え室に戻ったら
 彼等3人に言うんやろね、「あのな君ら、もうちょっと勉強せんと1軍なん
 て夢のまた夢や。ジム・ロスさんも呆れてたデ」って。
FJohn Cena vs. Bob Holly
  『スマック・ダウン』のスーパー・スターズであるジョン・シナがOVWのリ
 ングへ一夜限りの里帰り得意のマイク(ワシにはどこがエエのかさっぱ
 り分からんけど)を披露していると、突然背後からこれまたスーパー・スタ
 ーズの1人であるボブ・“ハードコア”・ホーリーが急襲や。しかしシナは不
 意打ちの劣勢を即刻挽回し、得意のFUでホーリーを秒殺撃退...。
 これ、正式な試合なのかどうなのかは分からんけど、いくら嫌々ながらの
 『御礼奉公』であっても、もう少しサービス精神を発揮して欲しかったなァ。
○場面は変わって...
  ニック・デンスモア(現『RAW』のユージン)、ロブ・コンウェイ(ラ・レジス
 タンスの一員で、OVWではデンスモアのパートナーを長く勤める)、マー
 ク・マグナス(デンスモアの弟子的存在?)から成るOVWにおけるヒール
 ・ユニットの“チーム・プレイヤーズ”、控え室で怪気炎を上げております。
GBattle of The OVW Originals
 Johnny Jeter & The Damaja & Doug Basham (w/Alexis Laree)
 vs. "Mr,Wrestling"Nick Dinsmore & "IronMan"Rob Conway
 & Mark Magnus (w/Nikita)
  “チーム・プレイヤーズ”の3人を迎え撃つは、ダグ・バシャム&ダマー
 ジャ(『スマック・ダウン』でのバッシャム兄弟)とジョニー・ジーター(『RA
 W』ダーク・マッチに出場歴あり)
 やっぱりこの顔合わせだと現在のユージン人気からニック・デンスモアの
 ファイト振りに注目してしまいますワ。で、そのデンスモアなんですが、既
 にレビュー済みのDVD『WRESTLING’S FUTURE STARS』に収録
 されていた頃の“ミスター・レスリング”ってギミックが伊達ではないファイト
 振りってよりは、なとんなく“プレ・ユージン”的なファイト振りを披露。
  で、試合は中盤コンウェイの放ったパンチ(違法グローブ着用)をモロに
 受けたジーターが長時間のローン・バトルを強いられる展開に。
 “チーム・プレイヤーズ”の早いタッチ回しにダクもダマージャも全く出番が
 回ってこず、このまま“チーム・プレイヤーズ”が楽勝かと思った頃、なんと
 かジーターがダグにタッチ。さぁ溜まりに溜まった憤りをヒール側へぶつけ
 る時間だとダグは“チーム・プレイヤーズ”の3人を軽く一蹴。そして大将
 格のデンスモアに狙いを定めフィニッシュを決めんとコーナーに上がったと
 ころ、なんとEに出場していたジョン・ロリネィティスがダグにちょっかい
 当然この好機をデンスモアが見逃すはずもなく、クラシカルなフォームから
 繰り出されるジャーマン・スープレックス(やっと“ミスター・レスリング”さが
 披露されたな)にてダグを完璧にフォール。
  しかし今夜のOVWはこれでは終わりません。デンスモアの勝ち名乗り
 が終わった途端、会場には聞きなれた行進曲っぽいテーマと共にWWE
 の重役JRことジム・ロス氏が登場。ロリネィティスの悪行を叱り飛ばして、
 試合の即刻再開をアナウンスや。こうなれば試合の流れはベビー側へと
 傾くもの。再開早々ジーターのコーナーからのスピン・キックがデンスモア
 に決まり、哀れデスンモアに土が付く結果に。
 試合決着後の“チーム・プレイヤーズ”側の反撃も、ベビー側にオヘイヤや
 @で新サザン・タッグ王者となったタンク・トランドとクリス・ケージが援護
 に駆け付け簡単に倍返しの逆襲を喰らってしまい、“チーム・プレイヤーズ”
 にはさんざんの一日はこうして暮れて行ったんです。
 ※追記
  ネットで調べたところ、この興行の直後の2004年3月末にニック・デン
 スモアは1軍WWEへ晴れて合流。みんなの人気者、ユージンへと変身
 を遂げるんですな。

【Eの没レビュー】
  個人的にちょっと気に入っているのでボーナス収録とさせていただきま
 した。試合後のバックステージでのロリネィティス、オヘイヤらの会話です。
 ※以下はあくまで洒落やデ、たまに真に受ける人が居るから心配や。

 (ロリネィティス、以下ロと略)おいおいオヘイヤ君、モーガン君、インスペ
  クター君。君ら、まさかあんな試合をしといて、さっさとシャワーでも浴び
  て帰るつもりなんやないやろな。ちょっと君ら、こっちへおいで。
 ===3人とも無言でロリネィティスの前に整列===
 (ロ)この中で一番芸歴の長いのはオヘイヤ君やったな。君、今夜の試合
  のお客さんへの見せ所をここでもう一度復唱してみ。試合前にワシが懇
  切丁寧に教えてやったやろ。
 (オヘイヤ、以下オと略)はい、今夜の見せ所は強豪インスペクターに全
  て任せ、御自分は試合には出ないとお客さんへアピールされていたロリ
  ネィティスさんが、僕らの乱闘に巻き込まれハプニング的に試合へ参加。
  最後は僕のダイビング・ボディ・プレスでフォールされるってところです。
 (ロ)そうや、よく分かっているやないか。そやのにあのザマはなんや。も
  うちょっとスムーズに事を運べんのかいな。この中では1軍経験の1番
  長い君を見込んだワシの立つ瀬がないやないか。それとも君ら、まさか
  今夜のスポットを古臭いなんて馬鹿にしとるんやないやろな。ワシが何
  時も言ってるやろ、古典をキッチリとこなせん奴には1軍は勤まらんって。
 (オ)いえ、馬鹿になんて絶対にしてないです。さっきは図体ばかりデカい
  インスペクターの馬鹿がちょっと段取りを踏み外して...。
 (ロ)若い子のせいにしたらアカン。若い子の失敗を咄嗟にカバーしてや
  るのが先輩芸人の役目やないか。それに君、最後のフィニッシュ・シーン
  は最低やったな。何やアレ。さっさとコーナー・ポストへ登れんし、やっと
  登れたと思ったらコーナー・ポストの上でバランスを失って。その上に全
  然距離の足りない、見苦しく足をバタバタさせたダイビング・ボディ・プレ
  スかいな。ワシも今まで何度も負け役をこなして来たけど、今夜くらい情
  けない負け役は初めてや。あれ、モーガン君は何を笑っているんや。君
  もちょっと『タフ・エナフ』で残ったからって、天狗になってたらアカンで。
  あれはあくまでテレビ局とのタイアップ企画やて君も知っているやろ。
 (モーガン、以下モと略)...、すんません。
 (ロ)とにかくや、3人とも全然なっとらん。まだまだOVWで勉強やな。 
 ===ここにJRことジム・ロスが登場===
 (JR)まあまあロリネィティス君もその辺で堪忍したり。今の若い子はガミ
  ガミと怒鳴っても育たないって君も分かっているやろ。さてオヘイヤ君、
  モーガン君、インスペクター君。君らもワシが何をしにここまで来たかは
  薄々感じているやろ。そうや、土曜日の朝に開かれた本社の重役会議
  の中で、君ら3人の成長具合が議題になってな、もし1軍へ上げても良
  いとお前が判断するんやったら、誰か1人をこっちへ連れて帰って来い
  ってビンスに言われたんや。けどぶっちゃけた話、今夜みたいな内容で
  はワシもビンスに推薦しようがないワ。君らが一生懸命に芸に打ち込ん
  でいるのはワシにも伝わった。そやからもっと日々精進しぃ。ワシもまた
  来月の月例視察には参加するからな。次は期待を裏切らんといてや。
  それとさっきロリネィティス君がエエ事を言うとったな。古典を馬鹿にす
  るなって。3人ともよく肝に銘じて勉強しいや。
 (オ)ありがとうございました。
 (モ)一生懸命頑張ります。
 (インスペクター)お疲れ様でした。

【オヘイヤについて】
   ってな事でJRやロリネィティスにOVWでの引き続きの修行を宣告さ
  れた(?)オヘイヤですが、これ以上いくら精進しても腕が上がらんと悟
  ったか、それとも会社の上層部から「頑張っているのは分かるけど、若
  い内に第二の人生を探す方が身のためやデ」と説得されたか、2004
  年4月3日にWWE(正確にはWWEのファーム団体であるOVW)か
  ら退団し、5月3日には新日本東京ドーム大会に出場したそうです(新
  日本プロには興味のないワシなので、全然知りませんでした)。
  ま、本レビューではいろいろと茶化した事を書き連ねましたが、オヘイ
  ヤの第二の人生に幸あれ、と道頓堀次郎も心から願う次第です。


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