では収録内容の詳細を

VOLCANO GIRLS 2004-5-30
(DVD-R*2枚)(約3時間41分収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
2枚組で20ドルにて発売されている団体公認(?)の代物でして、ワシは我
が国で唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田
のイグニッション・レコードさんで2,800円にて購入しました。
別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつもりはないけど、米国から
通販で購入すると送料込み27ドル必要となるので2,800円ってのは非常
に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容ですが、2004年5月30日にIWA−MIDSOUTHが
インディアナ州のハモンドにて開催した女子王座を巡るワン・ナイト・トーナメ
ントの模様を完全収録したものですんや。
では本DVD−R、早速内容のご報告を。

★★DISC−1★★
○まずは開会宣言などを...
  IWA−MIDSOUTHの首領イアン・ロットンを司会に、今夜の女子王座
 決定トーナメントに出場する11名の選手達によるセレモニーが。
 ベッキー・ベイレスと一緒にホミサイドが現れロットンに何やら注文を付け
 る場面もあったけど、11名の選手達は言い争ったり乱闘を始めたりなん
 てトラブルも起こさずに、和気藹々と一枚の写真に納まっております。
 まるでサッカーの国際試合の最初に両チーム一緒に記念撮影を撮るみた
 いで、若干拍子抜けした感じもしましたが、これはこれでOKですワ。
@Sumie Sakai vs. Daizee Haze
  予選第1試合に登場したのは日本代表(?)の坂井澄江。CZWの定期
 戦に何度か参戦したりと、魑魅魍魎跋扈する米国独立団体を細腕一本で
 渡り歩いている姿には頭が下がる思いや。試合は元気ハツラツ系のヘイ
 ズを相手に、カウント5すれすれのセコな反則攻撃や爪先への噛み付き
 等を盛り込み、月面水爆の自爆とレフリー誤爆スポットまで披露した末に
 ヘイズに綺麗に丸め込まれての敗退。ウーン、グッド・ジョブでしたな。
AMercedes Martinez vs. Becky Bayless(w/Jimmy Jacobs)
  予選第2試合はCZWの定期戦で坂井と戦った事もある長身のマルチネ
 スと、CZWではジェイコブスの女子マネとしてリング下で目立ちまくってい
 るベッキーの顔合わせ。マルチネスの猛攻に半ベソ状態(笑)となったベッ
 キーを助けようとジェイコブスが試合に介入するも、あっさりとマルチネスに
 迎撃されるなんてハート・ウォームな場面を中盤に仕込み、最後はベッキ
 ーにマルチネスのフィッシャーマンズ・バスターが一閃。
BMickie Knuckles vs. Lexie Fyfe
  予選第3試合は仏頂面のフィフェと、笑い顔がどことなく漫才師中川家弟
 の礼二に似ている(失礼)ミッキーの顔合わせ。ともにポッチャリ型の体格
 が仇となったか、どうにもスピード感に欠ける試合はミッキーのシャイニン
 グ・ウィザードにて幕とあいなりました。 
CTracy Brooks(w/CM Punk) vs. Lacey
  予選第4試合はCMパンクをセコンドに付けたトレイシーと、結構可愛い
 顔をしている(日本に連れて来たら人気が出そう)のに、ワタシはアンタら
 客どもの声援なんて要らないって意思表示をしているレイシーの対戦。
 試合は終始ラフ・ファイトで攻め込んだレイシーがボストン・クラブからジャ
 ンピングDDTに繋いでトレイシーを切って捨てております。
DMsChif vs. Allison Danger
  予選第5試合はゴス風のコスチュームに身を包み、ゴス風のメイクを施し
 ているミスチフ(素顔は結構べっぴんさんか?)とアリソンとの顔合わせ。
 序盤気持ちが焦ったかアリソンがロープに片足を引っ掛けてズッコケるな
 んて場面もあって先行きが心配させられた本試合やけど、メキシコ風スト
 レッチ技を決め、緑の毒霧攻撃から片腕を固めた変形DDTでアリソンを下
 したミスチフの奮闘振りに救われた格好となってますワ。
ERain vs. Daizee Haze
  ここからは準決勝戦。まず第1試合はクジ運良く(?)予選を免除された
 レインと、女の子らしく予選とはコスチュームを変えて来たヘイズの激突。
 試合は短期決着を狙ったレインによる不意討ちから始まり、強烈な肘打ち
 がモロにヘイズの顎にヒット。なおも猛攻を続けるレインにヘイズはフラフ
 ラとなりましたが、得意のデイジー・カッター(ダイアモンド・カッターのヘイ
 ズ版やね)からダブル・アーム式DDTによってレインを撃破。晴れて優勝
 決定戦へ一番乗りで駒を進めております。
FMickie Knuckles vs. Mercedes Martinez
  準決勝第2試合はマルチネスとミッキーの顔合わせ。予選の戦い振りか
 らマルチネスの楽勝かと予想しましたが、スクール・ボーイならぬスクール
 ・ガールの打ち合いに続いて繰り出されたミッキーによる網打ち式原爆固
 めは、美しい人間橋を描いた逸品。試合こそマルチネスのバック・ドロップ
 からフィッシャーマンズ・バスターの波状攻撃を受けて落としてしもたけど、
 イアン・ロットン自らがマイクを握りミッキーの奮闘を称えておりますワ。
GMsChif vs. Lacey
  準決勝第3試合はマスチフとレイシーによる一戦。予選での戦い振り同
 様にレイシーは殴る蹴るのラフ・ファイト中心で、マスチフはスープレックス
 や変形ストレッチをビシバシと披露。で、最後はマスチフのフィニッシュ狙い
 の片腕を固めた変形DDTをレイシーが上手くかわし、絶妙のタイミングで
 ロープ悪用のフォールをお見舞い。当然カウント3を喰らったマスチフは納
 得いかない表情でレフリーに詰め寄りますが、これは後の祭り...。
 これによって女子王座はヘイズ、マルチネス、レイシーの3人による3WA
 Y方式で決められる事となりましたんや。 

★★DISC−2★★
@IWA-MIDSOUTH Tag Team Championship :
 Ryan Boz & Brad Bradley vs.
 Southern Comfort(Tracy Smothers & Chris Hamrick)
  女子王座の懸かった優勝決定戦が行われる前の『箸休め』として用意
 された男子のタッグ王座戦。そう、ホンマに位置付けとしては『箸休め』な
 んやけど、王座組に就いているのが『南部の仕事師』トレイシー・スマザ
 ーズ(W★INGでは悪のジェイソン、ECWでは純血イタリア軍とマニア連
 の琴線に触れるポジションに常にあり)とクリス・ハムリック(末期ECW、
 XPW、NWA−TNA等に参戦)なんやから、ワシには実に嬉しい限り。  
 的確な試合介入を繰り返すマネージャーを引き連れたレイン&ブラッドの
 若手コンビ相手に、スマザーズ&ハムリックの2人は丸でスライドー・ギタ
 ーで奏でたサザン・ロックの様な匂い立つ南部ファイト振りを披露してくれ
 た上で、タッグ王座を相手チームへとスイッチ。これ、名勝負かと問われた
 ら、いや別にとワシも答えるでしょうが、ワシの晩酌のお伴になってくれる
 のは決まってこの手の試合。また今夜も美味しいお酒が呑めそうですワ。
AIWA-MIDSOUTH Woman Championship :
 Mercedes Martinez vs. Lacey vs Daizee Haze
  って事でいよいよ3WAY方式によるIWA−MIDSOUTH認定女子王座
 決定優勝戦となりました。ヘイズ、マルチネス、レイシーともに予選、準決
 勝とこなしており体力の低下等を案じさせられましたが、やはり大一番と
 なると彼女達も自然と気合が入るのでしょうな。個々人の見せ場となるス
 ポットも、3WAY戦特有のスポットもキチンと決め、じわじわと試合がヒート
 ・アップ。そしてまず長身のマルチネスに力任せにマットに顔を叩き付けら
 れたヘイズに土が付き、試合はマルチネスとレイシーの直接対決へと様
 変わり。以降、レイシーの見事なブリッジで決める鎌固め、体格差で押す
 マルチネスと試合は一進一退で続き、レイシー必殺のジャンピングDDTが
 マルチネスを捕らえてジ・エンド。準決勝ではややダーティ気味にマスチフ
 を下したレイシーですが、最後はクリーン・フォールにて女子王座へと登り
 つめておりまっせ。尚、レイシーの栄誉を称えようとイアン・ロットンの音頭
 取りでトーナメントに参加した全選手がリングに集合。デス・マッチが専売
 のIWA−MIDSOUTHらしからぬハッピー・エンドでの打ち上げ式が始ま
 りました。
BSix Man Elimination Tag Team Match :
 Samoa Joe & CM Punk & BJ Whitmer vs.
 Chris Hero & B-Boy & Homicide
  女子王座も決まって本日の興行も幕引きかと思ったら、こんなに豪華な
 6人タッグ戦が用意されておりました。どないでっか、サモア・ジョー、CM
 ・パンク、BJ・ウィトマー、クリス・ヒーロー、B・ボーイ、ホミサイドの絡みで
 っせ。さすがに米国各地の独立団体で実績を残して来た猛者達の対戦は
 見所一杯。それもそのはず、各自とも腕は確かやし、6人タッグなので顔
 合わせも多彩やからね。で、試合はまずスロイダーにてウィトマーがボー
 イをフォール、続いてコップ・キラーにてハマサイドがウィトマーをフォール、
 以降シャイニング・ウィザードから垂直落下ブレイン・バスターにてパンク
 がハマサイドを、ヒーローズ・ウェルカムにてヒーローがパンクをフォールし
 て、リング上に生き残ったのはジョーとヒーローの2人。ここからジョーの
 猛攻に耐えたヒーローがジョーを締め上げてタップ・アウトをゲット。
 こうしてヒーローが25分にならんとする長丁場(しかもダレた場面も皆無)
 を見事に締めております。あ、ヒーローとパンクの間には何やら確執も存
 在するようで、本試合決着後にイアン・ロットンが両者の直接対決を約束す
 るなんて場面もあった事を付け加えておきますワ。

【DVD−R特典映像】
○Circus Death Match : Mad Man Pondo vs. JC Bailey
 (February 22, 2003 Clarksville, IN "Ultra Styles Clash")
  冒頭にも書きましたが、このDVD−Rを製作してるのはSMARTMARK
 ってちょっと怪しい米国のプロレス映像販売屋さんなんや。で、彼等も女子
 王座のワン・ナイト・トーナメントだけだと販売数も伸び悩むのではと心配し
 たんやろね、特典映像にデス・マッチ・ファンお待ちかねの試合をブチ込ん
 で来よりましたデ。2003年2月21日と22日の両日に渡ってイリノイ州の
 クラークスヴィルで開催された『ウルトラ・スタイル・クラッシュ』の大トリを飾
 ったポンドとベイレイによるサーカス・デス・マッチですワ!!。
 これ、トップ・ロープを利用してリング上に有刺鉄線にて蜘蛛の巣状のトラ
 ップを張り巡らし、リング・サイドに設営されたやぐら(建築現場でよく見か
 けるもので、床上から約2m、約4m、約6mのところに各々コン・パネに
 よって足場を作ってある)から対戦相手をトラップに落とし合うって形式の
 デス・マッチなんですワ。
 ま、リングの上は張り巡らされたトラップで直立不能、やぐらに設置された
 3段の足場は2人が立てば一杯の広さって事もあって、戦いをお客さんに
 見て貰うってよりはトラップへの落下を見て貰うって形になってしもたのは
 少々残念やけど、ポンドとベイレイによって体を張ったスポットは敢行され
 ます。まずは下段の足場からポンドがトラップへ落ち、ここにベイレイが中
 段足場から前転式のセントーンで追撃。続いて中段の足場へ戻った2人
 は川津落としの格好で背中から同時にトラップへと再び落下。
 もともとトラップに落ちると有刺鉄線が体中に絡まって身動きが取れなくな
 るんですが、この2回目の落下により両者にはカウント・アウトが宣告され
 て、もう充分楽しませて貰ったデと観客達もリングを取り囲んで感謝の意を
 表すんです。けれどスタッフ総出でトラップから救出されたポンドとベイレイ
 は、それでも上段の足場を目指して三度やぐらを登り始めますんや。
 そして上段の足場からポンドの放った垂直落下(正に垂直落下!)ブレイ
 ン・バスターにより両者は三度トラップへと...。
 この試合、アンチ・デス・マッチ派の方には言語道断の内容でしょうし、デス
 ・マッチ大好き君のワシにしたって、もうちょっとトラップへの落下に至るま
 での戦いってのを大事にして欲しかったな、って思いはあります。
 ただポンドとベイレイの『相手を信用しきった』姿には、ただの蛮勇行為と
 して片付ける事の出来ない一種の崇高さが感じられましたんや。
 野次馬根性(当のワシがそうや)でもエエから、一度皆さんも見て欲しい試
 合ですワ。


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