では収録内容の詳細を

HARDCORE HISTORY (UNCENSORED)
(163分収録)
@Chris Benoit & Dean Malenko
 vs. Sabu & Taz (2/25/95)
  こんなカードが組まれてたんやね。まずはベノワとマレンコがECW
 の名物チームであったパブリック・エネミーをボコっていると、今夜の
 正式の対戦相手であるサブゥとタズが登場し、試合が始まります。
 ベノワはまだダイナマイト・キッドの影響下から脱し切れていない
 井出達で、何やらホッとさせるものがありますな。
 しかし試合そのものは厳しい限り。最後はコーナーにセットされた机を
 踏み台に、ベノワがサブゥにパワーボム。タッグ王座を奪取しました。
 どうでっか、机の上ってところにECWテイストが振りまかれていますが、
 それがコーナー上からのパワーボムってところには、ベノワがダイナマ
 イト・キッドから受けた影響も伺えるでしょ。
 良くも悪くも、これをベノワは一生引きずって行くんでっしゃろな。
AThe Gangstas vs. The Eliminators (8/24/96)
  ラップが会場内にガンガン流れたらギャング・スターズのお出まし。
 観客は腕を頭上高くクロスさせ、こいつらを熱狂的に受け入れます。
 今夜はサタンとクローナスのイリミネーターズを相手の金網戦。
 初めてご覧になる方は驚かれるやろうけど、ギャング・スターズの試合
 においては、入場曲が試合中もずっと続いており、独特の雰囲気を
 醸し出しております。ただし今回は金網って事で、両チームの動きが
 制限されてしまうよって、ギャング・スターズの良さが満開とは
 ならへんのが残念無念。通常ならラップのリズムとギャング・スターズ
 の極悪ファイトが見事にマッチするんやけどなァ。
 最後はニュー・ジャックの金網上からのパイプ椅子爆撃で締め。
BRaven & Stevie Richards
 vs. The Pitbulls (9/16/95)
  レイヴェン一家、今夜の出入の相手はピット・ブルズ。
 いまいち頼りにならない若頭のS・リチャーズも準備万端か。
 両チーム、これまでの遺恨も積もり積もってそれなら決着戦は
 ドッグ・カラー・デスマッチに。
 聞き慣れない試合形式やなって思うアナタはまだまだ勉強が足り
 ませんな。アメリカではよくやっている、犬の首輪を装着してそれを
 チェーンで繋なぐって形式の試合ですワ。
 これをピット・ブルズって名のチーム相手に、タッグでやってしまう
 ってところがECWの頭の柔らかさかな。
 試合はレイヴェンの彼女であるビューラと、ピット・ブルズの飼い主
 であるフランシーンのキャット・ファイトを中盤に配し、乱入者多数で
 楽しませてくれまっせ。
CShane Douglas vs. Pitbull #2 (8/3/96)
  アクシデントとは言え試合中にピット・ブル1号であるゲイリーの首を
 負傷させてしまったダグラス。起こってしまった事故なら、今後の展開
 に使かわな損と、ピット・ブル2号であるアンソニーとの抗争に突入。
 しかもダグラスの脇に寄り添うは、元々ピット・ブルどもの飼い主で
 あったフランシーン。世の無常さを感じさせるシーンです。
 またフランシーンの試合への絶妙のタイミングでの介入が、隠れた
 見所か。後に選手離脱が相次ぎ、屋台骨がグラついたECWを支えた
 のは実はフランシーンであったとの意見もあるけど、ここでダグラス
 から色々と手ほどきされたのが開花したんやろか。
DCactus Jack vs. The Sandman (7/1/95)
  キング・オブ・ハードコア決定戦とも言える一戦。
 サンドマンのマネージャであるウーマンの『崩れ加減』が、何とも言えず
 ECWにマッチしていますな。
 試合はカクタスが有刺鉄線を自らの腕に巻いて攻撃を始めた頃から
 混沌としだし、サンドマンも負けじと体に有刺鉄線を巻いてアタック。
 最後はダグラスの乱入で滅茶苦茶になってしまいます。
ERob Van Dam vs. Sabu (8/3/96)
  相手に叩きのめされて担架で運び出される『お仕事』を業界用語で
 『ストレッチャー・ジョブ』と言うそうですが、この隠語さえギャグにして
 しまったのがこの試合。担架で運び出されたら負けってルールです。
 試合はいちいち選手がダメージを受ける度に担架に乗せられてし
 まうので、せっかく盛り上がったリズムがブチ切れになってしまい、
 ワシはどうも感心できませんでした。
 それでもサブゥとRVDらしく、トリッキーなムーブが絶え間無く続く
 のはお見事のひとことですワ。
FRey Misterio Jr. vs. Juventud Guererra (3/9/96)
  DVD、『PATH OF DESTRUCTION』に収録されたミステリオ
 とシコシスの一戦と対で観てもらいたいエクストリーム・ルチャ。
 これまたエエ試合ですワ。

 さてここからはDVD特典映像を紹介しまっさ。
  オースチンのECW時代のプロモや、リング上での事故の瞬間
 収めた悪趣味ともいえるショート・コーナーがあり。
 実際、頭部に打撃を受けたJTスミスのオデコが異常に盛り上がっ
 て行く映像や、巨漢レスラーがコーナーから飛び降りた際に足が
 変な向きに曲がって(勿論ボッキリいってるんでしょうな)しまう
 映像など、さすがのワシもちょっと引いてしまうものもありました。
 で、ワシが個人的に嬉しかったのは特典映像に収録されていた
 故ブライアン・ピルマンのショート・コント。
 その昔、ガオラで放送された時は原語だけで訳がなかったので、
 なにやら怪しそうなコントやなって思っていたんやけど、
 以前購入した、田中正志氏著の【開戦プロレス・シュート宣言】
 詳細が載っていて、それを読んでこんなに深い意味があった
 んかって驚いた事がありますんや。
  ピルマンが等身大の鉛筆相手に悪態をついて、一人でプロレス
 をやるって1分程度のドタバタ劇なんやけど、
 以下のような意味が込められていたそうですワ。
 WCWの当時のブッカー(脚本家)であったケビン・サリバンと
 ともめていたピルマンは、なんとサリバンとの、『貴方を尊敬しま
 す戦』(試合中にその台詞を言わされたら負け)の最中、
 「アンタを尊敬します、ブッカーさん!」と、サリバンの裏の
 業務を暴く禁句を吐いてWCWを飛び出したそうです。
 脚本家がいることは衆人承知の事実ですが、
 これを試合中に言ってしまうのは、やっぱりタブーであり、
 それが脚本家である当のサリバン相手なのだから、
 アングルやとしても、これはとんでもない出来事ですワ。
 で、とりあえず流れ着いたのがECW。
 前述の本によると、ECWとも共謀して再度WCWに舞い戻る
 筋書きだったそう。
  今回のDVDに収録されているのは、ECWに短期在籍した
 頃のコントで、この辺りのマニアにしか知り得ない裏事情をネタに、
 多分、ポールEがプロデュースしたものだと思います。
 ピルマンが鉛筆に向かって毒づきます。
 「俺に何をして欲しいんだ。ジョブ(=お仕事)、冗談じゃないぜ、
 ブッカーさんよ!」
 ちなみに鉛筆とは、プロレスにおける筋書きを書くブッカーさんという
 業務上のポジションを暗示しています(筋書きは鉛筆で書くからね)。
 どないですか、大人のギャグと言うか、なんとも深い意味が
 ありましたやろ。
 それがDVDに収録されたんやから、喜ばしいことですワ。
 プロデュースした側も、自信作やったんでしょうナ。
 なお、ピルマンはECWでは殆ど(皆無?)試合をせず、
 カルト人気に目を付けたWWFが獲得。
 WCWには戻ることなく、でも結局あっけなくあの世へ
 旅立ちました(フィギュアとなり、我が家に飾られておりますが)。

  私どものHPによく遊びに来ていただいている
 『キンゴコングニーさん』から隠しトラックの情報をいただきました。
 隠しトラックの再生方法
 @MENU画面でSPECIAL FEATURESを選択する。
 AWRESTLER BIOGRAPHIESを選択する。
 BJOEY STYLESにカーソルを合わせて
  方向キーを『右』⇒『上』⇒『右』の順で押す。
  と、シェーン・ダグラスとフランシーンのプロモ撮りの様子が
 再生されます。
 ダグラスが空だと思って吹き付けたスプレー缶でカメラのレンズを
 汚してしまうというNG映像で、懸命に拭き取るカメラマンに再三
 「だって空だと思ったんだよぉ」と言い訳するダグラス、
 「コレくらいでがたがた文句言わないでよ」と御機嫌斜めのフランシ
 ーン嬢、その傍らでポツンと座る素のトミー・ドリーマーと
 C・キャンディードが妙に可笑しいです。


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