では収録内容の詳細を
このDVDはPAL方式で収録されており、通常の国産モニターでは
鑑賞できませんので、ご購入の際はご注意下さい。
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NOVEMBER TO REMEMBER 1999
(PAL版)(約2時間37分収録) |
どこの団体もそれなりに歴史を刻むと、ヒット企画ってやつが生まれ
てくるモンですやんか。全日プロなら暮の『最強タッグ戦』、FMWなら
『川崎球場興行』、勿論WWFならご存知『WRESTLEMANIA』です
わな。で、ECWではと言うとこれは93年以来毎年11月になると開催
される『NOVEMBER TO REMEMBER』ですんや。
そこでこのDVDの登場ですワ。内容は99年11月7日にニュー・ヨーク
はバッファローのバート・フリッキンジャー・アスレチャク・センターにて開
催された興行を収録したものです。
あ、この興行、当時はパーフェクTVでも有料中継があって、多分千五
百円で鑑賞できたはずで、ワシも申込をしたクチです。
さぁ策士ポールEが練りに練ったネタが満載の同興行、しかと見届けま
しょか。
@前口上
お馴染みジョーイ・スタイルスと新顔サイラスによる前口上。サイラ
スがお客を煽っていると、ダッドリーズ離脱により失職した元ダッドリ
ーズ専属アナであるジョエル・ガートナーが登場。リング上、三人でな
んやかんやと揉めている中、今度はWWFへの昇格寸前であるタズ
までがリングへ。スタイルスを恫喝、返す刀でガートナーをチョーク・ア
ウト。メジャー昇格を控え、タズにもいろいろと思惑があるようで。
ASpike Dudley
vs. Simon Diamond [w/Dick Hertz]
いつも問題を抱える男、サイモンが巨漢のディック・ハーツを強力に
売り込んでいると、現WWF所属であるジャズ姐さんが登場。例によっ
てサイモンに手を出すんですが、逆にハーツによって(今で言うF5に
て)あっさりと撃沈。さすがに巨漢は強いなぁと思っていると、会場内
に高らかにAC/DCの『地獄のハイウェイ』が流れ、巨漢殺しの達人
であるスパイク・ダッドリーが勇躍リングに。十八番のアシッド・ドロップ
一発で巨漢ハーツを沈め、ここから正式にサイモンとのシングル戦へ。
で、スパイク君、ハーツ撃沈の余勢を買ってサイモンを椅子爆弾により
流血させ、続いてまたまたアシッド・ドロップがサイモンに炸裂。
見事オープニング・マッチを飾りました。そう、飾りましたんですが、そ
れで良かった良かったとならないのがECW。
『純血イタリア軍』のグイドとサルが乱入し、スパイク君を痛ぶりだし
よりましたんや。
BLittle Guido [w/Sal Graziano]
vs. Nova[w/Chrise Chetti]
スパイク君のピンチに、スーパー・ノヴァ改めノヴァが登場。グイドと
のシングル戦へと突入しました。あ、ノヴァなんですが、衣装は相変
わらずダサダサなものの、ちょっとファイト・スタイルは垢抜けて来た
感じ。グイドの同僚である新顔『純血イタリア軍』のサルの介入こそし
のいだんやけど、最後はグイド(Uインターに参戦歴あり)の前に苦杯
をなめることに。で、ここにノヴァとは仲間であるらしきチェッティが登
場。『純血イタリア軍』を蹴散らしましたが、今度はここに(もう説明す
るのが疲れたワ)ECW運営の選手育成機関『ハウス・オブハードコア』
の優等生ドーイングとロードキルまで登場。
A〜Bと、もうホンマにどこからどこまでが正式の試合で、どこからど
こまでが乱入スポットなのか全然分かりません。実際DVDのジャケッ
ト裏とネットで調べた取り組みと、当時の週プロの記事、これらの記載
が全く一致せんし。ま、あんまり固い事を考えんと、ここは気楽な気持
ちでA〜Bを時間差入場式バトルロイヤル(WWFで言うロイヤル・ラン
ブル)やと思ってもらえば宜しいかと。プロデューサーのポール・Eも多
分控え室で若手連中を集め、「せっかくのPPVや、テレビに映りたかっ
たら、お前ら勝手にやれ。誰が勝ってもかまへんデ。ただし生放送やか
ら、最低限時間だけは守ってや」って言ってたんやないやろか(笑)。
CThree-Way Dance :
Yoshihiro Tajiri [w/Steve Corino & Jack Victory] vs.
Super Crazy vs. "The New F'N Show" Jerry Lynn
日本、米国、メキシコとプロレスの盛んな三国から選抜された職人さ
ん達による実に豪華な3WAYダンス。で、客席やお茶の間の誰よりも
この試合を楽しみにしているのが、多分バックステージのモニタにかじ
りついているであろうポール・E。ここら辺り、ファンの目線に立ってって
感じやなしに、単に自分が観たいカードをプロデューサーの特権を活か
して組んでみましたってとこやないやろか。
さて試合ですが、タズのスープレックスを受けて車椅子生活となったら
しいビクトリー、ZERO−ONEで人気爆発のコリーノを従えタジリから
リング上へ。ついで【キチガイ・ルチャドール】のクレイジー、常に引き攣
った顔面である(失礼)リンと登場し、試合開始のゴング。
やはりこの三人さん、魅せてくれましたデ。派手なところではタジリの毒
霧やクレイジーによる選手入場ゲート上からの月面水爆、地味ながら
渋いところではクレイジーの吊り天井や、リンのゴリー・スペシャルを巡
るスポット。大袈裟な話やなく、プロレスって芸が好きなら絶対落胆させ
られる事のない一戦や。このレベルになると勝敗は二の次三の次なん
やけど、取りあえず記しておきます。最初にクレイジーに土が付き、次
にリンの杭打ち式パイルにてタジリが敗退しました。
でも再度言いますが、勝敗なんて次元で語る試合ではないですワ。
Dニュー・ジャック親分と禿頭軍団の抗争史
親分の十八番である工業用ホチキス攻撃を巡る抗争史を、スタイル
スとサイラスが紹介しとります。
EDa Baldies (Tony DeVito, Vito "The Skull" LaGrosso, P.N. News
& Spanish Angel) vs. New Jack , Axl Rotten & Balls Mahoney
前の試合で高度なプロレス芸を堪能させ、今度は血で血を洗う軍団
抗争。今宵もECWレストランでは多彩なメニューを用意してお客様を
お待ちしてますってところか。試合は禿頭軍4人とマホーニ&ロットン
の形で始まり、満場のニュー・ジャック・コールが沸き上がるなか、実況
のスタイルス言うところの【路上の王】、ニュー・ジャックが登場。
当然凶器で満載のゴミ箱を持ち出して来ており、リング上はあっと言う
間にニュー・ジャック親分の独壇場へと変貌を遂げました。
で、ここからは親分の見せ場オンリー。禿頭軍より奪い返した工業用ホ
チキスを相手の体に打ち込み、場外に机を設置して相手を寝かしてお
き『NOVEMBER TO REMEMBER』の垂れ幕が掛けられたバスケ
ット・ゴール上から自殺ダイヴ!!。
よっしゃ、残るはギター・ショットだけと思ったら、何と今宵は自身が喰ら
う番やったみたい。
やるだけやってあっさり負けた、今夜の【路上の王】なのでした。
Fサブゥ&アルフォンソ、今宵は何故か大人しく...
何時もは笛を吹きまくってうるさいアルフォンソなんやけど、どうも様子
が違いますんや。英語が苦手なワシが聞き取ったところ、サブゥの親族
で仲の良かった『Ticho』って人が亡くなった模様。
なるほどサブゥは右腕のバンテージに『Ticho』って書いてるワ。
GSabu [w/Bill Alfonso]
vs. Chris Candido [w/Tammy Lynn Sytch]
AC/DCの『バック・イン・ブラック』に乗って愛妻スィッチ嬢を引き連れ
キャンディード君が入場。スィッチ嬢、太腿辺りの肉付きがヘンにイヤら
しくてなかなかエエ感じ。で、友人を失って傷心気味のサブゥの入場を
待って『Ticho』さんの鎮魂マッチはゴング。
さてこの顔合わせならサブゥから語りたいところなんですが、友人を失
ってどうもサブゥに覇気が感じられません。そやからって訳ではないん
ですが、ここはキャンディード君に注目して語ってみましょか。
まず『ギミック不要の男』と実況のスタイルスが連呼しているのを聞い
ても分かるように、キャンディード君ってなかなか伝統的なレスリングを
現在に継承している稀有なレスラーなんです。
そやから滞空時間の長いスープレックスなんてやると映えるんですワ。
またベノワとタメを張れるダイビング・ヘッドバットなんかも持っているし、
勿論受けのテクも上々。『ギミック不要の男』とある意味『トリッキーが
身上の男』の一戦は、愛妻のテーブル葬を身を挺して防いだダンナが、
サブゥのアラビア式椅子爆弾〜キャメル・クラッチの前に沈みました。
でもキャンディード君、これだけスキルがあるのに、何故メジャーから
声が掛からんのやろ。やっぱり性格面に問題があるんやろか。
H田中、吠える!!
タジリがWWFに転じた際に日本語で台詞を喋ったことがあって驚い
たものやったけど、それより数年前にECWのPPVでは田中が日本語
でアピール。「日本でも、ここアメリカでもトップになる!」。
Iオーサムも吠える!!
ピーター・チューブ?(←マニアなら知ってますやろ)で腕を鍛えながら
オーサムもアピール。
Jえらいこっちゃ、偽ポール・Eが現われた!!
携帯電話を持ってせわしなく喋り続ける男、一見ポール・Eにしか見
えませんが実はババ・レイ&D−ボンのWWF昇格でECWに取り残さ
れたサインガイ・ダッドリーがその正体。ポール・Eをパロってルー・E・
デェンジェラスリーを名乗っているですワ(苦笑)。
KECW Heavyweight Championship Match :
Mike Awesome [w/Judge Jeff Jones] vs. Masato Tanaka
嘘泣きと各種電飾デスマッチにて日本マットに消すに消せない大きな
爪跡を残した大仁田(←誤解せんといてや、褒めてるんでっせ)率いる
FMW。けど師匠大仁田を反面教師として、弟子の田中は何処の団体
に出しても恥ずかしくない立派な選手に成長しました。また田中の対戦
相手であるオーサムもFMWではグラジエーターと名乗り、己の肉体こ
そが最大の売りであると公言し続けてきた男。
FMW時代から数え切れない程対戦し続けてきた2人の試合に目を付
けたポール・Eが、年間最大興行の目玉試合としてECWへ直輸入や。
さてこの試合、99年9月19日の『アナーキー・ルールズ’99』で行わ
れたタズ対オーサム対田中の3WAYダンスの続編ってことなんで、可
能なら『アナーキー・ルールズ’99』を鑑賞されてからご覧になる方が
よりいっそう楽しめるかも。
ま、内容は折り紙つき。小細工なしに相手を思いっきり叩き付け、椅子
で殴り付けたらどうなるかって試合で、椅子攻撃ひとつをとってもこれだ
け説得力のある一撃なんてそうそうお目に掛かれるものやおまへん。
試合はオーサムに凱歌が上がってますが、C同様にこの試合も勝敗な
んて次元で語る内容ではないですワ。
LECW Television Title Match :
Rob Van Dam [w/Bill Alfonso] vs. Taz
WWF昇格が決定し、99年9月19日の『アナーキー・ルールズ’99』
で行われたタズ対オーサム対田中の3WAYダンスにて、後続ランナー
であるオーサムにベルトと言う名の聖火をバトン・タッチしたタズ。
今夜はECWマットへのケジメって事なんやろね、タズとはいろいろと因
縁のあった(物語上、ね)RVDとのシングル戦に出陣ですワ。
さすがに胸に去来するものがあるのか、ゴング前から少々ナーバスな表
情のタズ。強力無比なタイガー・タズプレックスなどを繰り出し、RVDの
必殺技であるヴァン・ダミネーターも返したんやけど、最後はキッチリと
RVDのフィニッシュ・ムーヴである5★スプラッシュに沈みました。
RVDとハイ・タッチをし、ここ最近は憎まれ役をこなしていてくれた元マネ
ージャーのアルフォンソとも握手。ECWのタズ、これで終わりですワ。
MJastin Credible [w/Jason], Lance Stome
[w/Dawn Marie] & Rhino
vs. Raven, Tommy Dreamer [w/Francine] & The Sandman
タズの様にECWを後に、次なるステップへと踏み出した者もいれば、
メジャー団体の水が体に合わずに懐かしき故郷ECWへ出戻って来る
者もいる。今宵ECWで一番勢いのあるユニット、インパクト・プレイヤ
ーズと対戦するは、メジャーには色目を使わずECW一筋のドリーマー
に、メジャーWCWでダメ出しされたレイヴェン&サンドマン。
レイヴェンはオフスプリングの『カム・アウト・アンド・プレイ』を、サンド
マンはお馴染みメタリカの『エンター・サンドマン』をフルコーラス使用し、
出戻り者の悲哀など一切感じさせぬ堂々の凱旋や。
けどやはりECWにも時間だけは残酷に流れてました。サンドマンの竹
刀ギミックはジャスティンが引き継いでおり、それどころか選手紹介時に
はサンドマンのお株を奪い、なんと『ハードコア・アイコン』とまで紹介さ
れる始末。またサンドマン紹介時には、背後のレイヴェンが背中をこづ
くなど、とてもロートル軍(失礼)は一枚岩ではない模様。
試合は両チームの女子マネが絡むキャット・ファイトも盛り込み、レイヴ
ェンの竹刀攻撃がサンドマンに誤爆。直後にジャスティンのジャンピン
グ墓石式パイルがサンドマンに決まり、インパクト・プレイヤーズの勝利
となってますワ。ウーン、年間最大興行のメインはレイヴェンとサンドマ
ンの新たな遺恨造りの場やったんかァ...。 |

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