では収録内容の詳細を
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BAPTIZED IN BLOOD V (約1時間28分収録) |
このDVDは、2002年7月20日にカリフォルニア州ピコ・
リヴェラのスポーツ・アリーナにおいて開催されたXPWの興行を
収めたものですんや。
この夜は『NIGHT OF CHAMPIONS』と名付けられた
興行でして、XPWが認定するタッグ王座、TV王座、世界王座
のタイトル戦と、これらとは別にXPWではダントツのヒット企画
『キング・オブ・デスマッチ・トーナメント』が行なわれるっていう
豪華な内容。さあ、早速内容紹介へと移行しましょか。
尚、『キング・オブ・デスマッチ・トーナメント』は長ったらしい
ので、以下ではKODTと略します。
@Tag Team Championship
Damien 666 & Halloween vs. Pogo the Clown & Juantastico
vs. New Panthers (K. Malik Shabazz & Raphael Muhammed)
vs. AWC & Shady
4チーム参加によるタッグ王座戦。最初に勝ったチームが王座
をゲットってルールではなく、負けチームから退場していき、最
後まで残ったチームがチャンピオンってルール。また試合の権利
を有するものは誰にでも交代を求めるタッチが出来るので、当然
どの選手も負けたくないよって、チーム・メイトではなく、誰か
他のチームの選手に『隙を突いて』タッチをすることに。
試合内容については可もなく不可もなくって感じでメキシコ・モ
スト・ウォンテッド軍のダミアン&ハロウィーンが王座を奪取。
ダミアンはFMWへの来日の頃に十八番としていた『キン肉バス
ター』も見せてくれているので注目か。
あ、それとニュー・パンサーズの片割れやけど、こいつって元W
WFのKクイックなんやないの?
AXPW TV Championship (Ladder Match)
Kaos vs. Chris Hamrick vs. Psichosis
曲者3人による梯子形式のTV王座戦。役者が揃っているし、
梯子戦って舞台も整っているので観戦前は期待していたんやけど、
ちょっと肩透かしって感じに終わってしまいました。
やはり梯子戦はWWFの連中が考え付くムーブを一通り既に発表
してしもとるよって、後発の団体は余程の事をやらんと、「あぁ、
そのネタなら前にWWFで観たワ」ってなってしまうからなァ。
試合は天井から吊り下げられたベルトにケオスとハーミックが2
人ともブラ下がった(ほら、以前WWFでもあったでしょ)状態
から、二人がベルトを掴んで同時に落下。しかもすぐに映像が次
の試合に切り替わったよって、試合の余韻どころかどっちが勝っ
たのかも判明せぬまま。もうちょっとファンの視線で映像編集が
できんのかいな。勉強が足りんデ、XPWさんよ。
尚、ネットで調べたところ勝者はケオスとなってましたワ。
BXPW World Championship
Shane Douglas w/ Veronica Caine
vs. Webb w/ Rob Blakc & Lizzy Borden
ワシ、シェイン・ダグラスって凄く好きな選手なんや。初めて
こいつを見たのはガオラで放送されていた『ECWアワー』でな
んやけど、オールド・ファションの確かなファイト・スタイルと、
古のダーティ・チャンプ直系の卑怯な芸風。しかも口が達者って
のがあいまって、ワシにとっては理想のレスラー像でしたんや。
実際、ポールEは別格として、中期ECWの『現場』を支えたの
はこいつのプロレス頭脳やと思ってます。
そんなダグラスがECWを離脱(ポールEと揉めたとか...)
しWCW経由でXPWに来たと分かった時は、ホンマに嬉しかっ
たモンでした。WCWみたいなビッグ・カンパニーではダグラス
のプロレス頭脳も『現場』の雰囲気を悪くするだけの無用の長物
やろけど、XPWみたいな新興団体では必要不可欠やし。
けど重要なことを忘れてましたワ。プロレスって相手があっての
商売なんや。別にこの夜の対戦相手であるウェブが悪いって訳や
なく、XPWにはダグラスとタメどころか4:6、いや3:7の
存在感を持つ選手さえ居らんのやもん...。
だいたいダグラス自身が自ら輝くってタイプやなしに、自分の卑
怯な芸風で相手を輝かせ、結果として自分も光があたるってタイ
プやしなァ。
あ、それと本DVDと同時期に発売された『REDEMPTION』
には本DVDのプロモが入っていたんやけど、ここには本試合終
了後に発生したダグラスとXPWを牛耳るブラック軍の綺麗どこ
ろリジー・ボーデン嬢の急接近が収められてますんや。
このプロモを見た時は、お、これはECW時代のダグラス&フラ
ンシーン嬢の再現かと期待してたんやけど、なんと本編であるこ
のDVDではこの重要なシーンさえバッサリとカット。
ホンマ、XPWの映像編集者って底抜けのアホやないか!。
今後は編集済のマスター・テープを一度ダグラス先生に提出し、
添削を受けてから市場に出すように。
CXPW Deathmatch Championship
Supreme vs. Angel
『オカマちゃん』ギミックでXPWを震撼させて来たエンジェ
ルが、『ハードコア・ホモ』ギミックにマイナー・チェンジ。
よくもまぁKODTを勝ち抜けたモンやと思いますが、とりあえ
ずスプリーム相手に高所足場形式でKODT決勝戦参加となりま
した。さすがに緊張しているのかエンジェルは表情も動きもぎこ
ちなく、観ているこちらの方が辛い試合展開に。
それでも高所足場形式一番の見せ場は、否応無しに演者へと訪れ
ます。今夜高所落下スポットを志願したのはなんとエンジェル。
これを志願したからこそ決勝まで残る権利を得たんでしょうが、
やはり対戦相手に突き落とされるのは恐ろしかったのやろね、試
合には無関係のはずのダグラスがエアー・ライフル(?)で高所
足場に立つエンジェルを狙撃。これによって足元がふらついたエ
ンジェルはリングへ落下となりました。
しかしキツイ事を言わせて貰うなら、確かにあの高さから落下す
るのは怖いけど、いくらダグラスに狙撃されたからって、これは
スタント・マンを使用しての映画撮影やなしに、プロレスの試合
なんやデ。ニュー・ジャックとグライムスの両者が行なった同形
式の試合はギリギリのラインでプロレスとして成立させとったけ
ど、この一戦はプロレスの範疇で語るべきものやないですワ。
またこの試合もエンジェルの落下と同時に映像が途切れる最低の
編集でして、ダグラスがなぜエンジェルを狙撃するに至ったかの
説明も皆無。実に救い様のないエンディングとなってます。
【DVD特典映像】
@静止画集
特にどうってことのない内容です。
AAltar Boy Luke vs. Vinnie Massaro
KODTの1回戦、本編に収録されなかった試合です。ルーク
がフィニッシュとして背面飛びからのヒネリの入ったファイヤー
バード・スプラッシュを出しよったので少々ビックリ。何処にで
も難易度の高いムーブの出来る奴が居てるんやねェ。
BPogo the Clown vs. Steve Rizzono / Crimson
KODTの1回戦、本編に収録されなかった試合です。リゾー
ノとクリムゾンの顔合わせで始まるところから、どうも最初はこ
の二人が正式エントリーやったと思われますんやけど、試合の途
中から『キチガイ・ピエロ』ギミックのポーゴが強行参戦。リゾ
ーノとクリムゾンを圧倒して無理やり予選突破を果たしてますワ。
CAngel vs. G.Q. Money w/ Veronica Caine
KODTの1回戦、本編に収録されなかった試合です。ブラッ
ク軍所属のエンジェルと、エンタープライズ軍所属のGQマネー、
どっちも軍団の三下格でシングル戦なんてとんでもないってラン
クの選手なんやけど、トーナメントの彩りにとオファーされたみ
たい(笑)。内容はKODTらしくエンジェルが蛍光灯4本をテ
ープで縛った凶器を、マネーがシーク張りのファイヤー・ボール
を駆使するなど、血で血を洗う内容なんですが、やはり三下クラ
スでは迫力不足。また火炎テーブル葬を狙ってマネーが机に油を
撒いて火をつけようとするんやけど、これがなかなか着火せず、
その上ついた火はすぐに消えてしまうといった赤面ものの大失態。
着火温度の低い機械油を使ったからやと思うけど、今後はもっと
火がつきやすい軽油かガソリンを使うことをお勧めしますワ。
DSupreme vs. Sandman
KODTの1回戦、本編に収録されなかった試合です。この顔
合わせなら以前はめちゃくちゃ期待して画面を食い入るように観
たやろけど、最近のサンドマンの『枯れ具合』を知ってしもてる
からなァ。で、案の定、試合はワシの危惧した内容に終始してし
まいました。気になったのはサンドマンが東京愚連隊のTシャツ
を着用していて、サンドマンもノザワらの軍団に入れてもろたん
やろかって思った点。肝心の試合についてはあんまり特記するこ
とはなかったですワ。
◎ボロボロの編集をされてしまった本作。折角のKODTもこれで
はさっぱり全体像がつかめまへんやろ。仕方がないよって、ネッ
トで調べた当夜のKODTの全試合を下に掲示しておきます。
本DVDに収録されなかった試合を含め、こんな様子やったみた
いですワ。(※)は本DVDには未収録の試合。
KODT第1回戦
@Supreme def. Sandman
AAltar Boy Luke def. Vinnie Massaro
BPogo the Clown def. Steve Rizzono / Crimson
CAngel def. G.Q. Money w/ Veronica Caine
KODT準決勝戦
@Supreme def. Altar Boy Luke(※)
AAngel def. Pogo the Clown(※)
KODT優勝戦
@Supreme def. Angel
尚、3つのタイトル戦やKODTとも別枠で、
Snuff w/ JR Benson def. Vic Grimesも行なわれたようですが、
これがどのような性格の試合やったのかは不明です。
【総評】当HPでは出来る限りDVDの良い点を取り上げ、悪い点
は茶化す程度にしようと心掛けているワシですが、このDVDに
は全く良い点が見当たりませんでした。試合内容も全体に低調や
ったし、何度も記したように編集は最低最悪。もう多分二度と我
が家では再生されることはないやろね。断言します、余程カネと
『プロレスに接する気持ち』に余裕がない限り、これは手を出す
べきDVDではおまへん。2002年、ワシが購入したDVDの中で
はダントツのつまらなさでしたワ。 |

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