では収録内容の詳細を

BLOOD!,BRAWLS!& BROADS!
(約1時間52分収録)
 今宵ご紹介いたしますは、3PWって独立団体。
なんとなくスケベな団体名ではありますが、ホンマは【PRO PAIN PRO
WRESTLING】って名前でして、これを略して3PW。
決して皆さんのお好きな複数プレイやおまへんのですワ(苦笑)。
さてこの団体、ペンシルベニア州はフィラデルフィアを本拠地としてます。
フィラデルフィアと言うと察しのエエお方ならピンと来るでしょうが、そう
この団体、今はなきECWの残党が中心となって興されたんですワ。
一応発起人は元ECW〜WWFのブルー・ミーニーと、元々はECWのオ
ーナーであったタッド・ゴードン氏。
当然ECWと縁のあった選手も多数招聘されて、フィラデルフィア土着の
非常に濃いマニア連中に大注目(?)されている模様や。
これまで3PWの興行は【SMARTMARK】ってちょっと怪しいビデオ屋
から団体公認(?)のVHSテープが通販オンリーで発売されており、ワ
シも買ってはいたんですが、この度やっとオフィシャルDVDが発売に。
ただ映像はDVDの最後に【SMARTMARK】ってテロップが流れるとこ
ろを見ると出元は推測出来ますな。けど本DVD、2倍録画って特殊なV
HSテープとは比べ物にならない映像クオリティーで、やはりオフィシャル
DVDはありがたいなァと痛感いたしましたワ。
では2002年2月15日に旗揚げされた3PWの、2002年初秋までの
名場面集を手堅く編集した本DVD、早速レビューいたします。

@Rockin Rebel Vs.
 "Pitbull" Gary Wolfe (Dog Collar Match) (2002-3-18) 
  『3 Men & A Bodybag』と銘打たれた2002年3月18日の興行から。
 ゲイリー・ウルフはECW在籍時にはアンソニー・○×と2人でピット・ブ
 ルズなるチームを組んでおりました。当時ECWにはパブリック・エネミ
 ー、ダッドリー・ボーイズ、ギャング・スターズ、イリミネーターズらタッグ
 の名チームが多数在籍しており、ピット・ブルズもこの一角に強引に割
 り込んで活躍していたものです。で、アンソニー(通称ピット・ブル2号)
 の消息は知りませんが、ゲイリー(通称ピット・ブル1号)はこうしてEC
 Wの名残を強く残す団体に戻って来てまずは一安心。当夜は得意の
 “犬の首輪戦”でレヴェルと対することに。さて、ワシは選手の動きが
 大きく制限されるこの手の試合形式、余り好きではないんやけど、ゲ
 イリーもその辺りは当然承知済みで、椅子攻撃などをふんだんに盛り
 込んでややもすると単調になりがちな試合にアクセントを付加。
 机の上へのデス・バレー・ボム(元祖は三田のえっちゃん)、ブレンバ
 スターの2連発でレヴェルを沈めました。
 ただし当初はデス・バレー・ボムで勝つつもりやったのに、机が割れな
 かったので予定になかったブレンバスターも出したのやと思います。
 でも結局、机は割れなかったけどね(苦笑)。
ARob Eckos Vs. Josh Daniels (2002-6-29)
  『A War Renewed』と銘打たれた2002年6月29日の興行から。
  3PWの“ヤング・ライオン”と目される2人のシングル戦。ロブはヒー
 ルの役回りのようで、観客のヒートを買おうと奮闘しとりますワ。
 試合はロブのトルネードDDTを返したジョシュがスープレックスからガッ
 チリ固めてロブをフォール。2人とも頑張りや。
BDanny Doring Vs. Devon Storm (2002-8-24)
  『Babes, Belts & Blood』と銘打たれた2002年8月24日の興行から。
 この夜は3PWの初代王者を決定するためのワン・ナイト・トーナメント
 が開催されたんや。トーナメント参加者はジョーイ・マシューズ、ゲイリー
 ・ウルフ、ブルー・ミーニー、クリスチャン・ヨーク、パブリック・エネミーか
 らロッコー・ロック、クリス・チェッティ、デボン・ストーム、ダニー・ドーイン
 グと8人全てがECWと縁のある選手。この面々の名前だけでもECW
 マニアなら涙がちょちょ切れるでしょ。で、本DVDに収録されたのは予
 選第4試合で組まれたストームとドーイングの一戦。場外の機材置き場
 での乱闘や場外フェンスを立体的に駆使したスポットなどを盛り込んで、
 最後は顎砕きでドーイング(元ECW道場の優等生)が勝利や。
CThe Blue Meanie vs. Christian York (2002-8-24)
  Bと同日収録のトーナメント予選第2試合。上記したようにミーニーこ
 そは3PWの主催者の1人でありまして、実はエライお方なんや(笑)。
 けどこうして身を粉にしてトーナメントに出るんやから主催者とは言え、
 楽はしておりませんな。試合は若手のヨークがエプロンを走って助走を
 つけて場外へダイヴって見せ場で、足を滑らせてリング下へ転落して
 しまう大失態。途端に客席からは「YOU FUCK UP!」の大合唱や。
 何とかミーニーを丸め込んで勝利したヨークでしたが、よりによってこん
 な恥ずかしい試合をDVD化されてしまうとはね...。
DWet T-Shirt Contest hosted by Ron Jeremy and
 judged by Tod Gordon featuring Jasmin St. Claire, Dream,
 Brianna, Angel and others. (2002-8-24)
  インディ団体にとってバイオレンスとともに団体運営に欠かせないの
 がエロ。3PWにおいては主催者ブルー・ミーニーのガール・フレンドで
 あるジャスミン嬢がAV女優さんってこともあって、毎回興行にはジャス
 ミン嬢を取り巻くエロ風景がふんだんに盛り込まれますんや。
 で、この夜はAV監督のロン・ジャーミー氏を司会に、元ECWオーナー
 であり現3PWオーナーであられるタッド・ゴードン氏を審査員に招いて
 【びしょ濡れTシャツ・コンテスト】で客席の殿方の下半身のご機嫌伺い
 となりました。あ、【びしょ濡れTシャツ・コンテスト】の詳細は当HPの3
 PWの2003年2年15日のVHSテープ紹介の項を見て下さいな。
 コンテストはジャスミン嬢と多分彼女の仕事仲間であろう2人、胸に詰
 め物をしたブルー・ミーニーの計4人が濡れたTシャツ越に自慢の巨乳
 を競い合った末にジャスミン嬢が優勝。これに納得しない2人のおねえ
 ちゃんがジャスミン嬢とキャット・ファイトを行うって展開に(苦笑)。
 またエンジェルなる女性が度々ジャスミン嬢に突っ掛かり(理由は不明)
 巨漢のサングラス男(元ECWの911か?)に何度も排除されとります。
EBad Breed Vs. Public Enemy (2002-6-29)
  Aと同様、『A War Renewed』と銘打たれた2002年6月29日の興行
 からの収録。初期ECWの名物タッグ・チームであるパブリック・エネミー
 がWCW解雇を経て感動のECWアリーナ凱旋。
 相手を務めるはこれまた初期ECWにおいて流血戦専門でブイブイと言
 わせて来たアクセル&イアンのバッド・ブリードや。
 隆盛期のECWアリーナと比べると観客動員数は激減なんやけど、観客
 はどいつもこいつも満面の笑顔で「WE WANT BLOOD」と連呼しなが
 ら両チームの御帰還を歓迎。
 各独立系団体を荒らしまくっているアクセル以外の3人は少々オッサン
 臭くなってしもてるけど、ゴングと同時に全員が凶器&狂気全開で大乱
 闘を開始。イアンがこっそりとタジリの十八番のタランチュラを盗用してや
 ってはみるものの、どうしても流血戦の迫力の前には霞がち。
 しからばと試合は残虐モードが加速。イアンが工業用ホチキスによって
 両頬、鼻、顎の四箇所に紙幣を打ち込まれ、パブリック・エネミーのジョニ
 ー・グランジが観客に向かって「リングに椅子を投げ込め!」と檄。
 あっと言う間に客席から百以上のパイプ椅子が宙を舞ってリングに投げ
 込まれ、選手は4人ともパイプ椅子の山に埋まってしまいよった!!
 初期ECWでも何度か見られた光景ですが、こうして21世紀に3PWの
 リングで再演されようとは誰が予想したやろ。断言するワ、必見や。
 尚、パイプ椅子の下から這いずり出した4人は再度試合を開始し、絶妙
 のタイミングでダブル・フォール。闘いが終わればノー・サイドで、観客と
 一体となってこの大流血戦を誇るかのようなガッツ・ポーズ。
 試合中のデンジャラスなスポット時には【ECWコール】を連呼していた観
 客が、試合終了後には【3PWコール】へ移行したけど、冷静に考えれば
 ECWって亡霊をみんなで寄ってたかって死姦しているだけか。
 それでもプロレスってジャンル以外では絶対に味わえない、実に感動的
 な試合ではありました。
 蛇足ですがパブリック・エネミーのロッコー・ロック、この約3ヶ月後の20
 02年9月21日に車で移動中亡くなってしまうんや。
 この9月21日って3PWの興行があったんやけど、もしや3PWへ参戦す
 るために車を走らせていたんやないやろか。合掌...。
FChristian York Vs. Gary Wolfe (2002-8-24)
  B、Cと同日収録のトーナメント決勝戦。トーナメントの様子は予選で
 ゲイリー・ウルフがジョーイ・マシューズを、ブルー・ミーニーがクリスチャン
 ・ヨークを、ロッコー・ロックがクリス・チェッティを、ダニー・ドーイングがデボ
 ン・ストームをそれぞれ下し、準決勝戦でゲイリーがドーイングを、ヨーク
 がロックをそれぞれ下して決勝戦へと歩を進めております。
 で、決勝戦はやはりキャリアにおいて分のあるゲイリーの勝利。
 3PWって団体の生い立ちを考えると、ある意味トーナメント参加者の中
 で一番妥当と思われる者の腰に3PWのベルトが巻かれることとなりま
 したんや。
GSabu Vs. Syxx Pac (2002-9-21)
  『This Ones For You』と銘打たれた2002年9月21日の興行から。
  この夜のビック・サプライズは何と言ってもシックス・パックの参戦や。
 WCW在籍時はシックス、WWFに転じてからはXパックと名乗って常に
 スポット・ライトを浴びていたスーパー・スターと、メジャー団体での活動
 に少しの意味さえ見出すことのできない生粋の裏街道野郎であるサブ
 ゥがECWアリーナで運命の激突。
 XパックがWWFでの活動に嫌気を感じなければ絶対に実現しなかっで
 あろう、アメ・プロ・ファンなら泣いて喜ぶ顔合わせですワ。
 試合はシックス・パックがあえてサブゥの表現領域に足を踏み入れた格
 好で、サブゥの繰り出す掟破りのXファクター、ハサミの使用による額の
 切り裂き、キャメル・クラッチ、執拗な腕殺し、場外テーブル葬と一連の
 ムーヴを全て受け切り、最後に純正Xファクターからテーブル上へのX
 ファクターとつないでサブゥを下しております。
 いやー、ショーン・ウォルトマン(シックス・パックの本名)のプロレス・ス
 キルの奥深さが感じられる、これはホンマに好勝負でしたな。


【DVD特典映像】
○Sandman vs. New Jack vs. Sabu
 (3Way Body Bag Match) (2002-3-18)
  本編収録の@同様、『3 Men & A Bodybag』と銘打たれた2002年3月
 18日の興行から。
 どないでっか、この豪華な面子による3WAY戦。それぞれECW在籍時に
 はそれなりのポジションを築き、ECW崩壊後も腕っぷし一本で各独立団
 体を渡り歩いている3人の芸人達の一瞬の邂逅でっせ。
 尚、特別レフリーは3PWオーナーのタッド・ゴードン氏や。
 まず試合の序盤は、お馴染みのちょっと危なそうなラップが場内にガンガ
 ン流れ、ニュー・ジャック親分が手鎌をサブゥに、工業用ホチキスをサンド
 マンの額とサブゥの股間に見舞ってペースを握りました。
 そしてラップが途絶えた試合中盤、サンドマンは巨大梯子を持ち出し、サ
 ブゥは十八番の椅子&フォーク攻撃にと、それぞれの見せ場を作ります。
 またサブゥがニュー・ジャック親分の額に紙幣をホチキスで打ち込むって
 残酷なスポットも含め、血生臭い乱闘は果てしなく続きますんや。
 あ、この試合ですがボディ・バッグ戦ってやつでして、ボコボコにやられて
 動けなくなりレフリー陣からシーツで包まれてしまったら負けってルールで
 して、まずはニュー・ジャック親分がシーツに包まれるんやけど、親分は手
 鎌でシーツを切り裂いて呪縛から脱出し、敗戦を断固拒否。
 やはり“オリジナル・ギャングスター”は強いなァと思わせたんやけど、守
 勢に回ると途端に弱くなる面が今夜も顔を出し、まずは親分が退場。
 サンドマンとサブゥの直接対決へ移行したところで、何とECWでは“毒マ
 ムシ”、“オトコ芸者”と悪名を轟かせていた悪役マネのビル・アルフォンソ
 が花道からリング・イン。長くサブゥのマネを務めていたので、あ、これは
 3PWにおいてサブゥ〜アルフォンソの名コンビが復活かと思わせたんや
 けど、あろう事かアルフォンソはサブゥに攻撃を仕掛けよりますんや。
 で、この試合の特別レフリーがタッド・ゴードン氏ってところが俄然クロー
 ズ・アップ。なんせゴードンとアルフォンソは犬猿の仲で、ECWにおいて
 何度も“オトコ版のキャット・ファイト”を繰り広げた因縁の間柄。
 特別レフリーってポジションを忘れ(?)、アルフォンソがサブゥを攻撃する
 ならワシはサブゥ擁護に回ると決意し、何と何とサンドマン&アルフォンソ
 対サブゥ&ゴードンのタッグ戦へと移行(エゲツないな、やる事が)。
 結局試合は不透明決着で次回興行へ遺恨を持ち越し。サブゥ&ゴードン
 が去ったリングではアルフォンソが観客の投げ付けるペット・ボトルを避け
 つつサンドマンにビールを飲ませ、絶好のタイミングでサンドマンのテーマ
 である『エンター・ザ・サンドマン』が場内に流れ出しました。
 (映像がここでブチ切れなのが悔やまれるワ、『エンター・ザ・サンドマン』
 をフル・コーラス収録でも良かったのに)。 


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