では収録内容の詳細を

ALL OUR BLOODY BEST Vol.1
(VHS−TAPE)(約1時間45分収録)
 本作はDVDではなくって、VHSテープ。お馴染みSMARTMARKから
1本15ドルで発売されている団体公認(?)の代物です。
内容はIWA−MIDSOUTHって独立団体の過去の流血試合を特集した
いわゆるベスト編集ものなんですワ。さて、IWA−MIDSOUTHといって
も皆さんなかなかピンと来ないでしょうな。この団体は以前ECWでアクセ
ル・ロットンと2人“バッド・ブリード”ってユニットを結成していたイアン・ロッ
トンが中心となって96年にケンタッキーはルイズビルにて旗揚げされた
んやそう。通常、独立団体はどこも寿命が短いものなんやけど、96年旗
揚げってことはそれにりに浮き沈みの激しいシーンにあって健闘しとる部
類に入るんやないやろか。
今回購入したビデオ、どの試合も正確な収録日付は不明なんやけど、ど
うもどれも結構年季の入った映像みたいで、実況等のコメントもなくひた
すら“人気の少ない”会場での“シークレット・ギグ”をワン・カメラで延々撮
影したもの。ま、それだけに貴重なドキュメントでもあるんやけどね。
では収録内容の詳細をお伝えいたしますワ。
 
@Mad Man Pondo vs Corporal Robinson vs Psycho Sam Cody
 No Rope Barbed Wire, Carribean Spider Web Glass Death Match 
  CZW所属として大日本プロの興行にも参戦しているポンドの、どうも
 CZW合流前の映像みたい。レスラーが上がると今にも壊れてしまいそ
 うな安普請のリングを何処かの空き地に設置し、今夜の舞台は完成。
 試合形式はノー・ロープ有刺鉄線方式で、リング下には有刺鉄線のス
 パイダー・ネットや蛍光灯を仕込んだトラップ等が鎮座しとります。
 試合はポンド、ロビンソン、コディによる3WAY戦で、まずロビンソンが
 乱入者(名前は不明)によりスパイダー・ネットへ叩き込まれ、まばらな
 がらも熱いマニア達から“IWAコール”や“HOLY SHIT!”を獲得。
 ロビンソン敗退後はポンドとコディのシングル戦へと移行するんやけど、
 映像を撮っているカメラが固定式の一台のみなので、リングの向こう側
 のトラップを巡って両者が闘われても何が何やら(苦笑)。
 しかも結局試合はリングの向こう側のトラップにより決してしもて...。
AIan Rotten vs Ox Harley
 Taipei Death Match
  タイペイ・デス・マッチとはガラスの破片をバンテージにくっ付けて両者
 がひたすら殴り合うって試合。甲羅の凸凹した亀をタイペイ亀って言うか
 ら語源はそこにあるんやと推測します。あ、イアン・ロットンはこの試合
 形式のスペシャリストなんやろか、ECW在籍時にアクセル・ロットンとも
 この形式で闘ってます(詳細は『PATH OF DESTRUCTION 』参照)。
 試合は蛍光灯や有刺鉄線バットも導入され、イアンがオックスを火炎テ
 ーブル葬に処そうと画策。けどオックスに返されて自身が炎上してしまう
 羽目に。最後は網打ち式原爆固めで何とか勝ったけど、イアンの辛勝や。
BBull Pain vs Todd Morton : Steel Cage Match
  20分に迫ろうかという大熱戦の金網マッチ。ここではヒールとしてなか
 なかエエ味を出しているトッドに注目や。ベノワ風の井出達で、スープレ
 ックスも金網頂部からのダイヴ攻撃も決して悪くはなかったデ。
 最後はトッドの仲間が介入し、これを食い止めようとイアンも参戦するけ
 ど、結局ブルもイアンもボコボコに。あ、例によってワン・カメラでの撮影
 なので、アップで金網内の選手を撮影しようとすると自動焦点装置が作
 動してどうしても手前の金網にピントが合ってしまい、中の選手は折角
 の流血姿がボケてしまうんや。これはちょっと残念やったな。
CRollin Hard vs Ian Rotten
 4 Corners of Pain including a small swimming pool
 filled with barbed wire and rubbing alcohol
  IWA−MIDSOUTHのベルトを保持するローリンにイアンが挑戦。
 またまた夜間の屋外の空き地での興行のようで、リング上やリング下に
 どのようなトラップが仕込まれているのか判明せず。しかもこの夜の撮影
 は花道奥からのワン・カメラなので、リング4方の内の2方のトラップがリ
 ングの陰になったまま。ウーン、ここはハンディ・カメラも欲しかったな。
 試合はローリンが持ち出したハサミでイアンの額が切り裂かれ、お返し
 とばかり蛍光灯が乱雑に入れられた箱の中にローリンが落とされます。
 で、最後は傷口に染み込ます目的でたっぷりとアルコールの入れられた
 有刺鉄線トラップにローリンが投げ込まれてジ・エンド。
 イアンの腰にベルトが巻かれることとなりました。
DMad Man Pondo vs Mean Mitch Page
  Cと同日の試合のようです。これ、試合開始早々にポンドがペイジの
 頭部に十八番の“道路標識攻撃”を行ったんやけど、どうも打ちどころが
 悪かったみたいでペイジは側頭部から大出血(カクタス・ジャックやない
 けど、耳が千切れたのやないやろか)。で、試合どころやなくなったのや
 ろね、ドクドクと血を流すペイジが大映しとなって画像は途絶えました。 
EBull Pain vs Vampire Warrior (Gangrel) w/ Luna
  推定観客動員数92人の体育館にてペインを相手に闘っているのは、
 WWF在籍時にはエッジやクリスチャンを従えて“ドラキュラ・ギミック”を
 やっていたガングリル。傍には業界では由緒正しき“狂犬一族”の血を
 引くルナ夫人も控えておりまっせ。閑散とした体育館のフロアー全体を
 戦場に、ラスト・マン・スタンディング方式のとられたこの試合、ルナ夫
 人の的確にしてセコいフォローもあって、ガングリルが勝利を収めてお
 りますワ。ワシ、この試合を観ていてホンマにこの夫婦が羨ましく思えま
 した。いくら“狂犬”の血が流れる不細工な嫁でも、こうしてダンナの仕
 事を理解してくれてるんやモンね。最高のパートナーやんか。
 末永く幸せに暮らしてや。で、何時か何処かの試合会場でワシら夫婦
 と遭遇出来たらエエのにな。
FMad Man Pondo vs Ian Rotten w/ Luna 
  ここまでビデオを見てきて思うんやけど、もしデス・マッチに禁制薬物
 と同じくアッパー系のものとダウナー系のものがあるのなら、IWA−M
 IDSOUTHは完全に後者(あ、ワシはジャンキーやないで。お酒は好き
 やけど煙草は吸ったことがないくらいやモン)。
 で、その代表試合がこれ。Eと同じ日の収録で、ロットンにはガングリ
 ル夫人のルナもセコンドに付き、延々とチューニングを下げた歪んだギ
 ターで奏でられるへビィ・ロックのような試合が続きます。
 最後は両者血まみれのなか、ポンド一派のレスラーが試合に介入し、
 イアンやルナ夫人までが毒牙に。嫁ハンの一大事にガングリルも駆け
 つけるんやけど時すで遅し。リングにはイアンとルナ夫人が横たわって
 おりました。


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