では収録内容の詳細を

このDVDはリージョン『1』なので注意して下さい!

BEFORE THEY WERE FAMOUSE
 (120分収録)
 10年程前に、週刊プロレス誌のアメ・プロ欄にて米国のFMWと紹介
されていたSMW。友人達との呑み会の席で、一度は観に行ってみた
いものだと酒の肴になっていた。
で、時代は変わって今やネット通販花盛り。検索サイトに団体名を叩
き込めば、いかにも怪しそうなHPに裏モノであろうSMWのビデオも
メニューの一つとしてアップされている。
もともとロックのブート・ビデオで画質の悪いものにも免疫があるワシ、
一度は買ってみようかと思っていたのやけど、エライご時世になりまし
な、皆さん遂にSMWの正規版DVDでっせ。
しかもこの作品は、現在スーパースターとなった各選手の修行時代を
特集したもので、鑑賞前から興味深々のブツでした。
では各々の収録試合を紹介しまっさ。
尚、各選手の現在の芸名は、カード名と一緒に英語で書いてある
ので、面倒がらず一読して下さいな。
それと副音声では、米国レスリング・オブザーバー誌の
デイブ・メルツァー記者が解説をしているようで、多分耳よりなネタが
含まれていると思われますが、ワシは英語が苦手やからなァ。
バイリンガルさんは、どうぞ副音声で二回続けて鑑賞して下さいな。

@The Headbangers (Mosh and Thrasher) vs.
 Flash Flanagan and Chris Michaels
 まずはWWF時代と同様のギミックで登場のヘッド・バンカーズ
 男のくせにスカートを履いているのが気に食わないのか、向こう正面
 最前列のおばあちゃんが怒る怒る(笑)。
A"Hollywood" Bob Holly (Hardcore Holly) vs.
 Paul Miller: From 1992
 続いて今や米国随一の人気番組と化したタフ・エナフの二代目
 鬼軍曹ハードコア・ホーリーの若手時代。
 ショッキング・ピンクのコスチュームが目にしみて来ますな。
 でもコーナー・ポスト最上段に登った際にバランスを崩して落ちそうに
 なるのは減点もの。これでは鬼軍曹を名乗っても、練習生に笑われ
 まっせ。多分、本人も観られたくない過去やろうな(笑)。
BJerry Lynn vs. Killer Kyle: From 1992
 WWFの番組内でキングがリンの独特の風貌を茶化していたけど、
 やっぱり若かりし頃もそれは変わりまへんでした。
 相手を務める(勝つんやから、勤めたのがリンか)カイルについては
 この試合と同時期に臨海スポーツ・センターで催されたW★INGの
 興行で生で観たことがおます。多分中牧&三宅『薔薇色の未来』綾
 とのハンディ戦で、三宅を軽く一蹴したはずですワ。
 殺し屋ギミックなんやろね、ライフル銃が入ってそうなバイオリン・
 ケースをリングに持参して来た事を、たった今思い出しました。
CDark Secret (Road Dogg) vs.
 Dixie Dy-No-Mite! (Scott Armstrong)
 今夜、パトリオットのパチモンのようなマスク・マンに負ける役をおおせ
 つかったのは、全身真っ黒のタイツとマスクに身を包み、一見すると
 まるでオタマジャクシのような現ロード・ドッグ
 哀れ、ご法度の薬品所持の容疑でWWFを解雇されたそうですな。
 しかしジャケット裏の解説がないと、オタマジャクシがロード・ドックとは
 誰も気付かんろなァ。
 って言うか、ホンマにアイツが入ってのんやろか。
 何と言ってもオタマジャクシやもん、確かめようがありまへんワ(笑)。
DCrash the Terminator (Hugh Morrus) vs. Miguel Perez
 崩壊寸前のW★ING大阪府立大会でも同様のカードが組まれて
 いて、これも現場で観ましたワ。多分入場料は千円やったかと。
 終盤に妖怪児サリバンとナイトストーカーが乱入して来ます。
EKevin Sullivan and Nightstalker
 (Adam Bomb/Wrath/Brian Clarke) vs.
 "White Lightning" Tim Horner and "Primetime"Brian Lee
 この辺りになると、10年前に日本のインディ団体が大好きやった
 ワシには涙モノのカード。誰に注目してもOKですな。
 この試合の終盤には、タズマニアック(現タズ)が乱入します。
FTazmaniac vs. Robert Gibson: From 1993
 しかし前の試合に乱入した選手が、次の収録カードに引き継がれて
 行くあたり、なかなかツボを押さえた編集やね。
 まだ原人ギミックやった頃のタズですワ。
GTammy Fytch Interview: From 1993
 元祖ブリッ子(死語やね、恥ずかしいワ)女子マネのサニーちゃんの
 インタビュー。垢抜けせん田舎学生風の装いがたまりまへんな。
HThe Heavenly Bodies (Dr. Tom Pritchard and
 "Jiggalo" Jimmy Del Rey) vs. the Bruise Brothers (BluBrothers
 /D.O.A./Creative Control/"Big Ron" and "Heavy D" Harris)
 プリチャードは次期WWFの幹部候補やとゴング選手名鑑にありま
 したが、ホンマなんやろか。デル・レイはFMWファンには『青い目
 の大仁田』、ジミー・バックランドの方が通りが良いか。
 こいつも和歌山大会で観たけど、ガッツある試合を誉めてやろうと
 肩を叩いたら、手に洗っても洗っても取れない臭い臭い汗が付いて
 しもて難儀した事がおましたワ。
 相手チームのブルース・ブラザーズは剛軍団の常連さんでしたな。
 試合は会場外へ飛び出す乱戦で、分けに入る若手の中にも、
 何やら知った面々が居るみたいでした。
IChris Kanyon vs. Brian Lee: From 1993
 どちらも後々WWFから烙印を押されてしまう大型選手同士の一戦。
 リーのマネに就いたサニーちゃんが、これまた「痛い」装いで。
JLouie Spicolli vs. Chris Candido
 もうエエ加減にして欲しい、今度はピンク色のスーツに身を包んだ
 サニーちゃん。今夜は生涯のパートナーとなるキャンディードを懸命
 にお手伝い。キャンディード君、サニーちゃんを手放したらアカンで。
 また相手の故スコピーリ、後にECWで玄人受けするんですワ。
 あ、思い出した。キャンディードって、ブロンド・ボンバーなる名で
 初期FMWに来てましたな。当時、何とかならんかその名前って
 思ったものやけど、あれって多分ターザン後藤が、
 「なに、キャンディード?、舌を噛みそうだな。金髪なんだから
 ウチに上がる時は、ブロンド・ボンバーって名にさせろ。」って勝手に
 決めてしもたんないんやろかなァ(笑)。
KThe Thrillseekers (Chris Jericho and Lance Storm) vs.
 the Infernos: From 1994
 このもう少し前に、サドン・インパクトなるチーム名で、FMWにも
 来日しており、奈良の外れの空き地であった興行で生観戦しました。
 あの時は後藤に椅子でド突かれ、ボコボコにされていたものでした。
 フーン、米国ではスリル・シーカーズなんて小洒落た名前やったんか。
 これも後藤が勝手にサドン・インパクトにしてしまいよったんやろか。
 それとこの映像を見ていたウチの嫁さんが、現在と全く同じタイツを
 着用しているストームに目ざとく気付き、「ストームって物持ちが
 エエんやね」って感心してましたワ(笑)。
 尚、勝者インタビューも収録されていました。
LThe Gangstas (Mustafa Saed and New Jack) vs.
 the Rock N' Roll Express (Ricky Morton and Robert Gibson)
 : From1994
 マイク・タイソンのTシャツを粋に着こなすは、思想派過激分子
 ニュー・ジャック親分。こいつは一度は生で観てみたい選手なんや
 けど、どうも入国許可が下りないって噂を聞きました。
 しばらく前にFMWに来るって事で会場まで行ったんやけど、やっぱ
 り来日しておらず、落胆させられたものでした(当然観戦は中止)。
 しかしゴング名鑑によるとECW時代に若手選手相手に殺傷事件
 起こしたらしい(鵜呑みにせんといて、相手はゴング名鑑や)相方の
 ムスタファでさえ大日本マットに上がっているのに、親分はホンマに
 何をやらかしてしもたんやろね。
 尚、試合に負けた二人は腹いせに仲間を呼び込み、モートンを
 血祭りにしてしまいます。いやー、ホンマに悪モンやねェ。
MGangstas Interview
 先の試合直後のギャングスターズのインタビュー
 でもここでの注目は、さっきギャングスターズと一緒にモートンを
 手に掛けた乱入者の片割れ。なんと現WWFのDロウやんか。
ND'Lo Brown vs. Steve Armstrong: From 1994
 で、Dロウの試合がこれ。スパインバスター・ボム、首を振り振り
 罵る態度と完全にこの時点で芸風は出来あがってますな。
 ただしワしは嫌いな芸風やけど。
OCactus Jack vs. Boo Bradley
 そろそろDVDも佳境に入り、やっとの出番でハードコア伝説の
 生き証人カクタス・ジャックの登場となりました。
 こついが観たくって片道3時間程かけて、三重県の伊賀上野まで
 行った事があり、友人はその時カクタスとツー・ショットで撮った
 写真をまだ大事に保管しているそうです。
 忘れたらアカンで、シャッターを押してやったのはワシなんや。
 さて今夜のカクタスは黒のタイツの両サイドが花柄の生地で
 飾られていて、ちょっと乙女チック。
 それでもBANG!BANG!の奇声は忘れてませんが。
 また相手のブー・ブラードリィって良く観てみると、後にECWで
 デッカイ金玉の持ち主ってギミックで、デスマッチ路線の脇を
 固める事になるボールズ・マホーニーさんやおまへんか。
 そうでっか、この当時はサルマタ一丁で試合をしてたんでっか。
PUnabomb (Kane/Isaac Yankem/Fake Diesel)/
 "Hot Stuff" Eddie Gilbert vs. the Rock N' Roll Express
 極悪兄貴のアンダーテイカーに幼少時代に顔面に大火傷を
 負わされたらしいケイン。ま、WWFがでっち上げた作り話やと
 思っていたら、ユナボムの頃からホッケー・マスクを着用しとるや
 おませんか。ならば火傷の話ってホンマやったんやろかって思っ
 たら、やはり試合開始前に傷ひとつない素顔を見せてくれました。
 やっぱりな、WWFの嘘つき(笑)。
 次に故エディ・ギルバート。こいつはW★ING来日時に、ブギー・
 マンなる被りモンを命じられ、これに反発して弟のダグと一緒に
 突然試合中にマスクを脱ぎ捨て、試合を放棄してしまった
 困りんぼさんでしたな。
QAl Snow w/Unabomb vs. Ricky Morton: From 1994
 やっとDVDの大団円。とりを勤めますは、タフ・エナフの初代
 鬼コーチであるアル・スノーとRR特急のモートンの一戦。
 ここまであえてRR特急に触れませんでしたが、流血戦が良く
 映えるようにブリーチ・アウトしたのであろう銀髪のモートンが
 最高に楽しめます。悪者キャラではないアル相手でも、得意の
 流血に自らを追い込むんやモン、たまりませんワ。
 米国田舎プロレスの真髄、ここにありって感じです。
 また最後は乱入したユナボムの豪快なパワーボムが、相手
 かまわず炸裂します。

<総評> 90年代前半のインディ全盛期を体験した人は勿論、
 最近WWFを初めとするアメ・プロにはまった方にも、非常に
 楽しめる内容で、廉価版であるのが信じられない出来でした。
 ただワシが感じたのは、会場の雰囲気。94年頃といえば、
 我が国ではワシらみたいな【汚れファン】しか会場には居て
 なかったけど、米国ではこんなに長閑な空間が存在してたんや。
 ホンマにどこを見ても、子供とお年寄りばっかりやんか。
 どっちがエエ、悪いの問題やないんやろけど、楽しそうにリングを
 見つめている人達の目は、ワシみたいにドンヨリと
 曇ってはいませんでしたワ...。

私どものHPによく遊びに来ていただいている『キングコングニー
さん』が、以下の情報を報告して下さいました。
副音声のコルネットとメルツァーの会話からのネタやそうです。
Cのオタマジャクシ、いやロードドッグ(笑)は当時まだ海軍に所属
していてデザート・ストーム・オペレイションという任務で実家近くに
配属中。「それじゃあ一丁、親父や兄貴のようにリングに上がるか
!」と言ったかどうかは知りませんが、皆の上がっていたSMWに
登場。そしてこの一戦で”兄貴”スコットと肌を合わせた...。
そう彼、実はナンとアームストロング家の末っ子ブライアン・アーム
ストロング。ただ、今まで一度もアームストロング名で表には出て
いないそうです。


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