では収録内容の詳細を

このDVDはリージョン『1』なので注意して下さい!

BLOOD ,BRAWLS AND GRUDGES
(約2時間3分収録)
 10年程前に、週刊プロレス誌のアメ・プロ欄にて米国のFMWと紹介
されていたSMW。友人達との呑み会の席で、一度は観に行ってみた
いものだと酒の肴になっていた。
で、時代は変わって今やネット通販花盛り。検索サイトに団体名を叩
き込めば、いかにも怪しそうなHPに裏モノであろうSMWのビデオも
メニューの一つとしてアップされている。
もともとロックのブート・ビデオで画質の悪いものにも免疫があるワシ、
一度は買ってみようかと思っていたのやけど、エライご時世になりまし
な、皆さん遂にSMWの正規版DVDでっせ。
今回のDVDは以前発売された『BEFORE THEY WERE FAMO
US』の続編とも言える一編で、『血と喧嘩と遺恨』と題されたもの。
どないですやろ、嫌でも血沸き、肉躍って来まへんか(笑)。
尚、音声は二重に収録されていて、当時の実況とは別にジム・
コールネット氏とレスリング・オブザーバー紙のデイヴ・メルツァー
記者が解説をしているので、英語に堪能な方はこちらを聞かれて
みてはどないかな。ワシは英語が苦手やからアカンけど、多分非常
に『濃い』会話がなされていると思うから。
バイリンガルさんは、どうぞ副音声で二回続けて鑑賞して下さいな。

@Beautiful Bobby Eaton & Sweet Stan Lane &
 Dr. Tom Prichard w/Jim Cornette vs.
 The Rock & Roll Express & Arn Anderson
 ・さてこのDVD、冒頭から熱い6人タッグ戦が収録されとります。
  こざかしい技の応酬より、やっぱりこんな殴り合い蹴り合いの
  方が見ていて楽しいですな。ただマスター・テープの保存状態が
  良くなかったのか、ところどころ画面が乱れるのが難点。
  試合はコールネットがAAに捕まりあわやって場面も盛り込みな
  がら進み、最後はなんとコールネットが凶器として投げ入れたテ
  ニス・ラケット(この人の常用の凶器みたいや)が相手側に渡って
  イートンが沈みましたんや。
ARock & Roll Express & Randy "Macho Man" Savage vs.
 Brian Lee & Chris Candido & Bruiser Bedlam
 w/Jim Cornette & Tammy Fytch
 ・ベッドラムって知らん選手やな。DVDに収録の選手のバイオグラ
  フィによると新日本やWAR、FMWに来日経験ありとあるんやけど、
  FMWにこんなヤツ来たことあったかなァ?。新日本やWARには
  疎いけど、ワシはFMWには詳しいはずやったのにな。覆面被って
  出場してよったんやろか。それにしてもRR特急は華のあるチーム。
  コールネットや後にキャンディードの夫人となるサニーちゃん(当時
  は別の名)なども脇を固める、これも熱い試合や。
BRick and Scott Steiner vs. The Heavenly Bodies
 ・スタイナー兄弟が飼い犬を連れてリングに登場。こいつがまた小
  型やけど、すごく凶暴そうな犬で、プリチャードとデル・レイから成
  るヘブンリー・ボディーズの面々やマネージャーのコールネットに
  何度も噛み付きそうに。WWFでは以前アルとボスマンの間で、
  金網の中にドーベルマン風の犬を放した試合形式があったんや
  けど、肝心の犬に全く闘争心がなく見事に滑った事がおましたや
  んか。あれに比べると、今回の犬は段違いの恐ろしさでっせ。
  そやけど、すっかり試合の主役に犬が座ってしまい...。
CCactus Jack & Tracy Smothers vs.
 Chris Candido & Boo Bradley
 ・ブラードリーはECW転向後に『デッカイ金玉』ギミックのマホーニー
  となるんやけど、彼も加えてこうして試合を行なっている4人は全
  てECWへ流れて行く訳で、なにやらプレECWといった様相や。
  ただ試合の後半に戦場が場外に移行すると、固定カメラ1台だけ
  でハンディ・カメラが入っていない画面はちょっと迫力不足。
  しかもSMWでは試合が始まると客電を落としてしまいよるよって、
  真っ暗な画面がずっと映っているまま。なんとも、もったない事や。
DCage Match: Al Snow with Unabom vs. Ricky Morton
 ・ユナボム、知ってますかWWFに流れ着きケインと化す大型選手
  ですワ。今回はアルの手下としてリングサイドに居るんですが、
  試合に介入しないように手錠でリングポストに繋がれてますんや。
  そしてアルとRR特急のモートンとで金網戦が開始。こちらの思い
  込みも多分にあるんやろけど、モニター画面からプンプンと南部
  のデスマッチって香りが漂って来よりますワ。
  けど郷愁に浸っていたらあきまへん。何やらマットがせり上がった
  と思った途端、高価なマットを突き破ってユナボムが乱入!!。
  どうやら手錠で繋がれているのは当て馬らしく、こちらが本物の
  ようや。後々WWFでも使用されるギミックやけど、これが元ネタ
  なんやろか。どっちにしても理屈抜きで楽しめた一戦でしたデ。
ETracy Smothers & Dirty White Boy vs.
 The Heavenly Bodies (bloodiest match in SMW history!)
 ・わざわざジャケット裏の試合紹介の欄に、『SMW史上最大の流
  血戦』と但し書きがあるんやから期待は高まりますなァ。
  しかもやっとこの試合でハンディ・カメラも準備されて用意は万端。
  あとは誰が大流血に陥るかなんやけど、まずはW★ING来日の
  際に『悪』のジェイソンとして名を馳せたスマザーズが控え気味に
  流血。追って負けじと今度はプリチャードが正真正銘の大流血や。
  しかもスマザーズがプリチャードに机の上でパイル・ドライバーを
  放つんやけど、何と通常は机が壊れるものやのに、今回は机の
  上の板に大きな穴が空いて、そのまま両者がフロアーに激突!。
  こんなパイルドライバー・オン・ザ・テーブルは初めて観たワ。
FTommy "Wildfire" Rich & Freebird Terry Gordy vs.
 Mongolian Stomper & Boo Bradley
 ・『野生の炎』トミー・リッチ、『血と喧嘩と遺恨』とタイトルされたDVD
  に収録された試合なんやからよっぽどえげつない内容やないやろ
  かって期待したんやけど、どうもこれは期待外れに終わったみた
  い。ほんま、緊張感のないダル〜い試合でした。またリッチの相方
  を勤めたゴディがこれまた手抜き丸出しで...。
GJim Cornette vs. Butch Cassidy (midget)
 ・長くプロレスをプロデュースしていると、自身もリングに上がりたく
  なるってのが人情。コールネットもこの例に漏れず、今夜はどの様
  な『遺恨』が絡んだのかミゼット・レスラーのキャシディと合交える
  ことに。ま、内容はどうってこともないものなんやけど、ワシはコー
  ルネットのマネージャーを勤めている女に注目してしもたんや。
  例によって会場が暗く、固定カメラの引いた画像ばかりで確信は
  持てんのやけど、こいつは現WWFのジャクリーンやないやろか。
  どちらさんか、詳しい方がいらっしゃったら本当のとこをお教え下さ
  いな。あと、このDVDは副音声でコールネット自身が解説をしとる
  んやけど、自身の試合なんて一体どない評しとるのやろか。
  あぁ、英語が達者になりたいワ。
HDory Funk, Jr. & Terry Funk vs. Scott & Steve Armstrong
 ・97年10月に刊行されたテリーの自伝『テキサスブロンコ半生記』
  によると、ヒールの役回りではあったものの、SMWへの参戦は
  プロレスの魅力を知り尽くしたコールネットが集めるメンバーと、工
  夫をこらしたマッチ・メイクによってテリーも非常に楽しんだようや。
  で、SMWでの抗争相手というのが、本DVDにも収録されている
  テネシーのヒーロー、アームストロング一家でしたんや。
  なるほどドリーが、ベビーもヒールも関係ないって感じで何時もの
  ようにエルボーから人間風車へ技を継ぐのに対し、ヒール版テリー
  は十八番の鉄拳攻撃こそ通常通りやけど、ここからベビー役では
  考えられないバンテージでのチョーク攻撃への流れなど、我が国
  では余りお目にかかれなかった代物を披露してくれよります。
  しかも最後はコールネットが投げ入れたテニス・ラケットがついに
  役立ちますんや。なんと、これを悪用したドリーが相手を一撃。
  すかさずテリーが押さえ込んで、熱戦にピリオドが打たれました。
IThe Gangstas vs. Rock & Roll Express
 ・ジャケット裏の試合紹介欄には表記されていなかったカードで、
  何やら得した気分。組み合わせも面白いし、さてどんな試合なん
  やろって画面を観ていると、ニュー・ジャック親分とモートンがド迫
  力の殴り合い。うーん、力が入っとんなって思っていると次から次
  へと選手が現れて両者を分けだしよります。なんや、エライ迫力や
  と思ったら、ホンマの喧嘩になってましたんか。アカンよ、喧嘩は。
  またこんな場面になると選手の本性が如実に現れて、非常に興味
  深い場面が続出。誰が必死に止めようとしていて、誰が邪魔くさ
  そうに遠巻きに見ていたのかはあえてここでは書きません。
  興味がおありなら、皆様でお確かめ下さいな(笑)。

<総評> 『血と喧嘩と遺恨』と銘打たれたんやから、全編通して画 
 面から飛び散る血を避けながら鑑賞せんとアカンような試合ばかり
 が収録されとるんやろって期待していたんやけど、やはり大前提と
 して『プロレス』がデン、と控えておりました。ここら辺り、最近のデス
 ・マッチを売り物にする団体とは一味も二味も違いますワ。
 ただ本編紹介のなかでも書いたように、固定カメラ一台だけで客
 電の落ちた会場での試合を収録するのはやはり無理があります。
 もともと商品化するつもりで録画していたのではないのかも知れ
 まへんが、二度と再現出来ない貴重な記録ばかりなので、もうちょ
 っとなんとかならんかったんやろかって...。

私どものHPによく遊びに来ていただいている『キングコングニー
さん』が、以下の情報を報告して下さいました。
副音声のコルネットとメルツァーの会話からのネタやそうです。
Dの偽ユナボムは、現ブル・ブッキャナンやそうです。
Fのゴディは手を抜いている訳ではなくて、アクシデントによる
二度の昏睡状態から復帰したあとなので。
Gはジャクリーン。
Iのギャングスターズの乱闘は、まだSMW登場初期で売り出す
為の一つのギミック作り。が、のちにこのギミックが大成功し過ぎ
て観客が本気でギャングスターズを怖れたのと、黒人差別感情の
為に会場に足を運ばなくなってしまったそうです。


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