では収録内容の詳細を

このDVDはリージョン『1』なので注意して下さい!

SHAWN MICHAELS : FROM THE VAULT
(2枚組:合計約6時間収録)
 多分世界中のアメ・プロDVDマニア、いやWWFファン、いや全プロレス
・ファンが待ち焦がれていたであろうHBKことショーン・マイケルズの個人
特集DVD。それが2枚組、約6時間収録といったフル・ボリュームで遂に
発売されることとなりました。我が国でWWFが一般的になったのはJ−
SKYスポーツの定期放送が大きな要因やと考えますが、ちょうどJ−SK
Yスポーツが本格的に放送を開始する直前にマイケルズがリタイアしたも
のやから当時から凄い凄いと聞かされてはいたものの、なかなか全盛期
の動くマイケルズに接していた方って少ないんやないやろか。
けどマイケルズ本人が過去の名勝負を振り返るって構成のこのDVDで
取り敢えずは不満も解消できるはず。
さあ“失恋小僧”の集大成DVD、しかと見届けましょうか。
あ、ワシが米国アマゾンから購入したDVDには、チープな作りながらも、
2002年のサマー・スラムでHHHにダイヴ攻撃を見舞うマイケルズの姿
をあしらった3Dカードが付いていましたワ。なんともセコいカードやけど、
そこはやっぱり気は心。ちょっと嬉しいプレゼントでしたな。

★★DISC−1★★

@The Beginning
 AWA Tag Team Championship.
 The Midnight Rockers vs. Playboy Buddy Rose & Doug Summers
 (September 2, 1986)
  M・ジャネッティと組んだミッドナイト・ロッカーズってユニットでブレーク
 したマイケルズ。ここではAWA時代の貴重な試合が収められとります。
 ロッカーズの相手は“プレイボーイ”バディ・ローズとダグ・サマーズって
 いかにも海千山千のベテラン・コンビ。ここに白タイツで股間をモッコリ
 させたロッカーズが挑むんやさかい、客席の婦女子からの黄色い声援
 も納得ものやね(苦笑)。けど試合は盛り上がりましたデ。
 まずはマイケルズがサマーズの卑劣な攻撃により流血に追い込まれ、
 長時間のローン・バトルの末にジャネッティにタッチ。タッグ戦における
 基本スポットで、業界用語では【ホット・タッグ】って言うらしいですが、
 ここまで両チームのポジションって言うか善悪がはっきりしていると、た
 ったこれだけの動作で会場が割れんばかりに沸き立つんやさかい、プ
 ロレスって芸は実に摩訶不思議や。この後結局全員が流血に至り、レ
 フリーの失神スポットなども盛り込み最後はお決まりの“不透明決着”。
 ベタやないかと問われるとベタベタですワって答えるしかないけど、マ
 イケルズ云々やなしに、ホンマ見所の多いタッグ戦でしたワ。
 総合系ではなく、オールド・スクール系の選手を目指す若きレスラー志
 望者には勉強になる試合やと太鼓判を押しておきますワ。
ALadder Match
 Wrestlemania X. Intercontinental Championship Ladder Match
 Shawn Michaels vs. Razor Ramon (March 20, 1994)
  ハシゴ戦も現在ではあちこちの団体で行われていますが、元々はブ
 レット・ハートがマイケルズ相手に披露したのが最初とか。
 で、WWFのPPVでは初披露となったハシゴ戦がこれ。
 マイケルズには僚友ディーゼル(現ケビン・ナッシュ)が付き、レイザー・
 ラモン(現スコット・ホール)との対決で、両者が所有を主張する2本の
 インター・コンチのベルトがリング上高く吊り下げられて試合開始。
 それにしても9年前に行われたハシゴ戦やのに、試合の中で披露され
 るムーヴの数々は現在に全て引き継がれているものばかりで、反対に
 この試合以降に発案された新しいムーヴを探すのが困難な程。
 そう、それだけ完成度の高い試合なんですワ。そやからこの試合以降
 行われたハシゴ戦を行う者は、ハシゴの数を増やしたり、ハシゴの高さ
 を増したり、テーブルや椅子を付加するしかなかったんやろね。
 あ、試合の結果ですが、ハシゴから落下してロープで股間を強打した
 マイケルズを尻目に、ラモンが2本のベルトを獲得。
 “統一”インタ・コンチ王者となっとります。
 尚、蛇足ですがこの試合でも披露されているマイケルズ珠玉の“半ケツ”
 ネタは、海を渡って日本のロックン・ロール・レスラー、リッキー・フジにし
 っかりと継承されている事も付け加えておきますワ。
BIron Match
 Wrestlemania XII. WWE Championship
 Shawn Michaels vs. Bret Hart (March 31, 1996)
  96年のレッスル・マニアにてブレット・ハートの保有するWWF王座を
 懸けて行われた【鉄人戦】。これは60分フル・タイムを戦い、相手より多
 くのピン・フォールを奪ったものが勝者って過酷な試合なんです。
 年間最大興行だけあって師匠ホセ・ロザリオの紹介で入場するマイケル
 ズの入場シーンは、会場となったカリフォルニア州アローヘッド・ポンドの
 最頂部から滑車を使いロープを滑り降りるってド派手なもの。最近のW
 WFの番組でも頻繁に挿入される有名なシーンで、ここだけでも必見や。
 そしてプロレスって芸のひとつの高みである【鉄人戦】、これをやるんやっ
 たらワシらも見届けるデとでも思ったか、立会人にはゴリラ・モンスーン
 客席最前列にはブラッシーとブレットの親父ステュ・ハートの姿も。
 そんな厳しい先人達の監視の目が光る中行われた【鉄人戦】。正直、膠
 着状態が続いて眠たくなった場面もあったものの、プロレスの基本ムー
 ヴだけで60分を魅せきった2人には賞賛するしかないワ。
 試合はブレットのフィニッシュ・ムーヴであるシャープ・シューターも、マイ
 ケルズのフィニッシュ・ムーヴであるスイート・チン・ミュージックも共に火
 を噴かないまま0対0で迎えた残り40秒、遂にブレットのシャープ・シュー
 ターがマイケルズを捕らえ、観衆の悲鳴交じりのカウント・ダウンが進ん
 で何と試合はドロー。そしてベルトを抱えて花道を下がるブレットの背に、
 モンスーンの裁定でサドンデスの延長戦が宣告され、渋々リングに戻っ
 たブレットに今度はマイケルズのスイート・チン・ミュージックが連発で決
 まり、そのままブレットを電光石火のフォール!!。
 ウーン、こんな感動的な幕引きはプロレスでしか出来まへんデ。
 互いのフィニッシュ・ホールドの価値を尊重しあった、素晴らしい内容や。
 もしこのレビューを読まれてDVDやビデオを観てみようかと思われるなら、
 絶対にこの試合は早送りなどしてはあきまへん。
 最後の数分の愉悦のためだけに最初の58分はあるんやから、ね。
 追伸:この試合で初めてマイケルズはWWFの世界王座に就いてます。

【DISC−1:特典映像】
@Bloodbath
  本編@の試合でロッカーズ救出に現れた選手(グレッグ・ガニア)の
 リング・サイドでのインタビュー。  
ABe Ready
  AWAのロゴを背に、マイケルズのインタビュー。
BBarbershop(January 11,1992 : Challenge)
  ホーガンの実弟ビーフケーキが切り盛りする散髪屋さんにロッカーズの
 2人が来店。どうも最近キナ臭い2人なんやけど、遂にマイケルズがジャ
 ネッティにハイ・キックを叩き込み、名チームのロッカーズは解散へと。
CThere are No Rules(February 26, 1994 : Superstars)
  本編Aの試合を目前に、マイケルズのアピール。
DTwo Champions
  本編Aの試合へ至る抗争史。インタ・コンチのベルトが2本あるのが揉
 め事の発端やけど、どうやらマイケルズが“なんちゃって王者”みたいや。
 あ、マイケルズ、ラモンに対して放送禁止用語の“チコ”って言葉を吐いて
 おります。ホンマ、悪いヤツやねェ。
EPiper's Announcement (February 26,1997 : RAW)
  ロディ・パイパーの発案で本編Aの試合は【鉄人戦】に。
FTraining Video
  【鉄人戦】に向けマイケルズは師匠ロザリオと、ブレットは当然父親で
 あるステュと猛特訓を敢行。
GIron Match TV Spot
  【鉄人戦】のプロモ。
HMatch of the Year(1997 Slammy Awards Show)
  JRの司会によるスラミー・アワード。97年の最優秀試合は【鉄人戦】。
 ちなみに他にノミネートされたのはマイケルズ対マンカインド(DISC−2
 に収録)、ブレット対オースチン、テイカー対マンカインドのボイラー室戦、
 オースチン対ベガのストラップ戦でした。
IBefore They Were Superstars
  マイケルズ本人、両親、親友のケニー・ケント氏が語るマイケルズの
 昔話。英語の苦手なワシには辛いコーナーや。
JTell Me A Lie
  95年11月20日、WCWに視聴率で押されているWWFは人気選手
 のマイケルズに生放送中の【失神アングル】を指示。翌週以降の放送
 ではマイケルズの身体を案ずるファンを煽るためトリビュート・ビデオ
 で流したそうで、多分これが問題のビデオやと思われます。
 ビデオの最後にリングで気を失って倒れるマイケルズの姿が確認でき
 るでしょ。あと、巡業中にナイトクラヴの駐車場で軍関係の暴漢から暴
 行を受けて(←これはマジらしいです)、ミニ・PPVの「イン・ユア・ハウ
 ス」に顔面を張らして出場した際の映像(多分...)もありましたワ。
 こんな伏線があるんやから、そら【鉄人戦】は盛り上がりますわな。
 ※この項は田中正志氏著の『開戦!プロレス・シュート宣言』より情報を
 得て書いたんですが、ワシの思い込みも多々入っているはずなので、
 余り真に受けないで下さい。

★★隠しトラックを発見★★
  特典映像のAには“プレイボーイ”バディ・ローズ演ずるパロディCM、
 Bにはコンフィデンシャル出演時のマイケルズの映像が隠されてます。
 
★★DISC−2★★

@No Holds Barred
 In Your House: Good Friends, Better Enemies.
 WWE Championship. No Holds Barred Match.
 Shawn Michaels vs. Diesel (April 28, 1996)
  ディーゼル(現ケビン・ナッシュ)相手の反則OK戦で、マイケルズの
 初めてのWWF世界王座防衛戦(のはず)。
 ワシ、このナッシュってヤツは常々どうにも評価出来ん選手やと思って
 るんですが、そんな先入観を持って試合を観るとますますあきまへん。
 ただただマイケルズが小さな身体を犠牲にしてナッシュの大味な攻撃
 を受けてやっているようにしか見えないんですワ。
 試合はナッシュ(ゴメン、ここではディーゼルやね)が花道最前列に座
 る年配のレスラー(マッド・ドッグ・バション?)を突き倒して義足を奪い、
 これでマイケルズに襲い掛かるんやけど、マイケルズが義足を奪って反
 撃し、必殺のスイート・チン・ミュージックが一閃。虎の子防衛ですワ。
 あ、この試合のみ、副音声でマイケルズとナッシュが当時を振り返るコ
 メントが収録されてるので、ヒアリングに強い方はどうぞ。
AMind Games
 In Your House: Mind Games.
 WWE Championship.
 Shawn Michaels vs. Mankind (September 22, 1996)
  今で言う“引きこもり”キャラ、マンカインド(←ミック・フォーリー氏の
 有する三つの人格の中で一番陰気なもの)相手の王座防衛戦。
 マンカインドはリングサイドに運び込まれた棺桶から登場するんやけど、
 まさにWWFらしいバカバカしさが満載。それでも最初はミス・マッチか
 なと思われたものの、やはり@の試合とは違って見せ場も盛りだくさ
 んや。しかもマンカインドが少々手荒に扱っても潰れないタフな選手で、
 自ら危険なムーヴをどんどん繰り出すし。
 試合はベイダーの介入でマンカインドの反則負け。しかしここにマンカ
 インドを操るポール・ベアラーや、ベアラーらと反目するサイコ・シッドが
 介入し、終了のゴングは鳴ったのにリング上は何時までも混乱模様。
 そして遂にマンカインドの必殺技マンディブル・クローがガッチリとマイ
 ケルズを捕らえ、マイケルズはリングサイドの棺桶へ...。
 が、ベアラーが棺桶の蓋を開けると、中からアンダーテイカーが登場し、
 マンカインドやベアラーを攻撃。マイケルズ、薄氷の防衛でしたな。
 尚この試合、ミック・フォーリーの個人DVD【HARD KNOCKS〜】
 も特典映像として収録されとりますが、本作収録分は冒頭のマンカイ
 ンド登場シーンが数秒長く、試合決着後のマイケルズの勝ち名乗りも
 キチンと収められておりました(重箱の隅を突っ付くネタやね)。
BHell in a Cell
 In Your House: Badd Blood.
 Hell in a Cell
 Shawn Michaels vs. Undertaker (October 5, 1997)
  日頃のお茶らけた態度が暗黒大王テイカーの気分を害したか、哀れ
 テイカーの代名詞となる『ヘル・イン・ア・セル』で一戦交えることとなっ
 たマイケルズ。気の合う仲間であるHHHやチャイナを従え自身満々で
 リングに上がったまでは良かったんやけど、テイカーの名がコールされ
 てテイカーのリンク゛・インとともに巨大な鉄檻が天井から降りてくると
 途端に不安げな表情に(←よっ、この千両役者)。
 それでも序盤は持ち前のスピードを活かした攻撃を口火に、鉄製の階
 段攻撃や椅子攻撃で押せ押せ状態。
 しかしリング落下時にカメラマンと交錯したのが気に入らないと、なん
 とマイケルズはカメラマンに手を出して失神KOに。けどこの暴挙が自
 身に災いをもたらすとはマイケルズ自身も考えなかったやろ(?)。
 ズバリと決まったはずの十八番のスイート・チン・ミュージックをテイカー
 が難なく返すのに恐れをなしたか、失神したカメラマンを檻から出すた
 めに開かれた扉を通って檻の外へと脱出を図るマイケルズ。
 けどテイカーも逃がしてなるものかと後を追って檻から脱出し、遂に戦
 場は場外へ。ここでテイカーの鬼神のような猛攻が始まり、マイケルズ
 は大流血に追い込まれ、冷静さまで欠いたのか檻の頂部へと逃走。
 当然テイカーも後を追い、『ヘル・イン・ア・セル』における最大の見せ
 場檻の頂部での攻防へと突入や。
 けどマイケルズが本部席へと叩き落され、テイカーがフィニッシュを予
 告したところで、ベアラーと共にケインが登場。
 墓石式パイル一発でテイカーを葬ったケインは意気揚々と花道を引き
 下がり、リング上では完全KO状態のテイカーをマイケルズが必死の
 思いでフォール。マイケルズ、またもや薄氷の勝利でしたな。
 尚この試合、アンダーテイカーの個人DVD【ワシの庭やで】にも特典
 映像として収録されとりますが、本作収録分は冒頭のスローター軍曹
 によるリング下の点検シーン、マイケルズ一派の入場シーン、試合決
 着後のマイケルズの勝ち名乗りもキチンと収められておりました(また
 また重箱の隅を突っ付くネタやね)。
CThe Comeback
 Summerslam 2002.
 Shawn Michaels vs. Triple H (August 28, 2002)
  長く現役を退いていたマイケルズが第一線に復帰。けどマイケルズ
 に用意されていたのはビショフが提唱するHHHのマネージャー役。
 当然マイケルズはこれを拒否し、HHHが提唱するDX軍復活って計
 画に賛同。しかしこれはHHHの姦計で、2人揃ってポーズを決めた
 次の瞬間、HHHからぺディグリーを見舞われる羽目に。
 また駐車場でマイケルズを闇討ちした犯人までがHHHと判明し、2
 人の関係は修復不能状態へ。それなら夏の本場所サマー・スラムで
 決着を付けよかってのが大まかな両者の対決までのあらすじや。
 で、遺恨精算を目的としたこの試合、2002年のベスト・マッチへと
 昇華したんですワ。
 まずはHHHがマイケルズのウイーク・ポイントである背中や腰を集中
 的に攻め、併せて放った椅子へのDDTによりマイケルズが流血。
 ここでマイケルズが二倍返しの反撃に打って出てHHHまでもが流血。
 エンジンの掛かったマイケルズはハシゴ戦の始祖は俺と、リング下か
 らハシゴを持ち出して猛攻。場外に設置した机の上にHHHを寝かし
 て自殺ダイヴまで敢行(本DVDのオマケで付いている3Dカードにも
 ある場面です)し、客席からの「HOLY SHIT!」コールまで勝ち得て、
 21世紀のプロレスにも充分順応出来る事を主張や。
 最後は溜めに溜めて客席を熱く沸かせたスイート・チン・ミュージック
 がHHHに一閃。しかし寸でのところでこれを防いだHHHは十八番
 のぺディグリーへと移行。けどマイケルズ、これを再度返してHHHを
 くるっと丸め込んで3カウント。いやはや気の合う者同士にしか実行
 することは不可能なフィニッシュ・シーンですな。
 HHH、マイケルズ、ホンマにありがとう。エエ試合やったワ。
 
【DISC−2:特典映像】
@Diesel Interview
  本編@の試合に向けたディーゼルのインタビュー。
ABig Daddy Cool
  本編@の試合に向けた両者のインタビュー。
BGood Friends
CBetter Enemies
  共に本編@の試合のためのプロモ。
DIn Your House
  本編@の試合へ至る両者の抗争史。
EHave a Nice Day
  本編Aの試合へ向けたマンカインドの狂気満載のインタビュー。
FSlam Jam Promo(August 31, 1996 : RAW)
  本編Aの試合に向けマイケルズ、師匠のロザリオと気炎。
GMankind Promo
  本編Aの試合に向けマンカインド、暗く湿ったボイラー室にて気炎。
HBrain Surgeon(September 22, 1996 Superstars)
  本編Aの試合当日マイケルズ、マンカインドにメッセージ。
 リング上には故ブライアン・ピルマンの姿もあってニンマリ。
IPre-Match Interview
  本編Aの試合直前のインタビュー。
JHell in a Cell TV Spot
  本編Bの試合に向けたプロモ。
KBuilding Hell
  本編Bの試合で使用する金網の作成現場をルポ。
LBlaze of GLory(September 15, 1997 : RAW)
  本編Bの試合に向けマイケルズ自身満々でアピール。けれど突然
 スクリーンにテイカーの死の警告が映って...。
MGood News, Bad News
  HHH、チャイナらに囲まれ本編Bの試合直前のインタビュー。
NBadd Blood
  本編Cの試合へ至る両者の抗争史。
ONothing Left
  本編Cの試合へ至る両者の抗争史。
PHammered
  本編Cの試合終了直後、敗戦に納得出来ないHHHがマイケルズ
 の背中へ正に気違い沙汰のスラッジ・ハンマー攻撃を二発。これで
 マイケルズには長期休場する口実が造られ、HHHはイマイチ曖昧で
 あった自身のポジションを完全にヒール側へと置いたのでした。
 目出度し目出度し。そう目出度し目出度しなんやけど、これはやはり
 本編Cの試合からわざわざ分離編集などしないで、そのまま本編C
 に収録した方が良かったデ。そら本作はマイケルズの個人DVDなん
 やからこの場面は本作の趣旨から外れるかも知れんけど、お陰で本
 編Cの名試合は余韻の全くないブチ切れ編集となったんやから。  

○Photo Gallery
  静止画像で、本作に納められた各試合の名場面をどうぞ。

★★隠しトラックを発見★★
  フォト・ギャラリーの項を選択してリモコンの矢印ボタンを押すと、97
 年2月13日のRAWで収録されたマイケルズによる"I Lost My Smile"
 スピーチが再生されますワ。
 これ、1月19日のロイヤル・ランブルにおいてサイコ・シッドを撃破し自
 身2度目のWWF王座に就いたマイケルズが、膝の負傷により泣く泣
 くベルトをビンスに返上するって内容で、色男マイケルズの無精ひげ面
 と相まって非常に感傷的な内容なんです。
 尚、マイケルズの返上したベルトは、2月16日にブレット、オースチン、
 テイカー、ベイダーによって争奪戦が行われ、ブレットにベルトは移行
 しておりますワ。

【総評】昨年発売されたホーガンのアンソロジーDVDを観た際にも書い
 た感想けど、やはりこれだけ芸歴の長い人やからあれがない、これが
 入っとらんて言い出したらキリがなくなるやろ。
 ただホーガンのものに比較して収録された試合が【鉄人戦】をはじめ、
 どれもがロング・マッチやったので、本作は完全収録試合が僅か7試
 合のみとなってしもたんやろね。またマンカインド戦、テイカー戦、HH
 H戦はどれも名試合なんやけど既発売のDVDに全て収録済のもの
 なので、ワシら映像収集家には少々残念な点でもあったかな。
 またマイケルズの個人史を特典映像として簡単にまとめてしまった点
 も賛否両論となるんやないやろか(ワシは試合に重きを置きたいタイ
 プなので肯定派です)。
  さてWWFが筋肉お化けのポージング大会から試合内容(および試
 合に付随する各種ドラマ)重視の路線へ戦略変更をした象徴的な試合
 が本DVDにも収録された【鉄人戦】やと考えるんですが、これを戦った
 マイケルズとブレットの現在って全く違ったものになってますな。
 マイケルズは長期リタイアの後にWWF(WWE)に復帰し、PPVの要
 所要所で大向こうを唸らす試合を披露(ジェリコと戦った2003年のレッ
 スル・マニアなどなど)しとるのに、ブレットは例の【モントリオールの悪
 夢】事件をまだしつこくWWFからネタにされている始末。
 ブレットと揉めたビンスが、「正しいビジネスが出来ない人間には同情
 しない」と言ったそうやけど、マイケルズの個人DVDやのに、【鉄人戦】
 を観ていた1時間は、ずっとビンスの言ったらしいプロレスにおける『正
 しいビジネス』とは何かを考えておりました。
 で、その答えが本DVDにある、と書けたならそんなに楽な事はないん
 やけどねェ...。
 ま、とにかく本DVD、2003年のアメ・プロDVD最優秀作候補にノミネ
 ートしておきますワ。
 購入を迷っておられる方、速攻で購入される事をお勧めしまっせ。 

  あ、それと【パンダとの係争】に敗れた以降、WWF時代の映像には
 ロゴ・マーク等にボカシが入っていたんですが、本作ではボカシは皆無
 であったように思います。WWF時代のロゴでも、以前のゴシック調の
 文字なら問題はないのか、それとも【パンダ】と手打ちしたのか。
 今後も発掘ものDVDが発売されるやろから、映像収集家としてはとて
 も気になる点ですワ。


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