では収録内容の詳細を

WRESTLEMANIA XIV                (VHS−TAPE)(約2時間53分収録)
 例の『パンダのWWF』との裁判に負けたよって、何やら旧WWF時代
の映像販売ペースがガクッと落ちてしもとりますなァ。
これまで収録された映像がつまらん理由で発売されなくなったり、発売さ
れたとしても無粋なボカシが入ってしもては折角の映像も値打ち半減で、
ワシらDVD愛好者にはホンマに困った状態ですワ。
 さて今回紹介いたしますは1998年に開催されたレッスルマニアの第1
4回目の映像。まだWWFの映像が全くDVD化されていなかった頃、ワシ
が初めてネット通販で米国アマゾンより購入したVHSテープです。
上記したように諸問題あってどうやら現在はDVD化不可のようであり、仕
方がないので今後のDVD化を祈りつつ、VHS版の内容を報告いたしま
すワ。尚、収録日は98年の3月29日、開催地はマサチューセッツ州はボ
ストンのフリート・センターです。

@オープニング・プロモ
  例によって歴史的名場面を散りばめた、重厚な作りのプロモです。
A15 Team "Over the Top" Battle Royal : 
 Exit Team
 1. Savio & Miguel Perez Jr.
 2. Recon & Sniper
 3. Flash & Steve Blackman
 4. Chainz & Bradshaw
 5. Mark Henry & D-Lo
 6. The Quebecers
 7. Farooq & Kama
 8. Jose & Jesus
 9. The Rock'n Roll Express
 10. Headbangers
 11. Too Much Scott
 12. DOA
 13. The Godwinns
 14. The New Midnight Express
 15. Legion Of Doom
  さすがにレスリングの祭典や。どないでっか、いきなり豪華絢爛な15
 組30人参加によるバトル・ロイヤルでっせ。
 ビデオ収録時間の関係か、ラスト2組の入場シーンしか収録されとらん
 のが残念ですが、ウォリアーズ改めLODがリング・インした途端、リング
 下でたむろしていた全員がリングに上がり試合開始。
 誰が誰か全く分からん乱戦となりますが、ここはLODを楽しむって事で
 主催者側の意図を理解してあげればよろしいかと。
 又、ネットで調べた入場順を記入しておりますが、時間差入場のランブ
 ル戦やないでっせ。あくまで会場に紹介された順ですんや。
BWM開催に先立つ各種催物の模様
  DX軍もオースチンも、WMのパブリシィに大忙しですワ。
 DX軍開催の催物ではオースチンが蹂躙されるシーンもあり。
CLight heavyweight championship :
 Taka Michinoku vs. Aguila
  タジリより一足先にWWFで地位を築いたTAKA。アギラ相手に軽量
 級の魅力を十二分に発揮し、最後はみちドラで堂々と王座を防衛や。
 プロレスに『絶対』って言葉はないよって断言できんけど、もうTAKAが
 WMでシングル戦を行うって事は多分ないやろから、これは貴重な映像
 やね。
Dロック様、自信満々でインタビュー
  インタビュアーに、『人民の〜』って枕詞を付けろと尊大な態度。 
EEuropean championship :
 Hunter Hearst Helmsley vs. Owen Hart
  若きHHHと故オーエンによる欧州王座戦。HHHの側にはチャイナが
 ぴったりとくっついてるんですが、これまでの度々の試合への介入を咎
 められて裏方スローター軍曹と手錠で繋がれてしまうんですワ。
 さてハンターさんですが、まだ身体が出来上がっていないのか、ロング
 タイツ着用でちょっと頼りない感じ。故オーエンの引き出しの多いレスリ
 ングで引っ張ってもらっているってイメージは拭えませんでした。
 試合の方は、チャイナによるスローター軍曹へのパウダー攻撃〜オー
 エンへのリング下からのロー・ブローがズバリと決まり、直後にハンター
 のぺディグリーが。オーエンさん、グッド・ジョブでしたね。
F色男&美女組とゲテモノ・コンビの抗争史
  元ボクサーのメロ、トリッシュの一代前の人気者セイブル、元ゴール
 ダストと呼ばれたアーチスト(元ネタはプリンス)、『狂犬女』のルナ、
 もともと皆さん仲良しであったのやけど、いろいろあって仲間割れ。
 WMで雌雄を決っする事になったんや。また当時空前の人気を誇って
 いたセイブルにメロが嫉妬しているって下地もあって、複雑な感情渦巻
 く抗争史ですワ。
GMixed tag team match :
 Marvelous Marc Mero & Sable vs.
 "The artist formerly known as Goldust" & Luna Vachon
  で、色男&美女組とゲテモノ・コンビの対決。レスリング的には見るべ
 きものは皆無で、セイブルの人気と顔面を赤く塗った元ゴールダストの
 変態ささえ注目すればOKって内容。
 試合はセイブルがメロの十八番のTKO(今ならF5)で快勝や。
 あ、蛇足ながらこのセイブル、プレイボーイ誌でヌードを公開し、後に続
 くチャイナやトーリーに道を開いたって事でなら評価してもエエかもね。
H場面は変わって...
  テネシー・リーの紹介で花道に現れたのは、ダブルJことジェフ・ジャレ
 ットにエスコートされたジェニファー・フラワーズさん。
 特別リング・アナとしてロック様をご紹介でっせ。
IIntercontinental championship :
 The Rock vs. Ken Shamrock
  当時のロック様はと言うと、ファルーク親分が統率していたNOD軍の
 三下であったものが、下克上をブチ上げ一気に一家の親分として収まり
 つつあった頃。アルティメット界で名声を得た『世界一危ない男』である
 シャムロック相手のシングル戦に意気揚々と参戦や。
 けどまだこの頃は『人民の肘』さえも只のつなぎ技。大ブレーク後なら、
 会場内蜂の巣を突ついた様な騒ぎとなる『人民の肘』にもほとんど客席
 からは反応がなく、JRとキングの実況陣もなんとも淡々としたもの。
 試合もシャムロックのアンクル・ロックに簡単にギブさせられ、ホンマにエ
 エとこなし。関節技によるギブではベルト移動なしってルールで、奇跡的
 にベルトだけは手放さなかったのやけど、実に惨めな姿でしたワ。
 けど一年後のWMまでに大化けするんやから、WWFの手腕には敬服
 するな。ま、全く客席には受けなくっても俺は『人民の王』と言い続け、何
 処が痛いのやらさっぱり分からん『人民の肘』をしぶとく使い続けたロッ
 ク様の意志の強さが根底にあっての大化けなんやけど。
JTagteam championship dumpster match :
 Cactus Jack & Chainsaw Charlie vs. The New Age Outlaws
  今宵タッグ王座を争うは、ロード・ドッグのマイクが冴え渡る現王者コン
 ビのNAOと、ミック・フォーリー氏の持つ『一番凶悪な人格』であるカクタ
 ス・ジャック&テリー御大扮するチェインソー・チャーリー。テリーさん、F
 MW参戦時にレザー・フェイスの振り回すチェインソーが気に入ったのか、
 WWFに転じて幸いと堂々のネタ泥棒振りを発揮ですワ(苦笑)。
 試合形式はリング横に設置された巨大ゴミ箱に相手側2人を閉じ込め、
 蓋を閉めたら勝ちって全くもっておバカなルール。
 当然ラフ中心の荒れた内容でして、試合は自然とバック・ステージに移
 行し、なぜかここに放置されていた(笑)フォーク・リフトをチャーリーが運
 転し、リング横以外になぜかここにも放置されていた巨大ゴミ箱へNAO
 の2人を叩き込んで勝利。タッグ・ベルト奪取に狂喜するエクストリームで
 ハードコアな師弟コンビでした。
Kテイカーとケインの抗争史
  HBK相手の金網戦の真っ最中、テイカーの弟であるケインが出現。
 テイカーは棺桶ごと花道で火葬されてしまうも、落雷に打たれてしぶと
 く復活。ならばとケインは指先から怪光線を発射するなど、両者の抗争
 は日々オカルト性を増していくばかり...。
L特別リング・アナは元大リーガーのピート・ローズ!
  日本でも人気のあった元大リーガーのピート・ローズがリングに。ボス
 トンの皆さん相手に憎まれ口を叩いているとケインが登場や。
 しかも元大リーガーとは言え、素人同然のローズに問答無用(ケインは
 喋られないって設定なので仕方ないけどネ)の墓石式パイル!!
 以後、ケインの大舞台にはローズが必ず出現する(2002年のサバイバ
 ー・シリーズのCMなんて端的やね)けど、両者の遺恨はここで生まれた
 んでっせ。
MUndertaker vs. Kane
  悪魔兄弟の直接対決。ケインではなく、ほとんど本部席を狙ったかの
 ようなテイカーのトップ・ロープ超えダイヴなど見所たくさんの重量感溢
 れる一戦。墓石式パイルの3連発で粘るケインを振り切ったテイカーでし
 たワ。でもこうして当時を振り返ると、現在のケインの低迷振りが不思議
 で仕方ないな。この頃ってプロレスは下手(失礼)でも、テイカー相手に
 シングル戦をやって、全く見劣りのせん存在感があったのに。
NCMの時間
  業界の偉人達の映像を盛り込んだATTITUDE路線のCM。
Oオースチン、HBK、タイソンの抗争史
  WMに向けてビンスが話題づくりのために招聘したボクシングのヘビ
 ー級王者、『惑星一の悪童』マイク・タイソン。
 ビンス御大、金に糸目は付けんかったんやろけど、なぜかタイソンがH
 BK率いるDX軍と結託したよってさぁ大変。
 『惑星一の悪童』とは誰にことわって名乗ってるんやと、団体一の暴れ
 ん坊オースチンが文句を付けWMでの遺恨戦、役者は揃いました!!
PWWF championship match :
 Steve Austin vs. Shawn Michaels
 with Mike Tyson as the "special enforcer"
  まずはDX軍のTシャツを着用し、壊れたからくり人形の如く股間での
 Xサインを繰り返す“特権執行人”タイソンがリング下に。
 続いてオースチンが登場し、早くもタイソンと火花を飛ばしまくって、客席
 のボルテージもMAXに。で、最後にHHHとチャイナを引き連れたマイケ
 ルズが登場し、試合は火蓋が切られました。
 さて試合は、序盤のマイケルズによる珠玉のケツ出し〜場外戦、中盤の
 オースチンによる反撃と、それを全て受けきったマイケルズの懐の深さ、
 終盤のマイケルズによるオースチンの弱点左膝への集中攻撃を巡る攻
 防と、ところどころでリング下からタイソンが不穏な動きを見せるものの、
 内容そのものはオースチンとマイケルズによる仕掛けなしの名勝負。
 で、レフリーのキオーダによる失神スポットから試合は一気にエンディング
 へ向かいます。マイケルズのためにためた必殺技スィート・チン・ミュージ
 ックをかわし、オースチンが十八番のスタナーを一閃。すかさずリング下
 のタイソンがカウントを3つ入れ、オースチンに凱歌が。そう、DX軍と結託
 していたはずのタイソンは、土壇場でマイケルズを裏切ったんですワ。
 実況席ではJRが喉の血管も切れろとばかり叫びます、「オースチン時代
 の到来だ!」と。そしてタイソンの裏切りに詰め寄るHBKは、タイソンの
 右の拳をモロに受けて大の字に。しかもオースチンから手渡された【3:
 16】のTシャツをタイソンによって顔面に被せられて...。

【特典映像】
  本VTRの最後には、オースチン、タイソン、ビンス、JRによる試合後の
 記者会見の模様が収録されとるんですワ。
 【3:16】のTシャツを着用し、プロレスって舞台を満喫したであろうタイソ
 ンに質問が集中。誰か英語の堪能な方、訳してくれまへんか。

【総評】
  メイン戦の決着の付け方に必殺技を大切に思う両選手、会社の思いが
 詰まっておりましたな。昨今はこれが決まれば試合は幕って必殺技がな
 いのですが、この試合は全然違ってましたモン。
 マイケルズのスィート・チン・ミュージックも、オースチンのスタナーもたった
 一度試合で使用されただけ。しかもマイケルズのスィート・チン・ミュージッ
 クはかわされて、直後にオースチンのスタナーがズバリと決まって幕。
 互いの必殺技の価値は完全にプロテクトされてますやんか!。
 やっぱり必殺技の安売りはアカンなって痛感した次第ですワ。
  で、マイケルズは事実上これがラスト・マッチ(最近復活しとるけど)。
 JRが絶叫したようにオースチン時代が到来して、空前のWWFブームが
 この後に現出するんです。そう、タイソンさえも添え物にして、マイケルズ
 からオースチンへと時代が変遷する瞬間を鮮やかに捉えた98年のWM
 でしたんや。
 頼むデ、早くDVD化してや!!!


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