では収録内容の詳細を

このDVDはリージョン『1』なので注意して下さい!

BROCK LESNER : HERE COMES
THE PAIN!
(約3時間収録)
 ワシ個人の思いで書くなら7月19日のWWE神戸大会を最高の形で
締めてくれた大活躍が忘れられないブロック・レスナー。
そのレスナーを特集した個人モノDVDがこれですワ。WWEの定期放
送に初めて姿を現したのが2002年の春やったから、僅か1年強で個
人モノDVDが発表された事になるんですな。
キング・オブ・ザ・リングでの優勝、世界王座のベルト奪取、レッスル・マ
ニアのメイン戦への出場と、過去の他のレスラー達とは比較にならない
スピードで出世街道を突っ走って来たレスナーに、デビュー1年強で個
人モノDVD発売って新たな勲章(←最早勲章ではないか)が出来た訳
ですワ。正直、ガラガラ蛇がレスナーとの一戦での『負け役』を拒否して
退団(結局復帰したけどね)した時は、ホラホラ無理やり若手をプッシュ
するから団体内のパワー・バランスが崩れてしまうやんかって思った事
もありました。けどレスナーがこの1年間、日毎に高くなっていくハードル
を連日飛び越えて成長して来たってのも否定しようのない事実でして。
さあ、このDVDで如何に『次代の大物』が『現代の超大物』となったかを
振り返ってみましょ。あ、ワシが購入したDVDは輸入版であり、当然対
訳テロップなんてないから、英語の苦手なワシにインタビューが中心の
本編は天敵。情けないかな細かな話の内容を聞き取る事が出来ており
ませんのや。ワシ同様英語の苦手な方は、このレビューでも読んでいた
だき、対訳の入った日本版が出るのを待たれるのもよろしいかと。 

○レスナーについて語ろうのコーナー
  パターソン爺、マイケル・ヘイズ師匠、ブルックリン・ブローラー御大、
 ポール・ヘイマン、ミステリオ、ブリスコ爺、ブック様、シナ、B・ショー、
 カート君らがレスナーについてのワン・コメントを寄せております。
@GROWING UP
  レスナー、生まれ故郷サウスダコタ州のウェブスターへ里帰り。実
 家よりまずいきなり行きつけの散髪屋さんを訪問し、バリカンで頭を
 刈り上げてもらいました。この後、お母さんやお父さん、友人のコメン
 トがあり、93年から数年間に渡るのアマ・レスの試合を収めた貴重な
 ビデオも。今でこそ筋肉の塊のような身体のレスナーやけど、10年
 前ってこんなにホッソリとしていたんやな。ちょっとした驚きでしたワ。
ADEBUT : DESTRUCTION
  で、続いてWWE傘下の選手育成機関であるOVWでの映像を。
 この頃の試合なら『WRESTLING’S FUTURE STARS』ってタイト
 ルの輸入版DVDが出ており、こっちもレスナー研究には欠かせんよ。
 その後WWEのツアーへ正式参加し、まずはテレビでは放送されな
 いダーク・マッチに出場。我等がフナキ、スパイク君らがレスナーの相
 手を務めておりますワ。
 そしていよいよ本放送へ。ポール・ヘイマンに引き連れられ乱入して
 は相手を潰しまくるってお話で、ポール・ヘイマンのリタへのセクシャ
 ル・ハラスメントを発端にハーディーズと抗争開始や。
 またババ・レイと激突したのもこの時分。ワシ、ババ・レイとの抗争は
 もうちょっとWWE側が本腰を入れてくれたらもっとエエものになった
 のではないかと、未だに未練がましく思っとりますんや。 
BKING BROCK
  勢い付いたレスナー、2002年6月の『キング・オブ・ザ・リング』に
 当然エントリー。予選でブック様を倒し、準決勝でテスト(こいつって
 使えんね)、決勝でRVDを撃破し、デビュー数ヶ月でキングの座に。
CVENGEANCE
  RVDとは7月のPPV『ヴェンジェンス』においてIC王座を懸けて再
 度対決。この時はRVDに凱歌が上がっとります。
DSENDS TOMMY DREAMING
  トミー・ドリーマー、レスナーにボコられた体験を語る。
EBROCK VS ROCK
  季節は夏、いよいよ『サマー・スラム』でっせ。まずレスナーはSDに
 おいてホーガンとシングル戦(特典映像に完全収録)を行い、その余
 勢を駆って当時統一王座に就いていたロック様にチャレンジ。
 ロック様には、この直後に映画の撮影のためWWEを長期離れる必
 要があったとの『裏事情』も絡んで、なんとデビュー5ヵ月でWWE統
 一王座を手中にすることに。
FBATTLING THE DEAD MAN
  レスナーの次の標的は『リングの番犬』アンダーテイカー。この頃テ
 イカーの奥方であるサラさんは妊娠中で、ポール・ヘイマンと2人でサ
 ラさんにちょっかいを出してテイカーが激怒ってお話でしたな。
 まず2人は9月のPPV『アンフォーギヴェン』にて対決。この時はテイ
 カーの情け無用の椅子攻撃により押しまくられ、反則防衛って姑息な
 手段でベルトを防衛や。お話を1シリーズで終わらせたくなかったであ
 ろうWWE、まだまだポッと出に簡単に負けてはくれないであろうプラ
 イド高きテイカー、諸事情あっての不透明決着で、ここで快進撃に初
 めて暗雲が立ち込めることとなりましたんや。
 で、仕切り直しの10月のPPV『ノー・マーシー』。ここに至るまでにレ
 スナーが鉄製のボンベでテイカーの右腕を破壊するって小ネタも仕
 込んで、いよいよテイカーの庭である金網製のリングで激突や。
 これ、テイカー十八番の『ヘル・イン・ア・セル戦』なんやけど、両者大
 流血の末、今度はレスナーが文句なしの勝利。確かPPV明けのSD
 ではテイカーがレスナーを認めるってシーンもあったように記憶するん
 やけど、このDVDには収録されとりまへん。残念やなァ。
GSURVIVING THE BIG SHOW
  増長するレスナーに手を焼き始めたポール・ヘイマン。新たな敵で
 あるB・ショーの出現。迎えた11月のPPV『サバイバー・シリーズ』
 では土壇場のポーイ・ヘイマンによる裏切り行為により、王者の証で
 あるベルトを手放すことに。
HWRESTLING MACHINES
  レスナーは【レスリング・マシン】でっせ。
IROAD TO WRESTLEMANIA
  12月のPPV『アルマゲドン』においてベルトの持ち主はB・ショーか
 らカート君へとスイッチ。ここにおいてWWEが温めまくっていた年間最
 大の大舞台『レッスルマニア』でのレスナー対カート君の下絵が見えて
 来ました。まず年明け1月のPPV『ロイヤル・ランブル』において初出
 場のレスナーが勝ち残り、『レッスルマニア』での王座挑戦権を獲得や。
 対するカート君もアマレスの下地のあるシェルトン&ベンジャミンを引き
 込みチーム・アングルを結成。レスナー迎撃に準備は万端ですワ。
 またカート君の実兄エリックを影武者に使ったベタなネタも久々に披露
 されておりましたな。
JWRESTLEMANIA
  名勝負が連続して披露された2003年の『レッスルマニアXIX』。その
 大トリを締めたのがカート君とレスナーの一騎撃ちや。
 試合内容は完全収録された特典映像で確認して貰えたらエエけど、こ
 こでは試合そのものより、試合の最後にレスナーが放ったシューティン
 グ・スター・プレスに話題が集中した模様。これから先、レスナーを語る
 場合に必ず触れる必要がある出来事であっただけに、ここは英語を解
 せないワシの無能さを呪いましたワ。
 ほとんど記憶の飛んだ状態のレスナーを囲む、試合後の緊張した舞台
 裏の映像とあいまって、ここにはスポーツ・エンタテインメントのひとつ
 の真実(←何て安っぽい表現なんやろ)が収められてますワ。
KBACKLASH
  4月のPPV『バックラッシュ』ではOVW時代の同期生であるシナと激
 突したレスナー。ま、申し訳ないけどシナには分のない試合でしたな。
LSTRETCHER MATCH
  B・ショーによるミステリオへの虐待攻撃を見かねた(前に当のレスナ
 ーもやっていたけどね)レスナー、またまた遺恨再燃で6月のPPV『ジ
 ャッジメント・デイ』において担架戦により対決。驚くべき結末を迎えるこ
 の名勝負、詳しくは完全収録された特典映像にて。

【DVD特典映像】
@vs. HULK HOGAN (SmackDown:8.8.02)
  2002年8月のPPV『サマー・スラム』を目前に見据えた一戦。レスナ
 ーと【黄色&赤色バージョン】のホーガンが対戦したんやけど、よくホー
 ガンはこの試合と、【この試合の結末】を了承しよったなと思う次第。
 試合は中盤ホーガンの十八番のハルク・アップ⇒「YOU!」⇒パンチの
 連打⇒ビッグ・ブート⇒レッグ・ドロップの殺人フル・コースが披露された
 んやけど、レスナーはこれを余裕のカウント2で跳ね返してF5の返礼。
 これでカウント3が入るかと思ったのですが、レスナーはフォールへは
 行かず、そのままホーガンを立たせてベア・ハグにて料理。
 F5でだけは負けたくないってホーガンの意向なのか、F5でだけは負け
 させたくないってWWEの温情なのか、いろいろと詮索できる幕引きで
 はあったな。ただ、視点を変えてみたらベア・ハグによる戦意喪失負け
 なんてF5をまともに喰らっての敗戦より惨めである訳で...。
 退団にまで発展したガラガラ蛇のレスナーに対する『お仕事拒否』の件
 を絡め、2003年初夏WWEを襲ったホーガン退団をも絡めて、試合の
 経過&結果、このDVDに収録された事の意味など、 これだけで一晩中
 酒のアテになる内容ですワ。
  ※あ、ここだけお読みになるとこの試合は初のDVD化のようですが、
 確か2002年の『サマー・スラム』DVD化の際に特典映像として付加さ
 れていたはず。よって映像の貴重度はそれ程高くないです。
ATRAINING FOR SUMMERSLUM(Confidential:8.24.02)
  2002年8月のPPV『サマー・スラム』に向けたプロモより、レスナー
 の特訓風景を収録。同時放送されていたロック様の分はカットですワ。
BSUMMERSLUM EXPERIENCE(Confidential:9.7.02)
  2002年8月のPPV『サマー・スラム』直後の『コンフィデンシャル』よ
 り収録。ここらはJ−SKYでも放映されたんやろか。
Cvs. THE ROCK(Summerslum:8.25.02)
  2002年8月のPPV『サマー・スラム』より収録の一戦。ここに至るま
 で7月のPPV『ヴェンジェンス』においてカート君、テイカーとの三つ巴
 戦を征したロック様の腰には統一王者のベルトが巻かれております。
 また本編レビューでも書いたんやけど、ロック様には本PPV終了後映
 画撮影の為に、長期間WWEを離れないとアカンって『裏事情』があり
 ました。なら、自ずと試合の結果なんて分かってしまいますワ。
 で、プロレス界も押し寄せるネット社会の急成長にはあがない切れず、
 『裏事情』とはいうものの当日会場に居た大半の観客がこの事案を知
 っていたもようで、ロック様登場とともに【どうせお前、負けるんやろ】
 意味の「ロッキー、サックス!」って大合唱が。
 当時レスナーはバリバリのヒールで、ロック様はバリバリのベビーであ
 ったのやから、この観客の反応には戦っている両人もバック・ステージ
 に陣取るWWEの首脳陣も頭を抱えたことやろな。
 けどロック様、それならと試合の序盤には意を決したようで、見事に憎
 まれ役へと試合中の役割変更を行い、最後は『人民の肘』を返されて
 からF5で美しく散ってくれましたワ。
 それにしてもこのDVDのジャケット、余りに残酷やと思いまへんか。
 レスナーがロック様をF5の体勢に捕らえている図柄なんやけど、つい
 先日までロック様人気でボロ儲けしていたはずのWWEやのに、主役
 交代とは言え、余りの仕打ちに見えてしまうのはワシだけやろか。
 単なるDVDのジャケットやなしに、ワシには人気者ロック様の墓標の
 ように見えて、これだけでまたまた一晩中ホロ苦いお酒が呑めそうや。
DHELL IN A CELL...
 vs. UNDERTAKER(NoMercy:10.20.02)
  2003年10月のPPV『ノー・マーシー』より収録の一戦。この序章と
 なった9月のPPV『アンフォーギヴェン』における対戦では不透明決着
 で非難を浴びた両者、しからばとテイカー十八番の『ヘル・イン・ア・セ
 ル』にて再戦や。この試合、元々レスリングの基礎テクニックは持て余
 す程有しているレスナーが、【プロレス芸の権化】テイカー相手にどこ
 まで自身を表現出来るかってのがポイントやと思います。
 しかもテイカーは事前にレスナーにより右手を破壊されるってネタを振
 ってやっており、ここをポイントに攻撃すれば試合の序盤をまずは構築
 出来るでって誘い水まで撒いてやる大サービス。
 ま、こうすることによってテイカーも試合を組み立て易かったのでしょう
 が、レスナーはとことん荒れまくった試合を乗り切る大奮闘で返答。
 テイカーも、「お前がそこまでやれるのなら」と思ったか、終盤レスナー  
 から右腕のギプスを外されてからは【右手負傷スポット】など忘れてし
 もたって言わんばかりの反撃を開始。結局レスナーの振り上げた鉄製
 の階段攻撃により額を大きく割って大流血となったテイカーが、レスナ
 ーのF5により撃沈されたんですが、荒れた展開の試合にもレスナー
 が対応出来ると満天下に知らしめた名勝負でしたワ。
 あ、それと『ヘル・イン・ア・セル』って言うと高所落下スポットが売り物
 で、今回も金網上部へ昇り易くするためにアチコチに手や足を掛ける穴
 が開けられており、ワシも当然レスナーがこれを志願するものと思って
 ました。けど見応えのある試合さえ行えば高所落下スポットなど不要
 であるって両者の主張を突き付けられる羽目に。
 試合後、テイカー相手に防衛したベルトを手に、悠々と金網上部へ昇
 って勝利のアピールを行ったレスナー。
 『ヘル・イン・ア・セル』って試合形式に、新たなページが書き加えられ
 た瞬間ですワ。
EWRESTLEMANIA XIX...
 vs. Kurt Angle(WrestlemaniaXIX:3.30.03)
  この試合、詳しくは『レッスルマニアXIX』のDVDを紹介した当HPの
 レビューをご覧いただけますでしょうか。当然名試合でっせ。
FSTRETCHER MATCH...
 vs. BIG SHOW(JudgementDay:5.18.03)
  2003年5月のPPV『ジャッジメント・デイ』より収録の一戦。この試
 合は先の『レッスルマニアXIX』においてアマレスを基礎としたアスリ
 ート同士であるカート君との歴史に残る名勝負を経験したレスナーが、
 スポーツエンタテイメントってWWEが本来追求すべき表現領域でも
 名勝負をやれるんやって自己主張したものやったね。
 試合の序盤から中盤に掛けて、巨体を誇るB・ショー相手に運動選手
 としての底知れぬ潜在能力を披露し、担架戦であるって制約もフォー
 ク・リフト車の使用って見事なトンチでもって切り返し(←このネタを書
 いたライターさんに感謝や!)ですワ。
 フォーク・リフト車使用までの試合展開が説得不足なら試合終盤の熱
 狂の渦なんて夢のまた夢のはずやから、やはりこの試合はスポーツ
 と、エンタテイメントが高い時点で融合した名試合やと思いますな。
 誰もが何時でもやれるって内容ではないけど、WWEが今後目指して
 行くべき試合のひとつの指標となる内容でっせ。
Gvs. BIG SHOW (SmackDown:6.12.03)
  レスナーのトップ・ロープからのスーパー・プレックスによりリングの
 倒壊が発生した試合ですワ。年配のファンの方なら、『8時だよ、全員
 集合』におけるコントのラスト・シーンが脳裏を過ぎるのでは。

【総評】
  米国アマゾンに情報がアップされた際には、個人モノDVDの発売
 にはちょっと早や過ぎないやろかって思ったワシ。
 実際試合の内容はどれも高レベルですが、リング倒壊ネタが仕込ま
 れたB・ショー戦以外は既に全てDVD化されており、この点ではあり
 がたみに欠ける作品かも知れまへんな。
 けど僅か1年程前にデビューしたレスラーが、短い時間の中でこれだ
 け高いレベルの試合を披露し続けて来たんやから、まずはレスナー
 って選手のこれまでの活躍を『序章』として編集しDVD化しておくのも
 悪い話やおまへんデ。
 そう、今『序章』と書いたけど、WWE神戸大会で観たレスナーに今
 後の更なる大化けの予感を感じ取ったワシなので、願わくば5年、1
 0年後にこの『序章』を再度観た時、「何や、今のレスナーに比べて
 チマチマした試合やってたんやなァ」なんて思いたいんですワ。
 ワシの老後の楽しみのためにもブロック・レスナー、頑張ってや。


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