では収録内容の詳細を

このDVDはPAL方式で収録されており、通常の国産モニターでは
鑑賞できませんので、ご購入の際はご注意下さい。

NOVEMBER TO REMEMBER 1995 (PAL版) (約2時間36分収録)
 どこの団体もそれなりに歴史を刻むと、ヒット企画ってやつ
が生まれてくるモンですやんか。全日プロなら暮の『最強タッ
グ戦』、FMWなら『川崎球場興行』、勿論WWFならご存知
『WRESTLEMANIA』ですわな。
で、ECWではと言うとこれは93年以来毎年11月になると
開催される『NOVEMBER TO REMEMBER』ですんや。
そこでこのDVDの登場ですワ。
内容は95年11月18日にフィラデルフィアのECWアリーナ
にて開催された興行を収録したものです。

@まずは前説...
  ジョーイ・スタイルス氏による煽りのコーナーです。
ADon E. Allen vs. The Broad Street Bully
  タキシードとステッキでキメたババ・レイが特別リング・ア
 ナとして登場。脇を巨根ギミックのビッグ・ディック・ダッドリ
 ーや、お馬鹿ギミックのチャビー・ダッドリー、インディアン・
 ギミックのダンス・ウィズ・ダッドリーが固めます。
 で、ババ・レイは試合をやるはずだった二人を手に掛け秒
 殺、試合を潰してしまいました。ま、誰も試合をする二人に
 は注目してないし、当のワシも泡沫ダッドリーばかりに目が
 行ってましたよって、それでも何も問題はないんやけど。
B場面は変わって...
  ポールEが登場し、何やらスピーチ。すると場内が暗転し、
 再度照明が点いた時にはリング上にサブゥが。さてさて
 サブゥなんですが、実は日本への出稼ぎを優先して4月
 8日のECWアリーナでの興行『Three Way Dance』を
 ドタ・キャンしたためECWから解雇通告を受けていたの
 ですが、本日を持って、満を持しての復帰でっせ!。
CKonnan vs. Jason Knight
  『地球上で最もセクシーな奴』と自惚れる『両刀使い』のジ
 ェイソンとコナンの一騎打ち。ここに特別レフリーとしてタズ
 が現われるんやけど、ジェイソンが生意気な態度を取ったも
 のやからタズが激怒。またも試合が潰されてしまいました。
DStevie Richards vs. El Puerto Ricano
  スティービィ君と『ザ・プエルトリコ人』の対決。スティービィ君
 の子分であるミーニーも、失敗したものの月面水爆まで繰り
 出して介入ですワ。試合はスティービィ君のスーパー・キック
 がモロに入って、『ザ・プエルトリコ人』の惨敗でした。
EThe Pitbulls vs. The Eliminators
  ボンテージ風の衣装が似合いのフランシーンはピットブルど
 もの飼主で、『地球上で最もセクシーな奴』と自惚れる『両刀
 使い』のジェイソンはイリミネーターズのマネージャー。どちら
 も脇を色物で固めた実力派タッグ同士の激突や。試合はジェ
 イソンの介入を跳ね返したピットブルどもが、十八番の合体技
 であるスーパー・ボムにて勝利を得ましたワ。ただし試合後は
 ジェイソンが強姦まがいの体位でフランシーンを押し倒し、これ
 を合図にイリミネーターズの十八番の合体技である『完全殺戮』
 がピットブルどもに浴びせられ...嗚呼。
FMexican Death Match : 
 Rey Misterio Jr. vs. Psichosis
  ECWのTシャツを着たシコシスと、AAA及びECWと縫い込ま
 れたポンチョを羽織ったミステリオ。どちらも自分を高く評価して
 くれるECWって団体に対して気を使ってますな。
 さて試合の方ですが、開始早々にミステリオの飛び付きウラカン、
 シコシスの月面水爆でそれぞれがピン。なる程まずは、1対1に
 しておいて3本目をじっくり見せようって寸法かと思ったんです。
 しかし3本目もシコシスがあっさり奪取し、あれあれと思っている
 とダウン・カウントが始まり...。
 そうですんや、この試合はメキシカン・デスマッチと銘打たれてま
 して、フォール後も10カウントまでに立ち上がったら負けとならな
 いルールでしたな。で、最後は客席奥の機材用足場からミステリ
 オがシコシスに再び飛び付きウラカン。さすがにシコシスもこれを
 食らっては10カウント以内にリングに戻れず、ミステリオの勝利
 となりました。
G場面は変わって...
  またまたジェイソンが登場。何やらリング上のミステリオと友好
 を深めようとしとるみたいですが、ミステリオはこれを断固拒否。
 しからばとイリミネーターズが現われ、ジェイソンと3人掛りで小
 兵ミステリオを蹂躙。ここへ『紛争処理係』の911が駆け付けミス
 テリオと即席コンビを結成し...。
HECW Tag Championship Match : 
 Sandman and 2 Cold Scorpio vs. The Public Enemy
  バイオレンス・コンビながら、踊りも大好きって変なチームのパ
 ブリック・エネミー(以下PEと略)。これまた踊りについてはちょっ
 とうるさいスコーピオ。それなら試合前に一丁、踊りで一勝負とな
 ったみたいで、サンドマンやマネージャーのウーマンまでが参加
 して各々ご自慢のステップを披露することとなりました(笑)。
 で、肝心の試合ですが、PEは痛恨の誤爆が祟りサンドマンが幸
 運な勝利を得ております。尚この試合、サンドマン側がタッグ王
 座を保持しており、併せてスコーピオはTV王座も所有していた
 事を付け加えておきますワ。
  さてここで苦言を少々。このDVDは音楽著作権の関係でやろ
 と思うけど、入場テーマは全て当時とは違う安物のインスト曲が
 アフレコされてますんや。よってサンドマンのテーマである『エン
 ター・サンドマン』、客席がダンス・ホールと化すPEの『ダンス天
 国』は丸々カット。やっぱりこれって、音楽好きやった辣腕プロデ
 ューサー・ポールEの意を汲んでオリジナルで収録して欲しかっ
 たワ。
IBill Alfonso vs. Tod Gordon
  ペンシルバニア州公認のレフリー(勿論嘘やデ)って看板を
 盾にしてやりたい放題のアルフォンソに、ECWオーナーのタ
 ッド・ゴードンが遂に決起。特別レフリーにトミー・ドリーマーの
 彼女役であったビューラを仕込んで因縁の直接対決は火蓋
 が切って落とされたんやけど、試合開始早々にアルフォンソが
 ビューラをクローズ・ラインでKO。いきなりリングには暗雲が
 立ち込めます(笑)。試合はフライパンなどの小道具が活用
 された流血戦へと発展、ゴードンがアルフォンソをフォール、
 となった瞬間、代役レフリーとしてタズが登場。あろうことか、
 ゴードンに鉄拳を降らせタズと結託。早速今夜復帰したばかり
 のサブゥと、サブゥを擁護するポールEに呪詛の言葉を浴びせ
 掛けて...。
JECW World Championship :
 Mikey Whipwreck vs. Steve Austin
  ECWへビー級のベルトを保持する『ECW最弱』のマイキー
 君に、WCWから流れてきた“スーパースター”・スティーヴ・オ
 ースチンが挑戦。実力の差は雲泥の程である両者だけに、オ
 ースチンの楽勝かと思えたのやけど、窮鼠猫を噛むって諺通
 りに何とマイキー君が一瞬の返し技でオースチンをフォール。
 しかもタイツを掴んでの丸め込みやったので、勢い余ってタイ
 ツが半分以上脱げてしまい、オースチンは満場の客(そしてこ
 うしてDVD等により後日鑑賞する者)にケツの穴を晒してしま
 う羽目に...。
  WWF転出後のガラガラ蛇しか観たことのない方には、この
 試合はホンマに新鮮やと思います。あ、この当時はオースチン
 も金髪ロング・ヘアーなので、これにも驚かれる方が居ること
 やと思いますワ。
KSabu vs. Hack Meyers
  ポールEの紹介でリング・インしたサブゥ。復帰戦の相手を務
 めるのはマイヤーズとあって、これまたサブゥの楽勝かと予想
 したんやけど、マイヤーズがサブゥのウイーク・ポイントである
 首に対して結構厳しい攻撃を見せたものやから、試合は白熱し
 た展開となりました。結局最後はサブゥが場外のマイヤーズに
 放った飛び付きウラカンにてケリとなりましたが、なかなか内容
 の濃い一戦でしたワ。
LTerry Funk & Tommy Dreamer vs. Cactus Jack & Raven
  ECW年間最大興行のトリを飾るのは、御大テリー&ドリーマ
 ーの師弟コンビと、カクタス&レイヴェンのヒール・コンビの大
 激突。ゴミ箱一杯の凶器がリング上に撒き散らされたものやか
 ら自然と試合は荒れた展開へ。しかしそれでも小ネタを試合に
 仕込んでくるのがECWの真骨頂。今夜はカクタスがお手製(多
 分)のTシャツを着てるんやけど、何とそこに描かれているのは
 WCWのプロデューサー(←当時の)エリック・ビショフの顔。
 しかもそれをドリーマーがたくし上げてカクタスの顔に覆い被せ
 たものやから、リング上にはカクタスの下半身を持ったビショフ
 が居るよう。そしてドリーマーがご丁寧にビショフの顔を攻撃す
 ると、客席からはやんやの歓声が。
 カクタスもドリーマーも観客もみんなが共犯関係のこのスポット、
 これが年間最大興行のハイライトとなりましたんや。
  尚、試合の結果ですが、ドリーマーがレイヴェンをパイル・ドラ
 イバーに沈め、すかさず御大テリーがフォールを奪い、師弟コン
 ビの激勝となっておりましたワ。

<総評>入場テーマ全てがオリジナルとは別の安っぽいインスト
 曲に差替えられていることは本編で述べましたが、併せて本興
 行を収めたマスター・テープの状態についても苦言を少々。
 映画『ビヨンド・ザ・マット』を鑑賞された方なら覚えていらっしゃ
 るでしょうが、ECWを運転する資金の少なかったポールEは自
 宅を簡易スタジオとして使用していたみたいで、マスター・テープ
 の保存&使用方法までには手が回らなかったんやろね、Eの
 試合などの画像に顕著に乱れが見られますんや。
 貴重で撮り直しの出来ない『ナマ物』の興行やっただけに、これ
 は実に残念や。もっとも当時のポールEには、そんなことに構っ
 ている余裕なんてこれっぽっちもなかったんやろけど。


トップへ
戻る