では収録内容の詳細を

このDVDはPAL方式で収録されており、通常の国産モニターでは
鑑賞できませんので、ご購入の際はご注意下さい。

NOVEMBER TO REMEMBER 1996
(PAL版)(約3時間収録)
 どこの団体もそれなりに歴史を刻むと、ヒット企画ってやつ
が生まれてくるモンですやんか。全日プロなら暮の『最強タッ
グ戦』、FMWなら『川崎球場興行』、勿論WWFならご存知
『WRESTLEMANIA』ですわな。
で、ECWではと言うとこれは93年以来毎年11月になると
開催される『NOVEMBER TO REMEMBER』ですんや。
そこでこのDVDの登場ですワ。
内容は96年11月16日にフィラデルフィアのECWアリー
ナにて開催された興行を収録したものです。
さぁ策士ポールEが練りに練ったネタが満載の同興行、しか
と見届けましょか。

@タズが登場
  皮ジャンで格好良くキメたタズがアルフォンソを率いてリン
 グへ登場。裏方で忙しいポールEを挑発しだします。
 これには当然伏線がおまして、当時タズとサブゥは抜き差し
 ならない状況下にあって、負傷明けのサブゥをタズはずっと
 付け狙ってたんですワ。
 けどポールEがサブゥの体を気遣ってなかなか直接対決とな
 る試合を組まなかったんです。で、ここでもしつこくポールEを
 挑発をしよった訳なんですワ。
 尚、以前ガオラで放送されていたECW中継ではここら辺りの
 物語がしつこく描写されていて、この興行直前の放送分では
 ポールEがサブゥへの熱き思いを吐露し、そのままガンズ・ア
 ンド・ローゼズのヒット曲『11月の雨』を効果的に組み込んだ
 番宣プロモに移行されたことがあったんです。
 『NOVEMBER TO REMEMBER』と『11月の雨』とはいか
 にもロック好きのポールEでっしゃろ。
 この手法は現在WWFで多用されとるけど、オリジネーターは
 このポールEなんでっせ。
 ただ残念なのはこのプロモがDVDに未収録やったこと。
 ワシは密かにこのDVDには特典映像として収録されるんや
 ないかって期待してたんやけどなァ。
AStevie Richards vs. David Tyler Morton Jericho
  場内割れんばかりのbWoコールに迎えられてリングに現
 れたのはスティービィ君扮するビッグ・スティービィ・クール、
 ブルー・ミーニー扮するブルー・ガイ、スーパー・ノヴァ扮する
 ハリウッド・ノヴァ。bWoが何のパロディで、各自がそれぞれ
 誰のマネをしているのかは、ここで改めて書く必要もおまへ
 んやろ(笑)。
 またスティービィ君に『噛まれた』金髪ロン毛のレスラー、
 ビィッド・モートン・タイラー・ジェリコって名前なんやけど、こ
 れまた嫌味ったらしいリング名でしょ。これもポールEのプロ
 デュースなんやろか(苦笑)。

 追記:このHPに遊びに来ていただいたFTWさんよりいただ
 いた情報によるとこのデビィッド・モートン・タイラー・ジェリコ、
 後にライノを破ってTV王座を獲得するキッド・キャッシュ
 顔付きやイレズミでワシも確認しましたが、間違いないですワ。
BAxl Rotten vs. Hack Meyers
  何かひとつ攻撃を繰り出す度に客席から「シャー!」って掛
 け声が掛るのがお約束のマイヤーズ。今夜は流血戦大好き
 のロットンに挑みましたが、やはり凶悪度で勝るロットンの敵
 ではなかったようで...。
CBuh Buh Ray Dudley vs. D-Von Dudley
  ダッドリー一族唯一の黒人選手Dボン。肌の色の違いが諍
 いの元でもなかったんやろけど、ババ・レイとの抗争が勃発
 しましたんや。試合は豪快なババ・カッターがズバリと決ま
 ってババがDボンをフォール。しかし脂っこい顔をしたジョエル
 ・ガードナーがDボンを勝者としてコールしたものやから、ま
 たまたリング上はカオス状態へと再突入。続いてDボンには
 ロットンが加勢し、ババにはスパイクが加勢。最後にはババ
 &スパイクにビッグ・ディックも加勢して果て無き混戦は次回
 へと。あ、巨漢ビッグ・ディックが月面水爆を披露しよるよっ
 て注目したってね。
DThe Eliminators vs. Sabu & Rob Van Dam
  ギャングスターズの保持するタッグ王座への挑戦権が懸っ
 たこの一戦。プロレス・スキルの高い者同士の試合であり、
 しかもエクストリームなスポット連発で、規定の20分はアッと
 言う間に過ぎました。しかしこれで納得するECWアリーナの
 常連客やおまへん。それならギャングスターズとのタイトル戦
 の方式を変更しろと『3WAYダンス』コールが。
 でもとりあえずコミッショナーのタッド・ゴードン氏の発案で5分
 の延長戦へ突入や。けどこれではやはり決着はつかず再度
 の延長戦へ。でもやはり再延長戦でも決着にはならず、最後
 には4人全員がリング上で大の字に。ここでまたもや客席か
 らは『3WAYダンス』コールが。今度はタッド・ゴードン氏もこ
 れを拒否できず、遂にタイトル戦は3WAYダンス方式に変更
 となったんですワ。
 それにしてもこの一戦、内容は非常に濃かったですワ。
 特にサブゥの椅子投げ付けにサタンがプッツンと切れた時点
 より後の約十数分間は、プロレスって芸に興味があるのなら
 絶対に満足できる攻防やったと思いまっせ。
EChris Candido vs. Mikey Whipwreck
  海千山千の曲者揃いのこの時期のECW(カクタス・ジャック
 は96年3月にWWFへ転出済)にあっては、どうしてもこの二
 人のシングル戦は注目度が落ちるな。また随所に息の合って
 いない場面もあったしな。
FECW Tag Championship
 The Gangstas vs. The Eliminators vs.
 Sabu & Rob Van Dam
  Dの試合がドローに終わったよって急遽3WAYダンス方
 式に変更となったタッグ王座戦。王者チームのギャングスタ
 ーズが乱闘&反則暴走派なものやから(苦笑)どうしても大
 味な試合展開となってしまいました。また途中、サブゥをし
 つこく付け狙うタズが花道に現われ、サブゥの相方であるR
 VDをチョーク・アウト。リング上からこの暴挙を見ていたサブ
 ゥには一瞬の隙が生れ、ここにイリミネーターズの合体必殺
 技トータル・イリミネーションが炸裂。まずはサブゥ組が敗退
 となり、これでギャングスターズとイリミネーターズのタイマン
 勝負かと思われた途端、ニュー・ジャック親分がコーナー・ポ
 ストより椅子爆撃。紆余曲折あったものの、虎の子のベルト
 はギャングスターズの元へと戻りましたんや。
GLoser Leaves Town Match
 2 Cold Scorpio vs. Devon Storm
HLoser Leaves Town Match
 2 Cold Scorpio vs. J.T. Smith
ILoser Leaves Town Match
 2 Cold Scorpio vs. Hack Meyers
JLoser Leaves Town Match
 Louie Spicolli vs. 2 Cold Scorpio
  スコーピオのECW最終戦。この試合をもってスコーピオ
 はWWF転出が決まってましたんや。で、当時のスコーピオ
 はヒール組やったみたいで、リングに現われるなりWWF転
 出を嗅ぎつけた常連客から『YOU SOLD SOUL!』の大
 合唱。常連客も心底スコーピオを憎んでいるのやなく、ヒー
 ルならヒールらしく送り出してやろかって腹積もりや。
 ここいら辺り、大人のファンの集まりって感じで、他団体では
 まずお目に掛れない風景やね。
 そして当のスコーピオも最後まで嫌味な奴系のキャラを演じ
 続けました。まずは「WWFに行くんやない。これまで誰も成
 し得なかったECWとWWFの掛け持ち契約をするんや」と常
 連客を挑発し、敗者15日間ECW出場停止を懸けてデボン
 と対戦、これを秒殺で葬ります。ならばと名乗りを上げたの
 は『純血イタリア人』ギミックのFBIから黒人選手のJTスミス。
 こいつには30日間の出場停止を懸けてまたまた秒殺した
 スコーピオ、調子に乗って次の挑戦者を募ります。
 それならとBで額を割られたマイヤーズが登場。しかし60
 日の出場停止を食らったのはやはりマイヤーズでしたワ。
 何や誰かスコーピオを止める骨のある奴は居らんのかと思
 われるでしょうが、慌てたらあきまへん。マイヤーズの様態
 を気遣ってリングに現われたのは、見た目は地味やけど実
 力派と目されるスピコーリ。けど何とスコーピオは「こいつこ
 そがワシと一緒にWWFへ転出し、サバイバー・シリーズで
 ワシのミステリアス・パートナーとなる奴なんや!」と笑うに
 笑えぬ暴言を。そして遂にスピコーリと1年間の出場停止
 懸けた試合が始まりました。尚、この試合は1分間以内にス
 コーピオがピンを取らないと負けってルールで、すぐに約束
 の1分間は過ぎてしまうんやけど、誰も止めるものはおらず
 試合は続行。最後にスピコーリ十八番のデスバレーボムが
 火を噴き、スコーピオは1年間の出場停止を喰らって、WW
 Fへと転出することとなりましたんや。スコーピオも、スピコー
 リに対して「あとは任せたデ」って言いたかったんやろね。
 スコーピオの役者根性と、裏事情も全て理解して楽しむ常
 連客。ECW侮りがたしと痛感させられる一幕でしたワ。
  尚、スコーピオからバトンを受けたスピコーリですが、彼も
 後日メジャーWCWへ転出するんです。けど転出直後の98
 年2月14日、薬物中毒で...(合掌)。
K遂にタズとサブゥが対峙!
  スコーピオに憎まれ口を叩きに現われたタズが、またまた
 リング上からサブゥを挑発。これを見かねたコミッショナーの
 ゴードン氏にはタズミッション、ポールEにはTボン・タズプレ
 ックスを見舞うなどと大暴れ。そしていきなり会場内が暗転し、
 再度照明が点いた時にはリング上にサブゥが!。
 ただし今夜はここまで。タズとサブゥの『世紀の遺恨戦』は9
 7年4月13日のECW初のPPV『BARELY LEGAL』まで
 引っ張られるんですワ。この時の模様は既に当HPにアップ
 済なので、よかったらこっちも見て下さいな。
LECW Championship Sandman vs. Raven
  ぐうたら親父のサンドマンに愛想を尽かし、サンドマン夫人
 のロリさんはジャンキーと化してしまい、これではアカンと救
 いを求めて一粒種のタイラー君と一緒にレイヴェンが主宰す
 る新興宗教へ入信。しかし神秘の力はレイヴェン教祖やなし
 にタイラー君にこそ宿っていたようで、レイヴェンまでが試合
 直前の番宣プロモではタイラー君に救われたと言い出す始末。
 とりあえずここらで一度、試合でもやろやないかって組まれた
 のがこの一戦でしたんや。試合はレイヴェンの手下bWo勢や
 ロリ夫人&タイラー君の介入を跳ね返しサンドマンが王座(一
 応懸かっていたんですワ)を防衛したんですが、どうにも試合
 全体が上滑りしている感じでしたワ。
MTerry Funk & Tommy Dreamer vs.
 Shane Douglas & Brian Lee
  当時ECWマットでは極悪非道の徒ダグラスが、金さえ払え
 ば何でもやるブライアン・リーを手足のように使って猛威を振る
 っており、これを見過ごしておれんと立ち上がったのがドリーマ
 ーでした。けどダグラスの勢いは衰えることなく、この試合直前
 の興行ではドリーマーがボコボコにされた挙句、ダグラスから
 「お前だけでは物足りん、伝説の男を連れて来い!」って挑発さ
 れた末に、車載電話から「ダブルクロス・ランチへ繋いでくれ」
 て話す印象的な場面がおましたんや。
 『伝説の男』、『ダブルクロス・ランチ』と言えば御大テリーしか居
 りませんな。ガオラで放送されたこの場面、ワシはホンマによく
 出来た物語やと涙々で観たものでした(例によってこのDVDに
 は収録されておらず、残念無念や)。
  さて肝心の当夜の試合ですが、ダグラスのマネであるフランシ
 ーンとドリーマーの当時の彼女役であったビューラのキャット・フ
 ァイトや、御大(当時既に53才!)のコーナー・ポストから場外
 へ向けての月面水爆、御大十八番のスピニング・トゥ・ホールドな
 ど見所満載の30分弱。ECWにおける年間最大興行のメインを、
 見事に飾っております。
  尚、勝者はダグラスを椅子の上へのDDTで葬った御大テリー・
 ファンクでした。

<総評>策士ポールEが練りに練った興行やから悪いはずがおま
 へん。ただ残念なのが権利関係で収録できなかったのであろう各
 選手の入場テーマ。ギャングスターズやスコーピオ、メイン終了後
 にまだ暴れるダグラスに突っ掛かって行ったピット・ブル2号など、
 全てがオリジナルとは別の曲がアフレコされているもんで...。
 特にピット・ブルの場合、オリジナルはECWの番組オープニング曲
 でもあったホワイト・ゾンビの『サンダー・キス’65』やもん、ロック好
 きのポールEに応えるためにもここは一発、権利関係をクリアーし
 て欲しかったですワ。


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