では収録内容の詳細を

One Year Anniversary Show (VHS−TAPE)
2003−2−15 (約2時間35分収録)
 今宵ご紹介いたしますは、3PWって独立団体。
なんとなくスケベな団体名ではありますが、ホンマは【PRO PAIN PRO
WRESTLING】って名前でして、これを略して3PW。
決して皆さんのお好きな複数プレイやおまへんのですワ(苦笑)。
さてこの団体、ペンシルベニア州はフィラデルフィアを本拠地としてます。
フィラデルフィアと言うと察しのエエお方ならピンと来るでしょうが、そう
この団体、今はなきECWの残党が中心となって興されたんですワ。
一応発起人は元ECW〜WWFのブルー・ミーニーと、元々はECWのオ
ーナーであったタッド・ゴードン氏。
当然ECWと縁のあった選手も多数招聘されて、フィラデルフィア土着の
非常に濃いマニア連中に大注目(?)されている模様や。
その3PWが2003年2月15日の聖バレンタインデイの夜に、団体創立
一周年記念として開催したのが本興行なんですワ。
けど本来なら、ワシら日本人には手の届かない興行やったんです。
しかし皆さん、えらい世の中になりましたな。ネットで注文するとビデオ
に試合模様をダビングして、日本にも送付してくれるお店があるんです。
今回ワシが利用したのは【SMARTMARK】ってお店で、どうやら
自力では映像の製作〜販売までを一貫して行う事の出来ない各種独立
団体と提携し、試合模様をグローバル(笑)に販売しているみたい。
そやから各種独立団体のHPにあるビデオ販売のボタンをクリックすると、
【SMARTMARK】に飛ぶってこともしばしばおますのや。
よって隠し撮り等の粗悪な内容ではなく、今回のものはバルコニーからと
ハンディ・カメラからの二つの画面を上手く編集し、実況まで付いた本格
的なもの。日本の方なら、国内のインディ団体とサムライTVの関係、及
びサムライTVでの放送内容を思い出してもらえるとエエかも。
そんなレアなブツが送料込みで$22、そら財布の紐も緩みますワ。
では【The Electric Factory】ってディスコ&ライヴ・ハウス(?)で行われ
た本興行、ECW大好き野郎のワシがレビューさせていただきまっさ。
尚、当夜の観衆ですが、3PWのHPには709人とありました。
 
@オープニング・プロモ
  トータル2時間35分収録であり、120分のVHSテープに3倍速で録
 画された本作、何と冒頭には過去の興行の模様を収めたプロモまで。
 ここでは先日亡くなった“ミスター・パーフェクト”カート・ヘニングとジェリ
 ー“ザ・キング”ローラーの一騎打ちもおましたワ。  
A前口上
  カート・ヘニングとザ・シークへの10カウント・ゴングがしめやかに
 鳴らされました。
 またまた3PWのHPから引用いたしますが、司会はNWA−TNAの
 “Jeremy Borash”って方らしいです。
 あ、フィラデルフィアと言って忘れてならんのが、ECWの興行の際は常
 に向こう正面一列目ド真ん中に座っていたサングラス&麦わら帽子の
 2人組。ECWが潰れて最近どないしてんのやろって心配してたんやけ
 ど、ちゃっかりと花道最前列に姿があり。ワシと一緒で、この2人もご
 機嫌な人生を送っているみたいや。安心いたしましたワ(笑)。
BPrince Nana w/Showtime vs. Jeff Rocker
  緒戦は最近各独立団体の試合結果欄に名前をよく見かける、プリンス
 ・ナナの試合。ショータイムってマネと一緒に花道を出て来て、サングラ
 ス&麦わら帽子の古狸と早くも舌戦を展開。ま、お約束でんな(笑)。
 試合はマニア連中から『お前、誰や!?』って野次り倒されたものの、ナ
 ナがショータイムの介入によりマッチョ系のロッカーから勝利を。
C渡りガラスの御帰還
  WWFを離脱した(いや、解雇された)ばかりのレイヴェンが、オフスプ
 リングスの『カム・アウト・アンド・プレイ』を高らかに鳴らして古巣フィラデ
 ルフィアのマットへ御帰還。今夜の相手はECW時代に子分として扱っ
 ていたブルー・ミーニーです。しかし時代は流れて、今やミーニーこそが
 レイヴェンにギャラを払ってくれる雇い主となってしまうんやから人生複
 雑ですな。
 ま、客席からの『おかえりコール』の中、レイヴェンも複雑な心情は微塵
 も表に出さず、目の前のミーニーを全く無視してタイトル挑戦を要望。
 ここにテーマ・オブ・ECWとも言うべきホワイト・ゾンビの『サンダー・キッ
 ス’65』をガンガン鳴らしてECW時代はピットブル1号として名を馳せた
 ゲイリー・ウルフが登場。
 すったもんだあって、今夜のメインで3WAYダンス方式での王座戦が組
 まれることに。で、レイヴェンさん、ならばお前なんかに構ってられぬわ
 と雇い主のミーニーを突然のDDT一発でフォール。
 この後、ロッカー・ルームでミーニーとレイヴェン、どんな会話をした
 んやろか(苦笑)...。  
DJason Knight w/ Jasmin St. Claire vs. Rockin' Rebel
  出ました!、ECWの初期からずっと『地球上で一番セクシーな男』を
 名乗り続ける『両刀使い』のジェイソン。私生活ではAV出演でミーニー
 を資金的にバック・アップしているミーニーの良妻ジャスミン嬢を帯同し、
 堂々のご出馬ですワ。また新顔(?)のロッキンは、やはり先程のナナ
 同様にサングラス&麦わら帽子と小競り合いの真っ最中(苦笑)。
 試合は相変わらずダサダサのファイト内容(遥か昔の大日本来日時か
 ら殆ど進歩なし)を展開するジェイソン、ジャスミン嬢のTバック丸出しの
 お尻にスパンキングを敢行するロッキンと、ある意味見所満載や。
 ジャスミン嬢への蛮行に、ワシの嫁ハンに何をするんやとミーニーまで
 現れてロッキン相手にスタナー一閃。ホンマ、満腹満腹の内容でした。
EKid Kash vs. Kid Kruel
  ウーン、フィラデルフィアでプロレスをやりたかったら、どうもまず新顔
 はサングラス&麦わら帽子に仁義を切らんとアカンよう(笑)で、ここでも
 クルーエルがリング登場と同時に2人と絡んでますワ。
 でも肝心の試合内容は素晴らしかったでっせ。アマレスの下地も伺える
 クルーエルと、末期ECWで活躍したキャッシュの一戦は中盤キャッシ
 ュのサマーソルト式ドロップ・キックが決まり、一気にヒート・アップ。
 最後はキャッシュのダブルアーム式脳天杭打ちが決まってクルーエル
 に土が付くんやけど、余りの素晴らしさに観客がスタンディング・オベー
 ションで両者の健闘を称えておりましたワ。
FDa Hit Squad (Mafia & Monsta Mack)
 vs. Balls Mahoney & Nosawa
  東京愚連隊のノザワが今夜チームを組むは、これまたECW残党のデ
 スマッチ担当巨漢マホーニー。相手は21世紀のギャング・スターズって
 ノリのスクワッドで、ゴング早々乱戦は火蓋を切って落とされました。
 試合はECWコールの中、ECW時代は椅子大王でもあったマホーニー
 に凱歌が。しかし試合中の誤爆が後を引いて、ノザワとマホーニーは呆
 気なく仲間割れ。次回興行においてエニィウェア戦で決着を付ける事に。
 あ、ノザワですが、花道登場〜試合〜退場まで、30秒に一度は中指を
 立てよるんです。米国でプロレスでメシを食おうとするなら、ここまで徹底
 して嫌われモンにならんとアカンのやね...。
Gびしょ濡れTシャツ・コンテスト
  わが師、故フランク・ザッパ師匠が歌った事でも有名(?)な、米国伝
 統のお馬鹿競技である【びしょ濡れTシャツ・コンテスト】が今宵開催。
 一応コンテストの内容を説明しますが、ブラジャーを着けない女性の胸
 に冷水を振り掛け、冷たさで勃起した乳首がどれだけTシャツから突き
 出すかを競うってアホ丸出しの競技(生で観たかった)なんです。
 で、審査員にタッド・ゴードン、ジャスミン嬢、ミーニーの手下である
 ミニ・ミーニーのお三方を招いて開催された本コンテスト、序盤はジャス
 ミン嬢の仕事仲間と思われる3人のオネエちゃんがそれぞれご自慢の
 乳首を濡れTシャツ越しに披露。ここまでは客席も大満足って感じやっ
 たんですが、続いて女子マネの大御所ミッシー・ハイアット嬢が登場し、
 豊胸手術したブツを披露。その後に『怪女』ニコル・バス嬢までが勇躍
 参戦し、一気に雲行きが怪しくなって来ました(笑)。
 で、最後はどうやら過去の遺恨が再燃した模様で、ミッシーとジャスミ
 ンが股間剥き出し(一応パンツは履いてます)のキャット・ファイト。
 F同様、今度は次回興行においてミッシーとジャスミンのブラ・パン戦
 が急遽(苦笑)決定しましたんや。ウーン、これは次回も必見や!。
HJosh Daniels & Damian Adams
 vs. Matt Striker & Rob Eckos
  若手チーム同士のタッグ戦。ここではストライカーが古の有名選手達
 の十八番のムーブを次々披露し、マニア連中の注目を集めてました。
I Low-Ki vs. Homicide
  ここまでなんやかんやと茶化した内容のレビューを書き綴って来まし
 たが、この試合はホンマに素晴らしい内容でした。
 最近アンテナの高いプロレス・ファンの間で評判のロー・キィがハマサ
 イド(日本ではホミサイドって表記が目立つけど)と一騎打ちですワ。
 内容はかつての日本のお家芸であった『ジュニア路線』と、ワシは全く
 門外漢である『総合』ってのを良い意味で消化しきった長時間の熱戦。
 一応ロー・キィが勝利を得るんですが、目の肥えたマニア連中もスタン
 ディング・オベーションで両者を称える納得の一戦や。
 実際、日本人の若手ってここまでやれる選手は居てないんやないの?
JRaven vs Xavier vs "Pitbull" Gary Wolfe
  Cにおいて決定された3WAYダンス方式による3PW王座戦。現在
 の王者は2002年の年末興行でサブゥを負かしたゲイリー・ウルフや。
 試合開始早々に三人でロック・アップする場面を見て、そう言えば最近
 は何処の団体でもやっている3WAYダンスも元々はECWで発明され
 たんやなぁって、ワシも思わず感慨に浸ってしまいましたワ。
 試合は若手の【Xavier】(←何て読むんやろ)がレイヴェンにフォールさ
 れ、中盤以降はレイヴェン対ゲイリーという、ECWマニア感涙の顔合
 わせに移行。けどレイヴェン、3PWとはこの一試合だけって契約やっ
 たんやろね。やや唐突気味にゲイリーによる三田のえっちぇん十八番
 のデスバレー・ボムが火を噴き、レイヴェンはさしたる抵抗もせず敗退。
 やはり元子分格のミーニーが仕切る団体では、プライドが許しまへんか。
 そらミーニーを【兄さん】とは呼びにくいやろけどね...。
KTerry Funk vs. Sabu
  日刊スポーツのネット欄でお馴染みのデイヴ記者が伝えたところでは、
 本試合は先日天へと召されたザ・シークへの追悼試合だったそう。
 確かにこの両者の顔合わせならシークへの追悼であると謳っても、誰も
 文句はないやろね。
 さて今夜もテリー御大はリング・サイドへの登場と同時に独自の世界へ
 とトリップ(笑)された御様子で、サブゥ目掛けて椅子や机を投げ付け
 るなどと御乱行。対するサブゥも五寸釘を取り出して御大を流血へと追
 い込むなど、過去の両者の対戦における名場面を惜しみなく披露。
 またサブゥが御大をラクダ固めに捕らえた場面では、客席からのシーク・
 コールも聞けましたデ。
 ま、正直に書くならJ同様にこの試合も花相撲って感じは否めず、十分
 程度の試合時間で机の破片へ向けて御大のDDTが決まり、あっさりと
 サブゥに土が。でも観客は皆さん満足だったようで、御大による試合後
 の感謝の念表明に、何時までもスタンディング・オベーション(今宵、何
 度目かの)が続いておりましたワ。

【総評】ウーン、ワシを含めて誰もがECWを忘れられんのやねってのが
 正直な感想。ただしEやIなどでお分かりのように、3PWは単なるノ
 スタルジー団体でなはないのも確か。
 これからが楽しみな独立団体ですワ、って最後は綺麗に締めたかった
 んですが、次回興行である3月29日のカードにはEやIで熱戦を披露
 してくれた選手の名は少しだけしかなく、主流はオールド・ネームの羅
 列となってますんや。
 そうか、やはり3PWはECWって影を引きずっていくのやろか?
 3PWの明日はどっちだ、って事で本日は時間となりました。


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