では収録内容の詳細を

WAR GAMES 2003-9-19
(約2時間20分収録)
 小島聡の参戦や、主要レスラー達のゼロ・ワンへの大挙登場など、何かと
日本マットとも繋がりのあるMLW(Major League Wrestling)。02年7年15
日の旗揚げ興行はフィラデルフィアでの開催やったけど、ワシの知らぬ間に
活動拠点がフロリダ周辺へ変更となったみたいや。
で、今回ご紹介するのは03年9月19日にフロリダのフォート・ローダーデル
にて開催された定期戦の模様を収めたDVD。これ、当HPではお馴染みの
米国プロレス・グッズ通販店『HIGHSPOTS』が監修〜作製〜販売までしと
るようで、単体でなら13ドル弱の価格なんですが、他の2タイトルと一緒の
セット売りでなら30ドルにしますってセールがあり、ワシはこの甘い言葉に
まんまと乗せられてセット売りの方を選んでしまいましたんや。
では早速レビューへと...。

@Extreme Horsemen Interview
  DVDを再生するなり画面に現れたのは、スティーヴ・コリーノ、CW・アン
 ダーソン、サイモン・ダイアモンド、謎の覆面レスラーであるPJ・ウォーカー
 の4人。この4人、かつてリック・フレアーが率いた『4人の騎士達』にヒント
 を得て、MLWマットを実力で仕切る『エクストリーム・ホースメン』なるユニ
 ットを結成しとるみたいで、マイクを握らせたらチョットうるさいコリーノが、
 WWEのビンス、JR、キングさんらの名を挙げて何やら難クセを付けだし
 ます。続いてPJが安っぽい覆面を自ら外すと、中から現れたのはジャス
 ティン・クレディブルその人。そうか、『エクストリーム・ホースメン』って末期
 ECWを沸かせた、地味で渋い選手達の新たな活動指針なんやね。
 で、ここでビッグ・サプライズ。今夜のテリー軍との『金網ウォー・ゲーム』に
 備え『エクストリーム・ホースメン』側のゲスト・プレイヤーとして、フレアー
 率いる『4人の騎士達』にも参画したバリー・ウィンダムが堂々の登場や。
 ウィンダムの参戦、『エクストリーム・ホースメン』にも箔が付くし、『オール
 ド・スクールの王』を自負するコリーノとしては願ったり叶ったりやろな。
 で、得意満面のコリーノ、バック・ステージのテリー軍へ届けとばかり、「今
 夜の金網ウォー・ゲームは5対3での勝負やな」と毒づいております。
 【追記】この試合でジャスティン・クレディブルがPJ・ウォーカーを名乗って
 おりますが、どうやらこの名前は駆け出しの頃に彼が使っていたもののよ
 うです。彼流の細かいネタだったのでしょうな...。
ALos Maximos (Jose Maximo & Joel Maximo)
 vs. Juventud Guerrera & Super Dragon
  まずはマキシモ兄弟とフヴェントゥ&ドラゴンのタッグ戦で興行は開始。
 早いタッチ回しでスピーディに展開した試合でして、フヴェントゥのフィニッ
 シュ・ムーヴであるフヴェントゥ・ドライバーがマキシモ兄弟の片割れをズ
 バリと捉えたものの、レフリーがフヴェントゥには試合の権利がないと判
 断。直後にドラゴンが綺麗に丸め込まれて敗退してしまいました。
BJ-Cup U.S.A. Tournament Match #1 :
 Sonjay Dutt vs. Tony Mamaluke
  今夜の興行、『金網ウォー・ゲーム』がメイン・デッシュなんやけど、これ
 だけではお客さんに失礼だと思ったか、MLW認定の初代ジュニア王者タ
 イトルが懸かった8選手参加によるトーナメントも添えられており、ここから
 の4試合が予選となりますんや。で、まずは予選第1試合。CZWマットな
 どで実力の程を披露しているサンジェイと、『純血イタリア人』ギミックをま
 だ引き摺っているママルークの顔合わせ。ママルークが場外に向けて放っ
 たセントーンや、変形のギロチン・チョーク。試合を決めたサンジェイによる
 キン肉バスター〜ヒネリを加えた月面水爆と、腕の確かな両者の絡みは
 なかなか楽しめましたデ。 
CJ-Cup U.S.A. Tournament Match #2 :
 Eddie Colon vs. Jerry Lynn
  予選第2試合は『プエルト・リコの英雄』カルロス・コロンの息子であるエ
 ディ・コロンとジェリー・リンとの顔合わせ。試合が始まるなり、ECW時代
 のリンとRVDとの名勝負数え歌が忘れられない一部観客からはRVDチ
 ャントも沸き起こり、エディもリンも少々試合をやり辛そうな感じか。
 それでも流石はリン、レベル差の明らかなエディ相手に見事に丸め込ま
 れて敗退してみせよりましたデ。尚、控え室に戻ったエディをリンとマイキ
 ー・ウィップレックが襲撃するなんて一幕もありましたワ。
DJ-Cup U.S.A. Tournament Match #3 :
 Jimmy Yang vs. Juventud Guerrera
  予選第3試合は共に一度はWCWに属した事もある二人の顔合わせ。
 またヤンについては、この直後の03年10月に晴れてWWEへ昇格して
 タジリの手下であるアキオへと変貌を遂げるんですな。
 試合の方は@に引き続き参戦のフヴェントゥに疲れが残っていたのか、は
 たまたフヴェントゥ・ドライバーの二連発にも沈まなかったヤンにガッツが
 あったのか、最後はヤン・タイム(竜巻式月面水爆)にてフヴェントゥに土
 が付きました。
EJ-Cup U.S.A. Tournament Match #4 :
 Christopher Daniels vs. Super Dragon
  予選第4試合は日本でも評価の高いダニエルスが@に引き続き参戦の
 ドラゴンを迎え撃った試合。レフリー(ECWでもお馴染みのジョン・フィレガ
 ン)の目を欺き放ったロー・ブロー一発であっさりとドラゴンを下しました。
FMikey Whipwreck vs. Norman Smiley
  相変わらずグッド・シェイプをキープしているのは、かつて『黒い藤原』と
 異名を取ったスマイリー。フロリダ周辺の独立団体の興行には結構顔を
 出しているみたいで、今夜は『ECW最弱』キャラで一世風靡した(?)マイ
 キー君と激突や。でも数分間戦った両者、メインの『金網ウォー・ゲーム』
 のために併設している隣のリングへ戦場を移したところで画面がいきなり
 途絶え...。これ、両者リング・アウトって事なんやろか?。
GFans Bring The Weapons Match :
 The Samoan Island Tribe (Samu & Ekmo & Mana)
 vs. Monsta Mack, Richard Criado & Matt Stryker
  この試合、元々は2対2のタッグ戦であったみたいなんやけど、試合開
 始早々にサムウとモンスタ・マックがド突き合いを演じもって戦いの輪の
 中に加わり、ここで「今から試合を3対3の凶器自由使用戦とします!」っ
 てアナウンスが流れ、荒れに荒れた内容へと様相が変わったって次第。
 最後はエクモが場外フェンスを越えて放ったダイヴィング・テーブル葬を
 リチャードがモロに喰らい、哀れ口から泡を吹いて失神KO。巨漢による
 ダイヴ系の技は、使い方を間違うと大事故に繋がるので要注意でっせ。
HMike Awesome vs. Samoa Joe
  FMWマットを腕一本で制圧していた頃の鋼の様な体躯から、どことなく
 全日本プロ系のボテッとした体型へと変わり果てた(?)マイク・アッサム
 ことザ・グラジエーター。今夜はサモア・ジョー相手の試合でして、途中リ
 ング下にテーブルをセットしたものやから、オッこれは十八番の場外テー
 ブルへの投げっ放しパワー・ボムの披露かと期待を持たしてくれました。
 けど試合はマットに横たえたジョーの身体に椅子を数脚乗せ、そこにアッ
 サムがダイヴィング・ボディ・プレスにて舞い降り圧殺してジ・エンド。
 おいおい折角場外に設置したテーブルやのに、なんで使用せんのや!。
 それともDVDには収められとらんけど、試合決着後に改めてあの豪快な
 スポットを披露したの?。ウーン、これは大きな不満が残った試合や。
IJ-Cup U.S.A. Tournament Match (Semi-Finals) :
 Sonjay Dutt vs. Eddie Colon
  ここからの二試合はトーナメントの準決勝戦。まずはサンジェイとエディ
 の顔合わせでして、Cの試合ではベテランのリン相手に気後れしていた
 かの様な印象を与えたエディも、同世代のサンジェイ相手に生まれ変わっ
 た(ちょっと大袈裟)かの様に伸び伸びとファイト。サンジェイの繰り出す高
 難度の技と、エディによる大技の連発が心地よいハーモニーを奏で、最後
 はエディのスワン・ダイヴ式のドロップ・キックを迎撃したサンジェイに凱歌
 が上がりました。
JJ-Cup U.S.A. Tournament Match (Semi-Finals) :
 Christopher Daniels (w/Mikey Whipwreck) vs. Jimmy Yang
  準決勝の第2試合はダニエルスとヤンの顔合わせ。適時マイキーを試合
 に介入させ、コブラ・ツイストなどでヤンをジワジワと攻め込むダイエルス。
 対するヤンも得意のヤン・タイムを連発で仕掛けて決勝進出を狙ったので
 すが、最後はまたもやのマイキー介入に、ヤンが煮え湯を飲まされる格好
 となってしまいました。
KRaven vs. Nosawa
  各地の独立団体を、まさに『渡りガラス』の様に飛び回る教祖レイヴェン。
 アチコチのリングでCMパンクと抗争劇を繰り広げているそうですが、今夜
 はノサワ(暫く見ない間に刺青が増えたね)相手の試合ですワ。けど試合
 にはCMパンクの息が掛かったと思われるサブ・レフリーや、当のCMパン
 クも介入し、なんとも散漫な雰囲気。で、僅か数分の試合は、ノサワの蹴り
 がCMパンクを見事に誤爆し、これに慌てたノサワにレイヴェン十八番のD
 DTがバッチリと決まって幕。ま、これはレイヴェン対CMパンクの抗争劇番
 外編 in MLWってところやろか。別にあってもなかってもどっちでもエエ試
 合でしたな。
LVampiro vs. C.M. Punk
  ノサワの失態を詰るCMパンクの背後にバンピーロが現れ、やや唐突気
 味に始まった試合。これも先のKと同様に僅か数分の試合でして、CMパ
 ンクの繰り出したハリケーン・ラナをバンピーロが無理やり丸め込み幕に。
 次のトーナメント決勝戦に出場するサンジェイとダニエルスに息を整える時
 間を与えるための、『幕間の小芝居』ってところなんでしょうが、折角それ
 なりの役者陣を揃えたのやから、MLWのブッカーさんももうちょっとネタを
 練ってくれたら良かったのにって思いましたワ。それにしても本興行、トー
 ナメントに出ている選手達のモチベーションと、『幕間の小芝居』のために
 雇われた選手達のモチベーションには、非常に大きな差があるなァ。
MJ-Cup U.S.A. Tournament Match (Finals , to crown the first
 MLW Junior Heavyweight Champion) :
 Sonjay Dutt vs. Christopher Daniels (w/Mikey Whipwreck)
  って事でトーナメントの決勝戦。前述した様に、この試合にはMLW認定
 の初代ジュニア王者タイトルも懸かっており、このベルトを獲るって事はす
 なわち次回以降の興行にもお呼びが掛かるって事でして、ベルトの価値
 云々よりサンジェイもダニエルスも『明日の飯の糧』を欲していると予想。
 で、肝心の試合なんですが、サンジェイを応援する観客達の前でダニエル
 スがマイキーと二人掛かりでサンジェイを攻め立てて客席のヒートを煽り、
 サンジェイはリング併設の特性をフル活用した4ステップ式の場外ダイヴっ
 て超高難度の技を実に容易そうに披露。最後もサンジェイによるヒネリの
 加わった450が大爆発。サンジェイにMLW認定の初代ジュニア王者って
 称号が与えられる事となりましたんや。
 あ、今回のトーナメントですが、各試合に割り振られた時間こそ短かった
 ものの、サンジェイの相変わらずの素晴らしさと、あえてヒールの立ち位
 置を強調したダニエルスの闘い振りが目に付いた、なかなか見所の多い、
 内容の濃いものであったとご報告しておきますワ。
NWar Games Match :
 The Funkin Army (Captain : Terry Funk, Sabu, Steve Williams,
 Sandman, Bill Alfonso) vs.
 The Extreme Horsemen (Captain : Steve Corino, CW Anderson,
 Simon Diamond, PJ Walker, Barry Windham)
  いよいよ今夜のメイン・デッシュである『金網ウォー・ゲーム』。リングを2
 個併設して金網で囲み、2分間隔で選手が一人また一人と入って来るっ
 て試合形式でして、今はなきWCWで行われた事でも有名やね。
 さて@で説明いたしました様に、ウィンダムを加えて5人構成となった『エ
 クストリーム・ホースメン』側に対し、テリー御大がキャプテンを勤める『ファ
 ンキン・アーミー』側はサンドマンとスティーヴ・ウィリアムスの参加がアナ
 ウンスされているものの、頭数では3対5で絶対的に不利な状況や。
 で、CWとサンドマンの顔合わせで始まった『金網ウォー・ゲーム』。続いて
 有刺鉄線を手に巻いたコリーノがリングに入り、一気に血の臭いが充満し
 始め、ここに「ダブル・クロス・ランチ出身!」と紹介されたテリー御大が登
 場。椅子を相手かまわずブン投げるなど、金網内はテリー・ワールドへと
 急激にシフト・チェンジですワ(笑)。以降、サイモン・ダイヤモンド、スティー
 ヴ・“殺人医師”・ウィリアムス、梯子を手にしたPJ(ジャスティン・クレディ
 ブル)の順で選手がリングへと入り、続く2分経過のアナウンスで入場ゲー
 トに姿を現したのはビル・アルフォンソを従えたサブゥ!!。
 やっぱり『ファンキン・アーミー』側もここ一番の『隠し玉』を用意していたん
 やね、3対5だと心配して損したワ。ホンマ、人の悪い(笑)。
 ただ今夜のサブゥ、左腕をギプスでガチガチに固定しての参戦でして、日
 頃のムチャクチャ振りが手に取るように分かります。そして金網の中が4人
 対4人のイーヴンとなり、最後に『エクストリーム・ホースメン』側の客人で
 あるバリー・ウィンダムが勇躍リング・イン。すると、この様子を眺めていた
 ビル・アルフォンソの男気に火が点いた様子。「このままでは4対5でない
 か!」と自ら上着を脱ぎ捨て、覚悟の金網内出撃でっせ!!!。
 よっしゃ、これで晴れて5対5。金網の中ではテリーとコリーノが憎悪剥き
 出しで戦い、サブゥは負傷中の左手を省みずテーブルへと舞い落り、サン
 ドマンは枯れた色気をところかまわず振りまき、ウィリアムスやウィンダム
 は所在なく立ち尽くしている(苦笑)。そう、お楽しみはこれからや、って思
 わせたらいきなりテリー御大が燃え盛る焼きゴテをコリーノの背中に突き
 立て、続いて焼きゴテを火種にコリーノの顔面を焼き尽くさんばかりの火
 炎噴射攻撃。これにより『エクストリーム・ホースメン』側のキャプテンであ
 るコリーノがテリーに押さえ込まれ、『金網ウォー・ゲーム』も幕に。
 ウーン、選手の登場間隔を1分半にして、5対5での戦い模様をもう少し見
 せて欲しかった気持ちもありますが、最後の火炎噴射攻撃が大迫力やっ
 たのでこれはこれでOK。ただ、テリー御大の手加減抜きの火炎噴射攻撃
 をモロに顔面に浴びたコリーノがちょっと心配や...。


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