では収録内容の詳細を

Last 2 Shows 2001-1-12 & 2001-1-13
(DVD-R*2枚)
(DISC-1 : 約1時間39分収録)
(DISC-2 : 約1時間59分収録)
 ECW存命時に、地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビ
デオ収録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』。
これまでは120分テープのVHSテープを使い、2倍速録画なんて
実に得体の知れないフォーマットで秘蔵映像を収録し、全世界のE
CWマニア相手に通販で商売をしておりました。
で、『RF-VIDEO』も昨今のECW再評価の潮流とデジタル化の波を
感じ取ったか、今となっては非常に貴重な過去の映像ライブラリー
をDVD−R化して順次発売すると決めたみたいなんや。
で、今回ご紹介するのは『RF-VIDEO』からDVD−R×2枚組で販
売されている、2001年1月12日のミズーリ州ポプラブラフ大会と
1月13日のアーカンソー州パインブラフ大会なんです。
ECWに思い入れのない方ならフーン、あっそうなのってなるんでし
ょうが、この2興行こそがECWの『最終興行』なんですワ。
ここでいまさらECWがプロレスってジャンルに与えた影響を一つ一
つ論えても仕方がないから止めますが、こんな貴重な映像がキチン
と残されていたって事に感謝しつつDVD−Rを再生してみます。
 尚、本作の元ネタ映像ですが、『RF-VIDEO』差し向けのカメラマ
ンがECWに許可を得てハンディ・ビデオで試合の模様を収めたも
のでして、画質的にはマスター・テープから極めて近い(マスター・テ
ープ直落しかも?)世代のテープよりDVD−R化されており全く問
題はなし。ただしハンディ・カメラ一台の映像なので、当然実況も入
っていなし、手振れなんかもあって、映像自体にちょっと落ち着きが
ないのが欠点か。そう、サムライTVのプロレス・ニュースのコーナー
でハンディ・カメラの映像により試合経過が報告されますが、あれと
同じレベルの映像と考えていただけると分かりやすいかも...。


★★DISC-1★★
POPLAR BLUFF , MO 2000-1-12
@Michael Shane vs. Oz
  あの“HBK”ショーン・マイケルズの甥であるらしいマイケル・シ
 ェーンが、巨漢オズに立ち向かうってのが本日のオープニング・マ
 ッチ。場外プランチャなどで先制攻撃を仕掛けるも、やはりオズの
 パワー殺法に劣勢が否めないマイケル。叔父譲り(いや、勝手に
 使っているのかも)のスーパー・キック(さすがにスィート・チン・ミュ
 ージックとは名乗れないか)も決定打とならず、これはオズの軍門
 に下るかと思わせたものの、なんとかコーナーからの飛び付き顔
 面砕きでオズを振り切っての辛勝。マイケルの奮闘に、客席も温
 まって来ましたデ。
AProdigy vs. John Phoenix
  タジリ選手著の『ザ・ジャパニーズ・バズソー』によると、タズの一
 番弟子であり、ECWの若手達のまとめ役でもあり、リング造りま
 でをも指揮(多分、マイキー君の後を引き継いだんやろね)してい
 たらしい“天才児”のプロディジー。序盤はアマレスのムーヴを盛り
 込み、中盤は相手を両手を使ってチョーク・リフト・アップ⇒そのま
 ま後方にスープレックス。最後も相手の両腕をかんぬきに極めて
 のスープレックスで勝ち名乗り。さすがにタズの一番弟子と自認
 する試合っぷりでしたワ。あ、それとどちら様か、プロジディの相
 手を務めたフェニックスの詳細をご存知ないでっか?。
BFBI(Tony Mamaluke & Little Guido)
 vs. Christian York & Joey Matthews
  ヨーク&マシューズの人気コンビを前に、客席から罵声を浴びる
 グイドー&ママルークの『純血イタリア人』ギミック・コンビ。
 そんなにワシらが嫌いなら帰りまっさ、と試合もせず控え室に戻る
 仕草ひとつで、さらに客席も温もって。アンタら、やっぱり一流の
 役者ですな。対する人気コンビもステレオ・タイプの場外ダイヴや
 華麗な合体攻撃を披露や。これを受け、セコな反則を主流に、マ
 マルークの逸品のスープレックスなど随所にキラリと光る見せ場
 を盛り込む『純血イタリア人』ギミック・コンビ。実に楽しめる内容の
 試合は、ママルークが人気コンビの合体技に敗れて幕引きに。
 この試合、ちょっと抑え気味の我らがリトル・グイドーの佇まいも
 印象的であった、グッド・マッチでしたワ。
CJack Victory
 vs. C.W. Anderson(w/ Lou E. Dangerously)
  ビクトリーがアンダーソンに喧嘩戦を仕掛け、ルー・E(ポール・
 Eのパロディさん)の携帯電話(ポール・Eのトレード・マーク)が重
 要なネタとして使われ、ビクトリーの劣勢にスパイク君が助け舟を
 出し、最後はビクトリーが“ビクトリー”ってところまで、翌日のアー
 カンソー州パインブラフ大会で組まれた同カードとまるっきり同内
 容。しかも2度観ても面白いんやから、これこそドサ回りの真髄。
 定番ネタでドサを回わり、地方地方のお客さんに笑顔を運ぶって
 事の意味がとことん理解出来る内容ですワ。
DYoshihiro Tajiri vs. Super Crazy
  これまたドサの定番試合。しかもPPVでも通用する定番試合な
 んやから、実際に生で観れた人達は幸せやね。景気付けにとタ
 ジリが試合前に吹き上げた緑の毒霧から始まり、完成されたスポ
 ットの数々に客席は試合途中であるのにスタンディング・オベーシ
 ョンで応える。またテーブル・クラッシュを希望する一部客席に向け
 て、タジリが仕方ないなァ、とリング下をガサゴソ。あれ、この試合
 にテーブルは不要やないの、って思わせたらこれもタジリの余裕
 のネタ。「探したけど、肝心のテーブルがないワ」って客席にボケ
 て見せました。ウーン、この客席のさばき方は憎いなァ。あ、試合
 は日本製丸ノコ蹴りの連発でタジリが勝利を得ましたが、勝者敗
 者で語っても仕方のない、これまたエエ試合でした。
ENova & Danny Doring
 vs. Hot Commodity (Julio Denard & EZ Money)
  ドーイングとノヴァとが披露した連携プレーにて、わりとあっさり
 とディネロがフォール負け。ま、押しも押されもせぬ、中堅同士の
 タッグ戦ってところやね。
FTommy Dreamer vs. Justin Credible(w/ Francine)
  昨今は上着を突き破らんばかりの“乳首ポッチ”を見せてくれる
 女子マネも多数居ますが、やはりワシはこのフランシーンちゃん
 がダントツで好き。“乳首ポッチ”の先駆者として、後進に与えた
 影響力も大きいやろな。で、今宵のフランシーンちゃん、ドリーマー
 やレフリーや客席に煽られ、上着をチラッとめくり上げ客席に向け
 オッパイ下部(乳首は微妙にカバー)を披露する大サービス振り。
 こら、『RF-VIDEO』のビデオ・カメラ操作者。何のために小回りの
 利くハンディ・カメラを持っているんや。キチンとフランシーンちゃん
 の足元に回り込み、もっともっとオッパイ下部に肉迫せんかい!。
 あ、この後もフランシーンちゃん、大活躍。試合が始まれば勢い
 余って介入し、ドリーマーの反撃を喰らってマットに仰向けに寝か
 され、股間にリング・ベルが置かれてしまいます。当然この後に
 は、女性の一番大事なところでカーン!と一発、恥ずかし過ぎる
 一撃まで受けてしまい...(苦笑)。
 尚、試合はドリーマーの梯子を持ち出しての奮闘の結果、DDT一
 発でジャスティンが敗退となっておりました。
GECW World Title Match : Rhino vs. Sandman
  2001年1月7日に開催された、ECW最後のPPVである『GUIL
 TY AS CHARGED 2001』にて半ば強奪気味にサンドマンから世
 界王座のベルトを引き継いだ獣人ライノ。当然この夜はサンドマン
 によるリターン・マッチがメイン・エベントにドカンと据えられました。
 でもここでベルト云々なんてのも野暮の骨頂。ここらは当のサンド
 マン自身も重々承知しとるようで、例によって例のごとくの『エンタ
 ー・ザ・サンドマン』をフル・コーラス使用しての入場シーンから、ラ
 イノ相手に手鼻を吹き掛ける動作まで、これが最後であろうECW
 でのドサ回りを満喫してやろうって様子。試合はコーナーに立て
 掛けたテーブルへの、ライノ十八番のゴアが最大の見せ場として
 用意された、これまた定番スポットの波状攻撃状態。最後もライノ
 の重量感溢れるパイル・ドライバーがサンドマンにモロに決まり、
 サンドマンが轟沈されての幕引きや。あ、ちょっとだけ残念やった
 のが、本DVD−Rの編集方法。ライノの勝ち名乗りの直後にブツ
 リと映像が途絶えてしまうんやけど、もうちょっと試合後の両者の
 表情や、客席の様子なんかも収めて欲しかったな。

★★DISC-2★★
PINE BLUFF , AR 2000-1-13
○ようこそアーカンソー州パインブラフへ
  以前、週刊プロレス誌の片隅にECWの最終興行がアーカンソー州の
 パインブラフで行われたと書かれてあったのを記憶していたワシ。
 ただ米国の地理を不勉強でして、ずっとアーカンソー州ってカナダ寄り
 の年中寒そうな位置にあるって思ってましたんや。そんなところで1月
 の興行、多分客席に人影はまばらで身も心も凍てつくような最終興行
 であったのやろなとずっと想像していたんです。
 けどネットで米国の地図を検索してビックリ。アーカンソー州ってオクラ
 ホマ州とテネシー州にはさまれた米国中南部の州なんやね。
 しかもテープを再生すると超満員とは言い難いものの、スタンド席を含
 めて結構大規模の会場にそれなり以上の観客が詰め掛けてますんや。
 年明け早々客もまばらのガラガラの冷え切った会場で終焉、勝手にワ
 シが思い描いていた情景が音を立てて崩れて行きました...(苦笑)。
 しかし経営難であるとの情報が常々伝えられていたECWですが、これ
 が『最終興行』であると事前に公式発表でもしたのやろか。
 それともECWのドサ回りって、毎回これくらいの動員力があったの。
 こんなにお客が入っているのに、なぜECWって崩壊したのやろか。
 ポール・Eさん、ホンマのとこを教えてくれまへんか。
@Prodigy vs. Nova
  初期ECWでステービィ・リチャーズ君やブルー・ミーニーらとアホな
 ユニットを組んでいたノヴァもなかなか格好よく一本立ち。この夜は巨
 漢オズをマネージャーに従えたプロデジィと対戦や。
 このプロディジー、ノヴァとは逆にECWの最後期にデビューしたはず
 で、これまで正式発売されたどのDVDにも試合模様は収録されてお
 らず、ワシ自身ちょっと期待しての観戦となりました。
 ま、与えられた時間が僅かであったためか、余りエエところも出せず
 マネージャーのオズ介入に激高したノヴァの顔面砕きに沈められて
 しまいましたが、ECWが存命なら今頃はそれなりのポジションを掴
 んでいたのやないやろか。
AChristian York & Joey Matthews vs.
 Hot Commodity (Julio Denard & EZ Money) 
  女性に人気のヨーク&マシューズの色男チームと、EZマネー&フ
 リオ・ディネロから構成される嫌味系チームのホット・コモディティ。
 試合前には互いにコーナー・ポストに上がってどちらが人気(もしく
 は不人気)があるかを競い合うって古典的展開もありまっせ。
 で、試合の方は色男組の編隊飛行による場外ダイヴや、嫌味組の
 巧みなインサイド・ワークと見所も多数。
 最後は色男組の合体パワー・ボムでディネロが沈められました。   
BYoshihiro Tajiri vs. Super Crazy
  WWFに転出して確固たるポジションを確立したタジリですが、メジ
 ャーの連中に囲まれても決して見劣りしないセルフ・プロデューの方
 法を会得したのはECWって場所だったはずで、特にレスリング技術
 においてはこのクレイジーとの絡みは大きな収穫やったと思います。
 で、やはりというか『最終興行』でも両者の対決が組まれましたんや。
 さすがに両者ともこの試合には思うところがあったのか、クレイジー
 はカメラに向かって「見てろ、メキシカン・スタイルだ」、タジリは緑の
 毒霧を吹き上げた後にこれまたカメラに向かって“日本語で”「まいっ
 たか、この野郎。今日は出血大サービスで行きますよ」とコメント。
 試合はタジリのタランチュラや日本製丸ノコ蹴り、クレイジーのローリ
 ング式吊り天井〜変形ストレッチへの移行と目まぐるしく展開し、最
 後はクレイジーがタジリをクルっと丸めてフォール。試合時間に制約
 があったのかコンパクトにまとめられた感じの一戦やったけど、その
 分だけ密度の濃い良い試合でしたワ。
CDanny Doring & Tommy Dreamer vs.
 FBI(Tony Mamaluke & Little Guido)
  初期ECWでグイドーが始めた『純血イタリア人』ギミック。移り変
 わりの激しかったECWマットにあって、グイドーの忍耐力の賜物な
 のか何度も相方が変わったものの、常に中堅以上のポジションをキ
 ープして来たのは賞賛に値する事実や。で、それに応えようとでも
 思ったか、『最終興行』で『純血イタリア人』の前に立ちはだかったの
 はドーイングの紹介で花道奥から姿を見せたトミー・ドリーマー。
 これまで余り絡んだことのないドリーマーとグイドーなので、これはち
 ょっと嬉しいカードでしたワ。ただドリーマーは体調不良が顕著で、
 身体も絞りきれていないし、動きも緩慢やった。ま、その分お客さん
 を楽しませようとグイドーの発案で試合途中にレフリーを巻き込んで
 のダンス・コンテストもあったワ。そして最後はドーイングのレッグ・ド
 ロップによりママルークが沈み幕。
 ECWの精神的支柱であり続けたドリーマーと、何時もチラチラっと
 隠し持った渋い実力を試合中に披露しながら、ずっとアホ丸出しの
 『純血イタリア人』ギミックを貫いたグイドー。両者にとってのECW
 での歴史にひとまずピリオドが打たれた瞬間です。
 ホンマ、お疲れさんでしたな。
DJack Victory vs. C.W. Anderson(w/ Lou E. Dangerously)
  ECW編入直後の試合中に首を負傷し、以降ずっと車椅子生活を
 送っていたビクトリーですが、この夜は元気に試合に参戦。なんとア
 ンダーソン相手に堂々と喧嘩戦を要求でっせ。
 当然アンダーソンにも異論などなく、すぐに椅子やゴングが飛び交
 う荒れた試合へと発展。途中アンダーソンのセコンドについたルー
 ・E・デンジャラスリーが凶器代わりに使えと携帯電話をトスするも
 のの、これがビクトリーに渡ってしまうって場面もあり、ルー・Eや携
 帯電話がECWにおいて何を意味するブラック・ジョークであるのか
 を解する者に随喜の涙を誘いよります(笑)。
 試合はルー・Eや悪役レフリーの介入によりビクトリーの敗戦色濃
 厚となった瞬間、会場内に高らかにAC/DCの名曲『地獄のハイ
 ウェイ』が鳴り響き、スパイク・ダッドリーが登場。十八番のアシッド・
 ドロップによってルー・Eとアンダーソンを葬り、ビクトリーに『ビクトリ
 ー』をプレゼント(←ちょっとベタやったかなァ)や。
EMichael Shane vs. Oz
  これ、RF−VIDEOの商品紹介欄には掲載されていなかった試
 合でして、嘘か誠かあの“HBK”ショーン・マイケルズの血縁にあ
 たるらしいマイケル・シェーン(嘘っぽい名前やなァ)が@の試合で
 姑息な介入行為を行っていた巨漢オズを料理しとります。
 あ、オズですが、若いのか年寄りなのか全く判らない選手でして、
 締りのない巨体と銀ラメ入りのショート・タイツを小粋(苦笑)に履き
 こなす様は、まるでトミー“野生の炎”リッチのよう。
 どちら様か、こいつの詳細なプロフィールを御存知ないでしょうか。  
FECW World Title Match :
 Rhino vs. Spike Dudley
  2001年1月7日に開催されたECW最後のPPVである『GUILTY
 AS CHARGED 2001』にて半ば強奪気味にサンドマンから世界王
 座のベルトを引き継いだ獣人ライノ。1月12日のポプラブラフ大会
 でサンドマンのリターン・マッチを退けたようで、今夜はECWでダン
 トツのやられっぷりを誇るスパイク君を挑戦者に迎えました。
 ま、『脚本家』の筆が滑りでもしない限りタイトルは移動することの
 ないカードで、後にWWFの看板番組『RAW』にてポール・Eがライ
 ノの事を「こいつがECWの最後の王者だったんだ!」と紹介した場
 面をご記憶の方なら、試合の結果も容易に想像出来るでしょ。
 けどさすがにスパイク君、最後の最後まで身体を張ってましたデ。
 ライノの振り上げる椅子やテーブルへのパイル葬を決してスカす事
 なく全て受け切り、挙句の果てに椅子の上への手加減抜きのパワ
 ー・ボムから脳天杭打ちをまともに喰らって見事に憤死。
 多分満足なギャラなんて出なかったであろう本興行に、只の一瞬も
 「こいつら手を抜いとんなァ」なんて思わせる場面を見せる事のなか
 ったライノとスパイク君。これまた見事な散り様でした。
GJustin Credible(w/ Francine) vs. Sandman
HImpromtu rematch :
 Justin Credible(w/ Francine) vs Sandman
  『最終興行』の大トリを意識したか、頭に被った黒の帽子と正反
 対の純白の衣装で花道に現れた『エクストリーム・クイーン』のフラ
 ンシーン。死装束とも、ECWと結ぶための婚礼衣装とも受け取れ
 る井出達で、ジャスティンをエスコートしとります。
 で、例によって名曲『エンター・サンドマン』をフル・コーラス使用して
 堂々と会場を練り歩きホロ酔い加減でリングに辿り着いた我等が
 サンドマン。酔っ払い親父にも『最終興行』に対しての思いはある
 のか、各コーナー・ポスト下へ缶ビールを置いて回ってますワ。
 そしていよいよECWのマットに最後のリング・ベルが鳴りました。
 試合は予想外にじっくり見せてやろうとの展開で、そうか、そう来
 るかとこちらもモニター画面に映る試合を凝視した途端、リング下
 のフランシーンがサンドマンの足を引っ張り、これによって呆気な
 くサンドマンがフォール負け...。
  けど安心してや、こんな試合ではECWは幕を降ろせません。
 で、一度控え室に戻ったサンドマンが梯子や廃材が山盛りの手
 押し車を押しつつ花道に現れ、『泣きのもう一回』が始まりました。
 さぁここからは毎度お馴染みの名場面の再演でっせ!!!。
 梯子で殴ったり、梯子にぶつけたり、梯子を急所に叩き込んだり
 の各種梯子スポットを中心に配置し、フランシーンによる股間を
 相手の顔面に擦り付けるかのようなブロンコ・バスターなんて実
 に羨ましい場面などの正にエクストリームなシーンが走馬灯のよ
 うに繰り広げられ、最後は何処かの廃屋の天井から外してきた
 ものと推測される照明器具の残骸に向けて、サンドマンがジャス
 ティンを脳天杭打ちにて叩き付けてクリーン・フォール。
 最終興行の最終試合であるため、もう遺恨の仲を演ずる必要も
 ないのやろね、サンドマンとジャスティンがリング上で抱擁してお
 りますワ...。
○大団円、そしてECWよさようなら
  ジャスティンが花道を控え室に向けて引き下がると同時に、控
 え室からは本日の興行に参加した全選手が現れてリング・イン。
 ドリーマーの挨拶、続くサンドマンの乾杯の音頭で全員が缶ビー
 ルにより乾杯。あちこちで選手同士が抱擁しております

【総評】冒頭にも書いたのやけど、ワシが勝手にECWって極寒の
 地で人知れず散ったと思い込んでいただけで、実際は大勢の観
 衆に見取られて結構幸福そうに『最後の刻』を迎えてたんやね。
 そんな事あるかってポール・Eなら怒りよるかも知れんけど、EC
 Wがアメ・プロに与えた影響、ここで修行を積んだ選手達の現在
 の活躍振りを見ると、ECWって天命をまっとうして何ひとつ思い
 残すことなくあの世へ旅立てたのやないやろかって思いましたワ。
 普段着のままの『最終興行』、まさにそんな感じでしたな。
 
【総評A】上のレビューは、以前本興行の模様を収めたVHSテープ
 版を『RF-VIDEO』から購入した際に書いたものに、一部修正を加
 えたものです。その後、2003年12月に刊行されたタジリ選手著
 の『ザ・ジャパニーズ・バズソー』により、本興行の内幕が明らかに
 なっておりますな(未読の方、このDVD−Rとセットで一度ご覧に
 なられる事をお勧めいたします)。
 尚、この本によると1月のアーカンソー州パインブラフ、やっぱり寒
 かったそうですワ。

【ちょっと残念な点】上にも書いたように、ワシは1月13日のアーカ
 ンソー州パインブラフ大会のVHSテープ版を以前購入しておりま
 したんや。で、今回購入したDVD−R版と見比べてみたんです。
 ま、細かい編集の差は判らなかった(って言うか、そこまで徹底し
 て見比べる根気もなかったんやけど)んですが、どちらも2時間弱
 の収録なのに、DVD−R版は試合の最後に選手全員で行った大
 団円の模様が少しだけしか収録されていなかったんですワ。
 ま、その分だけ他の試合の選手入場シーンなどが長く収められて
 いるんでしょうが、これはちょっと残念でしたな。
 ちなみにこの大団円の模様、VHSテープ版では5分程度あり、タ
 ジリが他の選手達と抱擁する場面も収められていたのですが、D
 VD−R版では僅か1分程度。これではVHSテープ版もお払い箱
 には出来ず、またもや我が家が手狭になってしまう事に...。
 『RF-VIDEO』さん、この仕事振りはどないなの。ちょっと詰めが甘
 いのやないでっか(苦笑)。


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