では収録内容の詳細を

このDVDはPAL方式で収録されており、通常の国産モニターでは
鑑賞できませんので、ご購入の際はご注意下さい。

LIVING DANGEROUSLY 1998 (PAL版)
(約2時間28分収録)  
 本DVDは98年3月1日にニュー・ジャージー州はアズベリー・パークの
コンヴェンション・ホールにおいて開催されたECWのPPV『LIVING DA
NGEROUSLY 1998』の模様を収録したものです。
さてニュー・ジャージー州のアズベリー・パークっていうとロック・ファンなら
ブルース・スプリングスティーンやボン・ジョビの出身地として認知されて
いるでしょうが、プロレス・ファンとなるとやはりバン・バン・ビガロを思い出
されるでしょうな。で、本PPVにはその“ホーム・タウン・ボーイ”ビガロ
登場が予定され、タズとのTVタイトル戦がアナウンス済や。
ではビガロの凱旋興行、早速レビューいたしますワ。

○昨夜、会場にて...
  タズが無人の会場で一言、「準備は整ったゼ」。
○まずは前口上
  お馴染みのジョーイ・スタイルスさんがPPV開会宣言や。
@Jerry Lynn & Chris Chetti vs.
 The FBI (Tracey Smothers & Little Guido)(w/Tommy Rich)
  ECWの選手育成組織『ハウス・オブ・ハードコア』の第一期卒業生で
 あるチェッティのPPVお披露目。でも相手が曲者の『純血イタリア人軍』
 ではやはりチェッティには荷が重い感じや。例えは悪いけど“チェリー・
 ボーイ”が梅毒持ちの商売女相手に筆降ろしをするようなもんやね。
 試合は序盤〜中盤にかけてチェッティを大きくディスプレイしてやり、最
 後は乱戦の中、リンがキッチリとスマザースを丸めて勝利ですワ。
 尚、試合後はスマザースと『純血イタリア人軍』の後見人である元NWA
 王者トミー・リッチに仲間割れの非常事態(笑)。
 周囲の期待を背負って奮闘したチェッティにはホンマに申し訳ないけど、
 ワシはスマザースとリッチの『後日談』が気になるな。
○場面は変わって...
  田中将斗とW★ING金村のプロモ(一部著作権に問題あり、か?)。
AMasato Tanaka vs. Doug Furnas (w/Lance Wright)
  で、本試合は田中将斗とW★ING金村の対決だったはずなんですが、
 どうやらWWFからのレンタル派遣選手ダグ・ファーナスが金村に取って
 代わったみたい。ま、金村嫌いのワシとしてはこれは結果OKですワ。
 さて一方の田中将斗、これがECWのPPV初登場でして、花道では当
 時属していたFMWのスポーツ・タオルを誇らしげに誇示。
 試合に移ってもファーナスの危険極まりないパワー・ボムや投げっ放し
 のジャーマン、ウラ・カン等々をバンバン喰らったものの、最後は得意の
 弾丸エルボーで堂々のフォール勝ちや。正直、2人の息が合わず客席
 からは厳しい野次の飛ぶ場面もあったけど、とりあえず田中のECW初
 登場は及第点を与えられる内容のものとなりましたワ。
 あ、田中に敗れたファーナスですが、マネージャーのランス・ライトから
 ジム・ロス、ブルース・プリチャード、ビンス・マクマホンらWWF重役連の
 名を挙げられて、「もう二度と『マンデー・ナイト・ロー』には出られないな」
 と三行半を突き付けられる始末。最後はファーナスもブチ切れてランス・
 ライトに鉄拳を放ち、リング下のスタッフから奪ったECWのロゴ入りのT
 シャツを自ら着用。実況のジョーイ・スタイルスが「ようこそ、ECWへ」
 て叫んでおります。
○場面は変わって...
  今夜のメインの一つであったサブゥ対サンドマンはPPV開始前に既
 に収録済。でもどうやら本日のPPVでは放送出来ないとジョーイ・スタ
 イルスが困惑気味に説明。するとそこに“両刀使い”ジェイソンと“怪女”
 ニコル・バスが現れ、恋人ビューラを連れず一人寂しく(犬は連れていた
 けど)会場入りしたトミー・ドリーマーの姿を放送しろと強要。多分ビュー
 ラはジャスティン&ジェイソン&ニコルに襲われて負傷中なんやろな。
BRob Van Dam (w/Bill Alfonso) vs. 2 Cold Scorpio
  今夜RVDと相対するのは元ECW所属で、現在はWWFに転じてフ
 ラッシュ・ファンクって芸名で活躍するスコーピオ。Aのファーナスに続
 いてWWFからの派遣選手が登場ですワ。実はこのスコーピオ、98年
 1月10日の定期戦『HOUSE PARTY ’98』においてWWFより派遣
 された形でECWへ登場したのですが、やはり古巣の水は身体に合う
 のやろか、WWF派閥のコーディネーターであるランス・ライトやファー
 ナスらと仲違いを起こし、そのままECW側へと寝返り、なんてサイド・
 ストーリーもおました。で、今宵スコーピオ成敗の命を受けたのがWW
 F派閥に属するRVDであったんや。
 さてスコーピオ、ECW側に付きベビー化したためか、はたまたECW
 時代の華麗な飛び技の数々がまだファンの脳裏に焼き付いていたか、
 満場のスタンディング・オベーションで迎えられました。ただし肝心の
 試合はRVDとの飛び技競演を期待したものの少々消化不良気味。
 しかも試合の後半にはRVDに助太刀とサブゥが、元々ECW時代にコ
 ンビを組んだ仲でもあったスコーピオの危機を救えとサンドマンがそれ
 ぞれ乱入を強行。そんなどさくさの中、RVDがスコーピオをクルっと丸
 めてピン・フォール。ウーン、ECW側へ付いたとは言え、WWFからの
 『客人』に気を使った幕引きでしたな。あ、試合決着後もRVD&サブゥ
 対スコーピオ&サンドマンの番外戦は終息することなく、なんとここでは
 サンドマンによるサブゥへのコーナー上での酩酊式(笑)のウラ・カンな
 んて珍品まで確認可能でしたワ。
○場面は変わって...
  ディープ・パープルの『完全他人』に乗せたキャンディード君のプロモ。
CNew Jack & Spike Dudley vs.
 Balls Mahoney & Axl Rotten vs.
 The Dudleys (w/Big Dick dudley & Joel Gertner
 & Sign Guy Dudley)
  3WAY方式のタッグ戦ですが、まずお楽しみは冒頭のダッドリーズお
 抱えのリング・アナであるジョエル・ガートナーのトーク。
 英語の苦手なワシでも下品ネタや触れてはならないDボン・ダッドリーの
 肥満ネタなんかが客席を沸かしているのが分かるくらいやから、英語の
 達者な方でしたらここは爆笑ものなんでしょうな。
 さて試合ですがマホーニー&ロットンの登場でいきなり火蓋が切って落
 とされ、そのマホーニー&ロットンがダッドリーズ一派のリンチに遭ったと
 ころでニュー・ジャックとスパイクが凶器を持ち込み登場ってお馴染みの
 展開。後は凶器に椅子に流血って定番コースで、ニュー・ジャックとスパ
 イクの2人が2階席から編隊飛行で自殺ダイヴを見舞うって最大の見所
 を盛り込み、最初にダッドリーズの3Dによってマホーニーが敗退。
 やっと通常のタッグ形式となったかと思った途端、ニュー・ジャック&スパ
 イクのステレオ式のギター・ショットによりババとDボンが撃沈や。
 そうか、今夜はニュー・ジャック&スパイクの大売出し日でしたんやな。
○場面は変わって...
  “口達者なみちのく人”グレート・サスケ、“リング屋出身の立身出世の
 男”マイキーを連続撃破してジャスティン・クレディブルが快進撃。遂にド
 リーマーとの遺恨を演ずるまでに成長いたしましたとさ。 
DTommy Dreamer (w/Beulah McGillicutty)
 vs. Justin Credible (w/Jason & Nicole Bass)
  PPVに花を添えようと花道には特別インタビュアーとして米国ポルノ女
 優のジェナ・ジェイミスンが登場。けど折角の綺麗どころやのにジャスティ
 ンはインタビューを完全無視し、続いて現れたドリーマーも無言で熱い口
 付けを見舞っただけ。なんや、もっと面白い絡み方が出来んのかいな。
 で、試合はジャスティン必殺の旋回式墓石パイルがドリーマーに決まった
 ところで、ドリーマーの恋人であり首をギプスで固めた痛々しい姿のビュ
 ーラが登場。そのままジャスティンとジェイソンにロー・ブローを見舞い、
 “怪女”ニコルとのキャット・ファイトへ(アクシデントでニコルのオッパイが
 ポロリって場面もあり)。その上先日までジャスティンと抗争していたマイ
 キーまでが介入し、どんよりしたカオス状態のなかドリーマーがジャステ
 ィンをDDT一発でピン。なんか無理やりでっちあげた抗争劇を無理やり終
 わらせた様な、いまいち釈然としない試合でしたワ。
○場面は変わって...
  タズとビガロの抗争史。さてさて、実は1月31日にECWアリーナで開
 催された定期興行『Hostile City Showdown 1998』においてダグラス&
 キャンディード&ストーム対ビガロ&タズなんて3対2のハンディ戦があり
 まして、ここでビガロがタズを、キャンディードがストームを各々ダブル・ク
 ロスして、ダグラス&キャンディード&ビガロによるトリプル・スレットが再
 結成される、なんて一幕があったんですワ。って事でタズはビガロに対し
 てそれはそれは怒っておりますんや。
EECW TV Title Match : Bam Bam Bigelow vs. Taz
  タズの保持するTV王座に“ホーム・タウン・ボーイ”であるビガロが挑戦
 するって図式。試合はビガロの豪快無比なパワー・ボムやタズによる花
 道から客席へ目掛けてのTボン・タズプレックスなどが惜しみなく繰り出さ
 れる、事前の想像通りの男臭いものとなりました。で、試合の終盤タズが
 ビガロの後方に回って片羽締めを見舞ったところでアクシデントが勃発。
 なんと背中のタズを振り払おうとビガロが自ら後方に倒れ込んだところ、
 リングがビガロとタズの体重を支えきれずに陥没や!!!。
 観客総立ちの中、直後にビガロがタズをリング上に引き上げてフォール。 
 TV王座が“ホーム・タウン・ボーイ”へと移動した瞬間です。
○場面は変わって...
  まだ本日のPPVは終わっていないのにリング陥没のアクシデント。さす
 がの現場監督ポール・Eも慌てたか実況席のジョーイ・スタイルスに詰め
 寄って、リング調整を行う間の時間稼ぎとして当初は放送する予定になか
 った既に収録済のサブゥ対サンドマンを流せと指示や。
 おいおい、ちょっと話が出来過ぎてはないでっか。
 って事はさっきのリング陥没も...。
FDueling Canes Match: Sabu vs. Sandman
  てな事で急遽PPVの電波に乗ることとなった既に収録済の本試合。
 折角の好カードやのに、ちょっと今回はポール・Eのプロレス頭脳が暴走
 したのか酷い扱いとなってしまいましたな。こうして後日DVDで振り返っ
 ているワシでも画面からLIVEっぽさが微塵も感じられんのやさかい、当
 日銭を払ってPPVを注文した人達はさぞや落胆した事やと思います。
 あ、肝心の試合の内容なんですが、終始サブゥのコス・プレをしたRVDが
 サブゥの援護に付くってものでして、ステレオ式のテーブル・レッグ・ドロッ
 プ葬によってサンドマンが沈められております。
GLance Storm & Mystery Partner
 vs. Shane Douglas (w/Francine) & Chris Candido
  『時間稼ぎ』のFの試合の放送が終わりPPVも再度生放送へとチェンジ。
 けど僅かな時間で陥没したリングの修復はならなかったと見え、リングの
 一角は黄色いテープが巻かれて『立ち入り禁止』となりました(苦笑)。
 さて本日のメインなんですが、ダグラス&キャンデードの悪漢コンビにスト
 ームが『謎のパートナー』を指名して対決するってもの。
 ただこの当時、キャンディードとストームは2人でタッグ王座に就いている
 はずで、何故この様な試合が組まれたのかは不明(PPV前の定期興行に
 おいて何かネタ振りがあったものと推測いたします)。
 で、観客の皆さんお目当ての『謎のパートナー』なんですが、これが当時は
 WWFで可愛い子ちゃんキャラ(少々痛んでいるけど)を演じていたサニー
 ちゃん。マニアの方ならこのサニーちゃん、実生活上ではキャンディードの
 奥方であられる事は先刻御存知のはずで、これはニヤリとさせられる場面。
 しかしストームをバックアップすべきサニーちゃん、当然と言えば当然なん
 やろけどやはりストームをダブル・クロスし、ダグラス一派へと寝返りや。
 そしてここに『謎のパートナー』第2弾として真打ちのアル・スノーが登場。
 ま、この様に書くと聞こえはエエんでしょうが、この試合が始まった時点で
 会場内はアル・スノーの登場を予想してマネキン人形の首を振り回す奴ら
 で埋め尽くされておりまして、誰も彼もが『謎のパートナー』アル・スノーの
 登場はまだかまだかと待ちわびている状態でしたんや。
 そう、ホンマにどこが『謎のパートナー』なんやねんってとこですワ。
 その上にアル・スノーのリング・インと共にファンがマネキン人形の首をどん
 どんリングに投げ込み始めて...。
 比較的短時間でアルがダグラスを沈めたこの試合、次回5月のPPV『WR
 ESTLEPALOOZA 1998』でのダグラス対アルの一騎打ちへの布石な
 のでしょうが、ワシには全くもって楽しめなかったですな。

【総評とは名ばかりの愚痴】
  ワシは日頃からポール・Eのプロレス頭には敬服しているところなんやけ
 ど、このPPVだけはどうにも駄目でしたワ。
 それもこれも全て“ホーム・タウン・ボーイ”のビガロへタズの保持するベル
 トをスイッチさせるために仕込んだ『リング陥没』スポットのせいや。
 これで目玉の一つであったサブゥ対サンドマンは『録画放送』へ格下げされ
 てしもたし、ダグラスらの絡むタッグ戦はリングに『立ち入り禁止』箇所が出
 来てリング上の動きが制限されてしまう事に。
 『リング陥没』スポットをやるのなら、タズ対ビガロをメインに持っていけば
 題はなかったと思うんやけどな。それにしてもタズってあんな『リング陥没』
 スポットを仕込まないとビガロへのべルトの譲渡を拒否する分からず屋さ
 やったかなァ。
 また当時マネキン人形の首を振り回して人気大爆発中であったアル・スノ
 ーを売り出そうとしたのはエエけど、PPVの会場でアル・スノーが出て来た
 ら振り回してくれって事前にお客へマネキン人形の首を手渡したのはEC
 Wって会社のはず。それでストームの相方を『謎のパートナー』とはね。
 他にもアルのキャラクターである『狂気』を表現しようとハンディ・カメラの映
 像を180度反転させていた様やけど、これも単に観辛いだけでしたワ。
 なんか今回はポール・Eのプロレス頭脳がとことん空回りしてましたな。


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