では収録内容の詳細を

NIGHT OF INFAMY U
2003-11-15 (DVD-R*2枚)
(約3時間45分収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
2枚組で20ドルで発売されている団体公認(?)の代物です。
内容は2003年11月15日にCZWが開催した定期戦を完全収録したもの。
さてこれまでSMARTMARKからの映像ソフトっていうと、120分もののVH
Sテープに【2倍速】ってちょっと怪しいフォーマットで収録されていたものが
主流でしたが、やはりこんな場末の業界にも技術革新の波は押し寄せてい
るようで、近頃はDVD−RとVHSテープの両方が出ているみたい。
当初はワシもDVD−Rは長期保存の面や再生装置との相性の面からちょっ
と二の足を踏んでいたんですが、画質や収納スペースの面からまずは一度
お試しって感じで本作を注文してみたんです。
そしたら懸念していた再生装置との相性も問題なく、キチンと想像以上の画
質の映像が再生されるDVD−Rが送られて来ました。
またカラー・コピーながらジャケットもあるし、映像にもメニュー画面や頭出し
が信号があって、数年前までのコピーを繰り返してカラー画像なのか元々白
黒画像であったのか判別不可能なブート・ビデオを知るワシには隔世の思い
でしたワ。
ではヴァイキング・ホール(元ECWアリーナ)にファン・サイトによると425人
集めて開催されたらしい定期戦の模様、早速レビューさせてもらいますワ。

★★DISC−1★★
@Ruckus & Sonjay Dutt
 vs. Rebel's Army (Rockin Rebel & Derek Frazier)
  オープニング・マッチはラッカス&サンジェイの『独創派』コンビがちょっ
 と胡散臭い感じのロッキン・レベル率いるレベル軍と相対するってカード。
 これは実力・人気ともにラッカス&サンジェイの楽勝かと思っておりまし
 たが、レベル軍の連携攻撃の前にあえなくサンジェイが沈み、「何故助け
 なかった?」、「負けたのはお前!」と試合後はお決まりの仲間割れ。
 では次回12月23日の定期戦でラッカスの保持するジュニア王座を懸け
 てラッカスとサンジェイが戦おうか、とあいなりました。
 ま、この試合は年末興行でのタイトル・マッチへのネタ振りなんやろね。
AJon Dahmer, Cory Kastle & Sabian
 vs. Jude, Niles Young & D.J Hyde
  こう書くと身も蓋もなくなるけど、まぁただの前座の6人タッグ。しかしこ
 んな場も若手達には貴重な自己表現のチャンスや。で、まずは顔と名前
 を一致させる必要ありと判断したか、ヒール・サイドのユダなんて自身の
 名前を書き込んだTシャツを着用。試合に入っても花道へ向けて月面水
 爆を放つなど、その他大勢に埋もれないよう大奮闘。これに触発されたか
 超小柄のサビアンもこれまた花道へ向けてコーク・スクリュー・アタックを
 放ち、ただの前座の6人タッグも徐々にヒート・アップ。最後はユダとヤン
 グの合体攻撃によってキャステルに土が付きましたが、CZWの団体とし
 てのレベル・アップが伝わって来る内容でした。
BTony Mamaluke vs. Scotty Matthews
  ECW時代から連綿と続く『純血イタリア軍』の残党ママルークが筋肉派
 のマシューズと激突するって顔合わせ。マシューズに攻めさせるだけ攻め
 させたママルークが、マシューズのフィニッシュ・ムーヴと思われるF5もど
 きを切り返し変形スリーパーで瞬殺。ママルーク、格好エエなァ。
CZandig Interview
  ここでCZWの顔役ザンディグ親分がリングに上がり観客へアピールを。
 と、客席から私服姿のジョニー・カシミールが現れザンディグと対峙。
 このカシミール、CZWの反主流組織HI−V軍に属しており、ザンディグ
 親分とは犬猿の仲のはずやのに、はてどうしたんやろって画面を眺めて
 おりますと、控え室からはそのHI−V軍がゾロゾロと出て来ました。
 で、カシミールが盟友のはずのHI−V軍所属のトレント・アシッドと舌戦を
 始めだし、HI−V軍もお前がそんな態度なのならと控え室からHI−V軍
 の新顔アダム・フラッシュを紹介。リング上の只ならぬ状況に、今度はザ
 ンディグ親分を長とするCZW正規軍の構成員ニック・ゲージや、アダムと
 は対立関係にあるイアン・ノックス、止めとばかりに正規軍の副将格であ
 る『妻殴り』ことワイフ・ビーターまでが現れてリング上は大混乱。
 しかし冷静に両軍の頭数を数えてみると、正規軍はザンディグ、『妻殴り』
 、ゲージ、カシミール、ノックスの総勢5人。対するHI−V軍も首領メサイア、
 ヘイトリッド、アシッド、B−BOY、アダムの総勢5人とお互い過不足ない
 構成員数。そうか、これがCZWの新たな軍団対立抗争図なんやね。
DDeranged vs. Azrael (w/Jamie Samuels)
  どちらも頭にバンダナを巻き、ノー・スリーブのシャツを着用し、下半身は
 半ズボンって世に言う『チーマー・ルック』で決めたヤング・ライオン同士の
 激突。ともにマスクも甘い感じやし、ニューヨーク・ストレッチって名のメキ
 シカン・ストレッチを決め技にするデランジドも、場外月面水爆を放ったアズ
 リアルも水準以上のスキルを身に付けてもいるみたいや。
 しかもこちらの予想以上の長時間を戦い大技の連発コーナーに入ったの
 で、あぁそろそろフィニッシュかと思ったら、まだそこから梯子を持ち出して
 新たなスポットを構築しだしよったので少々ビックリもさせられましたワ。
 結局試合は最後にジョーカーって奴が乱入し、相手を肩車した状態から
 相手の頭を抱えて叩き落とすって荒業ジョーカー・ドライバーを使ってデラ
 ンジドをKO。ここに目の前のテロを黙って見過ごせないとクリス・キャッシ
 ュまでが登場し、ヤング・ライオン達の奮闘を踏み台にジョーカー対キャッ
 シュって図式が出来てしまいました。
EDirty Rotten Scoundrelz vs. Nick Berk & Z-Barr 
  バーク&バーの中堅二人組みがCZW初参戦となるEC・ネグロ&BC・ブ
 レイン(と聞こえた)からなるヒール系タッグ・チームを迎え撃つってカード。
 ネグロとブレインの花道ゲートでの待ち伏せってベタなネタから試合は始ま
 りましたが、ブレインが試合中に足を負傷したこともあって低調な印象。
 最後は@に出場したフレイジアとグレッグ・マシューズ(←多分)が試合に
 入したためバーク&バーが敗退。マシューズもフレイジア同様レベル軍所
 属のようで、ここにも新たな局地戦の火種が発生したみたい。
FJimmy Rave vs. B-Boy 
  レイヴとHI−V軍のボーイによる15分リミットのアイアン・マン戦。15分
 っ通しで戦いフォールを奪った数が多い方が勝ちってルールで、只の15分
 1本勝負やないっでってところに、試合を行う両者や試合を提供するCZW
 て団体のプライドめいたものも垣間見えますな。試合は仕草からフィニッシ
 ・ムーヴまで全てが武藤フリークって感じのボーイが繰り出すシャイニング・
 ウィザードを巡る攻防が主体のまま、両者とも一度もフォールを奪えず時
 切れ。で、延長を要求するレイヴのアピールが認められた途端、レイヴの
 後からHI−V軍所属のアシッドが不意討ちをお見舞いや。これは何とかレ
 イヴが耐えて、最後は延長戦にてレイヴがボーイを破るんやけど、この試
 も他と同様に次回年末興行へ向けての遺恨造りの場って事なんやろな。
 ただし15分間をキチンと魅せ続けたレイヴとボーイの力量は認めんとね。

★★DISC−2★★
GMercedes Martinez (w/Rick Feinberg) vs. Nikki Roxx 
  これは女子選手同士の試合で、CZWマットではワシはこれが初体験。
 ともに長身で手足の長い子同士で、まだまだレベルも低く、長い手足が必
 要以上にバタバタしているように思える印象。マネージャー(男)であるフェ
 インバーグの乱入により金髪のニッキちゃんが敗退となっております。  
HTrent Acid (w/Dewey) vs. "Mafia"Dan Maff
  HI−V軍一番、いやCZW一番のイロ・オトコであるアシッドが例によって
 花道やリング・サイドに陣取るおネェちゃん達にタイツの中に紙幣を差し込
 んで貰いつつ登場。本日の“上がり”は約20ドル程度やろか(苦笑)。
 で、WWE所属のAトレインを小型にして体毛をキレイに剃りましたって感じ
 の“マフィア”ダン・マフと激突。アシッドは現在CZW認定のアイアン・マン
 者であり、マフを軽く一蹴するかと予想いたしましたが、ROHなどでも活躍
 るマフの意外に器用(皆さんは先刻御存知なんでしょうが)なところを引き
 し、フォールをマフに返されてはいちいち「信じられない!」って表情を作る
 ど大サービス。もともとアシッドも力で相手をねじ伏せるってタイプの選手
 ないから、ここらはアシッド持ち前の『プロレス頭』発揮の場面なんやろね。
 試合はFでの介入への仕返しとばかりレイヴがアシッドに襲い掛かり、こ
 れが元凶となってマフに土が付いてしまう大誤算へと発展。
 マフにとってはやり切れない結末でしたが、マフの健闘を讃えて観客が“マ
 フィア・コール”を始め、これでマフの表情にも笑顔が戻りましたワ。
IChris Hero vs. Jimmy Jacobs
 vs. Homicide vs. Alex Shelley
  日本でも名の知れている“警官殺し”ハマサイドや長身のヒーロー、ここに
 小柄なのに故ブロディ風のブーツを履きタイツには“HUSS”って縫込みを
 施したジェイコブ、鍛えた体躯を誇るアレックスが絡む4WAY戦。
 この試合、序盤〜中盤は互いに誰とタッチしてもOKってルールで1対1で
 行われていたのやけど、終盤秩序が崩壊してリング内で4人全員が相手
 構わず戦うって図式へと変更。アレックスがジェイコブに受身の取り辛そう
 なスープレックスを放って客席から“HOLY SHIT”を獲得し、最後はヒーロ
 がフィニッシュ・ムーブであるヒーローズ・ウェルカムにてジェイコブから3カ
 ントをゲット。しかし3カウントを入れる事で頭が一杯であったレフリーは、
 後でハマサイドがアレックスをSTFにてタップ・アウトさせたのを見逃して。
 これが新たな遺恨へと発展する事はなかったみたいやけど、ハマサイドに
 は不運であったとしか慰めの言葉もおまへんワ。
JDouble Dog Collar Match (special guest referee/Zandig) :
 Wifebeater & Nick Gage
 vs. Nate Hatred & The Messiah (w/Dewey)
  いよいよ今夜のメイン。互いの首に付けた首輪を太い鎖で繋ぐ『犬の首
 戦』をタッグ形式でやろかって内容で、CZW正規軍の『妻殴り』とゲージが、
 HI−V軍のメサイア&ヘイトリッドを迎え撃つ構図。
 しかしこの一戦を裁くのがCZW正規軍の親分格ザンディグである事から、
 HI−V軍にはやる前から理不尽極まりないものでして、メサイアもヘイトリッ
 ドも最初は試合を拒否して控え室へと引き上げようとするんやけど、花道
 から『妻殴り』のトレード・マークである発動式芝刈り機を振り回して『妻殴り』
 のマネージャーである巨漢ビッグ・マック・スマックが登場、メサイアとヘイト
 ッドを強制的にリングへと戻し、嫌がるメサイアとヘイトリッドにはザンディグ
 の鉄拳までが飛んでようやく『妻殴り』とヘイトリッド、ゲージとメサイアが鎖
 繋がれ試合開始。
 さてこの試合、ザンディグが裁く理由ってのは『犬の首輪戦』に気乗りしな
 メサイアとヘイトリッドを無理やり鎖で繋ぐための出陣であって、いざ試合と
 れば公平なレフェリングをするものと思っていたのですが、これがさにあらず。
 HI−V軍側のフォールにはやる気なさそうにスロー・カウントで応え、正規
 側のフォールには光速カウントを繰り出すってめちゃくちゃ大暴走や。
 他にもレフェリングを行いながらHI−V軍へ細かい妨害を行うなど、いくら
 れまでのHI−V軍の悪行に腹わたが煮えくりかえっていようと、これではど
 ちらがヒール・サイドなのか分からなくなって来ました(苦笑)。
 で、会場後方機材置き場での『妻殴り』へのテーブル葬スポットをはさみ、
 規軍の合体攻撃にてメサイアが沈められそうになった瞬間、これ以上は我
 慢出来んとなったかHI−V軍が全員揃って試合へと介入。
 けどここにCでHI−V軍と決別したカシミールが駆け付けHI−V軍を一掃、
 って思った途端やはり大どんでん返しでカシミールはザンディグに椅子攻撃。
 どうやらCでのカシミール離脱の流れはHI−V軍が仕込んだ猿芝居やった
 んやね。アシッドと組むバックシート・ボーイズってユニットはそう容易く空中
 解させられんもんな。後は正規軍も全員登場してお決まりのドタバタ抗争や。
 そしてハプニング続きであった今夜の興行、ラスト・ビッグ・サプライズとし
 ザンディグとの恩讐を越えあのロボまでが正規軍へと電撃的に復帰。
 これでいよいよ年末興行恒例行事の『CAGE OF DEATH』へ向けて正規
 軍、HI−V軍共に陣容が固まりましたな。

【DVD−R特典映像】
○Music Video Recap
  本編映像の名場面集にCZWのテーマ曲を乗せたプロモ。ただし本編と
 は違ったカメラ・アングルの映像も挿入されていて、なかなかSMARTMA
 RKも手の込んだDVD−Rを作りよるなって思いましたワ。
○Low-ki vs. Ric Blade
 from "Bloodbath" January 8, 2000
  CZWマットにおいて実現していたローキィ対ブレード。ともに日本マットに
 もファンが居ると思いますが、これって結構貴重な映像なんやないの?。
 試合は前半〜中盤をローキィが支配し、後半ブレードがローキィを場外テ
 ブル葬を狙ったところ、トップ・ロープから足を滑らす痛恨のミスが発生。
 これに腐らずブレードはその場飛び〜コーナー・マット下段〜中段〜上段と
 踏み切り場をステップ・アップさせる月面水爆4連発にてローキィを沈めて
 ります。あ、この映像についてはハンディ・カメラ1台で撮影されており、画
 質も本編よりは落ち(充分鑑賞には堪えるけど)、実況&解説等も入ってお
 りませんので注意。


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