では収録内容の詳細を

CAGE OF DEATH V 2003-12-13 (DVD-R*2枚)
(約3時間55分収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
2枚組で20ドルにて発売されている団体公認(?)の代物です。
内容は2003年12月13日にCZWが開催した年末興行を完全収録したもの。
さてCZWの年末興行っていうと『CAGE OF DEATH』って名称の金網戦が
行われるのが恒例でして、2003年末もザンディグ率いるCZW正規軍とメ
イア率いる反逆軍HI−Vの全面対決がブックされとりますんや。
また他の試合も全て年末総決算って色合いの試合ばかりで、この興行でCZ
Wが1年間に渡って繰り広げてきた物語も一応ピリオドが打たれるはずなん
やけど、はてさてそう上手く行きますやろか。では早速内容をレビューします。

★★DISC−1★★
@Jude & Niles Young
 vs. Jon Dahmer & Cory Kastle
 vs. Jamie Samuels & DJ Hyde
  まずはタッグ・チームを3つ揃えた3WAY戦。ここではやる気満々でリング
 に飛び込んで来たダマーが奮闘し、ジェイミーを雪崩式のパイル・ドライバ
 にて沈めて激勝や。CZWもこの辺りの選手の成長具合が2004年の更な
 飛躍のカギとなると思われますが、とりあえず頑張って欲しいものですな。
AShun the Kabuki Kid vs. GQ vs.
 Rick Feinberg vs. Krystian Wolf
  11月の定期戦では女子選手のマネ役であったフェインバーグが、色白
 枚目系のGQの尻を狙うってベタなネタ(苦笑)も仕込まれた4WAY戦。
 けど、ここでは多分日本人と思われる小柄なカブキ・キッドに注目か。
 このカブキ・キッド、隈取ペイントをして毒霧を吹くなどと、あの『東洋の神秘』
 ザ・グレート・カブキの完全コピー版で、我が家でも嫁サンと二人で「もしか
 るとホンマに高千穂(昔の芸名)の息子なんやないか」なんて食卓の話題と
 りました。また試合の幕もキッドがコーナーからのセントーンでGQを沈めて
 くなどと大活躍や。それにしてもこのキッドって、正体は何処かの日本の団
 の元練習生なんやろか。誰か教えてくれはりませんか。
BDirty Rotten Scoundrelz
 vs. Nick Berk & Z-BARR
 vs. Rebel's Army (Greg Matthews & Rockin Rebel)
  @に続いてまたもタッグ・チームを3つ揃えた3WAY戦。この試合ではバ
 ク&バー組が、レベル軍と汚れ悪党軍の2チームが交互に繰り出す何とも
 ーティ(笑)なタッチ・ワークに孤立させられる苦しい展開となりましたが、バ
 の奮闘によりレベル軍と汚れ悪党軍の結束が脆くも崩れて内乱へと移行。
 最後はレベル軍の若頭マシューズが汚れ悪党軍のEC・ネグロ(と聞こえた)
 をフォール。尚、この試合の勝者チームにはタッグ王座への挑戦権が与え
 れる事となっていたみたいで、多分レベル軍が次回定期戦で王座チーム(カシ
 ミールとアシッドからなるバックシート・ボーイズ)へ挑戦するんやと思います。
CJimmy Jacobs vs. Sabian vs. Derek Frazier
  Bに続き、この試合には多分次回興行でジュニア・ヘビー王者(この後のG
 の勝者)への挑戦が出来る権利が懸かっているみたいや。
 で、小柄なくせに故ブルーザー・ブロディのマネっこをしているジェイコブスが引
 き連れている女子マネの尻に、背後からサビアンが手を伸ばしたのが引き
 となって(苦笑)3WAY戦は火蓋を切りました。
 さてこの試合、サビアンの450スプラッシュやフレイジアの実に危険な落と
 方(褒めてる訳やない)で決まる投げ技などが披露され、さすがに王座挑戦権
 が懸かった一戦と言えるものでして、最後はサビアンとフレイジアの一騎打
 に強引に割り込んだジェイコブスが一瞬の隙を突いてサビアンをフォール。
 もしやこの勢いやと、2004年早々ジェイコブスが新ジュニア王者となるか?。
DTrent Acid (w/Dewey) vs. Jimmy Rave
  11月の定期戦で頂点を極めたレイヴと反逆軍HI−V所属であり現アイア
 ・マン王者でもあるアシッドとのドロドロの遺恨。
 今夜は年末興行でもあり、そこまで抜き差しならない遺恨なのなら15分リミッ
 トでのアイアン・マン戦で決着を付けようかとなったみたいや。
 ただし王者アシッドについては今夜のメインで組まれている『CAGE OF D
 ATH』戦へも参加が予定されており、この試合にどこまで集中出来るのか
 考えると、アシッドは非常に大きなハンディを背負った事となりますな。
 で、試合なんですがまずはアシッドがコーナーからの竜巻式レッグ・ドロップ
 レイヴをフォール。しかし通常ルールならこれで試合は幕となるんやけど、この
 試合は15分間をフルに戦ってより多くのフォールを得たものが勝ちってルール
 のアイアン・マン戦。当然まだ残り時間があって試合は非情にも続き、今度
 レイヴ十八番の変形フェイス・ロックにてアシッドがタップ。
 そしてこのまま15分のタイム・アップとなるんやけど、当然これは5分間のサド
 ン・デス延長戦へと移行や。そしてフォールの取り合いっこからレイヴの膝蹴り
 がアシッドの顔面を捉え、遂にアイアン・マン王座の移動が実現!。
 早くもアシッドはメインで組まれている『CAGE OF DEATH』戦へと意識が
 いたのか、王座から転落した割にはサバサバとしているみたいでしたが、この
 両者の試合は磨けばエディ・ゲレロ対ディーン・マレンコの域に達するのではな
 いかと思わせるグッド・マッチでしたワ。
 あ、試合後はHI−V軍の面々がリングに上りアシッドを労っており、ここにHI−
 V軍の宿敵ザンディグ親分が現れ『CAGE OF DEATH』戦へ向けた舌戦
 繰り広げとります。
 また今夜の6人対6人で行われる『CAGE OF DEATH』戦ですが、現時点
 正規軍の6人目は謎のまま。客席からは2003年夏に突如の引退となったニッ
 ク・モンドの復帰を願う声も上がっておりますが...。
EAlex Shelley vs B-Boy vs. Chris Hero
  またもや3WAY戦ですが、この試合は最初に勝ち抜けた者ではなく、最後ま
 で勝ち残った者に凱歌が上がるって形式。で、Dに引き続きこの試合にも反逆
 軍HI−V所属で、メインで組まれている『CAGE OF DEATH』戦へも参加
 予定されているBOYが参戦。なんか今夜はHI−V軍には分の悪いマッチ・メー
 クやね。さて試合ですがまず人気者ヒーローが必殺技であるヒーローズ・ウェル
 カム2連発で勝負に出るも、武藤マニアのBOYが繰り出すシャイニング・ウィザ
 ードによりあえなくフォール負け。
 ここで改めてBOY対アレックスの直接対決となったのですが、最後は試合に臨
 んだ3人の中で一番地味(その上グランド好き)なアレックスがBOYを締め上げ
 てタップをゲット。ま、BOYも必要以上に頑張ると後に控えた『CAGE OF DEA
 TH』戦に響くから懸命なタップなのかもね。それにしてもこれは熱戦でしたな。

★★DISC−2★★
FLadder Match :
 Joker vs. Chri$ Ca$h
  本日一番の激戦となったこの試合も、11月の定期戦でのイザコザが引き金と
 なった遺恨清算マッチ。リング・サイドの四方に各種サイズの脚立が設置されて、
 それを各自が自由に使って良いってルールで、まぁ各プロレス団体で昨今大流
 行の傾向にあるラダー・マッチですワ。
 ただし弱小で後発団体のCZWが提供するのやから、メジャー団体で行われるラ
 ダー・マッチとなんらかの差別化を図る事も必要や。で、ジョーカーとキャッシュが
 選択した差別化の手段ってのが過去のラダー・マッチを凌駕するデンジャラス・ス
 ポットの提示。キャッシュが放った脚立を使ってのブルドッギング・ヘッドロックに
 始まり、不安定な脚立上での攻防があって、最後はジョーカー必殺のジョーカー・
 ドライバー(肩車した相手の首を抱えて落とす)が脚立上からリングに置かれたテ
 ーブルへとデンジャラスに決まりキャッシュがものの見事に散りました。
 それにしてもこれは壮絶な幕切れでして、両選手の安否を気遣ったザンディグが
 ゴングと共にリング・イン。両選手に大事がなかった事を確認したところで、自然
 発生的に客席からはスタンディング・オベーションが沸き起こっております。
GSonjay Dutt vs. Ruckus
  ラッカスの保持するジュニア王座にサンジェイが挑戦するって構図の試合。
 先に行われたD〜Fの試合がどれも熱戦であったので、ラッカスもサンジェイも
 ジュニア王座の攻防とは別に、内容でも他の試合に負ける訳にはいきませんワ。
 しかもこの試合には先の3試合のように特別なルールもなく、言わばギミックなし
 のシングル戦。当然小手先だけの誤魔化しは通じんのやけど、ジュニアらしいス
 ピーディな攻防が矢継ぎ早に繰り出され(日本向けやね)、最後はサンジェイがラ
 ッカスの一瞬の隙を突いて電光石火の固め技。年末興行におけるジュニア王座
 の移動劇が演じられた瞬間でした。
HCage Of Death Match :
 Zandig, Wifebeater, LOBO, Nick Gage, Ian Knoxx, & New Jack
 vs. Messiah, Nate Hatred, The Backseat Boyz, B-Boy, & Adam Flash
  ってな事でいよいよCZWマットにおける積もり積もった各種遺恨の年末一斉大
 処分市、ザンディグ率いるCZW正規軍とメサイア率いる反逆軍HI−Vの6人対6
 人による全面対決の『CAGE OF DEATH』戦となりました。
 さて今夜の地獄の舞台装置なんですが、趣向を凝らした様々な凶器が準備され
 たメインのリングを金網で囲み、それとは別にリング一面を画鋲の海とした金網な
 しの通常(画鋲があるから全然通常やないか)のリングをもう1個併設。
 また天井から吊りボルトにより金網製の入場通路がリングの頭上高く設営され、
 タイム・ラグをもって順次試合に参戦する選手は全て客席後方の機材置き場から
 この入場通路(下には画鋲の海と化したリングあり)を渡り、メインの金網リングへ
 と入って行くって事となりますんや。
  では試合の経過へと話題を変えましょか。
 さっきも書いたように6人対6人の全面対抗戦なんやけど、各選手はタイム・ラグ
 を持って入場して来るため、結構入場順も勝敗を左右します。けど正規軍の大将
 ザンディグが11月の定期戦でダブル・クロス劇を演じたHI−V軍のカシミールを
 一番に指名し、まずはザンディグとカシミールの激突で『CAGE OF DEATH』戦
 は開始。当然ここでは怒り心頭のザンディグによってカシミールが血祭りに上げら
 れ、その後どのようなクジ順だったのか、HI−V軍の大将メサイアとDにも出場し
 たアシッドの2人が同時に参戦、続いてまたまたHI−V軍所属でEにも出場した
 BOYが参戦となったため、哀れザンディグは1人対4人状態の窮地に立たされる
 羽目に。そしてここで会場内に聞き覚えのある悪辣なラップが流れたなと思ったら、
 金網製の入場通路の上には『路上の王』ニュー・ジャックの姿が!!!。
 Dで書いたように正規軍の6番目のメンバーは事前には公表されていなかったの
 ですが、これはホンマに驚きの人選でして、モニター画面に映る会場内も蜂の巣
 を突っ付いたような大騒ぎになっているのが手に取る様に分かります。
 しかし強力な助っ人を頼んだものやななんて思った途端、いきなりニュー・ジャック
 はザンディグに向けて裏切りの一撃を放つ大暴挙。
 どうやらニュー・ジャックとHI−V軍は裏で通じていた様ですワ。
 で、後はもう随時選手がどんどん参戦してアチコチでデンジャラス・スポットの叩き
 売り状態へと一気に突入や。一応ワシの目に付いたところを列挙すると、
  ◆ニュー・ジャックによるザンディグへの工業用ホチキス攻撃
  ◆ノックスとアダムによる各種画鋲スポット
     両者とも軍団員に昇格したばかりで、率先して危険に身を晒したみたい
  ◆ノックスによる高所足場から場外テーブルへの落下スポット
  ◆ニュー・ジャック十八番の自殺ダイヴ(これによってザンディグが憤死)
  ◆『妻殴り』への鎖による絞首刑スポット
  ◆『妻殴り』によるアダムへのサイドウォーク・スラムでの画鋲地獄落下スポット
  ◆その他、高所落下等の危険スポットは数知れず...
 そして長時間に渡った試合も大半の選手が満身創痍で試合権利を失って脱落し、
 気が付けば金網内には正規軍とゲージと、HI−V軍のメサイア&ヘイトリッドの
 計3人が残り、ここでヘイトリッドが大将メサイアに2人同時に足場から飛び降りて
 ゲージをテーブル葬にしようと提案。
 メサイアも何の疑いも持たずにヘイトリッドの提案に乗って足場へと上がったの
 やけど、この土壇場でヘイトリッドはメサイアを足場からリングへと突き落とすって
 ダブル・クロスを慣行!!!。この裏切りにどんなサイド・ストーリーがあったのか
 は分かりませんが、ゲージとヘイトリッドは元々2人でH8クラヴってユニットを結
 成していたって過去もあって、まぁ元の鞘に収まったんでしょうな。
 H8クラヴの再結成を観客も歓迎しているようやし、ザンディグとニュー・ジャックの
 新たな遺恨も生まれ、当然恥をかかされたメサイアはH8クラヴへの報復を画策
 するはず。こうしてCZWの2003年は幕となりました、めでたし、めでたし。

【DVD−R特典映像】
○Music Video Recap
  『CAGE OF DEATH』戦を煽るためのプロモ。多分CZWのTV定期放送で流
 されたんやろと思います。ま、作り方はWWEの手法を踏襲していますが、過去
 の残酷シーン(例のザンディグの肉片宙吊りもあり)も多数盛り込まれていて、こ
 れがケーブルTVとは言え一般家庭に向けて流されたかと思うと絶句ですな。
○Music Video Highlight Package 
  今夜の興行のハイライトを集めたプロモ。本編に比べて画質が悪いのやけど、
 これってそういった特殊画像効果を狙ったものなんやろか。
○葛西 vs. Homicide
  DVD−Rを最初に再生した時は驚きました。なぜって、いきなり日本語の解説
 や実況が聞こえるんやモン。収録された試合はZERO−ONEが2003年9月1
 9日に後楽園ホールで開催した『H〜エピソード1』って興行での葛西対ハマサイ
 ド戦やそうで、プロレス専門チャンネルのサムライTVで放映された映像や。
 この映像が何らかのルートで海を越えて米国の怪しげなプロレス・ビデオ屋へ渡
 り、こうしてCZWのDVD−Rに収録されて再度日本に住むワシの手元に届く。
 なんとも笑える話やないでっか。ま、米国のプロレス・ビデオ屋には著作権なんて
 概念は全くないんやろね。あ、肝心の試合内容ですが、葛西がハマサイドによっ
 て後楽園ホールのバルコニーからフロアーへと突き落とされるって場面もあって、
 ワシは結構楽しめましたデ。


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