では収録内容の詳細を

5 YEARS IN THE MAKING ! 2004-2-7
(DVD-R*2枚)(約3時間36分収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
2枚組で20ドルにて発売されている団体公認(?)の代物でして、ワシは我
が国で唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田
のイグニッション・レコードさんで2,800円にて購入しました。
別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつもりはないけど、米国から
通販で購入すると送料込み27ドル必要となるので2,800円ってのは非常
に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容は2004年2月7日にペンシルベニア州フィラデルフ
ィアのヴァイキング・ホール(元ECWアリーナ)にてCZWが開催した旗揚げ
5周年記念興行を完全収録したもの。
手元の資料によると1999年2月13日に旗揚げされたCZW。ザンディグ親
分を筆頭に『ウルトラ・バイオレンス』を標榜し血まみれのデス・マッチ路線
突き進んで他団体との差別化を図って来ましたが、こうして無事(?)5周年
を迎えるとはなかなか感慨深いものがおます。
では早速5周年記念興行を振り返ってみましょ。

★★DISC−1★★
@Dee Jay Hyde vs. Jon Dahmer vs.
 Scotty Matthews vs. Bounty Hunter
  記念興行のオープニング・マッチ(只のトライアル・マッチか?)。リング上
 に現れたのはちょっと節制を怠って太ったブッカー・Tって感じの新顔バウ
 ンティ・ハンターを含む4人や。で、4WAY戦となったのやけどDJもダマー
 も早々に敗退して試合はハンターとマシューズの一騎打ちへと変容。
 最後はマシューズがハンターをまっ逆さまに叩き落して勝利を得ましたが、
 どうにもこうにも大味な試合でしたワ。
A5 Year Anniversary Music Video
  メタリカの『許されざる者』をBGM(著作権は無視か?)に使って血まみ
 れの5年間を振り返るプロモ。けどプロモの最後に“NEW GENERATIO
 N”と銘打ってデス・マッチ色皆無のジュニア王者サンジェイ・ダッドがストッ
 プ・モーションで映されるのが何やら暗示的。これって『ウルトラ・バイオレ
 ンス』路線との決別って意味なんやろか...。
B2003 Awards Ceremony
  ザンディグ親分がリングに上がり、2003年を通して各分野に活躍した
 選手や関係者を表彰。新人賞的なものをジョーカー、ひどい目に遭わされ
 たで賞的なものを反逆軍のマネージャであるデューイ、敢闘賞的なものを
 現アイアン・マン王者のレイヴ、軍団抗争で皆さん大変やったね賞的なも
 のをザンディグ率いる正規軍とメサイア率いる反逆軍が同時受賞。
 そして特別賞的なものはロボ(最前線復帰を希望)に贈られております。
CDirty Rotten Scoundrelz
 vs. All Money is Legal(K-Murda & K-Pusha)
 vs. CKNY(Cory Kastle & Niles Young)
  駆け出しタッグ・チームを3つ集めての3WAY式タッグ戦。まずCKNYが
 マネー軍に負け、そのマネー軍もDRS軍の卑劣なメリケン攻撃に撃沈。
 ま、3チームには申し訳ないけど、わざわざやってくれなくってもエエ試合で
 したな。  
DMercedes Martinez vs. Sumie Sakai
  なにやらCZWに定着した感のある坂井澄江選手。1月17日の定期戦に
 続いて今夜もマルチネスとの対決ですワ。
 しかし日本からやって来た女子プロ選手に戸惑い気味の客席へ、「そんな
 に警戒なんてしないで、私を好きになってよ!」って飛び込んでいく坂井に
 は感心しますな。ま、日本の汚れ女子プロ・ファン達相手やないので、坂井
 もやりやすいのかもね。ちょっとぎこちなかった619はご愛嬌で、コーナー
 から放った月面水爆が見事に自爆となっての敗退でしたが、遠い異国の
 地で女子選手が独立系団体に根付くとはなァ。頑張ってや、坂井選手。
 あ、試合後には元はマルチネスのマネージャであったフェインバーグ(ゲイ
 っぽい男性)を先月の試合の際と同様に2人掛りでボコボコにしとりますデ。
ECZW Tag-Team Championship
 Rebels Army(Rockin Rebel & Greg Matthews & Derek Frazier)
 vs. Nick Berk & Z-BARR
  CZWでの在籍期間は結構長いのに、どうにも停滞気味であるバーク&
 バー。今夜は2対3のハンディ戦ではあるもののタッグ王座に就くレベル軍
 を倒しベルトを奪取するって願ってもない好機が転がり込んで来たんや。
 けどレベル軍のロッキン軍曹が試合そっちのけで巨漢レフリーのロブ・ハ
 ートグと喧嘩をおっ始め、タイトル戦そのものがうやむやのまま幕に。
 バーク&バーには泣くに泣けない結果となってしまいましたワ。
FJoey Ryan vs. Jimmy Jacobs(w/Becky Bayless)
 vs. Jimmy Rave
  Aでザンディグ親分直々に表彰をしてもらったレイヴが今夜も15分リミッ
 トでのアイアン・マン戦を決行。相手はCZW初参戦のライアンと小さなブル
 ーザー・ブロディことジェイコブスや。
 さて試合模様ですがレイヴがエプロンを走り込んで場外のライアンに膝蹴
 りを見舞ったり、ジェイコブスの負傷中の左手を集中攻撃したりと序盤戦を
 完全に掌握。けど3WAY戦の悲しさでジェイコブスとライアンが互いに1度
 づつ相手をフォールしたものやから1−1−0でレイヴは中盤を終える事に。
 それでも今やアイアン・マン戦のスペシャリストであるレイヴは全く慌てる事
 なくジェイコブスを川津落としから得意の関節技で締め上げ1−1−1のイ
 ーブンとし、直後にシャイニング・ウィザード風にライアンに膝を見舞って遂
 に1−1−2と試合をリード。このまま粘るライアンの反撃を辛抱して15分
 の時間切れや。ウーン、やるなレイヴ。これはグッド・マッチでしたデ。

★★DISC−2★★
@CZW Junior Heavyweight Championship :
 Sonjay Dutt vs. Grim Reefer
  前述した様に5周年記念プロモの最後に“NEW GENERATION”と銘
 打って紹介されていたサンジェイ。デス・マッチを行う訳ではなく見た目も地
 味なんやけど“プロレスの腕前”は極上級なんです。
 で、今夜は1月17日の定期戦にて勃発した遺恨を発端としたリーファー相
 手のジュニア王座防衛戦となりましたんや。
 さてリーファーの仕掛けた花道での待ち伏せ攻撃(苦笑)、スプリング・ボー
 ド式の場外フェンス越えボディ・アタック、コーナーからのサイド・ウォーク・
 スラムとあわやタイトル移動かと思わせた場面を構築しつつ、最後はサン
 ジェイがひねりを加えた飛び付きウラ・カン一発でリーファーを一蹴。
 CZWがデス・マッチ路線から撤退するのは嫌やけど、こうして若きサンジェ
 イのいぶし銀の芸が観れるのは嬉しい限りや。あ、試合終了後にはサンジ
 ェイのベルトが盗まれたのが発覚。またまた新たな抗争の火種やろか。
ANick Mondo Hall of Fame Introduction
  昨年7月26日の『トーナメント・オブ・デス・2』を花道に業界からフェード・
 アウトしたニック・モンド。2003年CZWマット最大の功労者である彼を呼び、
 ザンディグ親分が感謝の意を述べております。
BZandig Music Video Tribute
  DISC−1のメタリカに続き、今度も多分著作権は全く無視してザ・フーの
 名曲『十代の荒野』をBGMとしたザンディグ親分のプロモ。
 このプロモだけでも本DVD−Rを購入する値打ちがおまっせ!!。
CRuckus & Sabian vs. Chri$ Ca$h & Joker
  1月17日の定期戦では4WAY戦を行った4選手。若手の台頭著しいCZ
 Wにあっても頭一つ抜きん出た今が旬の面々なんですが、今夜は2対2の
 タッグで対戦する事に。試合は激しく攻めて激しく受けるってプロレスの鉄
 則を下地に、そこにスピードと独創性を加えた内容ですんや。そら悪い訳な
 んておまへんワ。で、熱戦はサビアンの450スプラッシュでフィニッシュを
 えるんやけど、試合後に有色人種3人(ラッカス、サビアン、ジョーカー)と
 人(キャッシュ)の対立構図が鮮明となり、有色人種3人に袋叩きにされて
 いるキャッシュを救えとサンジェイとジェイコブス(当然ながら両者とも白人)
 が現れ、これで次回興行にて3対3の人種問題が根源に潜むタッグ戦の伏
 線が見事に引かれる事と相成りました。
DCZW Xtreme Strong Style Tournament Match :
 B-Boy vs. Excalibur
  ヒアリングが苦手なのでCZWが突然始めたXSS(エクストリーム・ストロ
 ング・スタイル)の実態がいまいち掴めませんが、とりあえず今夜トーナメ
 ントの一回戦がBOYとエクスカリバーの間で組まれました。
 さて黒マスク&黒コスチュームで決めた猫背で痩身の“謎のマスク・マン”
 エクスカリバーですが実力まで“謎”であったのはホンマに辛かったです。
 BOYによるシャイニング・ウィザードwithチェアーで決した試合でしたが、こ
 れでは先の思いやられるXSSトーナメントと言わざるを得ませんな。
EH8 Club(Nick Gage & Nate Hatred)
 vs. Dan Maff & Homicide
  再結成となって飛ぶ鳥を落とす勢いのH8クラヴが難敵ハマサイド&マ
 フを迎え撃った試合。これもなかなか見応えのある内容でして、ゲージが
 ハマサイドのフィニッシュ・ホールドであるコップ・キラーをかわしてエース・
 クラッシャーで反撃したものの、直後にハマサイドのサイド・スープレックス
 ・ホールドにて3カウントを奪われた、と思ったらゲージは片方の肩をマット
 から上げていて両肩がマットに触れていたハマサイドが敗退って脚本もな
 かなかプリティ・グッド。勝敗ではなく、まさに内容で魅せた試合でしたな。
FNecro Butcher vs.
 Mad Man Pondo(w/Dewey) vs. New Jack
  ザンディグ親分の紹介で今夜のメイン・エベントのためにリングに上がっ
 たのはIWA−MIDSOUTH所属のネクロ・ブッチャー(ワシの大のお気に
 入り!、一度みんなも観てやって)と大日本マットでもお馴染みのポンド。
 げとポンドのエスコート役として反逆軍のマネージャであるデューイ(年末
 興行でザンディグにド突かれまくられて未だに全身ボロボロ)が現れたも
 のやからザンディグ親分もニコニコと笑ってはおられまへん。
 なんでこんなアホと一緒に居るのだとポンドに詰め寄り(って程怒ってはな
 かったけどね)、ブッチャーには遠慮せずにポンドを痛め付けてやれと激励
 して試合開始のゴングを要請。
 ここからは凶器テンコ盛りのデス・マッチ三昧となり、ポンドが扇風機でブ
 ッチャーの頭部を殴り付けた(扇風機が木っ端微塵となる様はホンマに見
 物や)ところで会場内には悪辣なラップが流れ、『路上の王』ことニュー・ジ
 ャックが登場。むりやりブッチャー対ポンドに割って入って試合を3WAY戦
 としてしまいますんや。で、ここからは当然ニュー・ジャックの独壇場。
 試合こそポンドがブッチャーにフォールされて幕となったものの、ブッチャー
 をテーブルに寝かせておけとポンドに指示を飛ばし、自らはテーブルの上
 のブッチャー目掛けて機材置き場より十八番の自殺ダイヴを決行ですワ。
 あ、試合後にデューイより体たらく振りを詰られたポンド、デューイを殴って
 ハサミでデューイの髪の毛をバッサリと切断し鬱憤晴らしや。哀れディー
 イ、恐ろしさの余りオシッコを漏らしてしまったみたいでっせ(苦笑)。

【総評】
  折角の5周年記念興行に何故ザンディグ親分の試合がないのやろか。
 その上、親分の敵役であるメサイアに、親分の用心棒的ポジションにある
 『妻殴り』ことワイフ・ビーターらは今夜の興行には姿さえ見せなかったし。
 てっきり『ウルトラ・バイオレンス』路線の集大成的な試合が組まれるもの
 と思っていたので、まさかメインのデス・マッチがフリー・ランサーのデス・
 マッチ野郎頼みの【オール外部発注方式】で処理されてしまうとはなァ。
 “NEW GENERATION”と銘打ってジュニア王者のサンジェイ・ダッドが
 大きくディスプレイされたプロモ、ハイ・レベルであった若手達の試合。
 どれもこれもがこれまでのCZWの『ウルトラ・バイオレンス』路線とは正反
 対のものなんやけど、わざわざ5周年記念興行でこんな内容を見せ付け
 られると、デス・マッチが大好きなワシとしてはCZWの今後が心配ですワ。


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