では収録内容の詳細を

RETRIBUTION 2004-4-3
(DVD-R*2枚)(約3時間43分収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
2枚組で20ドルにて発売されている団体公認(?)の代物でして、ワシは我
が国で唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田
のイグニッション・レコードさんで2,800円にて購入しました。
別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつもりはないけど、米国から
通販で購入すると送料込み27ドル必要となるので2,800円ってのは非常
に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容は2004年4月3日にペンシルベニア州フィラデルフ
ィアのヴァイキング・ホール(元ECWアリーナ)にてCZWが開催した定期興
行を完全収録したものですんや。では早速内容のご報告を。

★★DISC−1★★
@CZW Tag Team Championship Gauntlet Match :
 ◆CKNY(Cory Kastle & Niles Young)
  vs. DJ Hyde & Merc
 ◆CKNY(Cory Kastle & Niles Young)
  vs. The Dirty Rotten Scoundrelz
 ◆The Dirty Rotten Scoundrelz vs.
  The H8 Club(Nick Gage & Nate Hatred)
 ◆The H8 Club(Nick Gage & Nate Hatred) vs.
  Rebel's Army(Rockin Rebel & Greg Matthews w/Derek Frazier)
  レベル軍が保持するタッグ王座を巡るガントレット戦。まずは巨漢DJの
 コスチュームを盗み出して着用するCKNYの2人が、そのDJに狙い撃ち
 にされたものの、DJの相方マークを辛くも沈めて一回戦を突破。
 続いてCKNYに挑戦するのはDRS軍で、ここでCKNYの2人も息切れを
 起こして戦線離脱や。で、CKNYを下して意気揚々のDRS軍の前に現れ
 たのは再結成なって行け行け状態のH8クラブ(ネイト・ヘイトリッド&ニッ
 ク・ゲージ)。さすがにDRS軍もH8クラブの参戦には「おいおい、聞いて
 ないデ」ってスタッフに文句を垂れるのが精一杯で、あえなく秒殺敗退。
 この様子を控え室でつぶさに見ていたはずのレベル軍、ベルト防衛に赤
 信号が灯ったと悟ったか、タッグ戦なのに軍団員総出(って言っても3人
 やけど)でH8クラブを襲撃ですワ。しかし只今絶好調のH8クラブ、余裕
 でレベル軍を迎撃し、しかもレベル軍を束ねるロッキン軍曹とは犬猿の仲
 のロブ審判までが試合に介入。当然レベル軍の至宝タッグ王座はH8ク
 ラブへと渡ってしまいましたとさ。
ABJ Whitmer vs. Jimmy Jacobs(w/Becky Bayless)
  最近各地の独立団体のカードに名前が出て来るBJ。どんな奴やろか
 って思っていたんですが、どうやら今夜がCZWデビューの様でこうして
 本作に収録されワシとこの部屋へとその姿が届けられました。
 戦前の予想では『小さなB・ブロディ』ことジェイコブスの勝利かと思われ
 たのですが、序盤スプリング・ボード式の飛び技をミスったジェイコブスは
 最後までペースが戻らぬまま、体格に勝るBJのスロイダーにて敗退や。
 これって波乱なのやろか、それともBJの地力が上やったの?。
 ワシにはどうも後者のように映りましたワ。
○場面は変わって...
  赤ワインのボトルとCZWアワードにて貰った小さな盾を手にリングへ
 上がったのは、元バックシート・ボーイズの片割れトレント・アシッド。
 04年1月17日の定期興行を最後にCZWからバックシート・ボーイズは
 姿を消し、当初はメジャー移籍かと思っていたらチームも解散となった
 なんて情報もあって、特にワシは華のあるアシッドにはずっと注目してい
 たので結構動向が気になっていたんですが、こうして早々にCZWに戻っ
 て来てくれてひとまずは安心や。
 で、アシッドとザンディグ親分の会談が始まらんとした瞬間、超問題児の
 テディ・ハートが実にふてぶてしく登場。当然アシッドやザンディグとトラ
 ブって、本日のアシッド対ハートが決定されました。
BGrim Reefer vs. Nick Berk vs. Chri$ Ca$h
  試合の後半に入ってキャッシュが特大梯子を持ち出した為にラダー戦
 と化した3WAYマッチ。マリファナの葉っぱをコスチュームに大きく縫い
 込んだリーファーが、キャッシュによって梯子からスープレックスで投げ
 捨てられて敗退しております。
CCZW Xtreme Strong Style Tournament :
 Joker ((w/Blackout(Sabian & Ruckus))
 vs. Jon Dahmer(w/Big Mack Smack)
  前々回2月7日の定期興行より突然始まったXSS(エクストリーム・ス
 トロング・スタイル)トーナメントの一環である試合。前回3月6日の定期
 興行において3WAY方式の梯子戦を勝ち抜き見事にルーキー・クラス
 から卒業したダマーが、黒人組織ブラックアウトの一員であるジョーカー
 に挑戦や。けどジョーカーがダマー相手に懐の深いところを見せつつ、フ
 ィニッシュに向けて締め技を出したところで『妻殴り』ことワイフ・ビーター
 が乱入。あっと言う間に試合をブッ潰してしまいよりました。
DChikara Pro Wrestling Eight Man Tag Match :
 Mike Quackenbush & Mr. Zero
 & Team F.I.S.T(Gran Akuma & Icarus)
 vs. Hallowicked & Jigsaw &
 The Wild Cards(Eddie Kingston & Black Jack Marciano)
  Chikara Pro Wrestling所属の8選手によるタッグ戦。スキル・レベルに
 バラつきはあるものの各自それぞれ激しく楽しくルチャを披露ですワ。
 尚、日本のサラリー・マンをモチーフにしたと思われるミスター・ゼロはC
 ZWファンのハートをガッチリとキープ。『ウルトラ・バイオレンス』を売り文
 句にするCZWですが、やはり定期興行にはこんな試合も不可欠でして、
 ならばChikara Pro Wrestlingとの提携はCZWには吉と出たみたい。
EArik Cannon vs. Dan Maff
  AのBJに続き、またまたワシには初めて見る顔であるキャノンなる選
 手が登場。マフの各種スープレックスを喰らいつつもシャイニング・ウィザ
 ードをマフに見舞った時はもしや番狂わせかとも思わせましたが、やはり
 最後はマフのバーニング・ハンマー(バック・フリーカーの体勢から逆さに
 落とす説得力あるフィニッシュ・ムーヴ)に沈められてしまいましたワ。
FCZW Junior Heavyweight Championship Match :
 Sonjay Dutt vs. Roderick Strong vs. Petey Williams
  昨年末の戴冠以来ジュニア王座を防衛し続けるサンジェイに3WAYで
 の防衛戦が課された図式となる試合。序盤こそ3者で息を合わせて各
 種スポットを構築しているのがワシにはちょっとしつこく感じられましたが、
 サンジェイによる場外フェンス越しの月面水爆から試合は一気に加速。
 結局サンジェイが余裕を持ってウィリアムスを沈めて王座防衛を果たして
 おります。あ、前々回2月7日の定期興行において発覚したジュニアの
 ベルト盗難事件はまだ解決しておらず、サンジェイが試合終了後にマイ
 クを握って盗難事件についてコメントを行っていると会場内が突然暗転。
 そして会場内に再度照明が灯ったところ、リング上には椅子攻撃を受け
 て失神したサンジェイの姿が。このお話、当然次回へ続くんでしょうね。

★★DISC−bQ★★
@Special Boxing Match :
 Rob Hartog vs. Rockin Rebel
  DISC−1の@でも紹介したようにレベル軍を束ねるロッキン軍曹とロ
 ブ審判は犬猿の仲。ならば男らしくボクシングで決着(前回3月6日の定
 期興行では腕相撲にて対決)を付けようやないかとなったんや(苦笑)。
 試合はロッキン軍曹による耳噛み攻撃なんてボクシング戦ならではのベ
 タなネタを随所に散りばめつつ、ロッキン軍曹がピンチになると途端にゴ
 ングが鳴らされるため、無駄にラウンド数は進み遂に6Rへと突入です。
 そろそろオチの付け時やないかなって思っていると、突然ワイフ・ビーター
 やニック・ゲージ、ダン・マフが現れてロッキン軍曹とロブ審判を無差別に
 襲撃や。多分、「もう充分に遊んだやろ」って事なんでしょうな...(笑)。
ABlackout(Ruckus & Sabian) vs.
 All Money Is Legal(K-Murda & K-Pusha)
  なんかこの日は実力差のある者同士が戦うカードが多い様に思えます
 が、これまたそんなイメージの試合。確かにマネー軍も小柄ながら機敏
 な攻撃を信条とする悪くはないチームなんですが、やはりラッカス&サビ
 アンの方が一枚も二枚も上手である事だけは否めまへん。
 しかも黒人組織ブラックアウトの悪辣さを印象付けようとの狙いやろね、
 試合の後半にはジョーカーまでがラッカス&サビアンの援護射撃と堂々
 の介入決行ですワ。黒人組織ブラックアウト、一気にトップ・ヒールへと
 ステップ・アップを画策しとるみたいや。
BChris Hero vs. Jimmy Rave
  15分タイム・リミットのアイアン・マン戦をやらせたら天下一品のレイヴ
 の前に、レイヴの保持するアイアン・マン王座を執拗に狙うヒーローが登
 場。今夜はアイアン・マン戦ではなくって通常のルールでのノン・タイトル
 戦での激突でして、ヒーローの押せ押せの波状攻撃に青息吐息となった
 レイヴが十八番の顔面膝蹴りにて辛くも逃げ切り。
 しかし試合終了後にはヒーローのSTFを喰らってだらしなくタップの意思
 表示をしてしまったレイヴ。多分次回定期興行では両者によるアイアン・
 マン王座がブックされるんやと予想しますな。
CWifebeater(w/Big Mack Smack)
 vs. Adam Flash(w/Dewey)
  長く身体を張ってウルトラ・バイオレンスを提唱し続けて来たザンディグ
 親分も、最近はCZWって団体において『象徴天皇』として院政を司る
 場に収まってしまったようで、ザンディグの右腕である『妻殴り』ことワイ
 フ・ビーターも近頃はめっきり出番が減ってしまっております。
 またビーターと対戦するフラッシュにしても、これまで属していた反逆軍
 HI−Vが開店休業状態で悶々とする日々を過ごしている様子。
 ならば2人で大暴れしてみようやないのと本試合が組またみたい。
 序盤こそビーターが慣れぬ各種プロレス・ムーヴを試して試合自体にエ
 ア・ポケットを作ってしもたけど、中盤以降はゴミ箱や椅子が飛び交い、
 ビーターの額にはフラッシュによって工業用大型ホチキスが5連発!!。
 ここでビーターの危機を救えとイアン・ノックスが試合に介入し、ビーター
 は何とかフラッシュを振り切りました。しかしこのフィニッシュではどちらが
 ヒールなのか分かりまへんな。 
DTeddy Hart vs. Trent Acid
  カナダの名門ハート一族の末裔であり、『21世紀のルース・キャノン』
 と成り得る(ちなみに20世紀のルース・キャノンは故ブライアン・ピルマ
 ン)資格を有するテディ・ハートと、元バックシート・ボーイズの片割れトレ
 ント・アシッドによるシングル戦。
 リング・サイドの本部席にはこの試合を強引に組んだザンディグ親分の
 姿も確認される中、いよいよゴングとなりました。
 さて前回3月6日の定期興行でのレビューではワシから赤点再試験の
 烙印を押されたハート、全く懲りもせず(まぁワシのレビューなんて彼が
 読むはずもないしね)今夜も自分勝手にポンポンと難易度の高い飛び
 技を繰り出す『天上天下唯我独尊ファイト』に終始。
 で、まさか困った表情なんて見せる事の出来ないアシッド、これを黙々
 と受けまくった末にハートをアリーナの外の駐車場へと連れ出し、乗用
 車のボンネット上でパイル・ドライバーを放ち、続いて今度は同じ乗用車
 の屋根から月面水爆を見舞って反撃開始や。
 ウン、アシッドも吹っ切れたな。これは名勝負になるんやないかって俄
 然モニター画面に注目したところで残念なアクシデントが発生。
 なんとハートによって乗用車の屋根からテーブル(←手際よくスタッフが
 運んで来たもの)に目掛けてパワー・ボムにて投げ捨てられたアシッド、
 打ち所が悪かったのか全く立ち上がれなくなってしまいましたんや。
 さぁ今度はハートが頭を抱える番。さっきまでアシッドの事なんて一切構
 わず『天上天下唯我独尊ファイト』を繰り広げていたのに、肝心の対戦
 相手が動けなくなってしまったんやもん。さてハート、この難局をどう乗り
 越えるって少々意地悪な興味も頭をもたげて来るのやけど、『21世紀の
 ルース・キャノン』にもキチンと良識はあったようで、アシッドを肩に担いで
 アリーナへと戻り、そのままリング上へ押し上げてしまいましたんや。
 悪童の善行に拍子抜けしたなって感じる反面、ハートにもプロ・レスラー
 としての意識が宿っているのを確認出来てホッとしたってのもこれまたワ
 シの本音。アシッドもハートの行動に応えるべく動かぬ身体に鞭打って
 試合を最後まで成立させようと大奮闘ですワ。
 結局試合は『事前の取り決め』へと帰結させるためやろね、ザンディグが
 介入しハートに土が付いたけど、このザンディグの介入だけは見逃せま
 せんな。そこまでして『事前の取り決め』へ辿り着かないとアカン理由な
 んてないやろ。折角のハートとアシッドによる熱戦やったのに、これに水
 を差したのはアシッドを襲ったアクシデントなんかではなく、ザンディグの
 ブッカー(なんでしょ、CZWの?)としてのエゴですワ。
 それにしてもこれはもう一度再戦して欲しいエエ試合でした。


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