では収録内容の詳細を

APOCALYPSE 2004-5-1
(DVD-R*2枚)(約3時間18分収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
2枚組で20ドルにて発売されている団体公認(?)の代物でして、ワシは我
が国で唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田
のイグニッション・レコードさんで2,800円にて購入しました。
別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつもりはないけど、米国から
通販で購入すると送料込み27ドル必要となるので2,800円ってのは非常
に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容は2004年5月1日にペンシルベニア州フィラデルフ
ィアのヴァイキング・ホール(元ECWアリーナ)にてCZWが開催した定期興
行を完全収録したものです。では早速レビューへと...。

★★DISC−1★★
@Blackout(Joker & Sabian) vs.
 CKNY(Cory Kastle & Niles Young)
  ラッカスや後ろ盾となる謎のオッサン、白人のチンピラを従えて極悪黒人
 ユニットとしてCZW内に幅を利かすブラックアウトが登場。突然リング下の
 スタッフに襲い掛かり財布を奪って、試合が始まるとジョーカーのフィニッシ
 ュ・ムーヴであるジョーカー・ドライバーからサビアンのダイビング・セントー
 ンにつないで楽々とCKNYの2人を下してしまいよりました。
AJon Dahmer vs. Rick Feinberg
  過去に女性用下着の着用がリング上で暴露されるなど、ちょっと偏った
 趣味を持つ(多分ゲイの)フェインバーグがリング・イン。巨漢ダマーに果
 敢に挑んだのですが、ダマーの危険な落とし方のスープレックス(ってよ
 り、単に両者が下手くそなだけか?)に見事に散ってしまっております。
BDJ Hyde vs. Jude
  大柄なDJが小柄なユダをやりたい放題に攻めて圧殺。ま、たったそれ
 だけの語るべきところのない内容の試合でした。
CRuckus vs. Derek Frazier
  @の流れを引き継いでラッカス側にはブラックアウト一派が控えている
 事から、これはフレイジアにも自身が属するレベル軍のバックアップがあ
 るのやろなと思ったのですが、フレイジアはずっと独りぼっちのまま。
 最後は実力差もあってラッカスに敗れたけど、曲者ラッカス相手にフレイ
 ジアはロープを活用したサブミッション(タジリのタランチュラ系の技)を2
 種類披露し、加えてグランドでも攻め込むなど大奮闘でしたワ。
 あ、試合決着後もリング下に横たわる敗者からリスト・バンドやリング・シ
 ューズを奪うなどと、ブラックアウト一派はまるで追い剥ぎもどきの悪行三
 昧を行い、ここにやっとレベル軍のロッキン軍曹も駆け付け。ブラックアウ
 ト一派を駆逐しております。
DNick Berk vs. Emil Sitoci
  テキサス式四葉固め風にバークがエミールを絞り上げて勝利を得た試
 合ですが、なんか両者の変に手際良いところだけが印象に残ってます。
 決して彼等も手を抜いて試合をやっているって訳ではないのやろけど、プ
 ロレスって芸を通して観客に何かを伝えるのは難しいなァ、なんて改めて
 思った次第ですんや。
E4 Way Elimination Match :
 B-Boy v.s Roderick Strong vs. Dan Maff vs. Alex Shelley
  本日の興行のセミ・ファイナルにて行われるレイヴ対ヒーローのアイアン
 マン戦の勝者に、次回興行で挑戦する事が出来る権利の懸かった試合。
 けどこれがまた変則的なルールでした。まず最初の10分はBOY&マフ
 のコンビとロドリック&アレックスのコンビでタッグ戦が行われ、10分経過
 の合図とともに試合は4人全員参加による4WAY戦へと移行。
 ホンマ、CZWって複雑怪奇なルールの試合を組むのが好きやなァ。
 さて試合はBOYがロドリックを、アレックスがマフをそれぞれフォールし、
 BOY対アレックスの一騎打ちへと再び様相を変え、各種スープレックスの
 打ち合い〜グランドでの固め合いの末にBOYに凱歌が。
 次回、BOYが対するのはレイヴかヒーローか。俄然セミ・ファイナルの行
 方が気になってきましたな。
○場面は変わって...
  前回、2004年4月3日の定期興行にてアシッド相手に大熱戦を披露し
 た『21世紀のルース・キャノン』ことテディ・ハート。会場内に姿を見せるだ
 けで客席が歓迎、激怒の二派に見事に分かれてヒート・アップする様を見
 るだけでこいつが他の凡百の選手とは別の存在って事がよく分かります。
 で、前々回2004年3月6日の興行にて後頭部に大怪我を負わせたザン
 ディグ(今夜は最後まで姿を見せまへんでした、どないしたんやろ?)にハ
 ートが恨み節を炸裂させていると、控え室から突然ハマサイドが登場。
 当然ハートとの乱闘(喧嘩ファイトならハマサイドに一日の長あり、鼻っ柱
 への頭突きなんてエゲツなかったデ)へ発展するのやけど、これは乱闘後
 の両者のアピールから想像すると、次回6月12日の定期興行ではなく次
 々回7月10日の定期興行『第4回ベスト・オブ・ザ・ベスト』へ向けてのネ
 タ振りみたいですな。
○場面は変わって...
  腕を三角巾で釣った痛々しい姿のイアン・ノックス(ザンディグ親分の子
 飼い選手)に対してバックステージでメサイア、アダム・フラッシュ、ディーイ
 が卑劣極まりない襲撃。そのままノックスをリングに引きずり上げ、テーブ
 葬のポジションに捕らえたところで会場内が突然暗転。
 そして再度場内に照明が戻った時には、コーナー・ポストの上にサブゥの
 姿が!!。お、これはサブゥがノックス救出へ現れたのかと思ったのやけ
 ど、なんとサブゥは椅子爆撃をノックスへお見舞い。
 続いてメサイアがザンディグへ向けアジテートを開始ですワ。
 ウーン、どうやらサブゥはメサイア側の秘密兵器として雇われたようや。

★★DISC−bQ★★
@Ladder Match : Chri$ Ca$h vs. GQ
  梯子戦も別に珍しくなくなった昨今のプロレス界。ここではGQとキャッシ
 ュが今や手垢の付いた梯子戦へ挑みました。さて梯子戦って言うとどうし
 ても高所からの落下が最大の見せ場となるんやけど、GQもキャッシュもあ
 えて梯子を高所落下の足場ではなく、単に凶器として使用する事を選択。
 また通常のプロレス・ムーヴも随所に散らして、過去の他の梯子戦とは差
 別化を図ろうと奮闘しているみたい。ただ試合に幕を引くべくキャッシュが
 繰り出した梯子上からの反り投げが自爆気味となってしまったのが残念。
 あの場面、無理やりフォール勝ちにまで持ち込まないで、再度別スポットに
 移行するだけのアドリブ能力があって欲しかったな。 
AXtreme Strong Style Tournament :
 BJ Whitmer vs. Brad Bradley
  2月7日の定期興行より突然始まったXSS(エクストリーム・ストロング・
 スタイル)トーナメントの一環である試合。毎興行1試合必ずマッチ・メイク
 されるこのXSSですが、どうやら次々回7月10日の定期興行『第4回ベス
 ト・オブ・ザ・ベスト』と密接な関係があるらしいですワ。
 さて試合ですが、常に先手先手で攻め込んだウィトマーがブラッドレイの
 垂直落下式スープレックスを喰らいつつもスロイダーにて完勝。
 ただ、どうも見た目に派手さのない試合でして、一部観客からは『退屈や
 なァ』チャントがあった事も記しておかないとアカンな。
BCZW Iron Man Title 20 Minutes Iron Man Match :
 Chris Hero vs. Jimmy Rave
  昨年12月13日の年末興行においてアシッドを下しアイアイ・マン王座に
 就いたレイヴ。以降、この試合形式でやったら向かうところ敵なし状態で王
 座防衛を続けて来たんやけど、この王座に狙いを絞ってレイヴの前に現れ
 たのがクリス・ヒーロー。ならば20分間リミットのタイトル戦にて雌雄を決し
 ようかとなったみたいや。さて試合の内容ですが、過去のこの手の試合形
 式のようにフォールを取って取られてハラハラドキドキ状態で時間切れを
 えるってものではなく、両者激闘のままヒーローのフィニッシュ・ムーヴであ
 るヒーローズ・エンドもレイヴのフィニッシュ・ムーヴであるシャイニング・ウ
 ザードも不発(この不発ってのが肝心や、互いのフィニッシュ・ムーヴをリス
 ペクトしあってますワ)で、時間切れ直前にヒーローがバック・スライド(ロー
 プ悪用式)にてレイヴからフォールを先取。そのまま時間切れを狙ってヒー
 ローは控え室へ姿を消し、これをレイヴが追っ掛けたところで遂にタイム・
 ップ。4WAY戦を勝ち抜き第1挑戦権を得たB−BOYが花道で観戦する中、
 アイアン・マン王座はレイヴからヒーローへと移ってしまいました。
CSix Men Tag Team Elimination Ultraviolent Tables Match :
 Sabu & Messiah & Adam Flash (w/Dewey) vs.
 Trent Acid & Wifebeater & Nick Gage (w/Big Mack Smack)
  前述したイアン・ノックス襲撃事件をトリガとした6人タッグ戦。メサイア側
 にはサブゥもついて久々にヒール・サイドにも活況が戻って来たようですな。
 さてベビー・サイドの布陣は『妻殴り』ことワイフ・ビーター、ニック・ゲージ、
 残り一人は誰かいなと入場ゲートに注目が集まりました(注:ゲージの相棒
 であるヘイトリッドは事前に欠場が告知されていた?)。
 で、『妻殴り』やゲージを追って入場ゲートに姿を見せたのはトレント・アシ
 ド。元バックシート・ボーイズの片割れで、04年の年頭はメサイア率いる反
 逆軍HI−Vの重要なキー・パーソンであった彼が、一度CZWを離脱して今
 度はベビー・サイドへ加わるのやから元々の親分であったメサイアも辛抱
 らんとアシッド潰しをサブゥに指示ですワ。
 さてさて試合はテーブル葬を喰らった者からイルミネートされて行き、最後
 に残った1人が属するチームが勝ちってルール。
 ただ折角CZWに参戦したものの、どうもサブゥに覇気が感じられず、長丁
 場の身体を張った試合をやる気がないのがありありと分かるんです。
 まぁ特別ゲストがそんな気持ちやろからやろね、メサイアが『妻殴り』を、ゲ
 ージがフラッシュを、各々単独で相手をテーブルに沈めれば本人は勝ち残
 り出来るはずなのに共に無理心中っぽく2人揃ってテーブルへ飛び込み同
 時にイルミネートされるものやから、試合開始から10分弱で生き残ってい
 るのはアシッドとサブゥのみって底抜けの省力試合...。
 それでもアシッドとサブゥの絡みを客に見せたいので脇役陣はさっさと自主
 的に消えたのではないやろか、とワシも気持ちを取り直してモニター画面を
 注目したんです。しかし試合の権利を失っているはずのメサイアが直ぐに
 合に介入しアシッドも簡単にテーブル葬されて。
 あぁ、ホンマになんでサブゥなんかを呼んだんやろ。折角のメインがボロボ
 ロやないの。そらサブゥも見たいけど、本人があんなにモチベーションを喪
 失しているのなら特別マッチとして誰か『噛ませ犬』との試合をマッチ・メイ
 クし、メサイア&フラッシュ対『妻殴り』&ゲージのタッグ戦とアシッド対テデ
 ィ・ハートの前回定期戦で勃発した遺恨清算戦なんて考えはなかったの?。
 どうも最近のCZWはビッグ・ネームに頼ってメイン・エベントがこける事(2
 月のCZW旗揚げ5周年記念興行におけるニュー・ジャックなど)が多いな。
 CZWには原点に戻り、もう一度性根の座ったデス・マッチをやって欲しいワ。

【DVD−R特典映像】
○No Rope Exploding Barbed Wire Match :
 Lobo vs. Zandig
 <from "They said it couldn't be done" 2000-6-25> 
  00年6月の定期興行からチョイスされたザンディグ対ロボによる名勝負
 数え歌。試合形式は大仁田時代のFMWを彷彿とさせるリングの2面が小
 型爆弾付きの有刺鉄線、残り2面がノー・ロープでエプロン・サイドに有刺
 鉄線と小型爆弾が設置されたテーブルが設営って舞台装置ですワ。
 試合は多分フィニッシュ・シーンに繋がるはずであったラスト1個のテーブ
 爆弾が不発に終わるって不手際もあったけど、蛍光灯でのド突き合いも含
 めてザンディグ、ロボともに分け隔てなく各々のトラップに被弾する内容。
 謎の巨漢レスラーの介入によりロボに土が付く、結構トータル時間の短い
 一戦でしたが、それでも本編のメイン・エベントより余程楽しめましたワ。
 って言うか、本編のメイン・エベントがセコかったので、お詫びのしるしとし
 てこのボーナス・マッチが収録されたんやないやろか(苦笑)。


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