では収録内容の詳細を

APRIL BLOODSHOWERS 2004-4-9
(DVD-R*2枚)(約3時間32分収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
2枚組で20ドルにて発売されている団体公認(?)の代物でして、ワシは我
が国で唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田
のイグニッション・レコードさんで2,800円にて購入しました。
別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつもりはないけど、米国から
通販で購入すると送料込み27ドル必要となるので2,800円ってのは非常
に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容は2004年4月9日にインディアナ州オーリティクに
てIWA−MIDSOUTHが開催した定期興行を完全収録したものです。
団体のHPを見るとIWA−MIDSOUTHはほぼ毎週末定期戦を開催してい
るようで、これまでもSMARTMARKからは大量のVHSテープが発売され
ており、デス・マッチ大好き君のワシの物欲を刺激しまくっていたのですが、
このタイトルからは遂にDVD−Rも平行発売される事になったみたい。
では記念すべきDVD−R第1弾、その名も''April Bloodshowers 2004''(4月
の血の雨)、早速レビューへと...。

★★DISC−1★★
@"Spyder" Nate Webb
 vs. Adam Flash vs Michael Shane
  IWA−MIDSOUTHの『くも男』ウェブ、CZWではヒール・サイドに属す
 るフラッシュ、ショーン・マイケルズの甥であるシェーンによる3WAY戦。
 なにやらいきなり豪華な顔触れによるオープニング・カードですな。
 さすがに3人ともお客さん(どう見ても百数十名程度やけど)を乗せる事に
 は長けているようでして、軽く流しつつもポイントだけはキチンと押さえて
 ますって感じ。試合はシェーンのスーパー・キックにてフラッシュが敗退や。
AMsChif vs. Daizee Haze
  第2試合は女子のシングル・マッチ。ゴス風のコスチュームに身を包ん
 だミスチフと、底抜けに明るい女の子って感じのヘイズの一戦や。
 さてこの試合、ゴングが鳴るまではワシ、多分キィー!なんて叫んで張り
 手と蹴りだけでお茶を濁すつまらない内容になるやろなって想像していた
 のですが、両者ともに見慣れぬストレッチ技を次々に繰り出してビックリ。
 最後はミスチフが緑の毒霧噴射から片足を使ってヘイズの腕を極めたま
 まDDT風にリングに叩き付けて勝利を得ましたが、米国女子プロのレベ
 ルも着実に上がって来ているんですなァ。
BRoderick Strong vs.
 Jimmy Jacobs(w/Becky Bayless)
  お馴染みの“HUSS”チャントを仕掛けて序盤を支配したジェイコブス、
 風車式バックブリーカー〜胃袋砕き〜コーナー・ポストへ向けての投げっ
 放しスープレックスと小柄なジェイコブスにたたみ掛けて中盤を支配した
 ストロング。一進一退の試合は終盤数分間の火を噴くような展開を経て
 ジェイコブスへと凱歌が上がりましたが、これはグッド・マッチでしたワ。
CNigel McGuinness vs. Delirious
  クラッシュの“I Fought the Law”に乗ってリングに現れたのは英国パ
 ンク・ファッション風に決めたナイゲル。なんとも怪しい覆面野郎のデラリ
 アスとの一騎打ちです。さてタイツのお尻の部分にユニオン・ジャックを
 縫い込んでいるナイゲル、そう思ってこちらが見るからかも知れません
 が、クラシカルな英国ランカシャー・スタイルの継承者のような戦い振り。
 終盤のフォール合戦の末、惜しくもデラリアスに敗れはしましたが、ルッ
 クスも若き頃のウイリアム・リーガル卿をどこか思わせる風貌でして、ど
 うせならドラゴン藤波の無我(←今でもあるのやろか?)にでも入れても
 らって磨きをかけると大化けするかもね。
DIWA-MIDSOUTH Light Heavyweight Championship :
 Matt Sydal vs. Emil Sitoci
  ライト・ヘビー級王者のマットが挑戦者のエミールをコーナー上からの
 ベリー・トゥ・ベリー・スープレックスにて切って捨て、虎の子のベルトを防
 衛した一戦。@〜Cがどれも結構見応えが合ったので若干割を食った
 感じがしないでもないですが、それでもさすがにタイトル戦と銘打っただ
 けあって熱い試合でしたデ。
EIWA-MIDSOUTH Heavyweight Championship :
 30 Minute Iron Man Match :
 BJ Whitmer vs. Jerry Lynn
  最初に本DVD−Rに収録されているカードを見た時、メインやボーナ
 ス収録のデス・マッチと共にワシの購買意欲をかきたてる事となったの
 がこの試合。IWA−MIDSOUTH認定の世界王者であるジェリー・リン
 が30分間の鉄人戦でウィトマーと戦うって一戦ですワ。
 ECW時代のRVDとの名勝負数え歌が忘れられないワシにとって、W
 WEに馴染めなかったリンが本日現在どのような活動をしているのか非
 常に興味津々だったんです。
 さて30分の長丁場、まずはリンの痛めた左腕にピタリと照準を絞ったウ
 ィトマーがマネージャーと謀ってリンからフォールを1本奪った時点で10
 分が経過。続いて試合は場外へと舞台を移し、椅子へ向けてリンが放っ
 た竜巻式DDTによりウィトマーが額を割って流血。この後、試合はリング
 上へと再度移行し、フォール合戦からリンがウィトマーを押さえてスコアを
 1−1としたところで20分が経過。終盤はリン十八番の脳天杭打ちを巡
 るスポットを盛り込み、リンがウィトマーをグランドで締め上げタップを奪取。
 けど、またもウィトマーのマネージャーが的確な介入を行い、レフリーが
 ウィトマーのタップを見逃す始末。で、残り十数秒、満を持したウィトマー
 のスープレックスが爆発。リンの腰から世界王者のベルトがスルッと滑り
 落ちた瞬間です。それにしてもデス・マッチ団体であると認識していたIW
 A−MIDSOUTHでこんな熱戦が観戦出来るとは驚きでした。
 リンもベルトに執着するのではなく、プロとして『グッド・ジョヴ』を披露して
 くれたし、これを生で観れたインディアナ州オーリティクのお客さんは幸せ
 者(多分入場料も安かったはずやし)やなァ。
F"The Anarchist" Arik Cannon vs. Chad Collyer
  Cのナイゲルに続き今度はピストルズの“Anarchy in the U.K”が場内
 に流れてキャノンが登場。ウーン、米国では英国パンクが再評価でもさ
 れとるのやろか。さてキャノンとチャドの一戦は地味ながらしっかりとした
 内容で、向こう正面に座る観客の大欠伸もチャドの投げっ放しジャーマ
 ン一発で吹き飛ばします。結局キャノンのシャイニング・ウィザードで勝
 負は決したけど、これをフィニッシュ・ムーヴとするなら1試合に1度(実
 際は空振りの1回を含めて合計3回披露)しか出しては駄目でっせ。 

★★DISC−bQ★★
@Danny Daniels vs. Mark Wolf
  ヒール人気を集めるダニエルズに対するは“おかえりなさい”チャント
 で迎えられたウルフ。ネットで調べたところ当団体のタイトルを殆ど手中
 に収めた実績がある選手で、どうやら背中に負った怪我からの復帰戦
 みたいですワ。試合はDISC−1のEにも現れたマネージャーが適時
 介入を繰り返し、これを咎めた女子レフリーと一悶着なんて場面も盛り
 込みウルフに凱歌が上がって幕。ワシは初めて観る選手なんですが、
 やはり病み上がりでウルフは本調子ではなかった様に思えましたワ。
 試合後はイアン・ロットン(当団体を統治する親分)も快気祝いに姿を
 見せるなか、ウルフはクリス・ヒーローとの絡みに今後の活路を見出す
 旨の決意表明。焦らずにじっくりと頑張ってや。
AAJ Styles vs. B-Boy
  CZWではヒール・サイドから足抜けしたばかりのB−BOYとROHや
 NWA−TNAなどで大活躍中のスタイルズによる、20分を超えるシン
 グル・マッチ。さすがにこのクラスになると技の一つ一つを見てもメリハ
 リがあって感心させられますワ。試合はスタイルズのフィニッシュ・ムー
 ヴであるスタイルズ・クラッシュ(逆エビ風に相手を捕らえたまま飛び上
 がり、前方に叩き付ける)が見事に決まって決しますが、まばらな観客
 も思わずスタンディング・オベーションにて称える好勝負でした。 
BFans Bring the Weapons :
 Wifebeater & Corporal Robinson
 vs. JC Bailey & Necro Butcher
  リング下の四方にビニール・シートが敷かれ、リング上には観客達が
 各自趣向を凝らして手作りした各種凶器(蛍光灯系と画鋲系に分けら
 れるようですな)がところ狭しと設置され本日のメイン・エベントの舞台
 装置は整いました。しかしなんやね、ここまでの9試合が程度の差こそ
 あれレスリング・スキルで勝負する内容であったのに、ここまで方向転
 換されるとこっちの頭が追い付きまへんワ(苦笑)。
 さて試合ですが、ロビンソン、ブッチャー、ベイレイのIWA−MIDSOU
 TH所属のデス・マッチ・ファイターにCZWでは最近精彩を欠いている
 “妻殴り”ことワイフ・ビーターが加わったもの。“妻殴り”もCZWマット
 で積もり積もった鬱憤(?)を晴らすのは今だと思ったか、率先して各
 種凶器を振り上げ、なおかつ自身の身体をも朱に染めますんや。
 で、あれだけ山積みであったリング上の各種凶器がほぼ使用済みと
 なって、4人全員が大流血へと至った頃、“妻殴り”とロビンソンが即席
 コンビの悲しさかお互い一度ずつパートナーへの手痛い誤爆攻撃(ち
 ょっと見え見えやったけどね)を犯してしまいますんや。
 これでブチ切れたか、“妻殴り”はなんと仲間のはずのロビンソンを蛍
 光灯の山へと叩き落し、ほぼ死に体であったベイレイにフォール勝ち
 をプレゼント...。

【DVD−R特典映像】
○No Rope Barbed Wire Match :
 Ian Rotten vs. Mad Man Pondo <from June 14, 2002>
  2002年6月14日にインディアナ州インディアナポリスにて開催され
 た定期戦より収録されたイアン・ロットンとマッドマン・ポンドによるノー・
 ロープ有刺鉄線デス・マッチ。
 内容はただただ相手を有刺鉄線で切り刻むって内容で、わざわざ“ブレ
 ード”なんて出さずとも相手(や己自身)を流血に至らしめる事が可能で
 あるはずなのに、あえて“それ”をやってしまうロットンがなんともお茶目
 です(苦笑)。試合はロットンの勝利で幕となりましたが、これぞIWA−
 MIDSOUTHの真骨頂って趣きの一戦でしたワ。


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