では収録内容の詳細を

 『新宿2丁目劇場』の一部始終
 オ・ト・コはつらいのよ (約1時間25分収
録)
  以前から不思議で不思議で堪らん事があったんです。それは『何故、プ
 ロレス記者は事件の現場に居合わせるのか』って事。
 考えてみれば『リング外での闇討ち』や『大一番に備えた山篭り』、『勢力
 地図が大きく塗り変わるトップ同士の密会現場』等にはどこで嗅ぎ付ける
 のか必ずプロレス記者の姿があり、本来我々ファンの眼に触れるはずが
 ない『闇討ち』も『山篭り』も『密会現場』も翌日発売の大スポ(東スポ)や
 翌週発売の週刊各誌紙のグラビア及び巻頭記事を飾ったものです。
 ま、これを持って団体の差し向けたパブリシティだ、これがあるから結局
 各種媒体も発行部数が伸びる、いわば業界における共存共栄の関係の
 最たるものだと一刀両断に切り捨てるのは実に容易い話。
 けど、それならプロレスなんて観なくてもエエやんかとなって...。

  さて冒頭から脱線気味ですが、今回ご紹介するのはIWAジャパンの名
 物社長浅野“キンロク”起州さんを取り巻く様々な人々が繰り広げたドタバ
 タ騒動『新宿2丁目劇場』を一枚のDVDに収めたものなんです。
 一応このドタバタ騒動の舞台は、かの新宿2丁目にある浅野社長が経営
 する喫茶『タントラ』、食堂『花膳』、花園神社(←その手の趣味の方には
 有名なんでしょ?)からなる通称『新宿2丁目ゴールデン・トライアングル』
 と呼ばれる実に濃い地帯でして、そこでIWAジャパンの次回興行に向け
 た主に記者会見が随時行われるんです。で、ただ淡々と試合のカードな
 んて発表するのならFAXで流すだけでも事は足りるはずやんか、ならば
 折角ご参集いただいた記者の皆さんに特ダネでもとの計らいか、必ず何
 らかの大事件が勃発して...(苦笑)。
 『事件は現場で起こっているんだ』ってキャッチ・フレーズの映画が以前あ
 りましたが、これをお手本に例えるならIWAジャパンの場合は、『事件は
 記者の前で起こすものだ』ってなるんやろか。
 ま、四の五の言っても仕方ないから本DVDのサブ・タイトルにもなった『新
 宿2丁目劇場の一部始終』をご覧になって下さいな。
 あ、とりあえずこれでも本DVDもプロレスものの範疇にあり、ドタバタ騒動
 とドタバタ騒動の間にはダイジェスト収録ながらキチンと試合の模様も収
 録されてはおります。ただ、本DVDの監修者や、こうしてレビューを書い
 たワシには試合の様子に気持ちが向いていないのは明らかで(苦笑)。
 では笑い死にには充分注意の上、DVDを再生しましょ。
  ※試合の模様は全てレビューからカットしております。ゴメンね。

◇1999年◇
 ○7月7日:喫茶『タントラ』
   次回後楽園ホール大会の詳細を伝えるために我等が浅野社長は記
  者会見を開催。けど山下義也なんて若手の三下が対戦相手チームの
  一角を占めていた事に同席していたターザン・後藤が激怒。浅野社長
  を椅子で殴って流血(ただの赤インクなのがバレバレ...)に追い込む
  大暴走や(苦笑)。
  それにしてもカメラが回っているって事で必要以上に上がってしまい、
  ーブルの上に置かれた台本をアップアップで棒読みする後藤の滑稽さ。
  DVD再生開始僅か30秒程で、腹がよじ切れるかと思わされましたワ。
 ○10月20日:新宿公園
   浅野社長、次回興行に向けて『火吹き』を会得しようと記者の皆さんを
  集めて公開練習。でも口にした灯油をゴクリと飲んでしまい...。
  浅野社長、親身に気遣うジェイソンに促されて病院に直行です(苦笑)。
 ○10月22日:食堂『花膳』
   ターザン・後藤にIWAジャパンを我が物顔で闊歩され打つ手に困った
  浅野社長、『インドの狂虎』タイガー・ジェット・シンと『南部の曲者』ダク・
  ギルバート(W★ING時代からの腐れ縁)を招聘。
  早速自分で切り盛りする食堂『花膳』へ2人を招待し、呑めや食えやの
  接待(ま、定食ものとビールだけやけど)攻撃ですワ。
 ○11月18日:喫茶『タントラ』
   IWAジャパンが管理運営するタッグのベルトが紛失したと記者会見。
  と、絶妙のタイミングで浅野社長に向けて匿名の電話が入り、渦中のベ
  ルトが質屋に質草として入れられている事が判明...。
  早速記者の皆さんと一緒に教えられた質屋へ向かうと、なるほど質屋の
  ショー・ケースにベルトが2本。仕方がないからベルトは買い戻す(急に
  記者から幾らで買い戻したのかと問われて、浅野社長が懸命に誤魔化
  すのがお茶目)のですが...。あ、ベルトを質屋に入れた張本人は後藤
  政二ことターザン・後藤と判明しております(苦笑)。
 ○11月18日:喫茶『タントラ』〜食堂『花膳』
   例によっての定例記者会見を終え、浅野社長はご機嫌で記者の皆さ
  んを食堂『花膳』にご招待。でも『花膳』には先客のターザン・後藤が居
  て、無銭飲食の真っ最中。店を任せているオバさんによると後藤は度々
  店に姿を見せてはたらふく飲み食いして行くそうで、これまでの被害総
  額は約50万円と判明(苦笑)。さすがに浅野社長も怒り心頭で、後藤に
  塩を撒いております...。
 ○12月10日:新宿花園神社
   後藤らに連日襲われ身の危険を感じたか、浅野社長は自分の身を守
  るために護衛隊の結成を決意。早速新宿2丁目選抜の若者2人(多分
  2人ともゲイなんやろね)の腕前を試そうと記者さん達の前で腕立て伏
  せを命ずるも、2人ともたった一回腕立て伏せをやっただけでダウン。
  と、ここにまたもや絶妙のタイミング(苦笑)で女子レスラーのシャーク・土
  屋とクラッシャー・前泊が現れて、護衛隊は男子限定(でもゲイならOKな
  んやろね)のはずなのに強引に売り込みを開始。浅野社長もまんざらで
  もない顔で2人の申し出を快諾や...。

◇2000年◇
 ○1月28日:都内某所の名主の滝公園
   一年の計は元旦にあり(でももう1月28日やけど)って事で、記者の
  皆さんに集まっていただき浅野社長は滝に打たれる修行を大公開。
  でも「風邪を引くと大変でしょ」とウェット・スーツを着用し、男滝と女滝
  の真ん中で『おネェ座り』をするなどやりたい放題ですワ(苦笑)。
 ○2月3日:新宿花園神社〜食堂『花膳』
   こう見えても新宿区の名誉区民である浅野社長、花園神社で豆まき
  に参加しご機嫌で『花膳』にご帰還。と、そこにDDTから逃げ出して来
  た大作・勇作の2人が現れIWAに入団したいと浅野社長へ直談判。
  突然の申し出に最初は困惑する(←正しくは困惑する振りをする)浅野
  社長ですが、すぐに気持ちは180度転換しあっさり2人の入団を許可。
  で、ここに『エルム街の悪夢』フレディ・クルーガーが現れ、浅野社長は
  勇敢にも豆を投げ付けて応戦。しかしこれはフレディの仕掛けた罠。
  浅野社長の背後から原付バイクに乗ったもう1人のフレディが忍び寄
  り、浅野社長を突き倒す大暴挙。哀れ、浅野社長は雇ったばかりの大
  作・勇作に肩車をされて『花膳』の筋向いにある『産婦人科・肛門科・
  性病科』が専門の病院へと担ぎ込まれてしまいました...(苦笑)。
 ○2月22日:『猛牛CLUB』〜食堂『花膳』 
   先の後楽園ホール大会で勃発した浅野社長とバッファロー・太野の
  抗争。さて、太野氏は食堂『花膳』の2階で『その手の趣味の人』向け
  にスナック『猛牛CLUB』を開いておりまして、この人が浅野社長憎し
  とターザン・後藤と結託。ここに猛牛軍が結成されたんや。
  で、早速後藤と太野氏は記者の皆さんに召集を掛け、食堂『花膳』の
  水道を根っこで止めてしまうといった余りにセコい嫌がらせを開始。
  当然浅野社長も文句を言うために『猛牛CLUB』へと...。
  あ、ここでは浅野社長の口癖「しょうがないねェ〜」に「生姜が欲しけり
  ゃ、八百屋に行けよ」と子供でも言わないような駄洒落で混ぜっ返すタ
  ーザン・後藤に大注目でっせ。
 ○3月4日:横浜のプロレス・ショップ『AOコーナー』
   目前に迫った春の大一番、横浜大会を宣伝しようと浅野社長は営
  業活動に余念なし。でもここに後藤、太野氏、フレディが現れ、横浜大
  会で敗退すれば強制的に葬式を執行するって珍妙なルールの試合を
  受ける事を浅野社長に強要。勿論オトコ(?)、浅野社長に異論はなく、
  にわかに横浜大会に暗雲が立ち込めてまいりました(苦笑)。
 ○3月23日:横浜の某斎場
   プロレス業界の鉄則に従って、やっぱり横浜大会では珍妙なルール
  の試合に敗れた浅野社長。で、この日は後藤を葬儀委員長(?)に、
  浅野社長の在りし日の姿を偲んでの告別式がしめやかに執り行われ
  る手はずや。でも後藤が最後のお別れにと棺の蓋を開けると、そこに
  浅野社長の遺体がありまへん!!!。
  さぁ困った後藤葬儀委員長、身内のはずのフレディに「お前が隠した
  のだろうと」詰め寄り、「遺体はいったい何処へ行った」
  息苦しくなる様な駄洒落を口にする慌てふためき振り(苦笑)。
  すると祭壇の奥からマジシャンの格好をした(とても正気の沙汰とは思
  えん井出達でした...)浅野社長が現れ、「俺は初代引田天功から指
  導を受けたんだ」と、このドタバタ田舎芝居が実はあの高尚なる『脱出
  マジック』であった事を高らかに宣言...(苦笑)。
 ○3月30日:喫茶『タントラ』
   この日も例によって記者さんを集め後楽園大会の宣伝に精の出る浅
  野社長。と、またまた例によって後藤一派が現れ、「葬式までしたのに
  復帰するのは許せない!」、「もっとギャラを上げろ!」とシュプレヒ・コ
  ール(苦笑)。
 ○6月7日:ユニバーサル・ミュージック本社
   なんと浅野社長があのメジャー・カンパニーであるユニバーサル・ミュ
  ージックからニール・セダカの名曲『すてきな16才』をカバーしてCDデ
  ビューする事が決定!!。
  これは当然の記者会見と相成ったのやけど、またもおじゃま虫の太野
  氏が姿を見せてユニバーサル・ミュージックの塩田本部長に「歌なら浅
  野より俺が上だ」と持ち掛け、浅野社長とのカップリングでCDを出す事
  が急転直下で決定(苦笑)。あ、太野氏が歌うのはコニー・フランシスの
  『24,000回のキス』のカバー。ユニバーサル・ミュージック側の入れ
  知恵なんやろけど、洋楽好きには堪らん選曲ですワ。
 ○6月26日:HMV新宿
   浅野社長、CDの販促に励むも、HMVご自慢の大型スクリーンには
  太野氏からの口汚いメッセージが映し出されて...。
 ○7月13日:渋谷ダンス教室
   浅野社長、あの『野猿』の振り付けを行った白井比呂子先生から『す
  てきな16才』用のステップを直接指導されてご満悦。続いてスタッフか
  ら花柄の赤いワン・ピースを見せられ、これが衣装だと説明を受けて困
  惑気味(←でも、ちょっと嬉しそう)。しかしやっぱりここに太野氏とフレ
  ディが姿を現し、折角の衣装を足蹴にするなどの狼藉を(苦笑)。
 ○8月19日:食堂『花膳』
   某TV局が毎年放映している24時間テレビの趣旨に心を打たれた
  浅野社長、こつこつと貯めた小銭で満タンの貯金箱を片手に募金へ
  行こうと店を出たところ、太野氏からビール瓶で頭を殴られて、貯金
  箱を取り上げられてしまう羽目に。ウーン、これってあの胡散臭い番
  組へのアンチテーゼとして演じられた、実は根っこの深い小芝居なん
  やないかなァ(多分、そんな事はないやろけど)。 
 ○9月27日:渋谷ロックン・ロール博物館
   未だに生存説を声高に唱える人や、私こそ生まれ変わりと主張する
  人が絶えない故エルビス・プレスリー。で、次回興行になんとそのプレ
  スリーを招聘すると公言した浅野社長、以前からあちこちで生存説を
  唱えていた『東北の守銭奴』グレート・サスケとベタな漫才を披露や。
  で、売れ行き不振の『すてきな16才』を130枚、消費税込みで150
  万円にてサスケに買い取って貰う事に成功した浅野社長の前に、あ
  の憎々しい太野氏が登場。当然ドタバタの絡みが始まって...。
  あ、浅野社長がプレスリーと信ずる人物ですが、元WWFのホンキー
  ・トンク・マンであった事がサスケによって告げられますんや。
  さすがの浅野社長も「えっ、ドン・キホーテ?」などとボケるしかなかっ
  たようで...(苦笑)。
 ○10月6日:世田谷区ボロ市
   昔からの物々交換って習わしが未だに残る当地にて『すてきな16
  才』の売れ残りCDを使って、目先の食料品を手にしようと奮闘する浅
  野社長。疲れきって公園で休憩していたんですが、ここに偶然(苦笑)
  通りかかったのが何故か有機栽培に精を出す太野氏とフレディ。
  ここで会ったが百年目、畑に撒くのであろう得体の知れない肥料を武
  器に、またも浅野社長への嫌がらせが始まります...。
 ○10月20日:『猛牛CLUB』
   『すてきな16才』の売れ行き不振、プレスリー招聘に伴う失態、おま
  けにサスケからは買い取って貰ったはずの在庫さえ返品されるなどと、
  浅野社長の度重なるチョンボに遂にユニバーサル・ミュージックの担当
  者もこれではアカンと気付いた模様。で、『猛牛CLUB』にまたまた記
  者の皆さんを集めて、今後は猛牛軍と結託して行く事が告げられます。
  それにしてもターザン・後藤が絡む小芝居は観ているのが辛いワ。
  あれだけ何度もテーブルの上にある台本に目をやりながら、僅か数分
  の小芝居に言葉では表現不可能な独特の間が空くんやもん(苦笑)。
 ○10月31日:札幌すすきの
   当夜の札幌大会にてまたも苦汁を飲まされた浅野社長、戦前に猛
  牛軍から突き付けられていた『負けたらすすきのでストリート・ライヴ』
  を決行。多分CDのプロモーションの一環なんでしょうが、浅野社長も
  ホンマに大変ですな。
 ○12月25日:喫茶『タントラ』
   世間はクリスマスで浮かれているのに、浅野社長は記者の皆さんの
  前で何時になく厳しい(?)表情。実はあの敵役ターザン・後藤がIWA
  の年末最終興行を目前に浅野社長に無断で団体から退団。
  最初は何時もの『笑えぬネタ』かと思いましたが、どうやらこれはガチ
  な抜き差しならない状況のようです。あ、団体のピンチに一度は現役を
  退いた『東洋の神秘』ザ・グレート・カブキも復帰を決意したようや。

◇2001年◇
 ○1月13日:食堂『花膳』
   年末興行ではなんとあの太野氏との和解が成立した浅野社長、前
  述したように敵役ターザン・後藤の姿も今はなく、平穏無事な新年を
  迎えたようなのですが、やっぱり2001年も事件は起こりますんや。
  なんと『花膳』の傍に『花膳2号店』なるものが出来たとの情報が浅野
  社長の耳に入り、例によって記者の皆さんと共に現地へ行くと、なんで
  もかんでも偽造してしまう困った癖を持った一宮章一が浅野社長に無
  断で『花膳2号店』を偽造した事が発覚...(苦笑)。
 ○2月27日:喫茶『タントラ』
   後楽園ホールの興行において敗者追放戦に敗れIWAマットから追
  われたはずの一宮が、記者の皆さんにご参集いただき記者会見。
  なんと浅野社長名で書かれた『身元保証書』を記者の皆さんに見せ、
  浅野さんが戻って来いって頼むのでIWAに戻って来たと説明。
  するとここに浅野社長が現れ、一宮が手にする『身元保証書』なんて
  全く身に覚えがないと告げます。どうやらこの『身元保証書』、一宮が
  これまた偽造した書類のようですワ...。
  ってな事でまたも風雲急を告げるIWAマット、この続きは次回のDVD
  で詳しくお伝えしますので、本日はここらでお開きといたします。
  
【総評】
   まず皆様にお詫びしたい事があります。ワシの文筆力のなさから、
  今回のレビューでは全く本DVDの面白さがお伝え出来てません。
  それこそミスター・ポーゴ風に言うなら、「こんなレビューより100万倍
  面白い」ってなると思われますワ。
  ホンマ、こんなレビューをお読みになってもう本DVDは結構なんて思
  われず、どんな形でもいいですから一度観て下さいな。
  値段も安価やし、IWAジャパンの試合会場で在庫整理のために1枚
  1,000円で投売りされていたのを見た事もおますので是非に。


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