では収録内容の詳細を

New York Knockout 2000-7-7 (DVD-R)
(約2時間1分収録)
 ECW存命時に、地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』。
2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、怒涛のリリース・ラッシ
ュでワシらECWマニアの懐を直撃しているのは既に皆様ご存知やろか。
さて今回ご紹介するのは、2005年3月期に発売された3タイトルの内の
1タイトル。ニュー・ヨークにて2000年7月7日(七夕やね。ま、米国に七
夕なんて観念はないんやろけど)に開催された定期興行の模様を収録
たものなんです。では早速内容のご報告を...。

○怪我はしていても、笑顔は絶やしません...
  今夜の定期興行のオープニング、試合に先立って右足に大きなギプス
 を装着したスパイク・ダッドリー君の登場です。何やらECW時代は負傷
 欠場していた時間の方が、体調万全で試合をやっていた時間よりも長か
 ったのでは、なんて思いもありますが、とりあえず笑顔だけは決して絶や
 さぬ頑張り屋さんや。けど、『シェイン・マクマホンはスパイクを恐れてい
 る』なんてサイン・ボードを挙げているお客達に、溢れんばかりの愛想を
 振りまいていると...。
@Bill Wiles (w/Lou.E.Dangerously) vs. Danny Doring
  「何じゃ、この人気取りが」、とでも言いたかったのか、嫌われ者のル
 ー・E(ポール・Eのパロディさん)とビル・ウィルスが現れ、スパイク君に
 難癖を付け出します。で、スパイク君とビル・ウィルスらの小競り合いが
 あって、ここから改めてビル・ウィルスとドーイングの一騎打ちへと移行。
 試合は一進一退の攻防の末、お馴染みルー・Eの携帯電話攻撃へと引
 き継がれて行くのですが、この定番スポット、今夜はこれまた定番の誤
 爆!、とはならずにスパイク君が身を挺して阻止。ドーイングと2人で、
 ダッドリー一族の看板技である3Dをビル・ウィルスに見舞っての快勝と
 なっております。
ASimon Diamond & Swinger (w/Mitch)
 vs. Prodigy & Prodigette
  『いつも問題を抱える男』サイモンが一派を引き連れてリング・イン。さ
 てさて今夜彼が抱えている『問題』は、とワシもモニター画面を注視。
 するとどうやら今夜の『問題』は、手下のプロディジー&プロディゲッティ
 (←現在はRiptideって名前で女子団体G.L.O.R.Y.にて活動)のようや。
 何か日頃の彼等の行いにお気に召さない点でもあったか、サイモンは
 相方のスゥインガーと共にプロディジー&プロディゲッティへの制裁マッ
 チを突然開始ですワ。最初は親方の突然の心変わりに戸惑っていたプ
 ロディジー&プロディゲッティでしたが、親方の繰り出す猛攻(苦笑)に
 遂に意を決したか、開き直っての反撃開始。しかしプロディゲッティの見
 事な月面水爆も決定打とはならず、最後は理不尽なサイモン親方に凱
 歌が上がって試合は終了。これに腐らず、プロディジー&プロディゲッテ
 ィには頑張って欲しいものですな。
BNova & Chris Chetti & Chilly Willy
 vs. FBI (Little Guido & Tony Mamaluke & Sal Graziano)
  グイドー、ママルーク、サル。よ、粋な粋な『純血イタリア人軍』の揃い
 踏みですな。スピーディな展開の試合、サルの発声による突然のダンス
 ・コンテスト、グイドー十八番の客席イジリ、と『純血イタリア人軍』の魅力
 満載の試合は、ノヴァ&チェッティの合体技がママルークをズバリと捉え
 て幕に。ま、『純血イタリア人軍』の試合は勝敗云々ではないからね
CC.W. Anderson (w/Elektra) vs. Kid Kash
  CWの重厚過ぎる攻め、CWのセコンドに付いたエレクトラ嬢の、レフリ
 ーへの悩殺攻撃、ロープを悪用したCWのフィニッシュ・シーンと、CWの
 魅力ばかりがディスプレイされた試合。しかもAに参戦したサイモン&ス
 ゥインガーがCWの援護に回って(←ロード・キル&ドーイングがサイモン
 &スゥインガー追撃に登場しましたが)、キャッシュには丸でエエとこなし
 の内容でした。あ、試合の途中、突然客席後方に『NYの帝王』ことボブ
 ・バックランドが姿を見せ、『RF-VIDEO』のビデオ撮影者も、試合を撮影
 すればエエものか、バックランドを撮影すればエエものか思案しているの
 が揺れる画面から手に取るように分かります。結局バックランドはリング
 には上がらずでしたが、はてさて何を思って来場したのやろ。
○場面は変わって...
  ジョーイ・スタイルスとジョエル・ガートナーが、TNN局による定期放送
 のオープニングのシューティングのためにリング・イン。ここにダーン・マ
 リー嬢、『Musketeer』(←何て発音するんやろ?、スペインの闘牛士み
 たいな格好をしている奴)、アイ・パッチで決めた『Pierre Carl Oulette』
 (←第13代WCW認定ハードコア王者らしいけど、詳細は知りません)
 らが絡み、例によって例のごとくのドタバタ劇が展開されました。
DECW World Title Match :
 Justin Credible (w/Francine) vs. Tajiri
  我等がタジリによる、ジャスティンの保持する世界タイトルへの挑戦
 模様が収められております。まずはタジリ、試合前に緑の毒霧を天井高
 く吹き上げ、ジャスティンの気勢を削ぐ事に成功。このまま試合開始直
 後にジャスティンを複雑怪奇に丸め込み、スワッ秒殺で世界タイトルの
 移動かと思わせる場面まで作り出しますんや。ま、ここはジャスティンも
 意地で返すのやけど、思わぬジャスティンの苦戦振りに慌てたのがフラ
 ンシーン嬢。まだまだ私の出番は来ないであろうなんてタカを括っていた
 もんやから、急遽の出陣に何時もの冷静さを欠いたみたい。しかもそん
 なフランシーン嬢の介入を、タジリが無理やり唇を奪う事で迎撃するんや
 から...。ウーン、このシーンはタジリ・ファンの『裏マスト・アイテム』と
 なる事確実の貴重さですなァ(苦笑)。あ、この後もタジリはジャスティン
 の持つベルトへのと同等以上の執着心をフランシーン嬢に向け、逃げ回
 るフランシーン嬢を追ってリング下に潜り込んだり、フランシーン嬢をフッ
 ト・スタンプにてテーブル葬しようとしたり(ジャスティンが寸でのところで
 救い出しましたが)とやりたい放題。もしもう少しベルトの奪取に集中し
 ていたら、ジャスティン十八番の墓石式パイルを喰らって敗退する事など
 なく、ECWの歴史に『世界王者:タジリ』の名前が刻まれたのにね。
 追記:タジリの『日本製丸ノコ・キック』をモロに側頭部に喰らい、意識は
 飛ぶし鼻血は出るしで散々の目に遭いながらも、タジリのネタのフル・コ
 ースをキチンと消化しきってくれたジャスティンにも心底感謝!。
EECW TV Title Match :
 Rhino (w/Cyrus) vs. Raven
  予想以上の短時間で、ライノ必殺のゴアによりレイヴェンが敗退。Dの
 世界王座戦とは雲泥の差の、つまらない内容のTV王座戦でした。もうレ
 イヴェンの絡む試合はしばらく観たくないですワ。
FTommy Dreamer & Jerry Lynn
 vs. Da Baldies (Angel & DeVito)
  『暴走禿頭軍』のデヴィト&エンジェルとドリーマー&リンのタッグ戦で
 して、試合巧者のリンが参戦しているものの、他の3人がこの顔触れで
 はやはり荒れた展開になるのも必然か。4人まとめて客席最後方にま
 でもつれ込む混戦は、リンが額を割られ失速し、ドリーマーも場外テーブ
 ル葬にて虫の息。あぁ、これで『暴走禿頭軍』の完勝かと思わせた途端、
 リング上にはジャズ姉さんの雄姿が!。そう、頼りないオトコどもを憂い
 た姉さんの捨て身の援護射撃ですんや。で、姉さんのこの男気溢れる
 (失礼)行動に、最後はリンが奮起。得意の変形墓石パイルでエンジェ
 ルを何とか切って捨てました。尚、試合決着後には、スティーヴ・コリー
 ノ、ジャック・ヴィクトリー、スコット・アントンが姿を現し、ドリーマー、リン、
 ジャズ姉さんへの奇襲攻撃を仕掛ける場面もありましたデ。
GRob Van Dam (w/Bill Alfonso) vs. Balls Mahoney 
  両者の固い握手から始まった試合。序盤はマホーニーのパンチの連
 打やRVDの場外サマー・ソルト・プランチャなど、互いに自らが得意とす
 る表現領域での各種スポット構築に終始。相手の得意とする表現領域
 へ踏み込もうとする姿勢が両者ともに感じられず、やはりこの2人の絡
 みではこれが限界かと思わせもしました。しかし場外戦でRVDのヴァン
 ・ダミネーターを喰らったマホーニーが額を割って大流血となり、ここから
 両者が互いに相手の表現領域に歩み寄る姿勢を見せ始めますんや。
 で、気が付けば試合は手に汗握る熱戦へと発展。マホーニーの看板技
 である『手加減抜き』のパイプ椅子攻撃をRVDが受けたシーンなんて、
 ある意味天上天下唯我独尊のRVDらしくもないな、なんて思わせました
 が、それもこれもあれもひっ包めて興行のトリを任された両者のプロ意
 識が吹き飛ばしてしまいました。あ、フィニッシュはRVDによる、コーナ
 ー⇒コーナーの長距離飛行ヴァン・ダミネーターでしたワ。

【雑知識】
  この七夕興行(しつこいな、米国に七夕なんて概念はないんやろ?)の
 翌日、ECW一座はフィラデルフィアに戻ってECWアリーナで定期興行
 を打ったようなんや。ネット上に下記のような試合結果が載っていたの
 で、とりあえず転載しておきますワ。何かの参考にでもして下さいな。
 @Yoshihiro Tajiri defeated Mickey Whipwreck.
 AECW World Champion, Justin Credible defeated Carl Oulette.
 BDeVito & Angel defeated Little Guido Maritato & Tony Mamaluke,
  Nova & Chris Chetti, Christian York & Joey Matthews
  in a 4-way match.
 CKid Kash defeated EZ Money.
 DSandman & Jerry Lynn defeated Steve Corino & Rhino.
 ERob Van Dam defeated Balls Mahoney.
  そうか、RVDとマホーニーは連戦やったんやね。お疲れさん。
 あと、サンドマンは七夕興行には出場していないのに、ちゃっかりとEC
 Wアリーナでは顔を出していたんやな。ニュー・ヨークにまで出向くのが
 嫌やったんやろかなァ。

【注意】
  ハンディ・カメラ1台で撮影した映像が元ネタなので、手ブレなどでどう
 しても見辛くなる箇所もあったものの、技術の進歩から画質だけは及第
 点以上のものを提供していた本シリーズでしたが、何故か本作はデジタ
 ル・ノイズが顕著に現れますんや。特に動きの早い箇所では、選手や物
 体の輪郭がボケてしまう事が散見されて。マスター・テープに難があった
 のか、それともDVD−R化の際にビット・レートの設定を誤ったのか。
 いずれにしてもこれはちょっと残念でしたな。


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