では収録内容の詳細を

BLOODBATH !
(DVD-R) (約1時間32分収録)
 今回ご紹介いたしますのはDVDではなくって、DVD−R。当HPでは既
にお馴染みの米国の通販サイト『HIGHSPOTS』にて、送料別で14.95ド
ルにて販売されている、ちょっと怪しげな作品でおます。
で、その怪しげなDVD−Rに収められている内容なんやけど、CCWって
ローカル団体が2005年3月12日にノース・キャロライナ州のマルベリー
・レック・センターを超満員にして開催した定期興行の様子を収めたもの。
さて、このCCW(Carolina Championship Wrestling)って聞き慣れない団
体(ワシだけ?)ですが、ここはトニー・ハンターって人が別名『フレアー・
カントリー』と呼ばれるノース・キャロライナを根城にプロモートしている団
体みたいでして、NWA華やかなる頃のビッグ・レジェンド達を招聘しては、
古き良きアメリカン・プロレスをワシら好き者達に提供してくれてますんや。
では早速DVD−Rを再生してみましょか。

@Jason Jones vs. Mike Little
  緑色のタイツと緑色のマントで現れた、どことなくWWEのハリケーンっ
 ぽい井出達のジェイソン。対するは以前みちプロ等で変に人気を得てい
 たマジック・マンそっくりのマイク。3月の定期興行オープニング・マッチは
 なんとも頼りない感じの者同士の顔合わせで始まり、2分弱でジェイソン
 がダイヤモンド・カッター2連発でマイクを沈めました。
 しかし2連発って書くと、ジェイソンも余程気合が入っていたのだと思わ
 れるでしょうが、実際は1発目が限りなくミス・ムーヴに近いものなんや。
 でもね、「あ、今のはなかった事にして!」って感じで再度同じムーヴを
 繰り返すのはホンマに格好悪いデ。失敗は仕方ないとして、慌てずすぐ
 に他のフィニッシュ・ムーヴに切り替えないとね。ま、それがやれるなら、
 このジェイソンももうちょっと『上』で使ってもらえるんやろけど...。
ATommy Gunn vs. Jason King
  長身で人気者のトミーと、禿頭でヒール役のキングの絡み。トミーはア
 ンダーテイカーばりのラスト・ライドを、キングはベノワばりのダイヴィン
 グ・ヘッドをそれぞれ寸でのところで阻止され、最後はトミーのダイヤモ
 ンド・カッターにてキングが沈んで幕。あれあれまたもダイヤモンド・カッタ
 ーでっか。いきなりネタが被ってまっせ。
B4Way Dance : Brad Attitude vs. Shane Austin
 vs. Tim Hunter vs. Brad Thomas
  勝ち抜け式の4WAY戦。ここでの注目株は、恐れ多くも『ネイチャー・
 ボーイ』を名乗るティム・ハンターですワ。なんとこやつ、チビのくせにフ
 レアー風のガウンをゴージャスに身に纏って堂々の入場や。ウーン、こ
 のシーンだけでワシはもう既にハンターの虜(苦笑)。しかもこのハンタ
 ー、619なんてご本家なら絶対やらないであろう技を敢行したかと思う
 と、ご本家顔負けに『技を喰らっての前方ボテ倒れ』、『フレアー・ウォー
 ク』、『コーナー上に登ったものの、相手に簡単に投げ捨てられ...』
 どの黄金ネタを臆することなく次々に披露。最後もアティテュードのコー
 ナー上からの旋回式エルボー(ちょっと危なっかしい代物でしたが)を喰
 らって憤死したハンター。どうにもこうにもこの試合、アンタの一人舞台
 でしたな(苦笑)。
 ※今気付いたんやけど、CCWをプロモートするトニー・ハンターって人
 物と、この『ネイチャー・ボーイ』ティム・ハンターって血縁なのでは?。
 それとも、まさかあの『ミスター・レスリング』ティム・ウッズと関係があっ
 たりして(笑)。
CMidgets Match :
 Joe Kidd vs. Bad Boy Buck
  21世紀の日本国からは完全に抹消されてしまった感のある『小人プ
 ロレス』。でもどっこい、CCWマットでは根強く行われておりましたデ。
 ベビー役のキッドとヒール役のバック。レフリーとも息のあったネタを多
 数用意し、超満員の観客達を飲み込んだマルベリー・レック・センター
 自体が腹を抱えて笑っているみたいや。そうそう、四の五のと語るので
 はなく、やっぱり『小人プロレス』は素直に楽しまないとね。
DTeam Blondage (Krissy Vaine & Amber O'Neal)
 vs. Fantasia & Vanessa Harding
  中盤の締めは女子のタッグ戦。『小人プロレス』があって、女子プロレ
 スがあって、伝説の男達によるメイン・エベントがあって。CCWって実に
 楽しめる団体やね。で、注目の女子のタッグ戦ですが、綺麗どころ2人
 からなる『Team Blondage』がヘロヘロになりながらも辛勝。次から始ま
 る大御所達の試合に向け、エエ感じで場内を温めておりますワ。
EGreg Valentine vs. George South Jr.
  さて大御所の第一弾、グレッグ・バレンタインが登場。ジョージ・サウス
 (ワシは詳しくは知らんのですが、フレアーとも対戦したことのある選手
 だそうで)の息子って触れ込みのジョージ・サウス・ジュニア相手に、は
 てさてどんな試合を見せてくれるのやろって注目いたしましたんや。
 けどバレンタインさん、2004年度WWE認定の『殿堂入り』レスラーに
 してはやけにそっけない仕草で、早々に足四の字固めにて試合に幕を
 引いてしまいました。ウーン、もうちょっとなんとかならんかったかなァ。
FFirst Blood Match :
 Rock 'n' Roll Express (Robert Gibson & Ricky Morton)
 vs. Midnight Express (Dennis Condrey & Bobby Eaton)
  はい出ました、R&R超特急と深夜超特急による古の抗争の21世紀
 版です。さすがに皆さん寄る年波には勝てないか、TシャツにGパン着
 用でストリート・ファイトを気取りつつも、締まりのなくなった身体をちゃっ
 かりと隠しているのがよく分かりますな(苦笑)。
 で、『最初に流血した者が負け』ルールで始まった試合なんですが、流
 血の大好きな(←変な喩えやね)リッキー・モートンも絡んでおり、すぐに
 でも誰かが流血して試合は幕となりそうなのに、選手全員が「すぐには
 流血しないぞ」って思うと、何故か誰もなかなか流血しないのがプロレス
 って芸の摩訶不思議で奥深いところ(苦笑)
 それでもまさか一晩中試合をやっている訳にも行かず、そろそろフィニッ
 シュの時間か。けど簡単に流血(←ってのもこれまた変な喩えやね)して
 しまうのもつまらんやんか。ならばと用意されたのが極上のネタや。まず
 深夜超特急のイートンが、リング下からチェーンをコンドレーにトスするの
 やけど、これを素早くギブソンが横取り。当然ギブソンはチェーンを巻いた
 鉄拳をコンドレーに見舞い、これでコンドレーの額はバックリと開くんや。
 でも直前にレフリーがコンドレーから誤爆ロー・ブローを喰らって悶絶して
 おり、コンドレーの額からの流血を確認する事が出来ない非常事態。
 するとこれを好機と、イートンが相方コンドレーの額から血を拭い、リング
 上に伸びているモートンの額になすり付け。と、絶妙のタイミングでレフ
 リーが蘇生し、目を覚まして最初に見たものがコンドレーの血が塗り付
 けられ朱に染まったモートンの額...。
 どうでっか、この戦慄のフィニッシュ・シーン。ワシ、正味で震えてしまい
 ましたデ(笑)。ベタって言ったらホンマにベタやし、駆け出しの若手が
 やっても腹立たしいだけ。師匠格しかやってはならんネタですワ。
 あ、どうやらこの卑怯なやり口にR&R超特急側も怒り心頭。世紀をまた
 いだ両チームの遺恨が再び三度メラメラと燃え上がって来たようでっせ。 
 ※今回、深夜超特急についてネットで色々と調べたところ、オリジナル・
 メンバーはデニス・コンドレーと、ランディ・ローズだそう。そうか、コンドレ
 ー&イートンがオリジナルで、第二期がイートン&スタン・レーンだと思っ
 ていたのですが、コンドレー&イートンが第二期で、イートン&レーンが
 第三期やったんか。知らんかったです。
 ※CCWの2004年最終興行では、コンドレー&イートン&レーンの三役
 揃い踏みなんてカードもあったみたい。
GAbdullah the Butcher (w/Mr,Franklin) vs. Dusty Rhodes
 Special Referee Mick Foley
  『呪術師』ブッチャーと『アメリカン・ドリーム』ローデスの一騎打ち。しか
 も裁くレフリーが『伝説のハード・コア野郎』ミック・フォーリーとは、CCW
 もやる事が豪気ですな。さて、注目の一戦なんですが、数々の修羅場を
 何度もくぐり抜けて来たはずのミック・フォーリーも、序盤ブッチャーが繰
 り出した老獪な五寸釘攻撃(←懐かしいなァ)をなかなか見抜けず、客
 席にはフラストレーションが溜まる一方や。しかし物のはずみとは言え、
 ブッチャーより五寸釘攻撃を喰らってしまい、しかもブッチャーのセコンド
 に付いたフランクリンが堂々と試合に介入するのを目の当たりにして、
 遂に『伝説のハード・コア野郎』ミック・フォーリーの闘争心が大噴火
 なんとレフリーの権限を最大限に使い、新たなレフリーを呼び寄せて、
 試合をローデス&フォーリー対ブッチャー&フランクリンのタッグ戦へと
 無理やり変更してしまいます。さぁ、ここからはローデス&フォーリー組
 の独壇場。しつこく試合に介入し続けたフランクリンに照準をピタリと合
 わせ、まずはフォーリーが『ミスター・ソッコ』をお見舞いし、続けてロー
 デス十八番のバイオニック・エルボーがキラリ一閃!!!。
 ウーン、やっぱり定期興行はハッピー・エンドで終わるのがエエな、なん
 て心底思わせる見事な幕引きや。これにてCCWの3月の定期興行、滞
 りなくお開きとなりました。目出度し、目出度し。


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