では収録内容の詳細を
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ULTRAVIOLENT UNDERGROUND Vol.1
(DVD-R*2)(約1時間30分収録) |
本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
2枚組で20ドルにて発売されている団体公認(?)の代物でして、ワシは我
が国で唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田
のイグニッション・レコードさんで3,200円にて購入しました。
別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつもりはないけど、米国から
通販で購入すると送料込み27ドル必要となるので、3,200円(為替レート
の変動で若干値上がり)ってのは非常に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容なんですが、CZWが2005年の2月頃からオッ始め
たUVU(Ultra Violent Underground)ってコンセプトがありまして、これに沿
って行われた数々の『スタジオ撮影のデス・マッチ』を集めたものなんです。
あれ、なんでお客さんの居ないスタジオで撮影するんやろ、なんて皆様方多
分怪訝に思われるでしょうが、これまで過度の暴力表現を行ってきたツケが
CZWに回って来たのか、ペンシルベニア州(彼等の活動の拠点)の競技委
員会(以下、PSACと表記)よりCZWがマークされてしまい、CZWアリーナ
(元ECWアリーナ)での興行において有刺鉄線や蛍光灯などの凶器使用を
禁止する州条例が出来てしもたらしいんや。
でも不思議やないでっか?。独立団体が群雄割拠するペンシルベニア州に
は、CZW以外にも有刺鉄線等を使用する団体もあるはずやのに...。
ウーン、これは多分ザンディグ親分が役所への『盆・暮れの付け届け』を怠
ったからやないやろか(笑)。ま、そんなこんなあって、デス・マッチって団体
の生命線を絶たれてはアカンと、CZWが悪い頭を捻って(失礼)考え出した
のがUVUってコンセプト。生でお客に見せたらアカンのやったら、会場裏の
倉庫から試合模様を中継(必ずしも生中継ではなく、録画中継の場合もある
みたいや)し、残酷映像をデス・マッチ好きのお客に会場内に設置したモニ
ターにて楽しんで貰おうって狙いみたい。なかなか上手いこと考えたやない
の、と素直に思う反面、ストリップ劇場に入ってさぁ御開帳ってなった途端、
ここからは所轄の警察がウルサイので、モニターにてどうぞなんて言われて
しもたなら、「なめとんのか?、それなら家で裏ビデオを観ているのと一緒や
ないか!」って、多分このワシやったら怒り狂うやろし......。
では、CZW苦肉の策であるUVU。本DVD−Rにてどんな塩梅のものでな
のか確かめてみましょか。
【追記】
上記した条例の影響もあってか、最近のCZWはバイオレンス度がガタ落
ちでして、SMARTMARKから毎月発売されているDVD−Rも半年以上の
ご無沙汰。ストーリー・ラインには付いて行けてないし、UVUってコンセプト
もワシには曖昧模糊としたものでして。で、ワシとこのHPにもよく遊びに来
てくれている『レーブ・デイブル』さんに細かな情報をお教えいただき、それを
ワシが面白おかしく脚色してレビューとしてでっち上げましたんや。尚、これ
から紹介いたします各UVU戦ですが、どれも『本当』の収録時は不明。
また全ての映像が会場内のモニターで流されたのか、はたまたケーブルT
V等で二次使用されたのかも、これまた申し訳ないけど不明。そう、何もか
も不明で、何やら胡散臭いものである事だけが確かな様ですんや(苦笑)。
★★DISC-1★★
○オープニング・プロモ
過去の名暴力場面を使った、なかなか凝った格好良いプロモでっせ。
@To Crown The First-ever Underground Championship Match :
Necro Butcher vs. JC Bailey
2005年2月5日の定期興行『Only The Strong』において<王者組>ク
リス・キャッシュ&“蜘蛛男”ネイト・ウェブ対<挑戦者組>H8クラブ(ジャス
ティス・ペイン&ニック・ゲージ)によるCZW認定タッグ選手権試合が行わ
れ、試合中突然JC・ベイレイが乱入を強行。劣勢のキャッシュらを救出と
見せかけ、何と突如としてキャッシュらに襲い掛かりH8クラブの王座奪取
に大貢献!。試合後、2004年末のCOD6でキャッシュ軍全員(キャッシュ
、ウェブ、ベイレイ、セクシー・エディの4人が参加)で獲得したタッグ王座の
防衛戦なのに、自身が代表の1人として選ばれないので納得できずに裏
切ったとマイクアピールしたそう。COD6にて4人一致団結してタッグ王座
を獲ったまでは良かったけど、やっぱりこんな内紛劇に発展したんやね。
で、ここにザンディグ親分が登場してベイレイと押し問答の末、全試合終了
後にUVU戦をしろと命令。こんな下地があり、メインのラッカス対メサイア
が終了した直後(『Only The Strong』のDVD−Rはここで終了)場内が暗
転し、アリーナ入場口の大型モニター(CZWトロン)がスイッチ・オン!!。
(注:ここまでは本DVD−Rには未収録)
さて、ここからがUVUの本戦。廃材やゴミ屑ばかりが散乱するCZWアリ
ーナ裏(?)には、COD戦で使用される各種凶器が大量に導入された金
網があり、その頭上高くにUVU王者が巻くべきベルトが吊るされておりま
すんや。勿論ザンディグ親分の命令とあってはベイレイも逃げられないの
やろね、今や遅しとUVU戦の開始を待っているのですが、どうやら肝心の
対戦相手までは告げられなかった模様でして、「キャッシュでもウェブでも
エディでもOKや!」とCOD6では共に闘ったはずの戦友たちを名指し。
けどCZWアリーナを突っ切って会場裏へと姿を見せたのは、我らがネクロ
・ブッチャー!!!。
ここからは、「生で客に見せんかったらエエんやろ?」なんて開き直りにも
近い暴力表現のオン・パレード。延々と続く蛍光灯を使った各種スポットの
末に、ベイレイがセントーン(with蛍光灯)でネクロを沈め、晴れて初代のU
VU王者となりました。あ、試合決着後、ベイレイに煮え湯を飲まされて怒
り狂うキャッシュが疾風乱入し、得意のキャッシュ・フローでベイレイにキツ
いシッペ返し。キャッシュ、ベイレイのUVU王座に照準を定めた様ですワ。
またザンディグ親分もカメラに向かって、「ようこそUVUへ!」と吠えまくっ
ておりまっせ。
【悲しき後日談】
ベイレイからUVU王座の奪取を狙うキャッシュですが、直後にオートバ
イ事故により長期の戦線離脱。そしてそろそろ傷も癒えた8月18日(現地
時間)、自宅近くにてオートバイに乗っており自動車との接触事故を起こし
て亡くなりましたんや。クリス・キャッシュ、本名クリストファー・ボーマンJr。
享年23歳、将来のCZWを支えるはずの有望株でした...(合掌)。
AStudent Challenge
Winner Gets A Shot At The Necro Butcher Match :
DJ Hyde vs. Jude vs. Andy Sumner
vs. Ravage vs. Rick Feinberg
ヒアリングが苦手なワシなので微妙なニュアンスは違う(いや、根本的に
ミス・ヒアリングかも)でしょうが、ザンディグ親分が若手5選手を集めて真
顔で訓示。どうも「明日のCZWのために、君ら若手が頑張って欲しい」と
おっしゃっているみたいや。で、親分がそう言うならと、無人のCZWアリー
ナ(@とは違い、本当のアリーナ)を舞台にした若手5選手によるUVU戦
が始まりました。何やら戦前教育の悪い所を抽出したような乗りではあり
ますが、どことなく初々しくも思えるデス・マッチの末に、とりあえず内輪で
はダントツの巨漢であるDJハイドが混戦を制して勝利。ご褒美として、ネ
クロ・ブッチャーとのUVU戦が決定いたしました。
BUV Underground Championship Match :
JC Bailey vs. "Mr. Insanity" Toby Klein
晴れて初代UVU王者となったベイレイの前に立ち塞がったのは、“狂気
人間”トビー・クレイン。@と同じくCZWアリーナ裏(?)を舞台に、有刺鉄
線や蛍光灯をフル活用した試合が繰り広げられましたんや。試合はリング
上に蛍光灯を山積みにして、そこにベイレイがクレインをパイル・ドライバー
にて叩き落して激勝。ベイレイが虎の子のUVU王座ベルトを死守しており
まっせ。あ、この試合なんやけど、大仕掛けのトラップも、特筆すべきウル
トラ・バイオレンスなスポットもないのですが、両者の手が合うのやろうね、
なかなか見所ある楽しめる一戦でしたワ。
CSabian vs. Niles Young
“黒い岡村隆史”ことサビアンと、ニルス・ヤングによるUVU戦。こちらは
@と同じくアリーナ裏での試合でして、両者とも小柄で軽量であるため、有
刺鉄線や蛍光灯を使ったスピーディな各種スポットがタップリと盛り込まれ、
セントーン(withパイプ椅子)によって“岡村さん”が勝ち名乗り。あ、この試
合もAの試合も、黒覆面着用の痩身の男がレフリーを務めるのですが、目
の前で繰り広げられる暴力行為に完全にビビッて腰が引けており、ワシは
このレフリーの一挙手一投足が気になって気になって...(苦笑)。
DNecro Butcher vs. DJ Hyde
Aでネクロへの挑戦権を得たハイド。遂に彼に運命の日が訪れました。
舞台は@やBと同じくCZWアリーナ裏(?)でして、ネクロを相手に巨体を
最大限に活かして勇躍チャレンジ。しかしハイドの猛攻に一瞬怯む場面も
あったものの、さすがは我らがネクロ・ブッチャー。得意のゲンコツ攻撃(こ
れ、パンチ攻撃なんてスマートな代物やないデ)でハイドを殴り倒し、廃材
やゴミでシバきまくり、最後はスリーパーにてハイドを安楽死させてみせま
した。あ、でもネクロさん。試合の途中に繰り出した電動ドリル攻撃につい
ては、少々和製デス・マッチのビデオ(勿論ミスター・ポーゴさん)の観過ぎ
ではおまへんやろか(苦笑)。
EUV Underground Championship Match :
Ian Rotten vs. JC Bailey
UVU王者ベイレイの前に最狂最悪の挑戦者が出現。そう、ベイレイも日
頃何かとお世話になっているであろう、IWA−MIDSOUTHを暴力統治す
るイアン・ロットン総帥が、神々しいまでのそのお姿をCZWアリーナ裏(?)
にお見せになりましたんや。
さすがにこの御方相手ではベイレイも分が悪く、太物配線を切断する大型
ケーブル・カッターや蛍光灯の破片で額を切り刻まれ大ピンチ。それでもベ
イレイもこれまで育てて貰った恩返しと奮起したか、有刺鉄線や蛍光灯で
イアンの額を攻撃開始。するとイアン、可愛い弟子が頑張っているのやか
らと、自ら額に『得物』を走らせ大流血を演出ですワ(泣かせる師弟愛や)。
試合はイアンによるジョーカー・ドライバー(with蛍光灯)なんて珍品も盛り
込まれ、最後はベイレイが大型の工業用(農業用?)車両上からボティ・ア
タック(with蛍光灯で組まれたやぐら&有刺鉄線)をイアンにお見舞い。
ベイレイ、総帥を破ってUVU戦破竹の3連勝となっておりまっせ!!。
【続:悲しき後日談】
試合の冒頭、クリス・キャッシュが姿を見せない事にベイレイが苛立って
いたところを見ると、どうやらこの試合、当初はイアンとの顔合わせではな
く、キャッシュとの顔合わせが予定されていたみたい。でも最初のオートバ
イ事故でキャッシュが出場不能となり、急遽イアンが代打出場したようや。
プロレスを『〜なら』なんてので語るのは不毛もエエところやけど、それでも
キャッシュの将来性を見込んでいたザンディグ親分のことやから、ここら辺
りでUVU王者をキャッシュにスイッチするつもりやったんやないやろか。
あ、この映像は2005年3月12日の定期興行『Liberated』において会場
内に流された(例によって生中継であるのか否かは不明)ものです。
★★DISC-2★★
DISC−2は全て特典映像で構成されております。
@UltraViolent E.R.
◆Eの試合を終え、額を朱に染めたイアン・ロットンの様子を収録。
◆@またはDの試合を終え、背中に突き刺さった蛍光灯の破片を抜き取
って貰っているネクロ・ブッチャーの様子を収録。最初は傷口にメスを突
き刺して破片を抜き取ろうとしていたのですが、これがなかなか上手く抜
き取る事が出来ません。で、仕方がないからとメスとハサミを使って傷口
を大きく開口し、ピンセットを傷口にグリグリッと押し込んで、やっとの思い
で破片を抜き取る事に成功です。これ、淡々と文書で書いていますけど、
決して食事時にはご覧にならないで下さいや。
APost-Match Promo
◆Aの試合が終わった後、この試合に参加していた若手5選手を全員整
列させてウダウダとザンディグ親分がお小言を垂れております。けど、そ
こまでCZWの未来が心配なら、親分自ら率先して血まみれにならんと。
別にプロレス団体だけやない。最近の若手社員は、なかなか口で言うだ
けでは付いて来んからね。
◆Eの試合試合を終え、イアンがベイレイについての思いを語ります。
BUltraViolent Replays
@〜Eまでの全試合について計49場面の暴力シーンを抽出し、スロー
や別アングルまで含めて再度振り返ってみましょうって趣旨のコーナー。
ただし個々の映像が数秒のみで、次の収録映像に自動的に移動しないた
め、しょっちゅう手許のリモコンにての操作をしないとあきまへん。これはち
ょっと今後の改善の余地があるんやないやろかなァ。
CUltraViolent Photography
CZWや3PWなど、フィラデルフィア土着の独立団体の試合写真を撮影
している、少々倒錯系のお店でもあるらしいお馴染『WHACKS』の提供
による静止画像集。
【正直な感想】
当初は観客不在の『スタジオ撮影のデス・マッチ』って事から、ライヴ感
に乏しい、単なる残酷な『映像作品』となるのではないかと思っておりまし
たが、ワシはUVU戦が持つ独特の『無記名性』って言うか、『密室性』に
素直に感心させられましたワ。冒頭にも書いたように、では銭を払ってライ
ヴの会場へ入ったのに、これを見せられてお前は納得出来るのかと問わ
れると否、なんでしょうが、幸か不幸かワシらはそうそう容易くCZWアリー
ナへ足を運べんからね。UVU戦が米国のデス・マッチ・マニアの間で論
議の的となっていて、否定的な意見が多いと聞いたけど、実際に定期興
行に足繁く通える環境にある人達なら仕方がないかな、なんて考えます。
けどライヴに熱狂する観客達のオーディエンス・ノイズが全くないUVU戦
では、選手の息づかいや蛍光灯の破片を踏み潰した際の微妙な破裂音
がキチンと録音されていて、これはこれで迫力って言うか、何かしら真実
味さえ覚えてしもて。特に蛍光灯の破片の上を相手選手を引き摺り回した
時に発する胸糞悪くなる様な音なんて、ライヴではなかなか聞き取れない
もんな。プロレスの基本はやっぱりライヴにあって欲しいけど、UVU戦に
ついてもこれはこれで『有り』かな、なんてワシは思います。
ただし実際にUVU戦を闘っているのが、IWA−MIDSOUTH系の選手ば
かりで、本家CZWに所属する選手達の姿がないのは大いに不満。他所
の選手ばかりに無茶をやらせて、これでウルトラ・バイオレンスの逆襲だ、
なんてのはアカンでしょ?。配下の所属選手に活きの良いデス・マッチ・フ
ァイターが居ない(『妻殴り』らは何処へ消えてしもたんやろ)のなら、ザン
ディグ親分直々に乗り出すのか、それともこの際ウルトラ・バイオレンスの
御旗を潔く下ろすのか。そろそろ性根を入れて考える時期でっせ。 |

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