では収録内容の詳細を

WANTED !
THE REAL LIVING REGEND
(DVD-R) (約1時間49分収録)
 今回ご紹介いたしますのはDVDではなくって、DVD−R。当HPでは既
にお馴染みの米国の通販サイト『HIGHSPOTS』にて、送料別で14.95ド
ルにて販売されている、ちょっと怪しげな作品でおます。
で、その怪しげなDVD−Rに収められている内容なんやけど、CCWって
ローカル団体が2005年5月7日にサウス・キャロライナ州のガフニーっ
てところにある、ガフニー中学校の体育館を超満員にして開催した定期
興行の様子を収めたもの。
さて、このCCW(Carolina Championship Wrestling)って聞き慣れない団
体(ワシだけ?)ですが、ここはトニー・ハンターって人が別名『フレアー・
カントリー』と呼ばれるノース・キャロライナを根城にプロモートしている団
体みたいでして、NWA華やかなる頃のビッグ・レジェンド達を招聘しては、
古き良きアメリカン・プロレスをワシら好き者達に提供してくれてますんや。
では早速DVD−Rを再生してみましょか。

○参加各選手、意気込みを語る
  メイン戦でどっちが本当の『生ける伝説』であるのかを決めるテリー御
 大とローデス、決意の程を語っております。やっぱりご両人ともマイクを
 持たしたら、喋っている事はよく聞き取れずとも、韻を踏んだ文法を用い
 て、独特の味を醸し出してくれよりますな。また、インディアン・キミックの
 ジェイ・イーグルは『ミステリー・パトーナー』を用意していると意味深な
 発言を行うし、他にも深夜超特急組の控え室の様子や、ミゼット選手2
 人のアジテーションなども併せて収録されとりましたデ。
@Tater Kirby vs. "Hardcore"Hunter Thompson
  5月の定期興行のオープニング・マッチは、どことなくトミー・ドリーマー
 を思わせるコスチュームの“ハードコア”ハンター・トンプソンと、どことな
 くファミ・コンのスーパー・マリオを思わせるテイターとの一騎討ちから。
 スクール・ボーイにてスーパー・マリオもどきが、トミー・ドリーマーもどき
 を押さえ込んで幕となっておりますが、良くも悪くもこれぞローカル団体
 のオープニング・マッチそのものって感じでしたワ。
AMidget Match :
 Joe Kidd vs. Bad Boy Buck
  3月の定期興行に引き続き、今回もジョーとバッド・ボーイによる『小人
 プロレス』がブックされとります。今回も前回同様に狂言回し役のレフリ
 ーを含めた3人で充分に練り上げられた爆笑場面を多数盛り込み、キッ
 ドの勝利で試合(エエ意味で、殆どコントやけど)は終了。でも只の『小
 人プロレス』やろって侮ったらアカンよ。特にこれからメジャーを目指す
 若手選手達には、ジョーとバッド・ボーイ(とレフリー氏)のショー・マン・
 シップは真面目見れば見るほど勉強になると思いまっせ。
BBrad Thomas vs. Jason Jones
  第3試合は『ヒール役』のジェイソン・ジョーンズと『ベビー役』のブラッド
 ・トーマスの顔合わせ。両選手の立ち位置を明確にしてあるため観客側
 も感情移入し易いんやろね、結構観客席も沸いておりますデ。試合はセ
 カンド・ロープを利用したダイヴィング・ボディ・アタックによりブラッドに凱
 歌が上がっております。あ、両者ともに複雑怪奇なスポット構築に走る
 事無く、努めてベーシックな試合展開を披露していて好感が持てました。
 これで発表の場が多数あれば、上達ももっともっと早いんやけどなァ。
C"Cheif"Jay Eagle & Brian Lindor & American G.I.
 vs. Kirk Prodigy & Ken Magnum & Romeo
  この試合のみ、ラスト3分程度からフィニッシュ・シーンまでの収録。
 もともと6人タッグ戦で、誰が誰だかも分からないのに、これでは何が何
 やらサッパリですワ。どうやら『ベビー側』であるイーグル組が負けた様
 やけど、フォールしたのが誰で、フォールされたのが誰なのかもワシに
 は掴めませんでした(とことん調べる様な内容の試合でもないしね)。
 ってな事で、DVD−Rの冒頭でイーグルが発していた『ミステリー・パー
 トナー』についてもどの様な扱いであったのか分からず終い。ま、どうせ
 キチンと説明されても分からないような選手達(失礼)なんやから、それ
 こそ『ミステリー』である事だけは疑いようもないのやけどね。
DBobby Fulton vs. "Hot Stuff"George South Jr.
  毎回毎回、古のビッグ・レジェンドが大挙出場するCCWの定期興行で
 すが、「まずはワシが露払い」と、4月の定期興行に引き続き元ファンタ
 スティクスの片割れボビー・フルトンがリング・イン。ジョージ・サウス(ワ
 シは詳しくは知らんのですが、フレアーとも対戦したことのある選手だそ
 うで)の息子って触れ込みのジョージ・サウス・ジュニア相手に、腕の取
 り合い〜アーム・ドラッグなどで構成された、ちょっとまったり気味の80
 年代全日本プロレス・テイスト溢れる試合を披露してくれましたデ。
EDavid Flair vs.
 "The Legend Continues..."Brad Anderson
  第5試合は“ネイチャー・ボーイ”リック・フレアーの息子であるデヴット
 と、かの“ミネソタ・レッキング・クリュー”のオリジナル・メンバーとしてリ
 ック・フレアーとは縁浅からぬジーン・アンダーソンの息子であるブラッド
 が、運命のいたずら(ってよりブッカー殿の洒落?)で一騎討ちを決行。
 共に名のある親を持つ息子同士であり、ここら辺りの事情は観客にも周
 知済の様でして、ブッカー殿の当初の目論見通りの反応が客席からビ
 ンビンと伝わって来ます。試合は一進一退の攻防の末、デヴットがフィ
 ニッシュ狙いに親父譲りの足四の字固めを繰り出し、これをブラッドのセ
 コンド(最初は父親のジーンかと思ったけど、どうやら別人?)がセコく
 阻止して、最後はブラッドのズル勝ちにて幕。ウーン、この抗争(?)を
 もっともっと膨らませて、秋に予定されている『スターケード復刻版』では
 両家ともに父親が乗り出し、親子タッグ対決なんてどないやろか?。
 尚、デヴットですが、二十歳そこそこでデビューしたとは言え、もうキャリ
 アも5〜6年はあるはず。ま、まだまだ随所に青い所が伺えるのは仕方
 がないとしても、日常の基礎トレーニングさえも出来ていないのか、Tシ
 ャツ着用で試合を行う駄目さ加減だけは何とかならんのやろか。
 父親が偉大過ぎるのか、はたまた父親が親馬鹿過ぎるのか。息子の努
 力が足りないのか、そんな息子でも『フレアーの子』ってだけで持ち上げ
 る業界の方々が悪いのか。いろいろと考えさせられる2005年5月現在
 のデヴッド・フレアーでしたな。 
FBarbarian (w/"The Asian Sensation"Mike Lee)
 vs. "The Chairman"Madd Maxx
  続いての“レジェンド”はバーバリアン。ワシは余り思い入れのなかった
 選手ですワ。しかもワシの記憶では、確か全盛期はウォリアーズ風の変
 形モヒカン(?)・カットに顔面ペイントをしていたような...。でもモニター
 画面に映っているのは髪の毛を短く整えて、顔面ペイントなども施してい
 ない、ただの黒人選手。これって、ホンマにあのバーバリアンなの?。
 それともWWF(当時)やWCWなどでギミック・チェンジしたバージョンな
 の??。試合よりなにより、ワシの頭の中ではずっと上記した疑問点が
 渦を巻いたまま...。最後はセコンドの投げ入れたチェーンを悪用して
 勝利をかすめ盗った“疑わしきバーバリアン”なのでした...。
GRock 'n' Roll Express 2005 (Ricky Morton & Brad Armstrong)
 vs. Midnight Express (Dennis Condrey & Bobby Eaton)
  CCWマットにおいて世紀を越えて連綿と抗争を続けているR&R超特
 急組と深夜超特急組。今夜も定番タッグ試合の時間となりましたが、ど
 うやらR&R超特急組はオリジナル・メンバーのロバート・ギブソンが、近
 所の敬老の寄り合いにでも出掛けたのか、それとも持病の腰痛が顔を
 出した(失礼)のか、無念の欠場です。それでも看板カードに穴は開けら
 れず、ギブソンの代役としてブラッド・アームストロング(この人も“レジェ
 ンド”の枠で語ってエエの?、これまたワシには思い入れのない選手な
 んや)を抜擢し、即席のR&R超特急組2005年バージョンをデッチ上げ
 た模様(苦笑)。試合は開始早々にR&R超特急組の攻撃を頭部に受け
 たコンドレーが意識混濁となって、なんと味方であるイートンにスープレ
 ックスを見舞うなんてベタベタなネタがあり、その後は深夜超特急組の
 マネージャ氏が持ち込んだゴルフ・クラヴと思わしき凶器を巡る乱戦へ
 と発展(客席最前列に陣取る肥満体型のオバさんが、深夜超特急組の
 卑怯なやり口に怒る怒る!!)。最後はアームストロングのボディ・アタ
 ックがコンドレーにズバリと決まりR&R超特急組に凱歌が。ただし多分
 これで両軍の長年の遺恨が綺麗サッパリと清算されたなんて事にはな
 らず、来月以降もCCWマット(や他の独立団体)で両軍の抗争はエンド
 レス状態で続いて行くのだと思います。ま、抗争ネタって『強い引き』を
 持つ両軍、他のレスラー達からすると羨ましい限りなんやろね。
HBattle For The Title Of Real Living Legend
 Texas Bunkhouse Falls Count Anywhere Match :
 Terry Funk vs. Dusty Rhodes
  さてさて5月の定期興行のメインは、前記したようにテリー御大とロー
 デスによる、『どちらが本当の生ける伝説か決定』マッチ。間抜けと言え
 ばこれ程間抜けな屋号争いもないんやけど、それでもその屋号が飯の
 種となるのなら、両者の試合にかける意気込みも違いますワ(苦笑)。
 で、まずはテリー御大からの入場となったのですが、御大いきなりマイ
 クを握って、シナトラの『マイ・ウェイ』風のスタンダード曲を強引にローデ
 スの悪口替え歌へと編曲し、ごきげんで熱唱や。どうやらローデスを犬
 に喩えての替え歌みたいなんやけど、元曲がワシには分からなかった
 ので、折角御大が仕掛けてくれた『笑いのツボ』が残念ながら理解出来
 ず(誰かお教えいただけませんでしょうか)。その後、ローデスの入場と
 なって、リング・アナが声高らかに両者を紹介します。でも御大、ローデ
 スなんてまともに紹介せんでもエエんや、とリング・アナの顔面にパイプ
 椅子を投げ付け(苦笑)て、強引に試合の火蓋を切ってしまいますんや。
 さぁここからは両者の珠玉の持ちネタのオン・パレード。ローデスのバイ
 オック・エルボーや鉄柱攻撃(勿論被弾した御大は流血へ)、御大の生
 尻丸出しでのリング徘徊やパイプ椅子を首からブラ下げての錯乱状態
 のディスプレイなど、好きモノなら晩酌のアテになりそうな名場面の数々
 が矢継ぎ早に繰り出されまっせ。またフィニッシュ・シーンについてもとこ
 とん衝撃的(笑撃的?)。ロープ際へとローデスを追い詰めた御大、ロー
 デスの頭頂部目掛けてパイプ椅子を振り下ろすのやけど、ローデスが寸
 でのところで身体を屈めたため、パイプ椅子はトップ・ロープを殴り付けた
 格好となってしまいます。で、当然ロープには弾力があるので、パイプ椅
 子は振り下ろした際の力の二倍の破壊力を潜めて、御大の額へと物の
 見事にリバウンド!。百戦錬磨の御大もこれはさすがに避けきれず、モ
 ロにパイプ椅子を額に受けてしまい、泡を食って冷静さをなくしたところ
 に、ズバリとローデスの逆さ押さえ込みが!!。
 おいおい、これでは御大は『生ける伝説』を名乗れなくなってしまうやな
 いの?。ローデスはこれから『アメリカン・ドリーム』に加え、『生ける伝
 説』をも名乗る事になるの??。それなら次回定期興行において、今度
 は『どちらが本当のアメリカン・ドリームか決定』マッチなんてどう???。
 でもそれで御大がローデスを倒したら、両者は単に屋号を交換したって
 事になるしなァ......。以上、多分これで終止符とはならないであろ
 う老いて益々御盛んな両者の一騎討ちでした。ごちそうさま、満腹や。


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