では収録内容の詳細を

KING OF DEATH MATCHES
1997-10-21 (DVD-R*2枚)
(約2時間37分収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
2枚組で20ドルにて発売されている団体公認(?)の代物でして、ワシは我
が国で唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田
のイグニッション・レコードさんで3,200円(為替レートの変動で若干値上が
り)にて購入しました。別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつも
りはないけど、米国から通販で購入すると送料込み27ドル必要となるので
3,200円ってのは非常に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容は1997年10月21日、インディアナ州のニュー・ア
ルバニーにてIWA−MIDSOUTHが開催した、『1997年度キング・オブ・
デス・マッチ・トーナメント』の全容を完全収録したものですんや。
このトーナメント、ワシが思うに、今を遡る事10年前の1995年、当時行け
行け状態で正に飛ぶ鳥を打ち落とす勢いにあった浅野起州社長率いるIW
Aジャパンが、炎天下の川崎球場を舞台に『悪夢の懸け橋』と銘打ってデス
・マッチ・トーナメントを開催した事があって、これに感銘を受けた(?)イアン
・ロットン(当団体を統治する頭領)が、「それならワシとこの団体でも、一丁
やってみよか」と思い立ったのが発端ではないか、と。けど、CZWやXPW
らの後続のデス・マッチを主体とする米国の独立系団体に、『デス・マッチ・ト
ーナメント』って商売のネタを確立させたのは、確実にこの時のイアン・ロット
ンの思い付き(失礼)。では、川崎球場から太平洋を渡り、インディアナ州の
ニュー・アルバニーへと見事にアーチが架かった『続:悪夢の懸け橋』、どん
な塩梅であったのか、しかとこの目で確かめてみましょう。

【追記】このDVD−R、冒頭で解説のON/OFFが選択出来るように作られ
ておりまして、解説ありを選択すると、SMARTMARKの実況担当者がアフ
・レコで被せた解説を聞く事が可能。また、アリソン・デンジャーちゃん(某流
血男爵の妹さん)やミッキー・ナックルちゃん(イアンに師事する女子選手)、
クリス・ヒーローらのゲスト・コメントも聞けまっせ。ま、ワシは例によってヒア
リングが苦手なので、折角のSMARTMARKの心遣いも猫に小判となって
しもたけど。

★★DISC-1★★

○Music Video
  「♪Show Must Goes On♪」とサビの部分が盛り上がる、曲名不明のち
 ょっと産業ロックっぽい曲をBGMにしたプロモ。あえて色調を抑えたモノク
 ロ画面で構成されており、本編への期待感を煽ってくれよりまっせ。
○いよいよ試合開始、でもその前に...
  ガンズのTシャツ(時代を感じさせるなァ)を着用し、足に大きなギプスを
 付け、松葉杖を突きながらフラッシュ・フラナガン(FLASH FLANAGAN:最
 近は別名やマスク着用でIWAプエルトリコ、OVW、TNA、ROHなどを主
 戦場に活躍しているそうです)がリングへ。フラナガン、どうやら欠場の挨
 拶をしとるみたいですワ...。
@Thumbtack Bat & Barbed Wire Boards Match :
 Ian Rotten vs. Cash Flo (w/Billy the P)
  予選第1試合から、いきなり団体の頭領であるイアン・ロットンのお出まし
 でっせ。相手は右手に障害を持った、ただの不良中学生みたいな風体の
 ビリー・ザ・Pを従えてリングに姿を現したキャッシュ・フローや。試合はイア
 ンのいきなりの画鋲バット攻撃で口火が切られ、そのまま速攻で場外戦へ
 移行。お客から手渡された蛍光灯を振り回してフローがイアンを攻め込む
 場面もあったものの、やはり本トーナメントの主催者であるイアンが予選で
 姿を消す訳がおまへん。イアン、パイプ椅子をガツンと一発フローに見舞っ
 てペースを握り、画鋲バットでフローをシバき倒して、最後は画鋲のばら撒
 かれたマットへのデス・バレー・ドライバーで快勝(それでもブレードだけは
 忘れんかったイアン、ちょっとお茶目や)ですワ。
AThumbtack Bat & Barbed Wire Boards Match :
 Bull Pain vs. Rollin Hard (w/Billy the P)
  予選第2試合は粋に羽織った鋲付きの皮ジャンが泣かせるペインと、ア
 フロのカツラを被って現れたハードとの激突。この試合も開始早々戦場が
 リング外へ移行し、勢い余って会場の外の駐車場にまで雪崩れ込む大乱
 戦(全体の9割5分以上が場外戦やった)。序盤戦は固い床目掛けてハ
 ードをDDTで叩き付けたペインが支配したんやけど、中盤鉄パイプを持ち
 出したハードが一気に形勢逆転に成功し、そのまま竜巻式DDTでペイン
 を画鋲の海へと突き落として見事逆転勝利をゲットいたしておりまっせ。
BBarbed Wire Board & Barbed Wire Bat Match :
 Balls Mahoney vs. War Machine #1
  予選第3試合は当時ECW(まだまだ存命でしたんや)でブイブイと言わ
 せていた『ECW版の椅子大王』マホーニーの出番。チープで怪しい骸骨
 のオーバー・マスクを被って現れたウォー・マシン1号を相手に、十八番の
 ブレード・ジョヴ(マシン1号に有刺鉄線バットで攻撃させつつ、得物で額を
 切る姿についつい感涙)を披露してくれましたデ。で、相手に攻めさせるだ
 け攻めさせたマホーニー、リング上に置いた有刺鉄線バットへ向けたパイ
 ル・ドライバー一発でマシン1号を撃沈してみせました。
 【ちょっと脱線】
  ワシは初めて見たマシン1号なんですが、折角の不気味な骸骨のオー
 バー・マスクも、試合が始まる前に脱いでしまっては魅力が半減。試合用
 のマスクは地味目なものだったので、出来るなら骸骨のオーバー・マスク
 で試合もやった方が宜しいデ。ま、8年も前に収録された映像に映ってい
 る『端役』相手にこんなとこでアドバイスしても仕方ないけどな(苦笑)。
CFour Corners of Pain Match :
 Axl Rotten vs. War Machine #2
  マホーニー同様、当時ECWで流血部門を一手に引き受けていたアクセ
 ル・ロットン(イアンと2人でバッド・ブリードってユニットを結成していた過去
 もあり)が堂々のリング・イン。背中にECWのロゴが縫い込まれたアディダ
 ス製のジャージを着用しており(同デザインでサンドマンが着用していたも
 のは、理由あって現在我が家の箪笥の奥に厳重保管中)、実際に言葉に
 は出さずとも、「ワシはお前等みたいな小物とは違うんやデ」とアクセルの
 心情を雄弁に物語ってますワ。さて注目の試合なんですが、Bの試合に
 出場したマシン1号と多分コンビを組んでいるのであろうマシン2号(1号よ
 りは長身ですが、骸骨のオーバー・マスクからタイツなどのコスチュームま
 で1号と丸っきり同じ)を相手に、有刺鉄線ボードたった1枚をネタに、手に
 汗握る(?)攻防を展開し、最後はパイプ椅子と有刺鉄線ボードで作った
 即席のトラップへアクセルがマシン2号をパワー・ボムにて投げ込み凱歌。
 ま、アクセルにとっては楽勝楽勝ってところやろな。あ、BCとジョバーに
 徹していたウォー・マシンのお二方、ホンマにご苦労さんやったね。
DFour Corners of Pain Match :
 Mad Man Pondo vs. Tower of Doom
  ここからはアリソン・デンジャーちゃん(某流血男爵の妹さん)のゲスト・
 コメントも収録され、予選道中もいよいよ終盤の第5試合が始まり始まり。
 どうやら当時IWA−MIDSOUTH認定の世界王者であったらしい、巨体
 を誇るドゥームと、まだまだ若さの残るポンドの顔合わせですんや。
 試合はリング・サイドの4面にそれぞれトラップを配置した形式で行われて
 いて、急所クロー(苦笑)をドゥームに喰らわせたポンドが、そのままドゥー
 ムを有刺鉄線トラップへと投げ込み序盤を有利に運ぶのやけど、そこはド
 ゥームも痩せても枯れても世界王者。ポンドにされるがままでは終わりま
 せんワ。ポンドをフン掴まえてレンガの破片トラップ⇒ガラスの破片トラップ
 と連続して被弾させ、リング上に放り上げられた有刺鉄線ボードを使って
 いよいよフィニッシュの時間。けどここで火を噴いたのが、お馴染みポンド
 の『STOP』サイン・ボード攻撃。続けてドゥームに向けて放った前転式の
 レッグ・ドロップ(勿論サイン・ボードも付加)にてポンドが逆転勝利で予選
 を突破いたしましたんや。
EBarbed Wire Bat Match :
 Doug Gilbert vs. Ox Harley
  出ました!、ダグ・“フレディ・クルーガー”・ギルバート。ワシら汚れファン
 にはW★INGマットでの実の兄弟である故エディ・ギルバート扮する“ブギ
 ー・マン”との揃い踏みが忘れられませんが、ここでのダグはW★INGの
 流れをくむIWAジャパンのロゴが大きく入ったTシャツを着用しての登場。
 アフ・レコで解説をオーバー・ダヴしているSMARTMARKのコメンテイタ
 ー陣も、ここらのネタには流石に触れずにはおれんみたいでっせ(苦笑)。
 さて注目のダグの試合ですが、凶器である有刺鉄線を上手に使いこなす
 姿にどことなくW★INGチックなものも感じさせるものの、これはデス・マッ
 チとは名ばかりの、はっきり言ってダグによるサザン・テイスト溢れるワン・
 マン・ショー(勘違いせんといてや、とこんと褒めとるんやデ)
 ダグ、陰惨さを全く感じさせぬ流血ジョヴを盛り込み、オックスを有刺鉄線
 ボードにボディ・スラムで叩き込んで余裕の予選突破ですワ。
FSpider Web Death Match :
 Ian Rotten vs. Rollin Hard
  ここからがトーナメントの準決勝戦。まずはイアンとハードとの顔合わせ
 なんやけど、試合開始のゴングが鳴るなりイアンが見せたスライディング・
 レッグシザースにびっくり。この人、デス・マッチに殉ずるようなところがあ
 るのに、時々こんな小技を出してワシを驚かせてくれよる。ま、このランク
 の選手ならしっかりした下地があって当然なんやけど、あのズングリとし
 た体型のイアンがやるからやっぱり面白いワ。でも今夜はデス・マッチ・ト
 ーナメント、スライディング・レッグシザースでは誰も満足いたしまへん。
 勿論イアンもそれは承知しておりまして、得意のブレード・ジョヴで自身の
 額を朱に染めつつ、有刺鉄線で作った蜘蛛の巣トラップ(これが余りにチ
 ープ過ぎる代物で、リング上に置いた衝撃だけで一部が倒壊!!)にハ
 ードをパワー・ボムで投げ込み、初代デス・マッチ王の称号獲得に王手と
 なっております。
GAxl Rotten vs. Balls Mahoney
  21世紀の各デス・マッチ・トーナメントと比べると、バイオレンス度も公認
 凶器の物量も各選手が流す血の量も控え目である本トーナメント。それで
 も主催者イアンの根回しの良さもあってか、ここまで大きなトラブルもなく
 順調に試合を消化して来ました。けど昔から言いますやろ、好事魔多しと。
 本来ならここで準決勝第2試合であるボールズ・マホーニー対アクセル・ロ
 ットンが行われるはずなのに、何故かリングにはマホーニー1人が姿を見
 せてマイクを握り何やら一席。で、マホーニーはそそくさと控え室に戻って
 しもて...。おいおい、これって試合拒否?。それともECWで贅沢なギャ
 ラを貰っているマホーニーとアクセル、IWA−MIDSOUTHが提示した安
 価(多分)なギャラでは1日2試合もやってられんって事??。

★★DISC-2★★

@No Rope Barbed Wire & Spider Web Death Match : 
 Doug Gilbert vs. Mad Man Pondo
  マホーニーとアクセルの暴挙(?)により一気に雲行きの怪しくなって来
 たトーナメントですが、それでも粛々とダグとポンドの顔合わせで準決勝
 第3試合へと突入。試合形式はリングからロープを取り外し、2面に有刺鉄
 線を設え、残った2面は全くの何もなし状態とし、そのエプロン下に有刺鉄
 線&ガラスの破片で作った蜘蛛の巣トラップを設置や。ウーン、新生FMW
 にて度々行われていた試合形式を、ちゃっかりと拝借したみたいですな。
 さて試合はポンドの先制攻撃で始まり、まずはダグが蜘蛛の巣トラップへ
 と落下。しかしダグもやられてばかりではありまへんでしたデ。なんとポン
 ドが持ち込んだ『STOP』サイン・ボードを奪い、あろう事か掟破りの一撃を
 ポンドの頭頂部へお見舞い。続けてスープレックスにてポンドを蜘蛛の巣
 トラップへ叩き込む大攻勢や。けどここでダグが根っからの芸人根性を発
 揮して試合にアクセントを付けようと色気を見せてしまい、蘇生したポンド
 の猛反撃を喰らってしまう羽目に。最後はポンドを有刺鉄線へ投げ付けて
 なんとか勝利を掴み取ったダグですが、極論すれば命のやりとりとなるデ
 ス・マッチ・トーナメントって場で、変な色気はご法度でっせ(苦笑)。
ANo Rope Barbed Wire Electrified Light Bulb Death Match :
 Ian Rotten vs. Axl Rotten
  さてさてやっと辿り着きましたな、これが『1997年度キング・オブ・デス・
 マッチ・トーナメント』の決勝戦ですワ。で、注目の舞台装置なんですが、
 ー・ロープの有刺鉄線式で、ここに点灯させた裸電球を多数散りばめ、会
 場内の照明は全て落としてしまうってもの。真っ暗闇の中、裸電球の灯り
 にぼんやりと浮かぶリングは幻想的であり、はたまた丸でイカ釣り漁船
 様でもおます。只、もしも大阪の興行でこんな試合をやったなら、『置き引
 き』がアチコチで暗躍して収拾がつかなくなったでしょうが、インディアナ州
 はニュー・アルバニーのお客さん、『手癖』は悪くなかったのやろか(苦笑)。
 おっと失礼、脱線してしもたね。で、晴れの決勝戦へと歩を進めたのは、イ
 アン・ロットン、アクセル・ロットン(どうやら先の準決勝戦第2試合は、マホ
 ーニーがアクセルに単に勝利を譲ったみたいや。どうでもエエけど、適当な
 話やなァ)、ダグ・ギルバートの3人。
 けどここでまたまたトラブル発生。リング・サイドに現れたダグが、死の舞
 台(このイカ釣り漁船が?)を目の当たりにしてビビッた様で、「怖くって嫌
 だ!」と突然駄々をこね出し、試合を放棄して控え室に帰ってしまいます。
 でもこれで決勝戦は、ECWマットを鮮血で赤く染め上げた名ユニット“バ
 ッド・ブリード”(直訳するなら劣性品種交配)の僚友対決。ダグには悪いけ
 ど、彼が絡むと試合の端々に彼の芸人根性から生まれる独特の『間』が
 出来てしまい、これがどうにもIWA−MIDSOUTHマットの醸し出すデン
 ジャラスで胡散臭い雰囲気とは相容れないので、ワシとしてはダグの試
 合放棄は願ったり叶ったりですワ。
  さて注目の決勝戦の内容ですが、イアンとアクセルが互いにソケットか
 ら外した裸電球と有刺鉄線を凶器に、ただただ相手と殺傷し合うって陰
 惨な場面で構成。なにやらECWマットでこの両者によって行われた伝説
 のタイペイ・デス・マッチを彷彿とさせる内容でして、なるほどこれなら初代
 デス・マッチ王者決定と謳っても異論のない出来や。しかも発光する裸電
 球は結構高温となっており、これをモロに腕や額に押し付けると限りなく
 火傷に近いダメージを相手に与える事も可能で、これはワシには事前に
 は想像出来なかった嬉しい(試合をしてる当人達には辛いやろけど)副産
 物でしたな。そして試合の終盤、アクセルが怒涛のパンチ&ラリアット攻
 撃をイアンに見舞い、これを耐え切ったイアンが逆にアクセルを有刺鉄線
 ボードごと重量感溢れるセントーンで押し潰したところで、あろう事かこの
 地獄の決勝戦から尻尾を巻いて逃げ出したはずのダグ・ギルバートが無
 差別テロ目的の介入を強行。しかも悪い事に試合を裁くべきレフリーが直
 前にイアン&アクセルと交錯して失神中とあっては、ダグのやりたい放題。
 で、ようやくレフリーが意識を取り戻す(よっ、アンタも役者やのゥ)と、そこ
 にはダグの無差別テロを受けてだらしなくリングに寝っ転がるイアンとアク
 セルの姿が。当然ダグの無法行為を(失神した振りをしていて)知らないレ
 フリーは両者ノック・ダウンとしてカウントを数え始め、なんとなんとカウント
 9にて一瞬イアンが立ち上がりました。そう、米国独立系団体において初
 めて『デス・マッチ王者』の称号をイアン・ロットンが勝ち得た瞬間ですワ。
 尚、ここからの感動のフィナーレを期待したワシらデス・マッチ・マニアの淡
 い期待を粉々に打ち砕かんと、ダグと興行の冒頭負傷欠場の挨拶をして
 いたはずのフラッシュ・フラナガンがリングに現れ、激戦によって精根尽き
 果てた状態のイアンとアクセルを、フラナガンの持ち込んだ松葉杖を使っ
 てボコボコにしてしまう言語道断の大暴挙。感動のフィナーレどころか、モ
 ニター画面の中ではダグ&フラナガンの集中砲火を浴びてボロ雑巾の様
 になってしまったイアンを気遣い、熱く熱く抱擁してやるアクセルの姿が大
 映しとなって...。
 
【特典映像】
○No Rope Barbed Wire Electrified Light Bulb Death Match :
 Mad Man Pondo vs. Ian Rotten
  この試合、SMARTMARKのHPによると97年にケンタッキー州はルイ
 ヴィル(IWA−MIDSOUTH旗揚げの地)にて収録と書かれてあったので
 すが、実際の映像を観ているとワシの耳には実況者が「1996年12月4
 日、ケンタッキー州ルイヴィルのデイヴィス・スポーツ・アリーナにて収録」
 って言っている様に聞こえる箇所があって...。ま、いずれにしてもポール
 ・Eとギャラ(と仕事内容のギャップ)を巡って意見の相違があってECWを
 離れ、1996年にIWA−MIDSOUTH旗揚げをしたらしいイアン・ロットン。
 その彼の自前団体最初期の映像である事だけは確かみたいですワ。
 ただし本編の映像とは異なり、こちらはハンド・ヘルドのワン・カメラで撮影
 された代物で、タイム・コードも映っている上に、画質自体も本編と比べる
 と明らかに数ランク下や。けど画面から伝わる怪しさ&いかがわしさは格
 別で、どことなく通販で買ったGGアリンのライヴ映像と手触りが似ている
 様な(なんて事を書いても誰にも分かっては貰えんか...)。
 試合形式は本編決勝戦と同じく“イカ釣り漁船戦”(ノー・ロープ有刺鉄線
 式裸電球点灯戦)でして、イアンがポンドを対戦相手にチョイス。
 ソケットから外した裸電球をポンドの頭の下に置いてレッグ・ドロップをポン
 ドの頭部に見舞うなど、この日も破天荒極まるイアンのファイトは健在でし
 たが、ポンドの逆襲を喰らって有刺鉄線に磔状態となったところで、裸電
 球が全て消灯し、会場内が真っ暗闇に。で、暫く経って裸電球への送電
 が回復し会場に薄明かりが灯ると、リング上にはイアンを滅多打ちにする
 トレイシー・“南部の仕事人&悪のジェイソン”・スマザーズの姿が!。
 スマザーズ、ポンドに勝利をプレゼントする悪行三昧で、勝敗が決している
 のに、ポンドと2人でまだまだイアンへの暴行を続けますんや。すると今度
 は大御所トミー・“野生の炎”・リッチまでが堂々のお出ましです!!。
 リッチとスマザーズはECWマットでは手に手を取ってリトル・グイドーが仕
 切る“FBI:純血イタリア人軍”をサポートする事となる(この試合の時点で
 は多分FBIには未参加?)ので、あれあれリッチまで加わってまだこれ以
 上イアンを痛め付けるつもりかいなと思いましたが、リッチはイアンではな
 くスマザーズに襲い掛かります。実況者が「PAY BACK TIME!」と叫
 んでいるところから想像するに、この日の興行の前座試合において両者
 の間に何かちょっとした『物語』があったんやろね...。
 以上、特典映像である“イカ釣り漁船戦”(しつこいな、ワシも)をお伝えい
 たしました。


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