では収録内容の詳細を
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KING OF DEATH MATCHES
NIGHT-1 2004-6-25 (DVD-R*2枚)
(約3時間52分収録) |
本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
4枚組で40ドルにて発売されている団体公認(?)の代物でして、ワシは我
が国で唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田
のイグニッション・レコードさんで5,800円にて購入しました。
別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつもりはないけど、米国から
通販で購入すると送料込み約50ドル必要となるので5,800円ってのは非
常に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容は2004年6月25日と6月26日の両日に渡ってイ
ンディアナ州オーリティクにてIWA−MIDSOUTHが『The Last Bloody Sta
nd』と銘打ち開催した、『2004年度キング・オブ・デス・マッチ・トーナメント』
の全容を完全収録したものです。
デス・マッチのトーナメントと言えばCZWが開催している『ウルトラ・バイオレ
ンス・トーナメント・オブ・デス』が有名ですが、CZWが2004年で3度目の
開催であったのに対し、IWA−MIDSOUTHはワシが調べたところ2004
年で最低5度目の開催(1997年は開催されましたが、98〜00年は開催
されたのか否か鋭意調査中です)。
しかもCZWの過去の3度のトーナメントは全て8名の精鋭達によるワン・ナ
イト・トーナメントでしたが、IWA−MIDSOUTHは2001年の驚愕の24名
参加を筆頭に、最近は例年16名の命知らずを集めて2日間って時間を掛け
実にコッテリと開催される代物なんや。そう、単純に歴史と物量面では圧倒
的にIWA−MIDSOUTHがCZWをリードして来ましたんや。
ではIWA−MIDSOUTHによる狂気の祭典『2004年度キング・オブ・デス
・マッチ・トーナメント』、早速レビューを始めましょうか。
あ、トーナメントの初日である6月25日分には、CMパンクやネイト・ウェブ
らが実況席に入っており、英語のヒアリングの達者な方なら結構楽しい話
が聞けるのではないでしょうか。
★★DISC−1★★
@Danny Daniels & BJ Whitmer
vs. Matt Sydal & Delirious (w/Daizee Haze)
まずはトーナメントとは別枠の試合から。IWA−MIDSOUTH認定の世
界ライト・ヘビー級王者であるマットが怪覆面のデラリアスを引き連れ、ウ
ィトマー&ダニエルズの先輩コンビへ挑戦。けどダニエルズにはIWA−MI
DSOUTHの世界王座戦線に絡んだ実績があり、ウィトマーは2004年4
月9日の定期興行『April Bloodshowers 2004』にてあのジェリー・リン相手
に30分リミットのアイアン・マン戦を演じた猛者。マットとデラリアスにはい
ささか分の悪い相手ですワ。ただし2日間連続興行のオープニング戦って
位置付けの重大さはウィトマーにもダニエルズにもよく分かっている様で、
マットのセコンドに付いた女子選手のヘイズらの介入も含めて、あわや若
手コンビにフォール負けって場面を何度も作り出しつつ、20分にならんと
するロング・マッチを上手に制御。最後はデラリアスの土壇場でのダブル・
クロス劇まで用意されていて、マットが先輩コンビの前に力尽きました。
ACM Punk vs. Ray Gordy
CMと対戦するレイ・ゴディって選手、どうやらIWA−MIDSOUTHには
初登場らしいのですが、ネットで調べてみると何と彼はあのフリー・バーズ
の一員であった今や伝説のビッグ・レジェンド、故テリー・ゴディの息子さん
だそうです。そうかテリー・ゴディにもこんな年齢の息子が居たのか、ワシ
もどうりで最近白髪が目立つ訳や、なんてしばし過ぎ去った時間の流れっ
てものに浸ってしまいましたワ。あ、注目のレイ・ゴディですが巨体を誇った
親父とは違ってどちらかと言えば小柄なタイプ。変に奇をてらう事なくCM
相手の真っ向勝負で終盤のフォール合戦の末に敗退や。ただ勝ち名乗り
を受けるCMを未練がましく背後から襲撃するなどと、ちょっとヒールっぽい
路線を狙っているかの様なところも見せてくれておりまっせ。
BChris Hero vs. "Anarchist"Arik Cannon
例によってピストルズの“Anarchy in the U.K”を高らかに鳴らしながら姿
を現した“自称アナーキスト”のキャノン。スタンディグ式のSTFをフィニッシ
ュに使うなどと、相変わらず腕達者なところを随所に見せるクリス・ヒーロー
を相手に回し、20分を楽に超える試合を披露ですワ。尚、ここまでがデス・
マッチ・トーナメントとは別枠で組まれた試合なんですが、@〜Bはどれも
高水準の内容であって、IWA−MIDSOUTHがデス・マッチの専売団体で
はない事を改めて痛感させられた道頓堀次郎です。
○デス・マッチ・トーナメントの開会セレモニー
今年のトーナメントにノミネートされた16名の命知らずが揃ってリングに
上がり、和気藹々と一枚の記念写真に納まっております。普通ならこれか
ら戦う相手を目の当たりにしてアチコチで局地戦が勃発するところなんで
すが、元々IWA−MIDSOUTHの提供するデス・マッチってのはプロレス・
ビジネスに付き物の“捏造された各種遺恨”を発端にするなんて事ではな
く、単に“デス・マッチをやりたい奴、この指にとまれ”って乗りから始まって
いるからね。このシーン、違和感を抱かれる方も多分居られるでしょうが、
道頓堀次郎といたしましては何の問題もなくOK、ですワ。
CKing of the Death Matches 2004 tournament 1st round #1
Barbed Wire Boards Match :
"Low Life"Louie Ramos vs. "The Notorious 187"Homicide
リングの上には有刺鉄線が設置されたベニア板も2枚設置され、いよい
よここからが『2004年度キング・オブ・デス・マッチ・トーナメント』枠の試合
です。さて、さっきも書いたように16名もの選手が参加しているため、まず
初日は合計8試合の予選で構成されており、その第1戦に出場する事と
なったのがルイ・ラモスと日本でもお馴染みのハマサイド。有刺鉄線ボード
にラモスを叩き込み、丸でアブドーラ・ザ・ブッチャーの霊が降りた(失礼、ブ
ッチャーはまだ存命ですな)かの様に、ラモスの額にフォークを突き刺すハ
マサイドには正直ワシも“引いて”しまいそうでした。ただ終始押せ押せ状
態であったハマサイドですが、終盤レフェリーが乱戦に巻き込まれて失神
するって事態に遭遇。しかもここに@に出場していたウィトマーが介入し、
ハマサイドをコーナーに立て掛けた有刺鉄線ボードに得意のスロイダーに
て投げ付けてしまいますんや。当然試合の勝者はラモスへと...。
ま、ハマサイドの“業界でのポジション”に気を使った幕の引き方やろか。
それとウィトマー追撃にBに出場していたクリス・ヒーローが現れ、これを
追ってAに出場していたレイ・ゴディまでもが登場。何やらハマサイド&ヒ
ーロー対ウィトマー&ゴディの図式が見え隠れして来ましたワ。
DKing of the Death Matches 2004 tournament 1st round #2
Barbed Wire Boards Match :
Ryan Boz vs. Smorky C
予選第2試合はまだ十代の様なあどけなさが残る痩身のスモーキーを、
ライアンが有刺鉄線ボードを駆使して一方的にボコボコにしてしまったって
内容。有刺鉄線による裂傷を恐れてかTシャツを2枚重ね着していたスモ
ーキーですが、もうちょっと肉体的にも精神的にも修行を積んで、来年のト
ーナメントでの一層の奮闘を期待しておきましょか。
★★DISC−2★★
@King of the Death Matches 2004 tournament 1st round #3
Thumbtack Death Match :
Manslaughter vs. Trik Davis
予選第3試合はまだ23歳と実況者が解説していたデイヴィスと、W★IN
GやFMWやIWAジャパンなどの日本国内インディ・マットをのきなみ荒らし
まくった、あの“猟奇殺人犯”レザー・フェイスのギミックを丸々パクッたマン
スローターとの顔合わせ。おいおい、ナンボこの世界がやったもの勝ちだ
としてもチェーン・ソーまで振り回しているマンスローターの姿を知ると、草
葉の陰で眠る茨城社長(あ、まだ存命でした??)も怒って来まっせ。
試合はリング上にバラ撒かれた画鋲の山の上に、デイヴィスがマンスロー
ターのチョーク・スラム・パワー・ボムにて背中から落とされ憤死でしたワ。
○場面は変わって...
優勝候補の一角を占めるコーポラル・ロビンソン、バック・ステージで力強
く決意を述べておりまっせ。
AKing of the Death Matches 2004 tournament 1st round #4
Four Corners of Pain Match :
(barbed wire, thumbtacks, mouse traps, and light tubes) :
Tank vs. Deranged
予選第4試合は巨漢同士の激突。デランジドと相対するは、NWAワイル
ドサイドからの刺客であるタンクです。どうやらタンクはこの日がIWA−MI
DSOUTH初登場らしく、この試合のために公認された有刺鉄線、画鋲、
ねずみ捕り、蛍光灯の4種類が設置されたベニヤ板とは別に、自身の専
用凶器として小型の鎌を持参しておりまして、体格では五分五分のデラン
ジドを一方的に攻め続けます。で、最後はコーナーにうずくまったデランジ
ドに蛍光灯ボードを抱かせ、そこに勢いを付けての体当たりを敢行。哀れ
デランジドは虫の息となってしまいましたが、ホントに怖い思いをしたのは
このフィニッシュ・シーンを蛍光灯の破片を頭から被りながらハンディ・カム
を回し続けた、SMARTMARK差し向けの映像撮影者かもね(苦笑)。
○場面は変わって...
闘いが終わればノー・サイド。バック・ステージではタンクとデランジドが
血だらけで互いの健闘を称え合っております。
BKing of the Death Matches 2004 tournament 1st round #5
Fans Bring The Weapons Match :
Ian Rotten vs. "Spyder" Nate Webb
予選第5試合に登場したのは、通常ルールのプロレスでもデス・マッチ
でも難なくこなす若手の筆頭格であるウェブ。これからデス・マッチをする
のに緊張感を表情ににじませるでもなく、軽くステップを踏んでのリング・
インや。けどウェブの前に立ちふさがるのはIWA−MIDSOUTHの首領
にして1997年と2001年のデス・マッチ王であるイアン・ロットン。
試合開始直後こそ両者ともに相手の動きを伺った静かな滑り出しであっ
たけど、ロットンの蛍光灯を添えた頭突きが火を噴いて様相は一変。
お客の持ち込んだピザ・カッターによってウェブの額が切り刻まれ、蛍光
灯攻撃での追い討ちがあり、最後はロットンによってウェブが蛍光灯で組
み立てられたやぐらへとスープレックス葬...。
イアン・ロットン、3度目のデス・マッチ王へ向けて視界良好の様ですな。
○場面は変わって...
闘いが終わればノー・サイド。バック・ステージではロットンが血だらけと
なってしまったウェブの健闘を称えております。
CKing of the Death Matches 2004 tournament 1st round #6
Two out of Three Log Cabins of Glass Match :
Corporal Robinson vs. Dysfunction
予選第6試合は、リング下に設営された3個の蛍光灯やぐらへ先に対
戦相手を2度叩き込めば勝ちってルールで、デス・マッチ王座に執着を見
せるコーポラル・ロビンソンがディスファンクションを迎え撃つって図式。
さすがにロビンソンは気合が入っている様で、蛍光灯系の試合をやるの
にTシャツ着用ではお客さんに申し開きが立たんと、ゴングが鳴ると共に
上半身裸に。お客さんにもロビンソンの心意気が通じたんやろね、一斉に
拍手と歓声が上がりましたワ。で、試合の方なんですがロビンソンはディ
スファンクションに蛍光灯やぐらへ投げ込まれてポイントを先行されたもの
の、余裕を持って逆襲を開始しポイントをイーブンとして、最後は雪崩式の
川津落しでディスファンクションを蛍光灯葬にしてフィニッシュ。イアン・ロッ
トン同様にロビンソンも予選道中好発進でっせ。
DKing of the Death Matches 2004 tournament 1st round #7
Fans Bring The Weapons Match :
Mad Man Pondo vs. JC Bailey
予選第7試合は『デス・マッチ界、血の兄弟仁義』とワシが勝手に名付
けたポンドとベイレイの激突。これまでにもアチコチの団体で手の合った
各種のデス・マッチを披露してくれている両人ですが、この日もデス・マッ
チのクオリティは水準以上を楽々とキープ。ベイレイの放った蛍光灯を添
えてのドラゴン・ロケットを口火に、蛍光灯を使用した各種攻撃のバリエー
ションが次々に繰り広げられ、最後はベイレイがポンドによって会場後方
の階段席足場より即席の椅子&蛍光灯トラップへとスープレックス葬され
試合は終焉となりました。
尚、激闘に精根尽き果てたポンドに忍び寄る黒い影ひとつ。おや誰かい
なと思ったら、次の試合でネクロ・ブッチャーと対戦するトビー・クレインや。
なんとポンドの額に工業用大型ホチキスで1ドル紙幣を打ち込み、そこに
ライターで火を放つ大暴挙。これは新たな遺恨の勃発か?。
EKing of the Death Matches 2004 tournament 1st round #8
Fans Bring The Weapons Match :
"Mr. Insanity"Toby Klein vs. The Necro Butcher
いよいよ8試合組まれた予選のラスト。間抜けで能天気なカントリー・ミ
ュージックに乗って会場に姿を現したのは、2002年度のデス・マッチ王
にしてワシの個人的なお気に入りであるネクロ・ブッチャー。Dの試合後
にポンドへ卑劣な暴行劇を演じたクレインとの対戦ですワ。
試合はお客さんが趣向を凝らして手作りし、各自会場へと持ち込んだ雑
多な公認凶器を自由に使って良いってルールでして、乱戦中にブッチャー
が放った鉄拳がモロにクレインの顎に入り、このお返しだとクレインが会
場後方の階段席から床面へブッチャーをパワー・ボム。多分この荒技によ
ってブッチャーは後頭部をしたたか打ったんやろね、ガクンと動きが鈍って
しまいますんや(そら当然や、あの攻撃はキツイでっせ)。
以降、らしからぬコーナー越えのサマー・ソルト・アタックなんて珍品を繰
り出すなど、必死にクレインに反撃を試みるブッチャーでしたが、乱戦の
巻き添えを喰らってレフェリーが失神したのが運の尽き。優勝候補の一角
であったブッチャー、クレインによって椅子へデス・バレー・ボムにて投げ
付けられ無念の敗退ですワ。ウーン、これは今年のトーナメント、波乱含
みの展開ですな。
○場面は変わって...
勝者クレイン、目付きが完全に“イッて”ます。
○場面は変わって...
敗者ブッチャー、こちらも目付きが完全に“イって”ます。
デス・マッチ・トーナメントの2日目の様子はこちらをどうぞ! |

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