では収録内容の詳細を

このDVDはPAL方式で収録されており、通常の国産モニターでは
鑑賞できませんので、ご購入の際はご注意下さい。

NOVEMBER TO REMEMBER 1997
(PAL版)(約2時間37分収録)
 どこの団体もそれなりに歴史を刻むと、ヒット企画ってやつが生まれ
てくるモンですやんか。全日プロなら暮の『最強タッグ戦』、FMWなら
『川崎球場興行』、勿論WWFならご存知『WRESTLEMANIA』です
わな。で、ECWではと言うとこれは93年以来毎年11月になると開催
される『NOVEMBER TO REMEMBER』ですんや。
そこでこのDVDの登場ですワ。内容は97年11月30日にペンシルベ
ニア州ピッツバーグのマノーカ・ゴールデン・ドームにて開催された興行
を収録したものです。
尚、この興行は以前サムライTVでも3回に分けて放送されたことがあ
りますが、その時は放送時間に合わせるために、実際の試合順序とは
異なった順番で流されました。けど当然本DVDではそんな野暮な編集
もおまへん。
さぁ策士ポールEが練りに練ったネタが満載の同興行、しかと見届けま
しょか。

@まずは前口上
  年間最大興行の開催に、毎度お馴染みの解説者ジョーイ・スタイ
 ルスも気合充分のようですワ。
AChris Candido & Lance Storm
 vs. Tommy Rogers & Jerry Lynn
  ファンタステックスなるユニットを結成したり、全日本プロにも幾
 度か来日したりとそれにりに日本でも名の通ったロジャース。この
 頃はECWにワラジを脱いでたんです。さてこの試合、当時の週プ
 ロや現在ネット等で調べてみてもタッグ戦として表記されとるんで
 すが、元々はキャンディード君とロジャースのシングル戦やったん
 ですワ。ところが試合の中盤にキャンディード君をヘルプするため
 にストームが介入。ならばとロジャース側にはリンも加わって、仕
 方ないなァ(笑)とレフリーがタッグ戦への変更を通告。晴れて正
 式にタッグ戦となったんですな。肝心の試合内容ですが、芸達者な
 選手ばかりでありレベルは高いでっせ。で、ワシが止めないとこい
 つら何時までも試合をしよるってレフリーが判断したんでしょうな。
 やや光速カウント気味1,2,3で、キャンディード君がロジャース
 をピン。今夜はPPVなので放送時間も限られとるから最初っから
 時間延長は出来ないモンね。レフリーの好判断でしたワ(苦笑)。
AMikey Whipwreck vs. Justin Credible
  ものの弾みでオースチン(出場してたんでっせ、ECWに)をフォー
 ルしてしまったマイキー君。旋回式墓石パイルでサスケ(出場してい
 たんでっせ、ECWに)をフォールしたジャスティン。両者とも絶好調
 で今夜を迎えております。これまた高レベルの攻防が展開されモニ
 ター画面に食い入ってしまうこと請け合いの一戦。最後は雪崩式の
 スタナーでジャスティンに凱歌が。あ、ジャスティンのセコンドに付い
 ている『両刀使い』のジェイソンにも注目やで。
Bアル・スノー、大いに吠える!
  今夜は試合を組まれなかったアル、同じ境遇にある他の選手を
 集めてロッカー・ルームでむくれておりますワ。
Cサブゥとサンドマンの抗争史
  これまでの両者の絡みをポール・Eが熱く語ってます。
DECW TV Title Match : Taz vs. Pitbull #2
  この当時のタズの佇まい、ホンマに格好エエね。もともと小柄な
 選手なので大柄のピットブル2号と対峙すると体格的には見劣りす
 るんやけど、体中から発するデンジャラスなムードはピットブル2
 号とは段違いやモンな。で、試合は開始されたんやけど、これが何
 とタズのワンサイド・ゲーム。ベリー・トゥ・ベリー・スープレックス、
 T・ボーン・タズプレックス、タズ・ミッションのフル・コースにてピット
 ブル2号を秒殺や。ウーン、この試合、ポール・Eはタズの圧倒的
 な強さを見せると共に、当時岐路に差しかかっていたUFCへの最
 終回答を出したかったのかも知れまへんな。
Eビガロとダグラスの抗争史
  これまでの両者の絡みをポール・Eが熱く語ってます。尚、本興行
 に先立つ約1カ月半前の10月16日、ニュー・ヨークはクイーンズで
 の興行においてダグラスはビガロにベルトを奪われており、その後
 11月8日のECWアリーナ定期戦においてリターン・マッチを行った
 ものの返り討ち(この時の模様は挿入されとりましたデ)に。
 ただしタイトル移動の直前まで、ダグラスとビガロはキャンディードと
 3人でトリプル・スレットってユニットを結成していたはず。実際、97年
 9月20日の定期戦『As Good As It Gets』ではビガロもキャンディー
 ドも選手紹介の際にはトリプル・スレットのメンバーであると説明され
 ておりました。それが何時、何を契機にダグラスとビガロは争う事に
 なったのやろ。どちら様か、ここら辺りに詳しい方は居られまへんか。
 また、この当時大受けやった、ビガロによるスパイク・ダッドリーの
 客席ポイ捨ても併せて収録。伝説の場面を目撃してや!!
FECW Tag Title Match :
 The FBI vs. The Dudleys vs. Balls Mahoney & Axl Rotten
 vs. New Jack & Kronus
  いずれ劣らぬ名チームによる4WAYダンスって書きたいんです
 が、ここではニュー・ジャックとクローナスが組んでいることに注
 目。中期ECWを支えた名物コンビであるギャングスターズとイリ
 ミネーターズがそれぞれ諸事情あって解散したことによる苦肉の
 策なんやろな。試合はダッドリーズお抱えのリング・アナであるジ
 ョエル・ガートナーが毎度の事ながら長時間のメンバー紹介をし
 ているところを、マホーニー&ロットンが襲撃して幕開き。追ってゴ
 ミ箱一杯の凶器をリングにブチ撒き、ニュー・ジャックとクローナス
 が加わって4WAYに突入。あっと言う間に大半の選手が流血する
 事態へとあいなりました。尚、ここでの注目はFBI(最近WWFに
 昇格したナンジオことグイドーも居るデ)のマネージャーに収まる
 元NWA王者トミー・リッチによる流血スポット。ニュー・ジャックの
 ギター・ショットを受けて匠の技(笑)を見せてくれましたワ。
 さて試合は敗者組排除方式で、まずニュー・ジャックとクローナス
 が消え、続いてジョエル・ガートナーのパウダー誤爆により視界を
 奪われたババ・レイが相方Dボンに必殺の3Dを見舞ってしまう大
 チョンボ。最後はFBI側レフリー(?)の光速カウントにより、グイド
 ー&スマザーズ(渋い!)がタッグ王座をゲットしとります。
Gドリーマー&ビューラ、会場入り
HドリーマーとRVDの抗争史
  当時ECWとWWFは摩訶不思議な業務提携関係にありまして、
 WWFの看板番組『マンデー・ナイト・ロー』(現在のRAW)をも
 じってRVDは『ミスター・マンデー・ナイト』を名乗っていたんです。
 またダグ・ファーナス&フィル・ラファンがWWFから出向形式で参
 戦しており、RVDやサブゥを操るビル・アルフォンソと結託したた
 め、ECWって団体の中にWWF一派が出来てたんですな。
 そらECWの精神的支柱であるドリーマーとは上手く行きませんワ。
 ってな事をポール・Eが熱く語っております。
IFlag Match :
 Tommy Dreamer vs. Rob Van Dam
  上記した事情を清算するための試合。察するにRVDがWWFの
 社旗を、ドリーマーがECWの社旗を、各々掲げた方が勝ちですワ。
 両軍配下のレフリーやマネージャーの絡みといったネタを盛り込ん
 で見所満載と書きたいところなんやけど、なんと試合の前半が何故
 かバッサリとカットされとるんですワ。これは残念な事でっせ。
 試合は終盤WWF一派のダグ・ファーナス&フィル・ラファンが介
 入し、そこにWCWを解雇されたばかりのスティービィ・リチャーズ
 までが登場。寄ってたかってドリーマーを蹂躙し、ECWマットの
 上に誇らしげにWWF社旗が翻ってしまいました。 
JTable and Ladders Match :
 Sabu vs. Sandman
  Iの試合後、ドリーマー蹂躙にサブゥまでが加わりドリーマーの命
 もここまでかと思わせた(思ってないって)まさにその時、メタリカの
 ヒット曲『エンター・サンドマン』のイントロが会場に。
 いやー、この瞬間の刹那、ECWを好きで良かったと思わせるに充
 分な演出やね、と書きたいんですが(今回、このパターンが多いな)
 何と版権関係がクリアーされてないからやろね、ボーカル挿入部は
 殆ど聞き取れないように処理されとりました...残念無念。
 けど試合内容は壮絶でっせ。リング下のテーブルを、大中小の脚立
 を利用して如何に観客にインパクトを与えて破壊するかって競争
 たいなもので、そこに伝統的なプロレスのムーブが加味されとるん
 やから、スリルとサスペンスがテンコ盛り状態。
 一応サブゥが勝利を得るんですが、リング上に一人残されたサンド
 マンには終わる事のないスタンディング・オベーションの嵐。
 プロレスが勝敗だけを競う競技ではないって再認識いたしましたワ。
KECW Title Match :
 Shane Douglas vs. Bam Bam Bigelow
  Eで記したように、ベルトを奪ったビガロへのダグラス先生による
 復讐戦(しつこいようやけど、両者の抗争の発端を知りたいワ)。
 あ、この試合もビガロのテーマであるガンズの『ジャングル』やダグ
 ラス先生のテーマである深紫の『完全異邦人』は無残に音声処理さ
 れとりましたワ。
 さて本興行が開催されたペンシルベニア州のピッツバーグと言いま
 すとダグラス先生のホーム・タウンなんですな。いわば本興行は凱
 旋興行であり、地元に錦を飾る試合なんです。それがECWにおけ
 る年間最大興行のメインなんやからダグラス先生も意気込みが違い
 ます。で、どんな手法を駆使してメインを張るんやろって注目したんで
 すが、ダグラス先生は20分以上の試合時間の大半を、巨漢ビガロの
 猛攻を受け続けることを選択したんですワ。文字で書くと安易に感じ
 られるかも知れまへんが、これはなかなか容易くやれる事やおまへ
 んデ。さすがオールド・スクールの番人であられるダグラス先生や。
 結局攻め疲れてバテバテのビガロを、ダグラス先生が椅子&テーブ
 ルの破片で組んだ凶器へとベリー・トゥ・ベリー・スープレックスで叩き
 つけて虎の子のベルト奪回となっとります。
 しかしこんなしんどい手法による地元への錦の飾り方もあるんやね、
 ホンマにECWを観ると勉強になりますワ。
 【追記】ダグラス先生とビガロの抗争の発端については、10月16日
  の定期興行の模様を収めた『RF-VIDEO』作製のファン・カムDVD
  −R『Beast of the Extreme』に詳しく書いておきました。
 


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