では収録内容の詳細を

ANARCHY RULZ 1999 (約2時間23分収録)
  99年9月19日のPPV、『アナーキー・ルールズ』を完全収録
 当時パーフェクTVでも有料中継があって、多分千五百円で
 鑑賞できたはずで、ワシも申込をしたクチです。
 まず恒例の前説は、ジョーイ・スタイルスとサイラスにて。
 スタイルの「TONIGHT、CHICAGO、ANARCHY-RULZ!」の
 掛け声で開幕します。
 補記しますが、これはシカゴで行なわれた興行です。

@Lance Storm vs Jerry Lynn
  『パーソナル・ビッチ』と紹介されたダーン・マリーを引き連れて
 登場した地味なストーム。相手もこれまた地味なリンであるが、
 さすがにオープニングを任されただけあって内容は濃いですワ。
 それにしても地味な選手に派手な女子マネってのは、万国共
 通ですな。
ASimon Diamond & Devito
 vs Chris Chetti & Nova
  「サイモンは問題を抱えている」ってのがキメ台詞(?)らしい
 サイモン・ダイアモンド。今夜の問題は、どうやらタッグ・
 パートナーが見つからない事らしく、誰かいないかと公募。
 ここに声を上げたのが、今やWWF女子部門随一の実力派
 としてすっかり定着した感のあるジャズ。
 しかしここでは顔ではないと排除され、デヴィトを相方に、
 チェッテイ&ノヴァとの試合に突入。開始早々ノヴァが足を
 捻ったのか戦線離脱。ディヴトも簡単な技をミスし、観客
 全員が立ち上がって「YOU FUCK UP!」の連呼。
 いきなり今夜の興行に暗雲が立ち込めて来ました。
 これを機に、ロード・キル、ダニー・ドゥーイング、CWアンダ
 ーソンらが乱入。でもここでの注目は、彼等と一緒にリングに
 上がっている女性。なんと現WWFのリタですワ!!
 まだ全然試合には絡めませんが、最近リタのファンになった
 人なら驚かれるかも知れませんな。
 ま、ここまではこの後に乱入してくるニュー・ジャック親分の
 ための壮大な前振り。親分は今夜も凶器をワンサカ持込み、
 ビリヤードのキューで殴るは、工業用大型ホチキスで相手
 の額を打ち抜くは。とどめはお待ちかねのギター・ショットで。
BYoshihiro Tajiri vs Super Crazy
 vs. Little Guido
  名物トリオであった『純血イタリア人』の生き残りである
 グイドー、メキシコからの出稼ぎ職人クレイジー、
 ヨ・コ・ハ・マ・ジャパンからはタジリ。たっぷりタジリの芸を
 観て下さいってのが狙いであろう3WAYダンス。
 やはり先にグイドーに土が付き、以降はクレイジー相手の
 試合となりますが、手に汗握る攻防もタジリの勝利で幕に。
 3WAYダンスのさばき方、シングル・マッチでの攻防と、
 タジリ・ファンには一粒で二度美味しいグリコのような試合。
【場面変わって】
  控え室ではライノ、ジャック・ビクトリー、スティーブ・コリーノ
 の面々がアピール。
 客席にはスマッシング・パンプキンズのヴォーカル担当で
 あるビリー・コーガン氏が。
CJustin Credible vs. Sabu
  『世界一セクシーな男』であるジェイソンと共に、今夜サブゥは
 現れないとジャスティンがアピール。
 ここで会場が暗転し、ライトが点けばリング上には得意の
 ポーズを決めるサブゥの姿。ここから試合は開始ですワ。
 机壊し、流血を強いられたジャスティと、何時ものサブゥ・
 ワールドが楽しめるものの、こころなしかサブゥに徒労感が
 感じられるようで...。
DTaz vs. Masato Tanaka vs. Mike Awesome
  世界王者であるタズのベルトに挑戦するは、ワ・カ・ヤ・マ・
 ジャパンとキチンとコールされた田中。和歌山なんて言葉が
 アメリカの番組の電波に乗ったのは、これが初めてやない
 んやろか(?)。
 で、試合が始まろうとする直前、客席奥からオーサムが
 現れ、これに気付いたタズがオーサムを兆発。
 最初は必死に止めるプロデューサーのポールEであるが、
 ホントに止めてしまったのでは話が続きません。
 「ほんとに二人を相手に戦いたいのか、それなら3WAY
 ダンスだ!」との絶叫で、急遽王座戦は3WAYに変更。
 英語が苦手であろう田中が、事前にどれだけ説明を受けて
 いたのか非常に興味のあるところではあるな(笑)。
 尚、この試合の背景は複雑であり、下に<総評>として
 説明してあるので、こちらも読んでみて下さいな。
ETommy Dreamer & Raven vs. Steve Corino & Rhino
  オーサムのように新たにやって来た者、タズのように上を
 目指して旅立とうとする者がいれば、夢打ちひしがれて
 生家に帰ってくる者や、己の現状にもがき苦しむ者もいる。
 前者はレイヴェン、後者はドリーマー。ともに看板選手で
 あったはずなのに、どこで歯車が狂ったのか。
 正直、観ていて辛い試合であるが、ZERO−ONEで
 ブレークするコリーノが重い空気を払拭してはくれる。
 またここでは、ライノにも注目して欲しいですな。
FRob Van Dam vs. Balls Mahoney
  メインを締めるRVD。相手は『デッカイ金玉』がギミックの
 マホーニー。RVDに文句はないが、マホーニーがメインに
 出てエエんかいなって思ったワシでしたが、頑丈な体を
 フルに活かして、見事にRVDの相手を務めてくれました。

<総評> タズの試合の背景について
  この興行の時点で、タズのWWFへの栄転が決まっていま
 した。これはポールEを始め、選手全員が知っていたはずで、
 それどころか客席にもその事を察知したファンが掲げる
 サイン・ボードがチラホラと見えます。
 さてタズはこの時ベルトを持っていたのですが、そうなると
 会社からの退団方法がクローズ・アップされてきますワ。
 当然、ベルトを持ったまま競合他団体への移籍なんて
 もっての他ですがな。
 で、組まれたのがこの試合って訳ですワ。
 試合開始早々、田中とオーサムの二人に簡単に押さえ
 込まれたタズ。殆ど抵抗もせずにあっさりと『聖火』を次の
 走者達に差し出します。そして感動的なのが、まだこれから
 田中とオーサムの王座決定戦が続いていくところであるに
 も関わらず、ポールEを始めとする控え室にいる選手の
 大半が花道に現れ、タズの『チーム・プレー』を賞賛する場面。
 尚、決定戦はECWマニアも唸る過激ファイトの末、田中を
 破ったオーサムが勝利。改めてベルトをオーサムに手渡し
 て花道を引き返すタズ。ポールEとの熱い抱擁を、観客達の
 タズ・コールが優しく包みます。断言しましょう。
 こんな雰囲気は、純格闘技では決して味わえません。
 皆さんも購入されて、一度この場面を観て下さいな。
 【補記】ここをお読みいただいた方々は、まるでこの試合が
  ECWマットでのタズの最終試合であると思われるでしょう
  が、実は9月24日のミシガン州はプライマウスのコンプウ
  ェア・スポーツ・アリーナ大会及び10月22日のニュー・ヨ
  ーク州はポキプシー大会では宿敵サブゥと、10月30日の
  オハイオ州はデイトン大会ではマイク・オーサムと、11月
  7日のニュー・ヨークはバッファローにおけるPPV『Novem
  ber To Remember '99』ではRVDと、各々タズは一騎討ち
  をやっているですワ。これらの夜の模様の詳細はレビュー
  として順次アップいたしますので、もし興味をお持ちいただ
  いたなら、是非そっちもご覧いただけたらと思います。


トップへ
戻る