では収録内容の詳細を

RETURN OF NIGHT OF
THE SKYWALKERS
(DVD-R) (約2時間3分収録)
 今回ご紹介いたしますのはDVDではなくって、DVD−R。当HPでは既
にお馴染みの米国の通販サイト『HIGHSPOTS』にて、送料別で14.95ド
ルにて販売されている、ちょっと怪しげな作品でおます。
で、その怪しげなDVD−Rに収められている内容なんやけど、CCWって
ローカル団体が2005年4月9日にノース・キャロライナ州のマルベリー・
レック・センターを超満員にして開催した定期興行の様子を収めたもの。
さて、このCCW(Carolina Championship Wrestling)って聞き慣れない団
体(ワシだけ?)ですが、ここはトニー・ハンターって人が別名『フレアー・
カントリー』と呼ばれるノース・キャロライナを根城にプロモートしている団
体みたいでして、NWA華やかなる頃のビッグ・レジェンド達を招聘しては、
古き良きアメリカン・プロレスをワシら好き者達に提供してくれてますんや。
では早速DVD−Rを再生してみましょか、って書きたいところですが、毎
月1度の定期興行で新たなネタを振り、古いネタにオチを付けるのがCC
Wの基本姿勢のようでして、まずは3月12日の定期興行から振り返って
いただくと、以下のワシの拙いレビューもいくらかは楽しんでいただける
のではないかと思います。

○オープニング
  地元の女の子(?)がリングに上がり、アメリカ国歌を斉唱。WWEの
 リリアン嬢みたいなプロのお仕事やないし、伴奏もセコなものやったけ
 ど、客席も全員起立しての力強いものでして、これを見ていて『国歌を
 胸を張って歌える事って素晴らしいなさ』と感じた道頓堀次郎でした。
 あ、これをもって短絡的にナショナリズム云々なんて言わないでね。
○今夜は2カメで迫力アップ!
  先に紹介済みの3月12日の定期興行を収録したDVD−Rですが、こ
 れは会場奥からの固定カメラ1台で撮影された映像でして、選手個々の
 微妙な表情がワシらには伝わりにくかったのですが、今夜はハンディ・カ
 メラも導入されており、編集も丁寧に施されている事から、見易さや迫力
 が飛躍的に向上しております。 
@Tommy Gunn vs. Jason Jones
  オープニング・マッチは長身で力のありそうなトミーと、ちょこちょこと動
 き回って相手を撹乱させるのが常套手段と思われるジェイソンの顔合わ
 せ。共に3月12日の定期興行にも出ていましたな。試合はトミーがゴリ
 ラ・プレス、アンダーテイカーばりのラスト・ライドと攻めまくって幕に。
A"Chief"Jay Eagle & Brad Tomahawk
 vs. Jason King & Mike Lee
  ここでの注目は、アジア系の顔立ちのリーと、インディアン・ギミックの
 イーグルやろか。特にワフー・マクダニエルに師事したらしいイーグル
 綺麗な飾りの付いた装飾具を頭に纏いなかなか豪華絢爛な感じや。
 さて試合の方なんやけど、ブラッドがキング&リーの早いタッチ回しにロ
 ーン・バトルを強いられる展開。こうなると何時、どのような形でイーグル
 に出番が来るかが見所になるのやけど、前座試合に与えられた10分
 程度の時間いっぱいをブラッドが攻められ続け、最後の最後に残った
 力を振り絞ってイーグルにタッチ。これでイーグルが勇躍リング・インや。
 当然客席も沸き立ち、イーグルの大活躍によってブラッドがキングを丸
 め込み逆転勝利。これ、教科書通りの定石展開ダッグ・マッチでしたワ。
BBrad Anderson vs. Bobby Fulton
  毎回毎回、古のビッグ・レジェンドが大挙出場するCCWの定期興行で
 すが、今月はまず元ファンタスティクスの片割れボビー・フルトンで客席
 のご機嫌伺い。対するブラッド・アンダーンも、かの“ミネソタ・レッキング
 ・クリュー”のオリジナル・メンバーであるジーン・アンダーソンの息子さん
 だそうで、なかなか興味深い顔合わせや。ただしギャラもしくはCCWに
 よる扱いの悪さが気に入らなかったのか、フルトンは老獪とは名ばかり
 のいかにもダルそうなファイト振りに終始。ブラッドにより蹴りを腹部に受
 け、さしたる抵抗もせぬままに敗退してしまいました。
 注:フルトンを『古のビッグ・レジェンド』と表記しましたが、それは違うや
 ろって思われる方がいらっしゃっても、ワシは特に反論はいたしません。
CMasked Superstar vs. George South Jr.
  続いての古のビッグ・レジェンドは、『流星仮面』として一世を風靡した
 マスクド・スーパースターの登場。ジョージ・サウス(ワシは詳しくは知ら
 んのですが、フレアーとも対戦したことのある選手だそうで)の息子って
 触れ込みのジョージ・サウス・ジュニア相手の一戦でして、試合開始早
 々ジュニアをヘッドロックで絞り上げる仕草ひとつで、「おぉ、やっぱり格
 好エエなァ」なんて思わせてくれよりました。で、ジュニアの反撃が始ま
 った途端、レフリーを盾にしてピンチを回避し、モロに確信犯的な反則負
 けを演出。ウーン、先のフルトンと言い、このマスクド・スーパースターと
 言い、もうちょっとワシらを楽しませて欲しかったな。ワシらも元々勝敗
 になんて拘っとらんのやから、例えば十八番(←日本でだけ?)のジャ
 ンピング・ネックブリーカー・ドロップを見せてくれるとか...。
DKid Kash vs. C.W. Anderson
  特集DVDの売れ行き良好に気を良くしたらしく、WWEが一夜限りの
 ECWの復活興行を開催するなど、なにやら2005年はECW再評価の
 年となりそうですが、ここにも末期ECWに籍を置いた者が二人。
 NWA−TNAのスーパースターと紹介されたキャッシュと、派手さはな
 いけど地味で渋い芸風で日本マットでもブレーク中(らしい)CW・アンダ
 ーソンの対決ですワ。この試合、さすがにBやCとは違って、両者の現
 役感覚がひしひしと伝わって来るものでしたデ。特にキャッシュの左腕
 に狙いを絞ったCWの理詰めの攻撃にはちょっと唸らされたし、加えて
 アーン・アンダーソンばりのスパイン・バスターにも痺れさせられた。
 しかもキャッシュを翻弄しまくった末に、キャッシュから旋回式のDDT一
 発を喰らってのフォール負けを志願か。うん、CWは良くなったね。
E場面は変わって...
  ダスティ・ローデスの伝記『アメリカン・ドリーム』(HIGHSPOTSでも
 絶賛発売中!)を片手にリングに現れたのは、テリー・ファンク爺。
 同時代を戦った歴代の猛者達の名を挙げて片っ端から貶した挙句、ロ
 ーデスにまでウダウダと口撃開始。客席を煽って、ローデスをリングに
 引っ張り出そうとするのですが...。
FMixed Tag Team Match :
 Krissy Vaine & Brad Attitude
 vs. Amber O'Neal & Kevin Matthews
  暴虐渦巻く(?)CCWマットに咲く可憐な花二輪。クリッシーとオニール
 の綺麗どころ(ってほど綺麗やないけど)2人からなる『Team Blondage』
 の事なんですが、今夜はブッカー殿の陰謀か、それぞれが男子選手と
 チームを組み、ミックスド・タッグ戦にて激突するトホホな羽目に。
 それぞれ気乗りしない様子のクリッシーとオニールなんやけど、それで
 もまぁ仲良くやりましょうって気持ちを切り替えてのゴング。
 しかしどこの世界にも他人の気持ちの分からぬ奴は居るもので、オニー
 ルのパートナーであるケヴィンがルールを堂々無視して、女子であるク
 リッシーに手出し。で、これ幸いと早速『Team Blondage』が結束し、アテ
 ィテュードと3人でケヴィンを袋叩き(ってほど酷くはなかったけど)。
 当然ケヴィンに土が付くのやけど、なんとも分かり易く、ハート・ウォーム
 な内容ではありました。
GNWA World Heavy Weight Championship :
 Jeff Jarrett vs. Dusty Rhodes
 Special Referee "Boogie Woogie Man"Jimmy Valiant
  『ブギ・ウギ・マン』ジミー・バリアントを特別レフリーに招いてこれから
 行いますは、年配者のファンには涙もののNWA世界王座戦!。
 で、経営不振が伝えられるNWA−TNAのPRなのか、目先のセコなギ
 ャラ(取り立て屋さんから追い込みでも掛かっていたりしてね)が必要だ
 ったのか、ダブルJことジェフ・ジャレットが『世界最強の証』であるベルト
 と共にリング・イン。現在とは比較にならない程にNWA世界王座っての
 が幅を利かせていた時代に、3度も同王座に就いた経歴を持つ『アメリ
 カン・ドリーム』 ダスティ・ローデス相手の防衛戦が始まりましたんや。
 けど、どうにもこうにも真剣味の足りないファイトでダブルJは序盤を完全
 に支配(苦笑)し、これに苛立った(??)ローデスによるバイオニック・
 エルボーがダブルJの脳天目掛けて大噴火。これでは虎の子のベルト
 が流出と焦った(いや、全く焦ってなかったやろけど...)ダブルJが反
 則負け覚悟でパイプ椅子を振り上げ、特別レフリーの『ブギ・ウギ・マン』
 が身体を張って目前の蛮行を徹底阻止。ウーン、なにやらNWA世界王
 座戦って感じのどんよりとした雰囲気がリング上に充満して来ました。
 で、そろそろ『ダスティ・フィニッシュ』の時間やろかなと思った途端、リン
 グ上にヨタヨタと忍び寄る(笑)黒い影一つ。そう、誰あろう、・ローデスの
 伝記『アメリカン・ドリーム』を手にしたテリー・ファンク爺ですワ。
 ファンク爺、小銭(?)を仕込んだと思われる伝記『アメリカン・ドリーム』
 でローデスの後頭部に卑劣過ぎる一撃をお見舞いし、これを千載一遇の
 好機とダブルJがちゃっかりとローデスを泥棒フォール。
 いやはやダブルJは虎の子のベルトを防衛出来たし、ローデスとファンク
 爺は新たな遺恨作りが出来たし、お客さんは喜んでいるし、誰一人とし
 て貧乏くじを引く事のない完璧な幕引き。これぞ『21世紀のダスティ・フ
 ィニッシュ』ではないでしょうか!!!。
HScaffold Match :
 The Rock 'n' Roll Express (Robert Gibson & Ricky Morton)
 vs. The Midnight Express (Dennis Condrey & Bobby Eaton)
  CCWマットを戦場に、前世紀より連綿と続く遺恨劇を今もなおしつこく
 演じ続けるR&R超特急組と深夜超特急組。3月12日の定期興行で行
 われた、『最初に流血した者が負けよ』ルール戦で、深夜超特急組の姦
 計にまんまと嵌められたR&R超特急組が、今夜は『高所足場から落と
 されたら負けよ』ルール戦で復讐を誓うって図式です。さて、マットの上
 部約3m程度のところに建設工事用の簡易足場を組んでこしらえられた
 今夜の戦いの舞台なんですが、まずは4選手入り乱れてリング内で戦
 い模様を披露。そうか、ただでさえ動きに制約の出る高所足場戦をタッ
 グでやるんやから、高所足場からの落としっこはひとまず置いてってと
 ころなんやってワシは直感しました。しかしワシの読みは丸外れ。
 リング内では1分も戦わぬまま、一人、また一人と両組のメンバーが高
 所足場へと歩を進め、極々僅かばかり全員がダラダラと高所足場で絡
 み合ったと思ったら、深夜超特急組のボビー・イートンがR&R超特急
 組のリッキー・モートンへ実にセコ過ぎるパウダー攻撃を一閃。
 これでモートンがマット上に落下(足場にしがみ付いた末に足から落ち
 たので、まぁ1m程度の落差でした)。なんと4分弱の省力試合でした。
 でもプロレスの試合って長時間やからグッド・マッチかって問われたら否
 ですやんか。僅か4分弱でも、現在の両組の持てる力と技量の全てが
 凝縮された素晴らしい試合でしたデ(いや、ホンマに...)。
【補記】 『HIGHSPOTS』のHPによると、R&R超特急組と深夜超特急組
 が『高所足場から落とされたら負けよ』ルール戦で戦うのはこれが2度
 目だそうで、1度目はビル・ワッツのプロモートするミッド・サウス・レスリ
 ングにおいてニュー・オリンズのスーパー・ドームを舞台に行われたそう。
 で、このDVD−Rのタイトルは『リターン・オブ〜』となっているんですワ。

【特典映像】
○テリー・ファンク爺とローデスのアジテーション
  控え室での収録で、ファンク爺は3テイク、ローデスは2テイクを収録。
 けど、ファンク爺のなんてローデス襲撃後のアジテーションやなしに、本
 編Eでの『口撃』のカメ・リハだったのではと思わせる場面も。
 いや、まさかこれ、ホンマにカメ・リハなのでは???。
○テリー・ファンク爺の大暴走
  本編Gでは短く編集されていた、ローデス襲撃後のテリー・ファンク爺 
 の大暴走の模様が、ここに丸ごと収録。レフリー達をシバきまくる大暴れ
 でっせ。けど丸ごと収録って言っても、本編プラス1分程度。わざわざボ
 ーナス収録にしなくとも、本編で全部収録したら良かったのにな。
 併売のVHSテープと差別化したかったんやろかねェ。


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