では収録内容の詳細を

A NEED TO BLEED 2005-3-15
(DVD-R)(約1時間57分収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
20ドルにて発売されている団体公認(?)の代物でして、ワシは我が国で
唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田のイグ
ニッション・レコードさんで2,900円にて購入しました。
別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつもりはないけど、米国か
ら通販で直接購入すると送料込み27ドル必要となるので2,900円っての
は非常に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容ですが2005年3月15日にウェスト・ヴァージニア州
はダンバーにてIWA−EastCoastが開催した定期興行を収録したもの。
あ、このIWA−EastCoastって団体、あまり聞き慣れない名前だと思われ
るでしょうが、どうやら大日本プロ等に定期的に参戦しているマッド・マン・
ポンドが発起人となって、米国で細々と己の本能の赴くままにデス・マッチ
を繰り広げている命知らず達や、これからメジャー団体を目指す若手、理由
あってメジャー団体より足抜けした(させられた?)喰いっはぐれ達(失礼)
を適時招聘し、なかなかツボを押さえた好カードを提供してくれる注目団体
なんや。ただ昨年10月5日の旗揚げ以降、第2弾興行のアナウンスがなく
って、旗揚げ早々崩壊したんやろかって案じてました。けどこうして無事に
第2弾興行も行われたし、その後は毎月一度のペースを守って興行を打っ
ているみたいで、これはホンマに何より。ではでは早速レビューへと。

@CZW World Heavyweight Championship :
 Ruckus vs. El Drunko (w/Crowza & Woody Numbers)
  まず第1試合は、謎の怪覆面“ザ・酔っ払い”ことエル・ドランコの出番。
 リング・アナの紹介により缶ビール片手に千鳥足で入場して来るんです
 が、いきなり足が縺れてズッコケるってベタベタなネタを披露。やはりロー
 カル興行で会場を暖めるには、こんなネタが一番やね(笑)。で、“ザ・酔
 っ払い”の注目の対戦相手なんやけど、これがなんとCZW認定の世界ヘ
 ビー級王者であるブラック・アウト軍のラッカス。しかも“ザ・酔っ払い”の
 取り巻き連中が熱心にアピールしたためか、当初は只のシングル戦であ
 ったものが、急遽CZW認定の世界ヘビー級王座が懸かったタイトル戦へ
 と変更!。おいおい、勝手にローカル団体の前座でタイトルを懸けて、も
 しもベルトが流出なんて事になるとCZWを暴力にて統治する(?)ザンデ
 ィグの逆鱗に触れるデ、って他人事ながら心配してしもたワ(苦笑)。
 けどラッカスも流石はCZW認定の世界ヘビー級王者、“ザ・酔っ払い”の
 トリッキー過ぎる攻撃に面食らう場面(笑)もあったものの、取り巻き連中
 までまとめて一掃し、余裕でベルトを守ってみせましたデ。
 さて、過度の酩酊のため、タイトル戦を行ったであろう事実さえ、どこまで
 認識しているのか疑わしい“ザ・酔っ払い”ですが、試合が終わった途端、
 観客と即席の酒宴に突入。けど、未成年に飲酒を勧めると罰せられる事
 は理解している様で、ビールを振舞う前に身分証明書の提示を観客に求
 める“ザ・酔っ払い”。ウーン、抜け目のない奴やなァ...(苦笑)。
 【追記】
  さっきIWAミッドサウスやCZW、日本国などでも活躍している“蜘蛛男”
 ネイト・ウェブの個人HPを何となく見ていたら、2005年3月15日にIWA
 −EastCoastにてラッカスに敗戦、なんて戦歴がアップされとりました。
 あれ、この日ラッカスに負けたのは、ウェブやなしに謎の怪覆面“ザ・酔
 っ払い”のはずやのに...(不思議やなァ)。
AWarpig (w/Dr. Max Graves) vs. Death PSI
  ローカル団体の映像を取り寄せ、こうして鑑賞していると、これがまた
 れた強豪を発見する事がおます。この試合もそうでしたデ。不良中学生の
 ごとき体躯のPSIをチョーク・スラムと高角度パワー・ボムにて秒殺したの
 は、あの『猟奇殺人犯』レザー・フェイスのコスチューム(血だけらのエプロ
 ンも勿論着用)に、豚のゴム・マスクを被った巨漢のウォー・ピッグ!!
 いやはや画面にこいつが現れた途端、ワシのハートはこいつの立ち姿に
 鷲掴みされてしまいました(アホか)。それどころか、これは1人で鑑賞す
 るのは勿体無いと、隣の部屋で寝ている嫁さんまで叩き起こし、「どない
 やこいつ、なかなかのモンやろ!」って大騒ぎしもしたもん。ま、まるで自
 分の功績を自慢する様なワシの言動に嫁さんはとことん呆れてたけどね。
 あぁ、それにしても何処の団体でもエエから、こいつを日本に呼んでくれ
 へんやろか。めちゃくちゃ人気が出ると思うけどなァ...。
BMickie Knuckles vs. MsChif
  第3試合は女子選手の登場。IWA−MIDSOUTHの総帥イアン・ロット
 ンに師事(こらまたエラい親方や)する小太りのミッキーと、相変わらずの
 ゴス風メイク(もうちょっと流行遅れ?)で決めたミスチフとの一戦ですワ。
 試合は一進一退と言えば聞こえの良い、実際はどうにもメリハリのない
 攻防の末、レガースを着けたミッキーの『わがままな膝小僧』(←懐かしい
 フレーズでしょ?)がミスチフの顔面に連続で炸裂。ここを勝機と悟ったミ
 ッキーがフィニッシュを狙うのやけど、ジャストのタイミングでミスチフが緑
 の毒霧攻撃を繰り出してミッキーを迎撃や。哀れミッキー、緑色に染まっ
 た顔を満場に晒し、師匠ロットンの肩を借りての退場となりました。
C2 Tuff Tony vs. Trik Nasty
  IWAミッドサウスを主戦場とするトニーがIWA−EastCoastに初参戦。
 相手はちょっと胡散臭い濃い目の顔が魅力的な(苦笑)ナスティです。
 さてさて試合なんやけど、トニーのラフを期待していたワシには少々肩透
 かし。確かにそれらしい荒れた展開となる場面もあったものの、どうにも
 こうにもセールス・ポイントのはっきりとしないスポットがダラダラと長時間
 続き、最後はトニーによるコーナー頂部からのきりもみ式アタックがズバリ
 とナスティに決まって幕に。けど、ここで緊急事態が発生や。なんと安普
 請のリングの底が抜けたみたいで、画面に向かって手前側のマットがベ
 コベコ状態に...。 ウーン、これまたローカル団体らしいひとコマではあ
 るんやけど、当事者達はさぞ慌てたやろなァ。
DZack Gowen vs. Truth Martini
  昨年の旗揚げ興行にも参戦していた、元WWEのスーパー・スターであ
 る『義足のレスラー』ザック・ゴーウェンが、再びIWA−EastCoastマット
 を来襲。背中の刺青がまさに彫っている真っ最中って感じで、下書き状態
 であるのがちょっと情けなく見えるマティーニ相手の一騎討ちですワ。
 さてゴーウェンなんやけど、試合の途中で身体的なハンディ・キャップを
 逆手に取ったネタによりお客さんを沸かすってのがこれまでの常套手段
 だったのですが、この日はリング・サイドで早々と義足を外し、片足でリン
 グ・イン。おぉ、これはゴーウェンも一皮剥けたかと注目いたしましたデ。
 ただ折角高い意識を持って試合に臨んだゴーウェン、場外乱闘でマティ
 ーニィにショルダー・スルーによって投げられた際、パイプ椅子の背もた
 れ部分で腰を痛打し、めっきりと動きが鈍くなってしまいますんや。
 それでも自身に課せられた勝負時間だけはキッチリと務め上げたゴーウ
 ェンの態度は立派。義足による自虐ネタって『退路』を自ら絶ち、新たな
 ステージに立ったゴーウェンを括目して見よ、ってところやろか。
ENew Jack vs. Ian Rotten
  そろそろ興行も大詰め。まずはIWAミッドサウスの総帥イアン・ロットン
 と『路上の王』ニュー・ジャック親分の直接対決ですワ。有刺鉄線バットを
 手にしたロットンと、ナイフ付きのチェーン及び工業用大型ホチキスを手に
 したニュー・ジャックが対峙しただけでこっちは失禁寸前の興奮状態なん
 やけど、なんとSMARTMARKの商品紹介欄にある記載事項によると、
 両者の一騎討ちはこれが初めてなんやそう。SMWやECW、その他の
 各独立団体で何度も手合わせしている様に考えておりましたが、そう言
 えばワシの貧弱な映像ライブラリーにもこのカードはなかったなァ...。
 で、そうと分かると俄然モニター画面の前のワシにも力が入るのですが、
 それを見越したかの様に繰り広げられる両者の暴虐行為は壮絶なるもの
 でしたデ。特にニュー・ジャックに額をフォークで突かれ、ピザ・カッターで
 切られ、ナイフで刺しまくられて血だらけとなったロットンが、それでも『ま
 だまだ足りない』とばかりにブレード・ジョヴをブチかます姿を目撃するに
 あたって、ワシは正直ちょっとだけ漏らしてしまいました...(苦笑)。
 それにしてもこの大流血戦、ニュー・ジャックによる高所ダイヴこそなかっ
 たものの、生で観戦出来たウィスコンシン州はダンバーの約90名程度
 のお客さんは幸せモンや。多分入場料金も日本の各プロレス団体と比
 べて格安やったやろに、羨ましい限りやデ。ワシやったらこの試合だけ
 で5千円は出すもんな!(エ、相変わらずワシってセコいでっか?)。
FBarbed Wire Boards Match :
 Necro Butcher vs. Mad Man Pondo (w/Pearl Harbor)
  いよいよ今夜のメイン・デッシュ。有刺鉄線ボート戦で激突するのは、日
 系の女子マネ“パール・ハーバー”を引き連れたマッド・マン・ポンドと、ワ
 シの大好きな大好きな、ホンマにとことん大好きなネクロ・ブッチャーや。
 で、試合なんやけど、Cで記した安普請でベコベコ状態となってしまった
 リングを急遽補修したらしく、しかも止せばエエのにこの突貫工事をネクロ
 がエプロンをめくり上げて嫌みったらしく揶揄。すると「ウチのリングにケチ
 を付けるとは何事や!」とでも思ったか(思ってないか)、ポンドはお馴染
 みの交通標識攻撃と大型のハサミをネクロの頭部に見舞って、早くもネク
 ロを大流血へと追い込みます。しかも壮絶だったのはこの後の工業用大
 型ホチキス攻撃。なんとポンドはネクロの舌を引っ張り出してコーナー・マ
 ットに打ち付ける残虐非道な行為を披露ですワ!!!。
 ウーン、現在は封印している(?)とは言え、Cに出場していたゴーウェン
 がメンタルな部分での自虐ネタでトップなら、フィジカルな部分での自虐ネ
 タでのトップはこのネクロ・ブッチャーやね...。 
 結局試合はネクロが右足首を痛めた事もあって、この後にポンドがネクロ
 を有刺鉄線ボードの下敷きにしてセントーンにて切って捨てましたんや。
 しかし有刺鉄線でザックリと引き裂けた、ネクロの右肘内側から手首にか
 けての傷口を執拗にアップで撮影し続けるSMARTMARK社のカメラ・マ
 ンもある意味ヘンやけど、この様子を銭を出して購入して、嬉々として観
 賞しているワシもやっぱり世間からするとヘンなんでしょうなァ(苦笑)。
 モニター画面の中では、全身ボロボロになって身動き出来ないネクロをリ
 ング上に放置し(誰か手を貸してやれよ)、リング・アナ氏は次回興行の
 PRに余念がありません......。
 【追記】
  マッド・マン・ポンドの奥方が日本人だとお教えいただいた事があって、
 もしやこの試合に姿を見せた女子マネ“パール・ハーバー”が、その奥方
 なのかと推測いたしましたが、これはどうにも確認出来ず(残念や)。
 ま、目前の大流血戦に恐れおののいたのか、“パール・ハーバー”は只の
 一度も試合に介入する事はなく、ホンマに正味で添え物以下でしたワ。


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