では収録内容の詳細を
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HAPPY HOUR HARTED 2005-4-5
(DVD-R)(約1時間52分収録) |
本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
20ドルにて発売されている団体公認(?)の代物でして、ワシは我が国で
唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田のイグ
ニッション・レコードさんで2,900円にて購入しました。
別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつもりはないけど、米国か
ら通販で直接購入すると送料込み27ドル必要となるので2,900円っての
は非常に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容ですが、2005年4月5日にウェスト・ヴァージニア州
はダンバーにてIWA−EastCoastが開催した定期興行を収録したもの。
毎回、様々な趣向を凝らしたマッチ・メークでワシら独立団体系ファンの琴
線を刺激してくれるIWA−EastCoastですが、さて今回の興行は?。
ではでは早速レビューへと移らせていただきますワ。
@Jimmy Jacobs vs. Delirious
イアン・ロットン率いるIWAミッドサウスを主戦場とする覆面レスラーの
デラリアスと、“小さなブルーザー・ブロディ”ことジミー・ジェイコブスの対
戦が今夜のオープニング・マッチ。さてリング・アナの紹介によるとデラリ
アスはIWAミッドサウス認定のライト・ヘビー王者だそうで、あぁそうなん
やなんて思っていましたが、続けて紹介されたジェイコブスの肩書きを聞
いてビックリ。なんとデラリアスよりも小さな彼が、この時点でのIWAミッド
サウス認定のヘビー級王者だそう。ウーン、CZWマットなどでその非凡
な才能は認めていたつもりのワシですが、ここまで出世していたとはね。
さてジェイコブスが故ブルーザー・ブロディになりきってトップ・ロープを跨
ぎリング・インしようとするも、全く上背が足りずに断念するなんて小ネタ
を披露し始まった本試合、ジェイコブスによる『客いじり』や、突然の場外
トペ・コンと、お客を飽きさせない好ペースで進みます。で、デラリアスの
善戦によって、あわやヘビー級王者がライト・ヘビー級王者に敗退、なん
て場面を何度も挿入しつつ、最後はジェイコブスがキッチリと勝利。
ウン、なかなか楽しめるオープニング・マッチや。
AWarpig (w/Dr. Max Graves) vs. Smokey C
3月15日の定期興行を収めたDVD−Rにてワシのハートを鷲掴みに
した憎い奴、ウォー・ピッグが今夜も登場。例によって『猟奇殺人犯』レザ
ー・フェイスのコスチュームに豚のゴム・マスクを被り、これまた例によって
チョーク・スラムと高角度パワー・ボム(放つ直前にブヒーッ!って叫ぶの
が非常にグッド)でスモーキーを秒殺しよりましたデ。よっしゃ、そろそろ
前座路線から卒業し、デス・マッチ路線へ殴り込んで来てや。
BIan Rotten vs. Trik Nasty
IWAミッドサウスを主戦場とするナスティが3月15日の定期興行に引
き続いて参戦。ミッドサウスの棟梁イアン・ロットン相手の一騎討ちを行い
ました。試合は序盤をロットンがラフ攻撃(≠凶器攻撃)で構築し、中盤
自らナスティを誘い出す形で場外戦へと移行。ここではロットンによる鉄
柱への頭突きの誤爆(withブレード・ジョヴ)なども確認出来て、その後
に改めてリングへ戻り終盤戦へ突入。最後はロットンがナスティの両腕を
チキン・ウイング風に固めての余裕の勝利でした。
で、試合後の棟梁ロットン、マイクを握り、とつとつと語り始めますんや。
ワシ、ヒアリングが苦手なのでよくは分からないのですが、“サンドマン”、
“キング・オブ・ハード・コア”、“ECW”などの語句が聞き取れるところか
ら推測すると、自身の血まみれのレスリング人生を反芻してるみたい。
またナスティを“レスリングの未来”と賞する場面もあって、何やらロットン
も公私共にいろいろと大変みたいですワ。
CDaizee Haze vs. Mickie Knuckles
Bに出場したナスティに続き、今度はロットンが手塩にかけて育ててい
る真っ最中である女子レスラーのミッキーの出番。いつも元気ハツラツの、
まるであのオロナミンCみたい(笑)なヘイズとのシングル戦ですワ。
試合は小太り(失礼)ながらも柔軟な身体を活かした攻撃が信条のミッキ
ーと、日本の女子プロ・マニア連(最近は激減した?)にも受けそうなルッ
クスとファイト・スタイルで押すヘイズが一進一退で攻防を繰り広げ、ブッ
カー殿より命じられた結構長時間の勝負タイムをなんとかそつなく務め上
げましたって感じ。最後はヘイズによるフェイス・クラッシャーが炸裂し、ミ
ッキーがぽっちゃりとしたお顔をしたたかマットに打ち付けられて...。
DIWA East Coast Heavyweight Championship Match :
Chris Hero vs. "Lightning"Mike Quackenbush
試合に先立って満場の観客(約103人と見た)に紹介されたのは、IW
A−EastCoastが認定するヘビー級のベルト。当団体も今夜の旗揚げ
第3弾興行を行うにあたり、そろそろ自団体で管理運営するベルトが必
要であると認識したようで、晴れて初代王者を決定する試合がブックされ
たみたい。ただし新興のベルトに権威を持たそうと複数人のレスラーを
動員してトーナメントなりを行うのではなく、団体が選び抜いた精鋭2人で
いきなり王者決定戦を行うってのが、このIWA−EastCoastって団体の
姿勢(と経済力)を端的に現しているようでもあって...。
さて注目の精鋭2人なんやけど、チカラ・プロ(Chikara Pro Wrestling)所
属で、3月14日にはCZWによるジュニア級レスラーの祭典『第5回BES
T OF BEST』を制したばかりのマイクと、各地の独立団体を腕っ節一本
でのし歩くヒーロー。何故この2人に白羽の矢が当たったのかは分かりま
せんが、とりあえずデス・マッチ色の濃い当団体に、高いレスリング・スキ
ルでもって争奪しあうベルトが制定されました。
試合は数々のハイ・スポットを披露しあった末に、ヒーローがマイクを無理
やり押さえ込んで勝利。見事、初代IWA−EastCoast認定のヘビー級
王者の座を射止めておりまっせ。
EDrink & Ladder Match :
El Drunko (w/Crowza & Woody Numbers) vs. The Sandman
趣向を凝らしたマッチ・メークが売りのIWA−EastCoastですが、流石
にこのカードを見たときは、ワシも『やられた!』って思いましたデ。
なんと皆さん、謎の怪覆面“ザ・酔っ払い”ことエル・ドランコと、愛すべき
酔いどれ天使サンドマンとの激突ですワ。しかも『Drink & Ladder Match』
からも分かるように、通常の梯子戦に両者共に酔っ払っている事(ホンマ
に酔っているのか否かなんて野暮はなしやデ)ってルールまで付加される
にあたっては、ワシも腹を抱えて笑うしかおまへん。
さて殆ど泥酔状態でコーナーにうずくまる“ザ・酔っ払い”に、王道ならぬ
酒道を究めたはずのサンドマンも何やら攻め手を欠く様子で、試合はどう
やら“ザ・酔っ払い”のペース。しかも“ザ・酔っ払い”の取り巻き達がサン
ドマンの守護神である“シンガポール・ケイン”を取り上げて...。
それでもサンドマン、パイプ椅子と梯子で“ザ・酔っ払い”をボコボコにして
みせ、余裕でリング上にて煙草を一服。しかしこの余裕が裏目に出て、サ
ンドマンは泥酔しているはずの“ザ・酔っ払い”から、コーナー〜コーナー
のバック転式ヴァン・ダミネーター(これはマジで驚異の一撃やった!)を
喰らい、続いて“ザ・酔っ払い”が放ったパイプ椅子を抱えての月面水爆
をまともに受けてまさかの敗退となってしまうんや!。
ウーン、よくもまぁサンドマンもこんな結末を『呑んだ』ね。よっぽど大量の
ビールが、ギャラと一緒に目の前に積まれたんやろか(笑)。
いや、サンドマンも勝敗なんて二の次で、こんなに素敵な試合をブックし
た団体への感謝の気持ちやったのかも。
【追記:@】
さっきIWAミッドサウスやCZW、日本国などでも活躍している“蜘蛛男”
ネイト・ウェブの個人HPを何となく見ていたら、2005年4月5日にIWA
−EastCoastにてサンドマンに勝利、なんて戦歴がアップされとりました。
あれ、この日サンドマンに勝ったのは、ウェブやなしに謎の怪覆面“ザ・酔
っ払い”のはずやのに...(不思議やなァ)。
【追記:A】
“ザ・酔っ払い”を声援すべく、Cでの試合を終えたばかりのミッキーが
私服に着替えて客席最前列に座るんやけど、ミニスカ姿のミッキーは、失
礼ながら試合をしている時よりも数段可愛かったデ。何時までもプロレス
なんてやっとらんと、誰か市井の人を見つけて幸せになったらエエのに。
FFans Bring The Weapons Match :
Mad Man Pondo vs. "Mr. Insanity" Toby Klein
今回の定期興行のメインがこれ。マッド・マン・ポンドとトビー・クレインに
よる『ファンからの持ち込み凶器使用可』戦ですワ。で、注目はポンドが2
003年のIWAミッドサウス認定のキング・オブ・デスマッチであり、クレイン
が2004年のIWAミッドサウス認定のキング・オブ・デスマッチって事実。
そう、ただでさえ血生臭い試合が予想されるのに、両者にはこんな過去
の経歴があったんや。で、注目の試合ですが、これがやっぱり予想通り
の壮絶さ。ファンが各自趣向を凝らして作ってリング・サイドに置いた、お
手製凶器(大半が画鋲や蛍光灯系のアイテム)を自在に使用し、互いに
相手をただただ傷付けるだけ。デス・マッチ嫌いの方にはお勧め出来る
代物ではありませんが、クレインを山盛りの凶器で下敷きにして十八番の
セントーンで沈めたポンド。彼の頭のテッペンにも多数の画鋲が突き刺さ
ったままで、当然の大流血状態なんやけど、ポンドの着用しているTシャ
ツの中で、Tシャツにプリントされている非道(我が国が誇るデス・マッチ・
ファイター)の顔がニコリ、としたように見えたのはワシだけやろか。 |

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