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では収録内容の詳細を

Summer Sizzler 1993 (VHS-TAPE)
(約1時間30分収録)
 本作はDVDではなくって、VHSテープ。米国の『RF-VIDEO』ってちょっ
と怪しいプロレス・グッズの通販屋から1本12ドル(今回は定例の週末セ
ールに合わせてオーダーしたので2割引の9.6ドルやった)で発売され
ている代物です。内容はと言うと、1993年6月19日にフィラデルフィアの
ECWアリーナにてECWが開催した定期興行を収録したもの。
さてさて1993年6月というとECWがまだ【Extreme Championship Wrest
ling】ではなく、【Eastern Championship Wrestling】の略であった頃でして、
団体のオーナーはタッド・ゴードン、ブッカー&マッチ・メイカーは故“ホット
・スタッフ”エディ・ギルバート(W★INGでは初代ブギーマンを好演!)だ
ったそう。では通常ルート(RFからの購入を通常ルートと定義付けるのは
若干問題かな)で入手可能な最初期ECW、たっぷりと楽しみましょうか。

【注意】
  『Eastern』時代のECWの映像については、以前ビデオ安売王系のシ
 ョップで『ECW:ハードコア・プロレス・シリーズ』と称して全15巻のビデ
 オ・テープが販売された事がありまして、今でも中古ビデオ屋さんをマメ
 に探すと安価で購入可能なんですが、本映像も冒頭のタイトルの作り
 等はそれらと同じ。また英文で著作権に係る警告も入るし、実況もタッド
 ・ゴードン、ジョーイ・スタイルス、ジェイ・スリイ(今回、初めて存在を知っ
 た)らが勤めている事から、ダヴィングの元ネタ側は米国内で正式に販
 売された商品(をマスターとするダヴィング・テープ?)のはずや。
 ただ、元々の収録方法が悪かったのか、『RF-VIDEO』の保存方法が悪
 かったのか、画面が全体的に暗く、その上過度のダヴィングを重ねたた
 めやろね画質も正直劣悪。ま、ワシみたいな世代の人間は黎明期の裏
 ビデオでバッチリと鍛えられたからどうって事はないけど、銭を出すんや
 から綺麗な映像で当然なんて最近のデジタル世代の人達にはちょっと
 (いや、非常に)辛いやろな。

○まずはオーナー直々のご挨拶...
  実況のジェイ・スリイともども、ECW初代オーナーのタッド・ゴードンが
 ご挨拶。頭上には団体旗もはためいてりますが、当然『Extreme』時代
 とはデザインも違いまっせ。
①ECW TV Championship :
 "Superfly"Jimmy Snuka vs. J.T.Smith
  今夜の第1試合は“スーパー・フライ”ジミー・スヌーカーによるTV王座
 の防衛戦。ワシが調べたところ、スヌーカーは3月12日にジョニー・ホッ
 トボディを下して第2代目のTV王座に就いたようですな。試合はお馴染
 の“トラ柄”パンツでバッチリと決めたスヌーカーの独壇場で、JTの左膝
 に集中攻撃を仕掛け、“スーパー・フライ”で楽々フィニッシュでしたワ。  
②First Blood Match :
 Tony"Hitman"Stetson vs. Larry Winters
  “先に流血したら負けよ”で一戦交えるステントンとウインタース。ここ
 にまで至るにあたって何か遺恨絡みのネタでもあったのでしょうが、残
 念ながらリスニングに難のあるワシには実況で説明されていても理解
 不能...。試合はロッキン・レベルの介入でウインタースに隙が生じ、
 ここを好機とステントンが凶器(多分)パンチを一閃。この凶行を見逃し
 たレフリーがウインタースの顔面を確かめると......(そうそう、あり
 がちなパターンの幕引きなんや)。
③Catfight Humiliation Match :
 Miss Peaches vs. Terrible Tigra
  第3試合は女子選手の登場。ベビー役のピーチスと、ちょっと不思議
 で怪しい感じのタイガが激突するんやけど、最初っからタイガは試合な
 んかしたくない様子で、すぐに控え室へと逃走を図ります。と、これを阻
 止せんと、これまた女子選手のエンジェルが登場。タイガを強制的にリ
 ングに戻し、ピーチスに勝利をプレゼントですワ。ま、ここまではどうって
 事のない展開なんですが、ここに突如②で悪行を働いていたステントン
 &ロッキン・レベルが介入し、エンジェルの衣装を剥いでオッパイ(これ
 がまた見事な超巨乳なんです、ウヘヘヘ...)を満天下に晒させる大
 暴走!!。前述した様に画質の荒いビデオなので、実際は乳首隠しの
 シールでも貼っていたのかも知れへんけど、これは改めて良好な画質
 の映像で鑑賞してみたい一戦でしたな(笑)。
④ECW TV Championship :
 "Superfly"Jimmy Snuka (w/Paul E. Dangerously)
 vs. "Ironman"Tommy Cairo
  “悪役マネージャ”を演ずるポール・Eを引き連れ、またまたスヌーカー
 が登場し、本日2試合目となるTV王座防衛戦に御出馬。一部客席から
 は『Paul E Sucks !』チャントも聞こえますが、当のポール・Eはそんな雑
 音などは意に介せず、ロープ下からカイロの足を引っ張り、スヌーカーに
 よるロープ悪用フォールを好アシスト。あ、この試合では“スーパー・フラ
 イ”は披露されへんかったけど、一晩に二回も披露しなかったのはスヌ
 ーカーのプロ意識やったのか、はたまたギャラが1試合分だけであった
 ためかなのか。ちょっと気になるポイントではありますな(苦笑)。
⑤Philly Street Fight Match :
 The Rockin' Rebel vs. The Sandman
  最近ではCZWなどの独立団体系で渋いヒール役を好演しているロッ
 キン・レベル。ネットで調べたところ88年のデビューだそうで、まだこの
 当時は後髪を伸ばす(一時のレスラーは、みんなこの髪型やったね)
 洒落っ気も持っていたみたい。で、ロッキン・レベルがリングに登場し、
 自信たっぷりに煙草に火を付けたところで、会場内にはビーチ・ボーイ
 ズの大ヒット曲『サーフィン・USA』が流れ、まだ“サーファー・ギミック”
 であったサンドマンがお出まし。今でこそサンドマンと言えば、くわえ煙
 草と缶ビールとシンガポール・ケインとTシャツ&スエット・パンツとメタリ
 カの『エンター・サンドマン』やんか。ま、“サーファー・ギミック”だったの
 で『サーフィン・USA』とサーフィン用のウエット・スーツの着用(似合って
 ないんや、これが)は仕方ないとしても、くわえ煙草まで対戦相手のロッ
 キン・レベルに演じられていたとはねェ。自堕落自暴自棄を地で行くサン
 ドマンしか見た事のない人(ワシも含めて)には新鮮やないやろか。
 あ、試合はサンドマンの猛攻で始まり、レフリーの失神スポット⇒ステン
 トンの介入が盛り込まれ、ここにサンドマンの身を案じたピーチスまでが
 登場。で、サンドマンがピーチスに対して「こんな危ない所へ出て来たら
 アカンやないか」って表情を見せるのですが、ピーチスの返事は裏切り
 のスプレー顔面噴射!。これにてサンドマンが敗退してしまいました。
 【追記】
 ネットで調べたところ、サンドマンのテーマ曲がメタリカの『エンター・サ
 ンドマン』に定着するまで、ビリー・ジョエルの『ビッグ・ショット』やエルト
 ン・ジョンの『ザ・ビッチ・イズ・バック』も使われたとの情報をゲット。
 ウーン、ビーチ・ボーイズ、ビリー・ジョエル、エルトン・ジョンとは、なんと
 もサンドマンもエエ趣味をしとるやないの(苦笑)。
 あ、前述したビデオ安売王系のショップで販売されていた 『ECW:ハー
 ドコア・プロレス・シリーズ』の各ビデオ・テープにもこの頃のサンドマンの
 試合模様が収録されておりますが、これらでは著作権の関係で『サーフ
 ィン・USA』はバッサリとカット(ブライアン・ウィルソン、銭に細かい感じ
 やもんなァ)されていたので、画質は劣悪なれど本試合はワシには非常
 に楽しめる内容でしたワ。
⑥Special Challenge Match :
 "Dirty"Dick Murdoch
 vs. The Dark Patriot (w/Paul E. Dangerously)
  故ディック・マードックにより実にあっさりと料理されてしまったマスク・
 マンのダーク・パトリオット、『obsessedwithwrestling.com』によるとその
 正体は故“ホット・スタッフ”エディ・ギルバートの弟であるダグ・ギルバ
 ート(W★INGでは初代フレディ・クルーガーを好演!)だそうですワ。
 あ、マードックをお目当てにこの試合をご覧になられる方に注意。マード
 ックの十八番である「ブレ~ンバスター!」も、仔牛の焼印押しも完全封
 印されているので、余り過剰な期待せん方がよろしいでっせ。
 ④のスヌーカーの試合やないけど、これもギャラを値切った結果やない
 のやろかなァ(苦笑)。
⑦Six-Man Tag Challenge Match :
 "Wildman"Sal Bellomo & Stevie Wonderful
 & Super Destroyer #1
 vs. Suicide Blondes (Johnny Hotbody & Chris Michaels)
 & Hunter Q. Robbinson III
  『Eastern』時代の名物レスラー、サル・ベルモが絡む6人タッグ。他に
 も一癖二癖ありそうな連中が顔を揃えておりまして、最後はベルモが
 巨体を利した圧殺攻撃で幕引き。特に彼等に思い入れのないワシとし
 ては、あぁそうでっかって感じの試合でした。個々の選手の『立ち位置』
 や『人となり』が分かればもう少しは面白いんやろけど...。  
⑧Texas Chain Massacare Match :
 "Hot Stuff"Eddie Gilbert (w/Paul E. Dangerously)
 vs. Terry Funk
  さてさてやっと今夜のメインとなりましたな。注目のカードは『生ける伝
 説』テリー御大と、故“ホット・スタッフ”エディ・ギルバート(入場テーマ曲
 はご存知ドナ・サマーの“ホット・スタッフ”)が『キング・オブ・フィラデルフ
 ィア』の称号を懸けてテキサス式のチェーン・デス・マッチで激突するって
 ものですんや。
 あ、通常のチェーン・デス・マッチとの今回の『テキサス式』との差異につ
 いてですが、1本のチェーンの両端を両選手が手首に巻いて戦うところ
 まではどちらも一緒。ただ3カウントやギブ・アップでは勝負は決まらず、
 相手を叩きのめして先に4つのコーナー・マットに順にタッチした方が勝
 ちってルール。ま、ワフー酋長が得意にしていたインディアン・ストラップ
 ・マッチなんかと同類の試合形式ですな。
 で、肝心の試合内容ですが、イスやチェーンを使ったパンチで両者が流
 血へと至り、その上に何度も何度も場外戦を披露。両者がチェーンで繋
 がれている事から、この手の試合形式ではどうしても展開が単調となり
 がちなんやけど、この試合に関してはそんな心配もありまへんでした。
 尚、最後はテリー御大がエディを叩きのめして4つのコーナー・マットに
 順にタッチをするのやけど、ここでエディのセコンド役であるポール・Eが
 レフリーに難癖を付け始め、レフリーはテリーの勝利確定の瞬間を痛恨
 の見逃し。直後にエディのイス攻撃~イスの上へのパイル・ドライバー
 がズバリと決まり、テリー御大の手から一度は掴んだはずの勝利の二
 文字と『キング・オブ・フィラデルフィア』の称号がするりとこぼれ落ちてし
 まいましたんや(これまたドロ臭い幕引きで堪らんなァ)。

【最後に】
  WWEが直々に編集したECWのヒストリーものDVD『THE RISE + FA
 LL OF ECW』や週刊ゴングが編集したECWの特集本では、ブッカー&
 マッチ・メイカー職に就いていたエディ・ギルバートが職権を使って自身
 ばかりが目立つネタを書くので、団体オーナーのタッド・ゴードンとは反り
 が合わなかったとあります。
 ま、エディの書くドロ臭くて古典的なネタの数々には好き嫌い(ワシは結
 構好きやなァ)も分かれるやろし、どう贔屓目に見てもこの夜の顔触れ
 では、「やっぱりワシがメイン戦に出張って、テリー御大と一戦交えんと
 アカンやろ」ってエディの気持ちも分からんでもないし...。
 どちらにしてもレスラーがブッカー&マッチ・メイカー職に就くと、あれこれ
 と言われてしまうのが宿命ですワ。で、このままではアカンと団体の行く
 末を案じたタッド・ゴードン、新たな人材確保へと乗り出すんです。
 そう、④⑥⑧などの試合でセコな“悪役マネージャ”を演じていた『あの
 男』、ポール・E・デンジャラスリー(ポール・ヘイマン)の事ですんや。


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