では収録内容の詳細を

UNITED WE STAND, DIVIDED WE BRAWL
(約2時間10分収録)
 本DVDは2004年10月発売の、3PWものとしては通算5作目とな
るタイトル。3PWはフィラデルフィアのエレクトリック・ファクトリーとヴァ
イキング・ホール(元ECWアリーナ)を適時使い分けて興行を打ってる
ようで、今作には2003年12月27日のヴァイキング・ホールでの年末
興行の模様が収録されとりますんや。では年末興行だけあって仕掛け
も多数用意された本DVD、早速内容を御報告いたしまっさ。

○オープニング・プロモ
  過去の名場面や、本DVDからの試合模様などをランダムに組み込
 んだ約3分40秒程のプロモです。
○選手の皆さん、意気込みを語る
  ダミアン・アダムス、ロッキン・レベル、マット・ストライカー、ラッカス、
 ジョーイ・マシューズが本日の興行へ向けての意気込みを語る。
@Rob Eckos vs. CJ O'Doyle
  3PWにおけるヤング・ライオン達の戦い?。共に大見得を切って繰
 り出したダイヴ系の大技が自爆となり、最後はロブがセカンド・ロープ
 からCJを川津落とし風に叩き付けて勝利となっております。
AJack Victory vs. Rockin Rebel
  フィラデルフィア周辺には複数の有力独立団体が根を張っておりま
 すやんか。そう、CZWにROHに3PW。で、どの団体も結構“横の繋
 がり”ってのを大切にしているようで、これが幸いしてフリー・ランサー
 のレスラー達が誰に気兼ねするでもなく複数団体を行き来しているみ
 たい。この夜も年末興行って事で3PWもファンに日頃のご愛顧への
 恩返しってつもりなんやろか、CZWを主戦場としているロッキン・レベ
 ルを招聘や。ま、ロッキン・レベルの出場がどれだけ恩返しとなり得る
 のかって疑問も沸かないでもないですが、とりあえず末期ECWでライ
 ノやスティーヴ・コリーノらと徒党を組んでいたジャック・ビクトリー(す
 ごく痩せてしもたなァ)相手の一戦が始まりましたんや。
 内容は芸心あるレフリーを絡ませての短時間のネタ合戦って感じでし
 て、ロープ悪用フォールでビクトリーが“ビクトリー”いたしました。
B"Pitbull" Gary Wolfe vs. Damian Adams
  大柄の女性(多分、元はオトコなんやろなァ)に首輪で引き連れられ
 たゲイリー・ウルフがリングへと登場。DVDの冒頭で決意の程を語っ
 ていたダミアン・アダムスを軽く一蹴してしまいました。
 あ、この試合なんですが2003年11月22日の定期興行『RAVEN’
 S RULES』のリ・マッチ。前回は一方的に攻め続けた挙句にアダム
 スの一瞬の返し技に煮え湯を飲まされる形となったウルフですが、詰
 めさえ誤らなければこんなヤツ、と客席にアピール。
 しかし駆け出しの若手を易々潰してもなァ...。ECW時代に名チー
 ム“ピット・ブルズ”の片割れとして活躍していた姿を今も鮮明に憶え
 ているワシにはなんとも寂しい限りの、現在のウルフの姿です。
○場面は変わって...
  ウルフと“大柄の女性”、控え室で怪気炎。
C"Bra and Panties" Match :
 Jasmine St. Claire vs. Gorgeous George
  初代ECWのオーナーであったタッド・ゴードンが、これまた元はオト
 コなんやろなと思わせるミニ・スカート着用のタリアって名の“女性”の
 首に首輪を付けて、“調教プレイ”よろしくリング上に登場
 ゴードン氏、下着を脱げとふてぶてしくタリアに命令し、これを渋々聞
 き入れたタリアに、今度はミニ・スカート着用であるのに前屈みになっ
 てリングの四方に向け尻を突き出せと非情の追加要求や。
 ま、下着を脱いだといっても、その下には黒のTバックを着用している
 タリアなので、リング・サイドのお客さんも一瞬は沸き立ったものの、
 あぁそうなんでっかって感じでとりあえずタリアの股の奥だけは凝視。
 そんなエロ系の小芝居を前振りに、3PWの金銭面のオーナーであ
 られるAV女優のジャスミン嬢と、元WCWのゴージャス・ジョージ嬢と
 のブラ・パン戦が開始。しかし2人はちょっと掴み合っただけで直ぐに
 レズ・プレイへと移行や。その上にタリアも巻き込んで再度エロ系の
 小芝居が始まり...。あぁ、なんぼ年末興行でも、ここまでダラダラ
 とオチのない小芝居を見せられるのは辛いワ。
 追記:本DVDはやけにブロック・ノイズが気になるんですが、このエ
 ロ系小芝居はこれがとても顕著となりますんや。鮮明な画像で観た
 からって、決して“何か”が見える訳ではないんですが、これはちょっ
 とアカンのやない?。
DLow Ki vs. Ruckus
  Aでも触れた、 フィラデルフィア周辺の独立団体間の“横の繋がり”
 によって、ロー・キィ対ラッカスって好カードが3PWにデリバリー。
 ブリッジ合戦から始まって、ロー・キィによるカミソリ逆水平チョップやト
 ップロープを利用した飛龍裸締め、ラッカスによるキャプテン翼君も驚
 きのオーバー・ヘッドなどが矢継ぎ早に披露され、最後は非常に飛行
 姿勢の美しいラッカスの月面水爆を見切ったロー・キィが、側転式延
 髄斬りからキー・クラッシャーへ繋いでラッカスを料理。これ、試合時
 間は短かったけど、その分内容は濃密な逸品でしたデ。
EJoey Matthews vs. Low Ki
  難敵ラッカスを下したロー・キィに、末期ECWではクリスチャン・ヨー
 クとコンビを組んで活躍していたジョーイ・マシューズが突っ掛けて番
 外戦が開始。フリーの大物ロー・キィを喰って、エエ正月を迎えようと
 の魂胆がマシューズにはあったのかもね。さて番外戦の内容ですが、
 試合の大半がロー・キィの繰り出すカミソリ逆水平チョップの雨あられ
 で埋め尽くされていたって印象。また一発受けただけでもダメージが
 あるであろうロー・キィのカミソリ逆水平チョップを、一度も逃げる事なく
 全て受けきったマシューズにも感心させられましたワ。
 あ、試合の結果ですがロー・キィのフィニッシュ・ホールドであるキー・
 クラッシャーを寸でのところで回避したマシューズが、レフリーのブライ
 ンドを突いてロープ悪用フォールにてズル勝ちをゲットです。
 さてさてマシューズの奮起もあってグッド・マッチとなった本試合です
 が、これでマシューズはエエ正月が迎えられたんでしょうかねェ。
FMonsta Mack & Mike Kruel vs.
 The Blue Meanie & Roadkill
  Cのブラ・パン戦に出場していたAV女優のジャスミン嬢の旦那さん
 であり、3PWのリング上を切り盛りもしているブルー・ミーニー。
 ECW時代からプロレスの腕には?マークが付く選手でしたが、持つ
 べきは出来た嫁さんってところやろか。
 さてミーニーも多分3PWの“脚本”をいくらかは執筆しているはずで、
 年末最終戦なんやからたまにはエエ格好でもしよるんやないかって
 思わせた本試合ですが、これまた末期ECWで活躍していたロード・
 キルにミスター・ソッコ攻撃(ミック・フォーリーに仁義は通したんやろ
 かね?)を出させた末にマックの椅子攻撃で轟沈する役割を命じ、自
 身は試合の勝敗には絡まぬ省力ファイトをチンタラと展開。
 ま、それもこれも3PWが己の団体やって事での特権なんやろけど、
 そこまで割り切るんやったらミーニーも試合に出なくってもエエのに、
 これがまた出てしまうってのも“リングの魔力”なんやろなァ...。
G"Superfly" Jimmy Snuka vs. "Hotstuff" Matt Striker
  ストライカーは過去の伝説のレスラー達をリスペクトしているのか、
 はたまた小馬鹿にしているのか、いつもいつもネタとして利用してい
 てるのが売りのレスラー。2003年11月22日の定期興行『RAVE
 N’S RULES』においても“スーパー・フライ”ジミー・スヌーカーをコ
 ケにしまくっていたのですが、その際に3PWを“脚本上”コントロール
 しているって事になっているレイヴェンが現れ、そこまでスヌーカーを
 コケにするのなら直接対決してみろって強権発動。
 晴れて今夜、ストライカー対“スーパー・フライ”ジミー・スヌーカー
 一戦が組まれましたんや。
 さてスヌーカーが相手ではさぞストライカーもヒビッているやろうと思
 いきや、当のストライカーはタータン・チェックの民族衣装を着用し、
 バグパイプによって奏でられるテーマ曲に乗って颯爽と登場。
 そう、ストライカーの本日の“ネタ”はあのロディ・パイパー(スヌーカ
 ーとパイパーは昔々のそのまた昔、WWEの前身であるWWFにて
 抗争した仲)ですんや。
 アカン、こいつは全然懲りていないなァなんてワシも軽い頭痛に襲わ
 れました(←嘘やデ)が、満場の声援を一身に受けているスヌーカー
 との一戦は火蓋が切られました。
 ただしスヌーカーも寄る年波には勝てんのか、身体は萎んで動きも
 緩慢。ストライカーを相手に2〜3ムーヴ程こなしただけで、十八番の
 “スーパー・フライ”に持ち込んでストライカーを秒殺や...。
 ま、これも3PWによるファンの日頃のご愛顧への恩返しの一環なん
 でしょうが、ここまでスヌーカー自身が弱っているとはなァ。
 興行の“目玉”として安易に過去の伝説のレスラー達にご出馬いた
 だくって風潮が昨今メジャー団体にも各独立団体にも見られますが、
 確かに客席には大受けするでしょうが、その後の一抹の寂しさを思う
 と、これって実際どうやろかなァなんて思う道頓堀次郎でした。 
HSabu vs. Jerry Lynn
  これまたヴァイキング・ホール(元ECWアリーナ)座付きのマニア連
 には感涙もののマッチ・メイク。頭頂部が寂しくなりホーク・ウォリアー
 の様な逆モヒカンにも見えるサブゥと、ECW時代のRVDとの名勝負
 連発が忘れられないジェリー・リンとの一戦でっせ。
 ただしサブゥは相変わらずの満身創痍状態で、上がるリングはコロコ
 ロと変わろうとグッド・シェイプだけは常にキープしていたはずのリンに
 も横腹付近に脂肪が付いているのが確認されて少々残念。
 さて試合の方ですが、『生涯サブゥであり続けるって事』を己に義務付
 けた、2003年末のサブゥの姿を心行くまで堪能してって内容でして、
 リンの奉仕的敗戦によってサブゥに凱歌が上がっております。
 あ、サブゥに関してですが、もともと年齢を重ねて円熟するってタイプ
 のレスラーではないから、『生涯サブゥであり続けるって事』と、身体
 機能の衰えやバッド・コンディションって厳しい現実との落差に、観て
 いて辛い場面も多数ありましたが、毎度お馴染みのロープ・ワークを
 ミスる姿なんて、もはや愛しくさえ思えてしまって...。
IInterpromotional Hardcore War :
 Zandig & Wifebeater
 vs. Raven(w/Jack Victory) & Sandman
  3PW、2003年の最終試合はCZWからザンディグ親分と『妻殴り』
 ことワイフ・ビーターを招聘しての夢の豪華タッグ戦。
 まずは3PWを牛耳っている独裁者って『ストーリー上の役割』をまっと
 うすべく、レイヴィンがパートナーのサンドマンに対し「リングで煙草を
 吸うな、ビールを呑むな、ワシはお前を信用しとらん!」なんて暴言を
 吐き、これにサンドマンが中指を突き立てるって絡みがあって、3PW
 側が一枚岩でない事を会場内にちゃっかりアナウンス。
 ここに「CZWスタイルでやってやる!」ってザンディグ親分と『妻殴り』
 が突っ掛けて試合が始まりました。
 ただし試合の内容はどうにも低調。ま、4選手とも3PWって団体を身
 を削ってまで盛り上げないとアカンって使命感に駆られての出場では
 ないし、 時期的に正月も間近やから、一足早い『おとそ気分』の試合
 となっても仕方ないかな。それでも「CZWスタイルでやってやる!」っ
 て吼えた手前、1番若い『妻殴り』が機材置き場上からテーブルへ突
 き落とされ、レイヴェンもたまには変わったスポットでもと思ったか、ザ
 ンディグ親分に執拗にコブラ・クラッチを決めて見せてくれましたワ。
 で、試合はレイヴェンが必殺のレイヴェンズ・エフェクト(DDT)を『妻殴
 り』に放とうとした瞬間、背後から現れたサンドマンがレイヴェンに対し
 て裏切りのDDTを敢行。ベストのタイミングで『妻殴り』がフラフラっと
 レイヴェンの身体に被さる様に崩れ落ち、3カウントとなりましたんや。

【DVD特典映像】
○3PW Heavyweight Championship
 Syxx-Pac vs. Sabu
 3PW November 23, 2002
 ''Return of the Dream'' - Philadelphia, PA
  VHSテープ版が発売されたようにないので【DVD特典映像】と紹介
 すべきではないのですが、とりあえず2002年11月23日の定期戦か
 らサブゥ対シックス・パック(元シックス、元X−PAC)がボーナス収録
 されました。これ、『BLOOD!,BRAWLS!& BROADS!』って
 タイトルの3PWの第一弾DVDに収録されていた、2002年9月21日
 の定期戦で組まれた一騎打ちのリ・マッチですワ。
 試合は珍しく腕ひしぎ逆十字固めやアンクル・ホールドなどのグランド
 技を披露したサブゥが前半戦をリードし、後半戦はブロンコ・バスター
 やXファクター(共にパイプ椅子が付加)などの看板技連発によってシ
 ックス・パックがリード。最後はコーナー上からサヴゥがシックス・パッ
 クをテーブルに叩き落して勝利を得ております。

【道頓堀次郎のボヤキ】
  本編Iの試合後、ザンディグ親分の指示により会場内にはサンドマ
 ンのテーマ曲である『エンター・ザ・サンドマン』が流されたはず。
 これ、当夜一番の見せ所のはずやのに、著作権の関係で各選手のテ
 ーマ曲同様、会場収録のものから安もののインスト曲に差し替えられ
 ているのは残念やけど仕方ないから我慢するワ。
 そやけどどの試合も3カウントが入った瞬間、映像がブチッと途絶える
 のは何とかならんかったんやろか。性行為と同じで、射精した瞬間に
 我に返って煙草を吹かしたら相手に失礼でしょう?。
 もうちょっとプロレスってものに愛着を持った編集を望みますワ。
  それと3PWって団体にも一言。主催者のブルー・ミーニーが己の力
 量を悟って出しゃばらないのはエエけど、本編Iのようにメインの試合
 をフリーの選手や他団体からの招聘選手で安直に埋めてしまうのもど
 うやろかって思うなァ。誰か団体の看板となる奴を早期に育成せんと
 アカンのやないやろか。ま、3PWがミーニー個人の趣味の場である
 のなら、こんな愚痴自体が的外れ。もうワシも、とやかくボヤキはいた
 しませんが。


トップへ
戻る