では収録内容の詳細を

このDVDはリージョン『1』なので注意して下さい!

THE MONDAY NIGHT WAR
(約3時間収録)
 むかーし、むかしのそのまたむかし。と言っても十年ほど前じゃが、米国
にはWWFとWCWって大手プロレス団体があってのゥ、月曜の午後8時に
なるとお互いに生番組を放送しては視聴率を競い合っておったんじゃ。
皆も既に知っておるじゃろうがWWFの総大将は祖父の代からプロレス業
一本で生業を立ててきたビンス・マクマホン、WCWの総大将はCNNでお
馴染み“メディア王”テッド・ターナーの巨大資本を湯水のように使える立場
にあったエリック・ビショフなんじゃ。それではこのでぃ・ぶぃ・でぃで『月曜夜
の視聴率戦争』を振り返ってみるかいのゥ。ふぉふぉふぉふぉふぉ...。

 エー、年寄りの語り口調で筆を進めようかと思いましたが、どうにも乗りが
悪いのでここからは何時もの道頓堀次郎ペースとします。
あ、このDVDですが本編は両団体の隆盛と凋落振りを実際に現場で体験
したビンス・マクマホン、エリック・ビショフ、ジム・コルネット、クリス・ベノワ、
ビッグ・ショー、ジェリー・ブリスコ、ジーン・オカーランド、ジム・ロス、ブルー
ス・プリチャード、ブルックリン・ブローラー、ショーン・マイケルズ、クリス・ジ
ェリコ、エディ・ゲレロ、リック・フレアー、ミック・フォーリーらのインタビューに
よって振り返るって構成になっておりますんや。
また現在はWWEって名前になっている旧WWFですが、視聴率戦争を振
り返るのにどうもWWEでは具合が悪いので、以下はWWFと表記します。

@Early days of WCW & WWE
  初期の両団体の様子です。
ARaw arrives, Talent leaves
  93年1月11日、WWFが現在の『RAW』の前身番組『MONDAY NI
 GHT RAW』の放送を開始。しかしNWAって一大有名ブランドを買収し
 て始まったWCWが銭をばら撒いてWWFから選手の引き抜きを強行。
 ディズニーのMGMスタジオでハルク・ホーガンとの契約調印式を行い、
 続いて“マッチョ・マン”ランディ・サベージにも触手を。
BBirth of Nitro
  なおも引き抜き攻勢は続き、レックス・ルガーやスティングまでが転籍。
 (※スティングはWWFには在籍しておりません。私どものHPによく遊び
 に来ていただいている『ロ暴さん』が指摘下さいました。感謝!!
 そして95年9月4日、WCWは競合団体WWFの看板番組名をもじった
 としか思えない『MONDAY NITRO』なる番組の放送を開始。第一回目
 の放送ではフレアー対スティングが組まれ、ここにレックス・ルガーが突
 然現れるって演出がおました。
CThe war begins ...
  遂に始まった『月曜夜の視聴率戦争』。頭の切れるビショフは相手番
 組より3分だけ早く、午後7時57分から放送を始めるって奇策を実行。
 WWFも負けてはおらず、ホーガン、マッチョ・マン、ミーン・ジーンをお年
 寄り扱いした悪意あるプロモを作って放映し徹底抗戦の構えですワ。
DWCW takes the lead
  それでも銭の力は強い。今度はWWFからケビン・ナッシュとスコット・
 ホールを引き抜き。両人の移籍直前のMSG大会ではプロレス業界の
 不文律を無視した事件も起こっておりまっせ。
 ※この事件、詳しくはHHHのDVD『THE GAME』でどうぞ。
EThe nWo
  ナッシュとホールはヒール・ユニットのアウトサイダースを結成してWC
 W内に波風を立て始め、96年7月7日のPPV『バッシュ・アット・ザ・ビ
 ーチ』にてあろうことか正義の味方ハルク・ホーガンが彼等と合流。
 これがnWoってユニット発足への足掛かりとなるんですワ。
 ※この試合の完全版はnWoのDVD『BACK IN BLACK』でどうぞ。
 またジャイアント(現ビック・ショー)も追ってnWoへ参加や。
FWCW and Austin 
  nWo旋風に劣勢のWWF。当時は『ニュー・ジェネレーション』への移
 行の真っ最中。ショーン・マイケルズらが台頭して来ました。
 また後にWWFで大当たりするオースチン、元はWCWで故ブライアン・
 ピルマンとハリウッド・ブロンズなるユニットを結成しておりましたが、こ
 れは残念ながら空振り。オースチンは一度ECWに立ち寄り、改めて“リ
 ング・マスター”なるギミックでWWFへとやって来ました。
GWWE Evolves
  nWoブームの陰で日本式&メキシコ式をちゃんぽんにしたクリス・ベ
 ノワ、クリス・ジェリコ、ディーン・マレンコ、エディ・ゲレロ、ミステリオらが
 ハイ・レベルの戦いを披露していたWCW。またWWFではショーン・マ
 イケルズが仕切る超お下品ユニットDXがバカ受け。
 尚、97年の『サマー・スラム』ではオースチンが故オーエン・ハートのパ
 イルにより首に大怪我をするってトラブルも発生しとります。
HMr. McMahon and Austin
  あ、モントリオールで開催されたPPV『サバイバー・シリーズ』にてブレ
 ット・ハートをマジでハメたのも97年やったね。
 生放送中にブレットから唾を吐きかけられ、翌日の生放送ではブレットに
 控え室で殴られて出来た青タン姿を披露するビンス、プリティ・グッドや。
 さて時代の風を掴んだか、ビンスは98年の『レッスル・マニア』に向けて
 あの“宇宙一の悪童”マイク・タイソンをゲストとして招聘。しかもこれに
 オースチンが難癖を付けて大盛り上がり。
IWWE wins a round
  98年の『レッスル・マニア』でベルトを取ったオースチン、ビンスとの本
 格的な抗争が始まりました。またミック・フォーリーやHHHらも実力を付
 けて来ましたデ。
JWWE takes the lead
  今や人材の宝庫と化したWWF。ビショフはビンスに一騎撃ちを迫るも
 無視されてしまいます。しかしゴールドバーグが大ブレイクし、ブレット・
 ハートをWWFから引き抜くなど、まだまだ攻撃の手は休めてまへん。
KRic Flair
  WCWでは反nWoの急先鋒“新・4人の騎士”が組織されました。これ
 は歴史あるユニットの再構築でして、アン・アンダーソンを発起人にベノ
 ワとマレンコが脇を固め、当然リーダーはリック・フレアーです。
LWCW struggles
  オースチンとHHHの尽力によりロック様(当時はビンス子飼いの王者)
 からミック・フォーリーがベルトを奪取。でも『MONDAY NITRO』の番組
 内ではミック戴冠に冷徹なコメントが。しかしミックも今でも根に持ってい
 るようで、まぁ何とも心の狭い奴やなァ(苦笑)。
MTalent goes to the WWE
  WCWから若く才能のある選手がWWFへと移籍を始めます。ホーガ
 ンらロートル勢力の仕切りに嫌気が差したんやろかね。で、ここではジェ
 リコのWWF初登場のシーンがあり。口達者なロック様にクソミソに言わ
 れて哀れジェリコは生放送で半ベソ状態に。
NMore chnages as WCW
  HHHが王者に就任したWWF。ロック様も行け行け状態でして、月曜
 夜の『RAW』とは別に、木曜夜でも『スマック・ダウン』って番組を開始。
 対するWCWは今度はWWFからレスラーではなく放送作家のビンス・ル
 ッソーを引き抜き。JRのお膝元オクラホマからの生放送の際はカウボー
 イ・ハットを被ってやけに顔面を引き攣らせたニセ・JRを投入や。
 しかしクリス・ベノワ、ディーン・マレンコ、エディ・ゲレロ、ペリー・サタン、
 ミステリオらがWWFへと移籍したのもこの頃でしたな。
 で、WCWではルッソーのやる事なす事が全て滑り始めて...。
OThe last chapter
  01年3月26日、遂にWCWはWWFに吸収合併されてしまいます。
  
【DVD特典映像】
@Stone Cold Steve Austin & Shawn Michaels
 vs. Owen Hart & The British Bulldog (5/26/97, from RAW)
  中盤カナダ一派のチーム・ワークによりローン・バトルを強いられたマ
 イケルズがやっとのことでオースチンと交代。火の吹くような勢いでリン
 グを縦横無尽に駆け回るオースチンには痺れまっせ。
 試合はマイケルズのスイート・チン・ミュージックからオースチンがフォー
 ルを奪い激闘には一応ピリオド。で、オースチンは入場ゲートから観戦
 していたブレット・ハート目掛けて猛攻を開始や。
AStone Cold Steve Austin stuns Mr. McMahon
 (9/22/97, from RAW)
  97年の『サマー・スラム』で故オーエン・ハートのパイルにより首に大
 怪我を負わされたオースチン、オーエンを襲って仲裁に入ったビンスに
 スタナー一閃や。ま、これだけ派手にやれば警官に逮捕もされますワ。
BJim Cornette commentary (10/27/97, from RAW)
  当時からWWFもWCWも月に一度のPPVを開催しておりました。
 で、前日の日曜日に開催された有料放送(PPV)の結果が流される月
 曜夜の無料定期放送は、どうしても昨日の結果を知りたいファンがチャ
 ンネルを合わせるので通常よりも視聴率が上昇傾向になりがち。
 さて視聴率でWCWと競い合っていたWWF、WCWが97年10月26
 日にPPV『ハロウィン・ヘイヴォック’97』を開催したため、またも今夜
 の無料定期放送の視聴率低下が心配で心配で堪りまへん。
 そこでWWFはジム・コルネットを使って自分のところの番組でWCWの
 PPV(メインはパイパー対ホーガンの金網戦)の結果を視聴者にお知
 らせするって離れ業を敢行。続いて今夜の自分のところの番組の見所
 を解説し、移り気なお茶の間のチャンネル権をガッチリと死守。
 ホンマ、めちゃくちゃしよりますな(苦笑)。
CVince McMahon interview: "Bret screwed Bret"
 (11/17/97, from RAW)
  本編Hにあった『モントリオール事件』の翌日の放送を収録。ブレット
 から貰った左目の青タンをことさら画面でアピールし、「ブレットをハメた
 のは結局ブレット」とビンス御大がJRに語っております。
DShawn Michaels & Triple H
 vs. The Legion of Doom (12/15/97, from RAW)
  97年の『キング・オブ・ザ・リング』に輝くHHHがマイケルズとタッグを
 組んでリージョン・オブ・ドゥーム(元ロード・ウォリアーズ)と激突。
 試合は後半チャイナやニュー・エイジ・アウトローズ(ビリー・ガン&ロード
 ・ドッグ)が介入し試合を徹底破壊。ここにマイケルズを頭とする一大勢
 力DX軍が結成されました。しかし自慢の逆モヒカンをバリカンで刈り取
 られる故ホークの姿は見てられない程かわいそうでしたワ。
ED-X invades WCW (4/27/98, from RAW)
  マイケルズのリタイアによりDX軍の団長へ昇格したHHH。軍団員全
 員で戦闘用ジープに乗ってWCWが興行を打っている会場まで出向き
 マイクを握ってあることないことをベラベラと挑発や。
 あ、これは人気番組『コンフィデンシャル』からの収録です。
FThe last Nitro (3/26/01, from NITRO)
  これも『コンフィ デンシャル』からの収録。内容は01年3月26日の『N
 ITRO』最終回の舞台裏って感じで、キッドマン、ブック様、ランス・ストー
 ム、フレアー御大が当夜を振り返っております。
 尚、この夜のフレアーのマイク・アピールはDVD『THE ULTIMATE
 RIC FLAIR COLLECTION』に収録済。
 WCWの『NITRO』はフレアー対スティングで始まって、こうしてフレアー
 対スティングにて歴史に幕を引く事となりましたんや。
GnWo in the production truck (7/22/96, from NITRO)
  なんともゆるそうな6人タッグが番組内で進行中。しかしカメラはnWo
 一派が中継車を占拠する場面ばかり映していて...。
HEric Bischoff challenges
 Vince McMahon (5/11/98, from NITRO)
  タイソン台風の余波をかき消そうとやっきのビショフ、ダメで元々と思っ
 たかビンスに一騎撃ちを迫ってみました。
IChris Benoit vs. Booker T (6/1/98, from NITRO)
  十八番のクロス・フェイスにてベノワがブック様を一蹴。しかし最近大プ
 ッシュのベノワですが、わざわざ『月曜夜の視聴率戦争』に収録せんでも。
 本DVDの趣旨を全く無視した特典映像ですな。
JBill Goldberg vs. Hulk Hogan (7/6/98, from NITRO)
  手元の資料によると97年9月22日の対ヒュー・モラス戦でデビューし
 たゴールドバーグ。この夜はホーガン相手にタイトル戦を敢行ですワ。
 ゴールドバーグ、ホーガンのベルト&椅子攻撃からのレッグ・ドロップ2
 連発を跳ね返し、スピアーからジャック・ハマーにて遂に王座を奪取や。
 しかし『負け役』のホーガン、もうちょっと性根を入れてリングに上がらん
 とアカンよ。どうせ今夜、ワシは王座から滑り落ちるんやって口が言わな
 くても、アンタの試合態度がその結末を雄弁に物語ってまっせ(苦笑)。
 AV女優のオネェさんかてカメラが回ったらもうちょっと感じてる振りをし
 よるのに、ホンマにホーガンの試合態度はある意味バカ正直やなァ。
KRic Flair returns to WCW (9/14/98, from NITRO)
  本編Kの完全版。暫くWCWの表舞台から姿を消していたフレアー御
 大の完全復帰劇や。フレアー御大、アン・アンダーソンにクリス・ベノワ、
 ディーン・マレンコを引き連れて“新・4人の騎士”を旗揚げし、花道に姿
 を見せたビショフをボロカスにこき下ろして気炎を上げとりますワ。
LRick Rude appears on
 Nitro and RAW on the same night (11/17/97)
  リック・ルードが『RAW』と『NITRO』に同日出演を敢行。

【総評】
  『月曜夜の視聴率戦争』、日本に住んでいてしかもDVDでの追体験で
 はやはりこれが限度なんやろか。本編CNや特典映像BEみたいにい
 かに相手の足を引っ張り合ったかってところがワシはもっと知りたかった
 んやけどなァ。
 そう思うとこのDVD、余所余所しく綺麗事過ぎる編集に感じるんですワ。
 当時はマジでコンマいくつの視聴率を争い、相手の番組を貶めあってい
 たんやなかったの?。とことん互いに憎み合ったから結果として両番組
 のクオリティが上がったんやなかったの?。もうとっくにWCWは消滅した
 よって、相手に抱いていた憎しみなんて綺麗さっぱり忘れてしもたの?。
 済んでしまえばなにもかも美しい想い出となってしまうの?。
 それともこれが『勝者』の余裕?、『勝者』のエゴ?。
 もっとドロドロとして、相手に唾を吐いたつもりが実は鏡に映っていた自
 身に唾を吐いていたって生臭い内容を期待していたんやけどなァ。
 歴史の教科書改訂の時期となると毎度毎度『歴史認識』の点で近隣各
 国から非難を浴びる日本国ですが、このDVDを観終わってワシはそん
 な事をなんとなく考えてしまいましたワ。


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