では収録内容の詳細を

このDVDはリージョン『1』なので注意して下さい!

HARD KNOCKS
: THE CHRIS BENOIT STORY
(2枚組:合計約6時間収録)
 2004年の第20回レッスル・マニアのメインにクリス・ベノワが出場
すると聞き、多数の(特に日本の)ファンから「エッ、ベノワが?」っ声
が上がった様に記憶します。そして実際にベノワがHHHやショーン・
マイケルズを下して世界王座に就いた時も、多数の(特に日本の)フ
ァンから「エッ、ベノワが?」っ声が上がった様に記憶しますな。
で、そんな多数の(特に日本の)ファンが驚きの声を上げるであろう
新事実がまたひとつ。なんとクリス・ベノワの2枚組個人特集モノDV
Dが発売ですワ。これ、米国アマゾンから購入したんですが、我が家
に到着して包みを開いていると嫁サンが中身を確認して一言、「エェ
−ッ、ベノワの個人特集DVD?、しかも2枚組!?」。
これまた多数の(特に日本の)ファンの正直な感想でしょうが、何も
プロレスなんて小さな範疇でなく、広くカルチャー(サブ・カルチャー)
の世界で、米国と日本国の間に多種多様な温度差があるのは皆様
も承知のはず。WWEが会社を上げてベノワをプッシュしているって
側面もあるでしょうが、その売り出しにベノワが応え続けて来たって
側面もこれまたあっての現在の(主に米国での)ベノワ現象。
さぁ、ワシら日本のファンもこのDVDをじっくりと鑑賞して、米国ファ
ンとの間に存在する温度差を少しでも埋めてみまへんか。
尚、【Benoit】の日本語表記については皆様色々と思いもあられる
でしょうが、英語を日本語表記する事自体に無理があると考えます
ので、日本の(特に古参の)ファンに一番馴染み深いベノワって表
記で以下のレビューを書き進めたいと思います。
それとワシ、これまでずっと新日本プロレスをキチンと観て来なかっ
たので、何時も以上にトンチンカンな事を書いてしまうかも知れまへ
んが、これについては笑って許してやって下さいな。

★★DISC−1★★
 まずは本編。下記の10章に分けてベノワのこれまでの歴史を振
り返る約82分間の映像。ベノワの独白に絡め、ポイントポイントで
縁の深い人達のコメントも盛り込まれております。
ただこれらは当然英語でして、英語の苦手なワシには何を話してい
るのかチンプンカンプン。ワシ同様にヒアリングの出来ない方、無理
して米国版を購入されるのは避けた方がエエかもね。

@The Early Years
  世界王座に就いて故郷へ錦を飾った際の映像(過去にWWEの
 各番組で使用されたもの)に合わせ、自身の生い立ちや学生時
 代の話、ダイナマイト・キッドやステュ・ハートへの思いなどを語る
 ベノワ。家族や友人、学校の先生にフットボールのコーチらもコメ
 ントを寄せております。
ANew Japan
  手元の資料によると昭和61年3月に新日本へ留学生として参
 加し、翌年1月2日の後楽園で日本国内正式デビューとなったら
 しいベノワ。ここでは90年8月19日に獣神サンダー・ライガーを
 撃破してIWGPジュニアの王座に就いた事、94年4月16日にブ
 ラック・タイガーやグレート・サスケを下して『スーパー・J・カップ』
 に優勝した事などが語られております。あ、もちろん盟友エデイ・
 ゲレロ(ブラック・タイガーの正体)やディーン・マレンコ、そしてク
 リス・ジェリコらもコメントを寄せていて、ここらはやはり字幕があっ
 たらな、と悔やんでしまったワシでした。
BECW
  94年の夏頃にポール・Eが辣腕を振るっていたECWへと参戦
 したベノワ。11月4日の『ノーヴェンバー・トゥ・リメンバー』では
 合開始早々対戦相手であったサブゥの首を負傷させてしまいます
 んや。で、この様子を間近で見たポール・Eがベノワに付けたニッ
 ク・ネームってのが『クリップラー』。いかにもポール・Eらしいアイ
 ロニーではありますが、原語通りに『相手を不具者にするような酷 
 い奴』とした場合、ブラック・ジョークとしても仮にもプロのレスラー
 が誇らしく名乗るようなものではおまへんな。あ、当時のベノワの
 試合模様ですが、英国で発売されたECWのDVD『ハード・コア・
 TV・シリーズ』全5枚に克明に記録されておりますので気になる方
 はどうぞ(5枚ともレビューも既にアップしております)。
CWCW
  ECW時代のエディ・ゲレロやディーン・マレンコとの絡みが高く
 評価されたのやろか、目出度く揃ってメジャー団体WCWへと昇
 格を果たしたベノワ達。大型選手がズラリと揃うWCWにおいて
 徐々にポジションを上げて行き、ベノワに至ってはフレアーが仕
 切る『4人の騎士達』のニュー・メンバーに抜擢されますんや(残
 る2人は、アン・アンダーソンとブライアン・ピルマン)。
 けど順風満帆に見えたベノワのWCWライフに暗い影を落とした
 のが、WCWのブッカー職にあったケビン・サリバンとの抗争劇。
 しかもサリバンの本物の奥方であったウーマンさんとはアングル
 を超えて恋仲(現在はベノワの奥さんや)に発展し、2000年1月
 16日の『SOULED OUT』ではシッド・ヴィシャスを下してWCW
 世界王座に就いたものの、サリバンとのドロドロとした確執が元
 凶となって結局WCWを退団する事に。
 またWWFで起こったオーエン・ハートのPPV中の事故死につい
 てもベノワが語っておりますワ。サリバンとのトラブル、オーエン
 への思いなど、ここでも字幕がないとちょっと辛いワシでした。 
DWWE
  エディ・ゲレロ、ディーン・マレンコ、ペリー・サタンと足並みを揃
 えてWWF(当時)へ移籍したベノワ。早速『Wrestlemania』の
 2000年大会ではIC及び欧州両王座に就くカート・アングルに、
 クリス・ジェリコを含めた3WAYで対戦しIC王座を獲得(欧州王
 座はジェリコへ)。この余勢をかって7月23日の『Fully Loaded』
 では世界王者のロック様へチャレンジ。一度はシェイン・マクマホ
 ンの策略もあって王座移動のコールが会場に流れたのやけど、
 当時人気絶頂であった“コミッショナー”ミック・フォーリーが判定
 に異を唱えたお陰で幻の王者就任となってしまいよったんや。
 それと金網戦にまでもつれ込んだカート君との名勝負連発の抗
 争についても触れられておりまっせ。
EThe Injury
  ベノワ、2001年6月24日の『King Of The Ring』にてクリス
 ・ジェリコを雪崩式のスープレックスで投げ捨てた際に首にダメ
 ージを負い長期欠場へ。
FThe Comeback
  2002年3月25日、『Wrestlemania』を終えて新章へと突入
 したWWFではリック・フレアーが『Raw』を、ビンス・マクマホンが
 『SmackDown』を統治するってお話を書き、『Raw』においてド
 ラフト会議を開催。で、数順目にビンスの口から出たのがまだ欠
 場中であったベノワの名前。結局その二ヵ月後、5月27日にベ
 ノワは『Raw』に戻って来たんでしたな。
GRoyal Rumble 2003
  2003年1月19日の『Royal Rumble』でカート君の持つWW
 E世界王座へ挑んだベノワ、熱戦の末にカート君のアンクル・ロ
 ックにて惜敗したんです。まぁ、この頃からベノワには善戦するも
 のの世界王座に縁のない奴ってイメージが、実にベッタリと張り
 付いてしまいましたんや。  
HRoyal Rumble 2004
  記念すべき第20回『Wrestlemania』での世界王座挑戦権が
 懸かっている2004年1月25日の『Royal Rumble』に、絶対的
 に不利な第一入場者として参戦したベノワ。60分を戦い抜き、2
 9人の対戦者を蹴散らして堂々の優勝や。この前後から、ベノワ
 への風向きが目に見えて違って来ましたな。また本DVDでは触
 れられていないのが残念ですが、来日公演において日本のファン
 に向けて世界王座へ就くと約束した場面が忘れられまへん。
 キチンと新日本プロ時代の映像についても触れているのやから、
 何で本DVDに収録せんかったんやろ。あの映像を収録する事で
 ベノワの歴史に更に重厚さが増したんやけどなァ。
IWrestlemania XX
  ってな事で第20回『Wrestlemania』でのHHH、ショーン・マイ
 ケルズとの3WAY式の世界王座戦。大方の予想を裏切って遂に
 ベノワが世界王者となったんですな。当日カート君を下してWWE
 王座に就いたエディ・ゲレロや奥方のナンシーさん(元ウーマンさ
 ん)、子供達らと抱擁する姿、そしてバック・ステージでディーン・
 マレンコと抱擁する姿は、こうしてベノワの選手生活を振り返るに
 あたり、ある種必然なシーンなのかも知れまへんな。

【DVD特典映像】
@Pegasus Kid vs. Jushin Liger
 IWGP Junior Heavyweight Title Match
  (Tokyo, Japan - August 19, 1990)
 Alternate Commentary 1: Michael Cole & Tazz.
 Alternate Commentary 2: Chris Benoit, Dean Malenko
  & Todd Grisham
  ペガサス・キッド。新日本プロレス参戦時のクリス・ベノワの仮の
 姿でおますな。獣神サンダー・ライガーを相手にIWGPのジュニア・
 ヘビー級のベルトに挑戦するって一戦で、新日本プロレスとはずっ
 と疎遠であり、この映像で初めてペガサス・キッドやライガーの試
 合模様を観たワシには結構新鮮に映りました。
 さて試合の方ですが、映像に納められている日本語の実況(古館
 氏)&解説(藤波氏&山本小鉄氏)によるとライガーは急性盲腸炎
 &急性腹膜炎からの完治直後って伏線も用意されていて、佐山タ
 イガーとダイナマイト・キッドによる一連の対戦で様式美化した通称
 ・新日本ジュニア・スタイル(←嫌な響きやなァ)が堪能出来ます。
 あ、試合結果ですが、ペガサスがライガーを下して王座へ就いて
 幕となっておりますワ。また以降のBCもそうなんですが、収録さ
 れている映像の実況及び解説は日本語であるため、米国のファン
 に向けて副音声でマイケル・コール&タズ、又はベノワ&ディーン
 ・マレンコ&トッド・グリシャム(HeAT等の実況担当)の解説がチョ
 イス出来るようになっております。これ、日本版DVDではどのよう
 に処理されるのか現時点では分かりませんが、キチンと字幕が付
 くのなら英語の苦手な方(←ワシもやけどね)は無理して米国版D
 VDを購入されるのは控えた方がエエかも。
AChris Benoit vs. Too Cold Scorpio
 WCW Superbrawl (April 21, 1993)
  ベノワと元新日本プロレス道場生であるスコーピオの対戦。ベノ
 ワはダイナマイト・キッドのクローンらしく激しい当たりを信条とする
 ファイト・スタイルで、スコーピオは身体能力を活かした独創的な空
 中戦を信条とするファイト・スタイルですワ。一見相容れないかと
 思われる両者の戦いは20分1本勝負で行われ、各々見せ場を構
 築した挙句、19分59秒にスコーピオがベノワをフォールして幕。
 DVD観戦前は水と油かと心配したのですが、最後の最後は息の
 ピッタリと合ったところを披露してくれた2人でした。
 あ、たった今19分59秒と書きましたが、本試合の収録時間は19
 分弱。タイム・キーパーの持つ時計が進み加減だったのか、DVD
 化に際して再生ピッチを上げたのか、若干謎の残るポイントです。
BWild Pegasus Chris Benoit vs. Black Tiger
 Super J Cup Tournament Round 2
 (Tokyo, Japan - April 16, 1994)
 Alternate Commentary 1: Michael Cole & Tazz.
 Alternate Commentary 2: Chris Benoit, Dean Malenko
  & Todd Grisham
  1994年4月16日に両国国技館にて開催された『スーパー・J・
 カップ』。ライガーの提唱によりジュニアの猛者が多数参加したワ
 ン・ナイト・トーナメントにペガサスも参加や。1回戦をシード枠で免
 除されたペガサス、2回戦からの登場でしてブラック・タイガー(正
 体はエディ・ゲレロ)との顔合わせですワ。試合はブラック・タイガ
 ーのダイビング・アタックをクルリと丸め込んでペガサスに凱歌。
 あ、91年7月のライガー戦に敗れて素顔を晒したペガサス、当然
 この時もマスクの着用はしておりませんデ。
CWild Pegasus Chris Benoit vs. Great Sasuke
 Super J Cup Tournament Final
 (Tokyo, Japan - April 16, 1994)
 Alternate Commentary 1: Michael Cole & Tazz.
 Alternate Commentary 2: Chris Benoit, Dean Malenko
  & Todd Grisham
  『スーパー・J・カップ』の決勝戦は準決勝戦でライガーを下したサ
 スケ、外道を下したペガサスの顔合わせとなりました。リング下に
 は本トーナメントの提唱者であり(そして多分ブッカーであった)ライ
 ガーをはじめとして当夜参戦した全選手が集結し、20分弱に渡る
 熱戦を見守ります。そして雪崩式のサイド・スープレックスによって
 初代トーナメント覇者となったのはペガサスでしたんや。 
DChris Benoit vs. Sabu
 ECW November 2 Remember
 (November 5, 1994)
  本編でも触れられていた、『クリップラー』の語源となった試合。
 ゴングが鳴りワン・ムーヴをこなした直後、ベノワの変な形の投げ
 技を受けたサブゥがリングへ脳天から落下。首が不気味な角度で
 曲がる映像はホンマに背筋が凍り付きそうですワ。それにしてもこ
 の試合、実際はどの様な結末がポール・Eによって用意されてい
 たのやろか。※サブゥの思わぬ退場に、2・コールド・スコーピオと
 ベノワの番外戦が始まり、両者カウント・アウトで終わったとの記
 録がネット上に残っておりました。
EChris Benoit vs. Al Snow
 ECW Double Tables (February 4, 1995)
  ECW時代を締めくくるのは曲者アル・スノーとの熱戦。この映像
 はECWの英国版DVD『ハード・コア・TV・シリーズ』の第2弾であ
 る『EC DUB!』にも収録されておりますな。レビューも既にアップ
 済なので、そちらもご覧になっていただけますでしょうか。

【隠しトラック情報】
○Benoit talks about Hack Meyers,
 Ron Simmons and Al Snow
  エクストラ画面にて『Chris Benoit vs. Sabu』を選択し左ボタンを
 押すと、ECW時代のベノワのプロモが再生されまっせ。

★★DISC−2★★
  DISC−2は全てDVD特典映像として構成されとります。

@Chris Benoit vs. Eddie Guerrero
 WCW Monday Nitro (October 16, 1995)
  『カナディアン・クリップラー』と実況者にアナウンスされたベノワ、
 手の合うエディ・ゲレロを相手に対戦や。試合はベノワのハード・ヒ
 ット・スタイルとエディの飛び付きウラカンなどをはじめとする舞い
 技が上手くマッチ。エディのフロッグ・スプラッシュを膝で迎撃し、火
 の出る様なパワー・ボムからフルネルソン・スープレックスで締め。
 新日本ジュニア・スタイル(ECW経由)inWCWってとこやろかね。
AChris Benoit vs.
 Taskmaster (Kevin Sullivan)(w/Jimmy Hart)
 WCW Great American Bash (June 16, 1996)
  本編でも触れたんやけど、WCWのブッカー職に就いていたサリ
 バンの本物の奥方であったウーマンさんとアングルを超えて恋仲
 (現在はベノワの奥さんや)に発展してしまった、ちょっとだけ困った
 ちゃんのベノワ。エニイウエア方式でサリバンと激突いたしました。
 ま、当時の両者にどんなドロドロとした恨みつらみがあったのかは
 ワシには計り知れませんが、職権を乱用したともとれるサリバンの
 行いは実にプリティ・グッド。またそこまで私生活をネタにしてしまう
 ってのもブッカー職にある者の、ある種職業病とも取れるしね。
 さてそんな遺恨まみれの一戦、ルールを最大に活用して会場内の
 トイレにまで雪崩れ込む大乱戦となりましたが、それでもベノワの
 激勝を幕切れに用意して、プロレスの枠の中に最終的に帰結させ
 たのはブッカーのサリバンが割り切っていたからか。
 ただよくよく観ていると乱戦中にベノワの目に親指を押し込むなど、
 ドサクサまぎれの暗黙の掟破りもあって散見されて...(苦笑)。
 サリバンが見せたこのシーン、W★ING参戦時に金村の目にシノ
 を突き立てた悪辣さを鮮明にワシの脳裏に蘇らせてくれましたワ。
 無理を承知で書くけど、ベノワとサリバンの絡みだけでもう一度暴
 露DVDを作ってくれへんやろか。大売れすると思うけどなァ(笑)。
BChris Benoit vs. Booker T
 Best-of-Seven Finals,
 Great American Bash (June 14, 1998)
  当時ベノワとブック様は7連戦の真っ最中。で、ここまで3対3の
 イーブンで当日を迎えておりますんや。しかもこの試合には当日改
 めてTV王座を保持しているフィット・フィンレーに挑戦出来るって権
 利も懸かっていました。で、試合はベノワのフルネルソン・スープレ
 ックスからダイビング・ヘッドバットを受け切ったブック様がミサイル
 ・キックを見舞って勝利。最近WWEで精彩を欠いているブック様で
 すが、この頃って今に比べて凄く活き活きとしていて(プロレスのス
 キルってのは別にして)魅力的や。尚、ベノワを下したブック様、当
 日フィット・フィンレーも下してTV王座へ返り咲いておりまっせ。
CChris Benoit vs. Bret Hart
 Owen Hart Tribute Match
 WCW Monday Nitro (October 4, 1999)
  99年5月23日、WWF(当時)のPPV『Over The Edge』がミズ
 ーリ州カンサス・シティのケンパー・アリーナで開催され、ブルー・ブ
 レイザーなるマスク・マンに扮したオーエン・ハートが天井からロー
 プを使って入場するってアクションに挑戦。けどロープに不具合が生
 じたのか、PPVの真っ最中にオーエンはアリーナの天井からリング
 に落下し、病院に搬送されたものの死亡してしまいましたんや。
 この死亡事故、結構WWFに暗い影を落としたものでしたが、それ
 から半年が経ち、オーエンの実兄であるブレット・ハートを擁するW
 WFの敵対団体WCWが事故の起こった当地で興行を行う事に。
 で、誰の発案なのかブレットによる亡き弟オーエンへの鎮魂戦が組
 まれ、ブレットの相手を務めたのが、オーエンやブレットらハート一
 家とは切っても切れない縁を持つベノワでしたんや。 
 試合はカンサス・シティの『顔役』であるハーリー・レイスを司会者と
 して招き、生放送のため途中2度のCMブレイクをはさむ長時間の
 大熱戦。両者ともに十八番のスポットを全て出し切った末、ブレット
 がシャープ・シューターにてベノワを撃破ですワ。当時のWWFとW
 CWの緊張関係を思うと綺麗事ではない舞台裏ってのも邪推してし
 まうのですが、それは本試合の内容とは全くの別物。とりあえずこ
 の試合がキチンとDVD化された事を素直に喜びましょか。
DChris Benoit vs. Sid Vicious
 World Heavyweight Championship Match
 WCW Souled Out (January 16, 2000)
  これがベノワのWCWでの最後の試合。2000年最初のPPVで
 ある『SOULED OUT』で世界王座のベルトを持つシッド・ヴィシャ
 スに挑戦や。試合は体格だけでデクの坊のシッドの左足にベノワ
 が照準を合わせ、鉄階段攻撃〜四の字固め〜膝十字固めと厳し
 く攻め立てる展開。で、シッドの馬鹿の一つ覚えであるチョーク・ス
 ラムを喰らった直後、ベノワのフェイス・ロック(クロス・フェイス)がや
 や唐突気味に炸裂してシッドがタップ。晴れてベノワはWCW世界
 王者となったんですワ。ただ、本編やAでも触れたようにこの試合
 の直後にサリバンとの確執によってベノワはベルトを放棄しWCW
 を退団。WWF(当時)へと新天地を求めたんですな。
EChris Benoit vs. William Regal
 Brian Pillman Tribute Show (May 26, 2000)
  97月10月5日、奥さんや子供達を残したままブライアン・ピルマ
 ンは『ルース・キャノン』の別名通りあの世へ呆気なく旅立ってしま
 いました。でもピルマンの人柄やったんやろね、遺族への援助って
 面もあり過去何度かトリビュート・ショーが開催されておりますんや。
 で、WCW時代にピルマンとは『4人の騎士達』として同じ釜の飯を
 食ったベノワが、(多分手弁当で)リーガル卿とともにオハイオ州シ
 ンシナティで催されたショーに参加ですワ。
 試合は手の取り合いからブリッジ合戦へと発展するクラシカルなス
 タイルで始まり、この冒頭の絡みだけでリーガル卿ファンであるワ
 シを小躍りさせてくれましたデ。最後はベノワのダイビング・ヘッド
 バットが決まってリーガル卿に土が付くんやけど、Cの試合と言い、
 この試合と言い、レスラー仲間の結束力の強さが垣間見れて非常
 に興味深かったですな。
FChris Benoit vs. Kurt Angle
 Steel Cage Match, WWE Raw (June 11, 2001)
  01年4月30日のPPV『バックラッシュ』における30分間ぶっ続
 けのサブ・ミッション戦、ベノワによるカート君の大事にしている金メ
 ダルの窃盗事件を発端とした01年5月20日のPPV『審判の日』
 での再戦と、腕の立つ者同士であるベノワとカート君の絡みはとも
 すれば物語優先になりつつあるWWFにおいて『やはり闘いあって
 こそ』と主張し続けて来ました。で、辿り着いたのがここに収録され
 た『Raw』での金網戦。カート君による金網頂部からの月面水爆の
 誠に天晴れな自爆、ベノワによるこれまた金網頂部からのダイビン
 グ・ヘッドバットが本試合の最大の見所ですワ。放送席に陣取るオ
 ースチンの、「お前らそこまでやって、ホンマに大丈夫なんか」って
 表情はストーリー上のものだけではないんやと思いますな。
GChris Benoit vs.
 Kurt Angle(w/Charlie Haas & Shelton Benjamin)
 WWE Championship Match
 Royal Rumble (January 19, 2003)
  これまたベノワとカート君の絡みに外れなしと痛感させられる熱
 戦ですワ。WWE王座に就くカート君にベノワが挑むって図式でし
 て、目前に迫った『Wrestlemania』を思うとベノワに若干分がな
 いかななんて思わされもしますが、それでも2人の力の限りの戦
 い振りを見せられるとつまらぬ予想なんて吹き飛んでしまいます。
 ただ一発必殺の威力を十二分に秘めた両者のスープレックスが
 余りにポンポンと飛び出すので、必殺技の神秘性が薄れてしまっ
 たのは偽らざる事実。また過度のスープレックスの打ち合いによっ
 て蓄積された両者の身体へのダメージを考えるとな...。
 尚、ベノワさん、十八番のダイビング・ヘッドバットへ入る直前にマ
 ット上に横たわるカート君へ向けて手鼻をかむんですが、これがま
 た綺麗にカート君に噴射されるんや。あのシーン、蓄膿の気のあ
 るワシには憧れですワ(苦笑)。
HChris Benoit vs. Triple H vs. Shawn Michaels
 World Heavyweight Championship Match
 Wrestlemania XX (March 14, 2004)
  紆余曲折あって遂に『Wrestlemania』のメインへと辿り着いたベ
 ノワ。しかもメイン初登場でいきなり世界王座獲得でっせ。
 試合決着後にエディ・ゲレロと抱擁する姿は、ホンマ涙なくては語れ
 ません。試合の周辺については『WrestlemaniaXX』に既にレビュ
 ーを掲載済なので、良かったらそちらもご覧になって下さいな。
IThe Neck Injury
 WWE Raw (July 2, 2001)
  01年6月24日の『King Of The Ring』にてクリス・ジェリコを雪
 崩式のスープレックスで投げ捨てた際に、首にダメージを負ったベ
 ノワ。28日にテキサスはサン・アントニオの病院で奥さん立会いの
 下、診断を受けております。これ、7月2日放送の『Raw』でも紹介
 されましたんや。
JCrossface Collection
 WWE Confidential (January 24, 2004)
  『Confidential』より抜粋された小作品。ベノワが看板技であるフェ
 イス・ロック(クロス・フェイス)の周辺を語っております。
KRaw Magazine Cover Shoot
 WWE Confidential (April 3, 2004)
  『Confidential』より抜粋された小作品。『Rawマガジン』の表紙を
 飾る写真撮影のためにベノワが食肉倉庫へ。ビートルズのファンな
 ら『ブッチャー・カバー』ってちょっとグロテスクなLPジャケットが存在
 するのをご存知かと思いますが、ワシはこの『Rawマガジン』の表
 紙が一瞬その『ブッチャー・カバー』のジャケットと被りましたワ。  

【隠しトラック情報】
○"I am Chris Benoit" Promo
  エクストラ画面にて『Chris Benoit vs. William Regal』を選択し右
 ボタンを押すと最近作られたベノワのプロモが再生されます。    
○How his son lost his tooth
  エクストラ画面の最終面で『Back』を選択して右ボタンを何度か
 押すと、画面右下にある抜けた歯のイラストへカーソルが飛ぶは
 ず。これを選択するとベノワの父親が、如何にしてベノワが前歯を
 失ったのかを語るシーンが再生されます。

【総 評】
  過不足なくベノワの歩みを編集してくれた本DVDには満足してお
 ります。ただ最近ベノワってレスラーを思う度、『Wrestlemania』の
 メインに初登場でいきなり世界王座獲得なんて離れ技が、彼のキャ
 リアの頂点になってしまうんやないかって心配になりますんや。
 なるほど確かに、『Wrestlemania』のメインに初登場でいきなり世
 界王座獲得って事象を越える『高み』なんてないのかも知れません。
 ただ日本マットとも縁の深いベノワ、願わくばその何処にもないかも
 知れない『高み』ってのに登りつめ、もう一度その場面がハイライトと
 なる個人物DVDが出て欲しいなァなんて願っております。


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