では収録内容の詳細を

Final National TV Taping 2000-9-9 (DVD-
R)
(約2時間20分収録)
 ECW存命時に、地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』。
これまでは120分テープのVHSテープを使い、2倍速録画なんて実に得
体の知れないフォーマットで秘蔵映像を収録し、全世界のECWマニア相
手に通販で商売をしておりましたんや。
で、その『RF-VIDEO』も昨今のECW再評価の潮流とデジタル化の波を
感じ取ったか、今となっては非常に貴重な過去の映像ライブラリーをDV
D−R化して順次発売すると決めたみたいなんです。
さて、今回ご紹介するDVD−Rの内容はと言うと、2000年9月9日にカ
ナダのオンタリオにてECWが開催した定期興行を収録したもの。実はこ
の夜がECWの全国定期放送を受け持っていたTNN局による最後の映
像収録日であったそうなんや。ただ、大規模な会場を所狭しと埋め尽くし
た5千人もの大観衆のうちの何人が、そんな内幕を認識していたかと想
像すると...。ま、ポール・Eが後に述懐するところによると、ECWの生
命線を断ち切る事となった、TNN局からの契約解除。ECWの歴史を振
り返る上で必ずやマイル・ストーンとなるであろう夜が、実際に現地では
どんな様子であったのかを本DVD−Rをテキストに検証してみましょか。 

@Psychosis vs. Julio Dinero
  フリオ相手に取って付けた様なルチャ・ムーヴを披露するシコシス。ミ
 ステリオと2人で『エキストリーム・ルチャ』をネタにECWアリーナを沸か
 しまくっていたのが嘘みたいや。ボロが出ぬ前にと思ったか、短時間で
 試合に幕を引いてしまいましたが、WCW在籍でぬるま湯にドップリと
 浸かったか、とことん使えない選手になってしもたね。
ASimon Diamond & Swinger (w/C.W. Anderson)
 vs. Joey Matthews & Christian York 
  リング下に陣取るCW・アンダーソンの介入を今か今かと待ちわびてお
 りましたが、最後まで結構クリーンなファイト内容(苦笑)に終始した感じ
 の試合となりました。両チームともに合体攻撃を繰り出した末に、サイモ
 ンらに勝利の女神が微笑んでおります。  
BFBI (Little Guido & Tony Mamaluke) (w/Sal E. Graziano)
 vs. Roadkill & Danny Doring
  8月26日の定期興行においてタジリ&マイキー組からタッグ王座を引
 き継いだ、グイドー&ママルークの『純血イタリア人軍』。リングに姿を現
 すなり客席をいじり倒し、試合の最中には巨漢のサルも適時介入。分か
 っていても思わずグイドー&ママルークを小憎らしく感じてしまい、これで
 客席もモニター画面の前のワシも『純血イタリア人軍』の術中に(苦笑)
 ドーイングの幻の3カウント・スポットを山場に設定し、最後はサルの介
 入からグイドーのズル勝ちでジ・エンド。タッグ王座が懸かった試合であ
 ったのか否かは不明ですが、何時通りの美味なるサービス定食でした。
 満腹です。ごちそうさん。
CNova (w/Jazz) vs. Chris Hamrick (w/Elektra)
  色香漂うエレクトラの介入に翻弄され、ハムリックのスーパー・キックを
 モロに喰らってしまったノヴァ。これを控え室で見ていたか、「そんな女
 に邪魔されている場合やないでしょ!」と色香皆無(失礼)のジャズ姉さ
 んまで姿を見せ、リング上は4人入り乱れての大混戦へと発展。最後は
 ノヴァがハムリックを振り切りましたが、直後に先日まで相棒であったは
 ずのクリス・チェッティの乱入によってジャズ姉さん共々ボコボコにされて
 しまったノヴァなのでした。
DDa Baldies (Angel & DeVito) vs. Ballz Mahoney & Chilly Willy
  定番中の定番試合。4選手共に細かなレスリング・テクニックを徹底的
 に排除し、凶器乱舞&狂喜乱舞の場外戦に突入する事で広い会場内
 を興奮の坩堝へ叩き込みますんや。当然流血ジョヴも盛り込まれており
 まして、最後はマホーニーがエンジェルを仕留めて大団円。Bの試合と
 同じく、これまたごちそうさま、って感じですワ。
E場面は変わって...
  お馴染みジョーイ・スタイルスとジョエル・ガートナーが姿を見せ、ここで
 ジェリー・リンをリング上に招待。和やかな即席インタビューでも始まるの
 かと思えば、呼ばれもしないのに世界王座に就くジャスティン・クレディヴ
 ルやスティーヴ・コリーノまでがやって来て、途端にリング上は険悪な雰
 囲気へ...。と、ここで会場にはAC/DCの名曲『地獄のハイウェイ』が
 流れ、スパイク・ダッドリー君までが登場。なんとスパイク君、今夜のマッ
 チ・メイク権をポール・Eから託されたのか、メインをジャスティン対リン対
 コリーノの3WAYスタイル世界王座戦にすると宣告。しかしこれを面白く
 思わないのは王者ジャスティン。相棒ライノを投入し、過去の怪我で満身
 創痍状態のスパイク君をボコに。スパイク君を救えとニュー・ジャック親分
 も駆け付けるのですが、結局最後はズタボロにされてしまいました。
FMikey Whipwreck (w/Sinister Minister) vs. Kid Kash
  8月26日の定期興行においてライノからTV王座を奪ったキャッシュ。
 今夜はマイキー・ウィップレックとのシングル戦が組まれたのですが、ど
 うにも両者の波長が噛み合わず、なんとなく先行き不安な試合模様。
 と、突然ライノがリング上に現れ、キャッシュとマイキーに対して無差別
 テロを強行。なるほど、マイキーのやる気のなさは、『この結末』を知って
 いたからか。けどプロやろ、もうちょっと表情作りには気を付けんとね。   
GECW TV Championship :
 Rhino vs. Kid Kash
  ライノの無差別テロに怒り心頭のキャッシュ。花道を控え室に引き返す
 ライノを呼び止め、急遽(←そんな事はないか)世界王座戦のリターン・
 マッチを受けてやると豪語。ライノも待ってましたの面持ちでリングに取
 って返し、ここに予定になかった(←そんな事はないか)試合が始まりま
 した。ただ、8月26日の定期興行での王座奪取もRVDらのバック・アッ
 プがあってこそのキャッシュ。一対一の正面切っての激突ではやはりラ
 イノに分があり、ライノはキャッシュの各種の飛び技を余裕を持って受け
 切り、最後は強烈なゴアからコーナーに立て掛けたテーブルへキャッシ
 ュを叩き込み、実にアッサリとTV王座を奪回ですワ。これでキャッシュな
 どは用済みとばかり、ライノはマイクを手に取り控え室のRVDを挑発。
 RVDもこれに呼応して姿を現し、TV王座(もともとRVDが長く保持して
 おり、負傷で手放した経緯あり)を巡る新たな抗争絵図が出来上がりま
 したとさ。二週間天下やったね、キッド・キャッシュさん。
H場面は変わって...
  ポール・Eのパロディであるルー・E・デンジャラスリーが約3週間後の
 10月1日に迫ったPPV『Anarchy Rulz '00』でマッチ・メイクされている
 サイラス(TNN局差し向けの番組検閲員ギミック)とジョエル・ガートナ
 ー(元ダッドリーズお抱えの悪のリング・アナ⇒現在は改心)とのオトコ
 同士のキャット・ファイトについてアジっていると、当のガートナーとサイ
 ラスが順次姿を見せ、待ってましたの前哨戦を展開。ルー・Eがサイラス
 と歩調を合わせているため劣勢となったガートナーですが、ジョーイ・ス
 タイルがガートナーを救助に現れて...。  
IRob Van Dam (w/Bill Alfonso) vs. C.W. Anderson
  CWに攻め込ませる場面も随所に設けてやり、最後はヴァン・ダミネー
 ター⇒5★スプラッシュで完勝したRVD。さすがは“ミスター・PPV”って
 称号を自他共に認めるRVDや、これ究極のワン・マン・ショーでしたな。
 あ、盟友サイモン・ダイヤモンドやスゥインガーに試合への介入を頼まず
 に、最後まで一人でRVDと相対し潔く散ったCWにもサブトンを一枚!。
 大向こう受けせぬ目立たない風体やけど、地味渋のエエ選手やね。
JECW World Title Match 3way Dance :
 Justin Credible (w/Francine) vs.
 Steve Corino (w/Jack Victory) vs. Jerry lynn
  Eで記したようにスパイク君の発声によって組まれた、ジャスティンの
 保持するベルトを巡る3WAYダンス・スタイルの世界王座戦。まず序盤
 の絡みで全員が流血ジョヴを志願し、ここからは正にネタとスポットの連
 射状態へとシフト・チェンジ。順に主なものを記すと、
 ◆コリーノの毒針エルボーがレフリーを直撃
 ↓
 ◆直後にリン必殺の墓石パイルがジャスティンに見舞われるも、正規の
  レフリーは失神中で、急遽リングへ入ったジャスティン側のサブ・レフリ
  ーは当然のごとくジャスティンを援護するデとカウントを拒否。
 ↓
 ◆意識を取り戻した正規レフリーと、ジャスティン側レフリーの番外戦。
 ↓
 ◆十八番の旋回墓石パイルでジャスティンがリンをフォールし、試合は
  ジャスティンとコリーノとの一騎打ちへと移行。
 ↓
 ◆フランシーン介入し、コリーノの右腕をテープでトップ・ロープに固定。
 ↓
 ◆身動き取れぬコリーノの額へジャスティンが竹刀の嵐。コリーノの顔
  面が真紅に染まる(この場面、コリーノの見せ場でっせ!)。 
 ↓
 ◆フランシーンとは犬猿の仲であるダーン・マリーが介入し、フランシー
  ンと2人で股間剥き出しのスケベ過ぎるキャット・ファイト
 ↓
 ◆十八番の旋回墓石パイルでジャスティンがコリーノをフォール。
 ↓
 ◆ジャスティンの勝ち名乗りと同時に客席には『エンター・サンドマン』が
  流れ、サンドマンが堂々の登場。
 ↓
 ◆『エンター・サンドマン』をフル・コーラス使用し、客席に愛想を振りまく
  サンドマン。ジャスティンもさっさと控え室に帰ればエエのに、サンドマ
  ンのリング・インを待ち続け(苦笑)、挙句の果てにサンドマンから竹刀
  でシバキ倒されて...。
  ウン、練りに練られた試合構成や。大満足、ごちそうさま!!!。


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