では収録内容の詳細を

このDVDはPAL方式で収録されており、通常の国産モニターでは
鑑賞できませんので、ご購入の際はご注意下さい。

MASSACRE ON 34TH STREET
(PAL版)(約2時間42分収録)
 このDVDは2000年12月3日にニュー・ヨークはマンハッタンのハマー
スタイン・ボールルームにおいてECWが開催したPPV、『34丁目の殺
人』を収録したものですんや。
さて2000年12月頃のECWですが、タジリ著の自伝『ザ・ジャパニーズ・
バズソー』によると、TNN局による全国放送が打ち切りとなり、興行数が
めっきりと減少して、ギャラの遅配が恒常化していたらしく、『このままでは
ヤバいな』と選手各自が感じ始めていたそう。それでもこれまでは2カ月に
1度の開催であったPPVを毎月1度の開催に見直す事で、少しでも収益
改善を図ろうと会社側(って言うか、ポール・E個人?)は奮起。
で、その月1開催となった最初のPPVってのが、この『34丁目の殺人』
なんですワ。では、誰の目にも浸水しつつある事が明らかなECWって名
前の乗合船に、何の因果か乗り合わせた各乗船員(選手達)の奮闘振り
を、このDVDを再生して今一度確認してみましょか...。

 あ、このDVDですが、以前は英国PAL版で簡単に入手可能であったも
のなんやけど、これが突然の製造打ち切り。しまった、早く購入しておくん
やったとずっとワシを後悔させ続けていたタイトル。けど、毎月21日になる
京都の東寺で開催される『弘法大師・空海』縁の露天市『弘法市・弘法
さん』で、マニア向けのプロレス海賊版DVD−Rを売りさばいている不届
者が居るとの情報をキャッチ。で、去る7月21日に炎天下の京都まで熱
中症覚悟で出掛け、山とある露店の中からそれらしきお店を発見。
遂に念願かなって映像入手となった次第です。尚、この業者さんは鴨川
べりでも不定期に露店を出されているそうで、もし京都に出掛ける事があ
る様でしたら、皆さんも暇潰しにお店を探されてはどないでしょうか。
注:このお店についての情報はここまで。もっと詳細に教えろ、探したけれ
ど見つからない、などの苦情は一切受け付けませんのでよろしくね(笑)。

○DVDを再生するといきなり...
  今夜のメインでジャスティン・クレディブル、ジェリー・リンの難敵2人を
 相手に防衛戦を行うスティーヴ・コリーノが、相棒のジャック・ヴィクトリー
 と共に控え室にて怪気炎。  
○場面は変わって...
  お馴染み、ジョーイ・スタイルスとジョエル・ガートナーの前口上の時間。
@Christian York & Joey Matthews
 vs. Swinger & Simon Diamond
  プロデューサーのポール・Eが、今夜のPPVのオープニングに配したの
 はこの両タッグ屋同士の対決。例によって『何時も問題を抱える男』サイ
 モン・ダイアモンドがマイクを握り、「今夜のワシとスゥインガーの共通の
 問題は、ヨーク&マシューズじゃ!」とアジったところでヨーク&マシュー
 ズが姿を現し、そこから試合へ突入するって寸法。しかし両軍がリング上
 で向き合った途端、花道にはダーン・マリー嬢までが姿を見せ、この試
 合の勝者組とマネジメント契約をしてあげると提案。ま、ランス・ストーム
 のWCW転出でマネジメントするレスラーを失って、マリー嬢もいろいろと
 大変みたいですな。さて試合なんですが、両軍共にチーム・ワークを発
 揮してタッグ戦ならではのスポットを多数構築し、最後はヨーク&マシュ
 ーズに凱歌が。しかしマネジメント契約を結ぶはずのマリー嬢が、早くも
 ダーティな(笑)ダブル・クロスをヨーク&マシューズにブチかまして...。
○場面は変わって...
  『純血イタリア人軍』の保持するタッグ王座へ挑むロード・キル&ダニー
 ・ドーイングが、決意の程を述べております。
AEZ Money (w/Julio Dinero & Chris Hammerick & Elektra)
 vs. Balls Mahoney
  失礼ながら超一流とは言い難い腕前の御三人からなる『Hot Commodi
 ty』って名のユニット。今夜はここからマネーが選出され、ECW版の『椅
 子大王』マホーニーと対決や。『Hot Commodity』の面々もマホーニーに
 椅子を持たれては勝ち目がないと分かっているのか、セコな介入の波状
 攻撃でマホーニーにペースを握らせません。で、なんとそのままマネーが
 月面水爆にてマホーニーをピン!。おぉ、これは大番狂わせやんか。
 あ、マホーニーと言えば入場時に『♪俺はデカい金玉を持ってるぜ♪』と
 お客さんと大合唱するのが常なんやけど、ここでは英国PAL版の『負の
 特徴』で当たり障りのないBGMとの差し替えが施されており...。
 画面の中では会場中が盛り上がっているのが確認出来るのに、モニター
 から流れて来るのはアホみたいなBGM。あぁ、萎えてしまうなァ。
BNova (w/Balls Mahoney) vs.
 Julio Dinero (w/EZ Money & Chris Hammerick & Elektra)
  先の試合にケリがついたのに、まだマホーニーに暴行を加え続けてい
 る『Hot Commodity』。と、ここに颯爽とノヴァが現われ、予定にはなかっ
 たはずの(笑)ディネロとの一戦が始まります。ただしこの突然の番外戦
 でも『Hot Commodity』の結束力の固さがいかんなく発揮され、ノヴァの
 命運も尽きたかと思いました(←嘘です)。けど調子に乗ってリングに上
 って来たエレクトラ嬢をノヴァが手加減抜きで轟沈させたのを合図に、先
 の試合で煮え湯を飲まされたマホーニーまでが復活。怒りの椅子攻撃
 を『Hot Commodity』の面々に食らわせ、最後はノヴァがキチンとディネ
 ロを押さえ込み幕引きや。ま、先の試合とこの試合で1セットってとこで
 っしゃろかね。
○場面は変わって...
  TVタイトルに照準を合わせて来たスパイク・ダッドリーに向け、“獣人”
 ライノがアジテーション。
CECW World Tagteam championship :
 Roadkill & Danny Doring
 vs. FBI (Little Guido & Tony Mamaluke w/Sal E. Graziano)
  8月26日の定期興行でタジリ&マイキーからタッグ王座を奪取し、以
 降ズル勝ちの連発でタッグの座を死守する『純血イタリア人軍』。今夜は
 ドーイング&キル組の挑戦を受ける事となったみたいです。さて、『純血
 イタリア人軍』の試合となると、やはり注目はグイドーのマットさばきや。
 今夜もママルークを制して先発を買って出て、ドーイングを軽く翻弄して
 みせましたデ。ただし試合は、ママルークの放った花道へのダイヴ攻撃
 も、グイドー十八番のベルト攻撃も、グイドー&ママルークによるステレ
 オ式の脇固めも決定打とはならず、なんとなんとタッグ王座はドーイング
 &キル組へと移動。ま、タイトルを誰が持つかなんてのは、モニター画面
 の前のワシも、会場に詰め掛けたお客達も、そして当の『純血イタリア人
 軍』も興味がないもんな。そう、グイドーの『芸』が堪能出来るのなら、そ
 れでOKってとこなんや。
○場面は変わって...
  “巨人殺しの達人”スパイク・ダッドリーのアジテーション。
DC.W. Anderson (w/Lou E. Dangerously)
 vs. Tommy Dreamer
  “CW=Can’t Wrestle”なんて笑えんサイン・ボードが客席から上が
 っておりますが、地味渋ながらも実力派のアンダーソンの魅力が堪能出
 来る好試合。まずは場外戦にてバーティカル・スープレックスをドリーマ
 ーに放ち、試合のペースをアンダーソンがしっかりと握ります。で、ここに
 ポール・Eのコスプレ・キャラであるルー・Eが現われ、携帯電話攻撃を
 ドリーマーに。と、この暴挙(笑)に、本家ポール・Eまでが現われ、ホン
 マの携帯電話攻撃はこないするんじゃ、ってルー・Eを襲撃!!
 正直、あぁこれをキッカケに試合は決するものやと思いました。けど、ここ
 から試合は一層白熱するんや。ドリーマーによるスピコーリ・ドライバー
 や、コーナーに立て掛けたテーブルを巡る攻防など、さっきの携帯電話
 攻撃を巡るネタ合戦で幕引きとしなかったのは大正解の盛り上がり
 最後はアンダーソンに土が付く結果となりましたが、“CW=Can’t Wr
 estle”のサイン・ボードを上げていた奴の感想を聞きたい位ですワ。
EECW TV Championship :
 Rhino vs. Spike Dudley
  CのグイドーやDのアンダーソンのような、お客さんのハートをガッチリ
 と掴む『芸』のないスパイク君。しからばと、場外戦ではバルコニーからダ
 イヴをしてみせ、ライノの“獣人”パワーによってリング上からエプロン横
 のテーブルへと叩き落されてみせ、スリーパー・ホールドにて安らかに永
 眠させられてみせました。『芸』がないなら身体を張れ。この世界の鉄則
 ではありますが、これも広義での『芸』と解釈する事も可能で...。
○場面は変わって...
  コリーノ&ヴィクトリーの控え室に、突然ジャスティン・クレディブルのマ
 ネであるフランシーン嬢がやって来て、なにやら色仕掛けが始まります。
 ヴィクトリーを誘ってフランシーン嬢はシャワー・ルームに姿を消し、コリー
 ノが「おいおい、2人で何を楽しんでいるんや!」って嫉妬に駆られた途
 端、背後から竹刀を持ったジャスティンがコリーノを急襲。フランシーン嬢
 もシャワー・ルームの中でヴィクトリーのあらぬところ(苦笑)に噛み付い
 たようで......。
FMikey Whipwreck & Tajiri (w/Sinister Minister)
 vs. Super Crazy & Kid Kash
  まず外れる事のないタジリとクレイジーの絡みですが、今夜も及第点以
 上を楽々とクリアー。序盤の両者による定番スポットの披露だけで、お客
 さんは早くもスタンディング・オベーションでっせ。これを目の当たりにする
 と、各々のパートナーであるマイキーとキャッシュも必要以上に出しゃば
 る事もままならず、タッグ戦とは言うものの、試合の序盤と終盤は殆ど両
 者によるシングル戦みたいなものでした。最後はタジリがクレイジーを、
 パイプ椅子&テーブルともどもフット・スタンプにて踏み潰して激勝。
 これがベスト・マッチって事では決してありまへんが、両者の絡みのひと
 つの完成型をサラリと披露されたって感じですな。
○場面は変わって...
  地下鉄の34丁目駅に降り立ったのは、デヴィト&エンジェルの『暴走
 禿頭軍』。これからホールへと向かうのでしょうが、こんな奴らが乗って
 いるのなら、やはりニュー・ヨークの地下鉄は怖いでっせ(笑)。
○場面は変わって...
  ブルー・ミーニー改めブルー・ボーイもガール・フレンドのジャスミン嬢を
 助手席に座らせ、自動車にてホールを目指しているみたい。でもジャス
 ミン嬢が意味あり気に後部席から撮影しているカメラを遮って...。 
GECW World Heavyweight championship :
 Steve Corino (w/Jack Victory) vs. Jerry Lynn
 vs. Justin Credible (w/Francine)
  2000年11月5日に開催された前回のPPV『November to remember』
 においてECW認定の世界王者の座に就いたコリーノが、ジャスティン・
 クレディヴル&ジェリー・リンの難敵2人を相手に3WAY式での防衛戦を
 行うって図式の試合。また常々『オールド・スクールの王』を公言してい
 るコリーノにとっては、自身の思い描く王者像ってのをPPVを通して世に
 問い掛ける絶好の機会でもおます。さて試合ですが、3WAY式独特のス
 ポットを盛り込みつつ、各自が十八番のネタを披露したのが序盤。中盤
 では攻める者、攻められる者、カットに入る者が目まぐるしく入れ替わる
 丸め込み合戦があり、ここで客席の集中力をグッとリングに向ける事に
 成功。で、リンが短期決着を狙ったか、変形墓石式パイルを連発して一
 気に勝負に出ます。でもこれをフランシーン嬢のお色気介入でしのぎ切
 ったジャスティンが変形墓石式パイルのご返杯をリンに喰らわせてピン。
 リンの戦線離脱で世界王座戦はコリーノ対ジャスティンの一騎討ちへと
 様相を変えます。さぁ、ここらでコリーノが『オールド・スクールの王』とし
 ての所信表明を行うべき時間や。けど超人的な強さでジャスティンを一
 方的に下すなんてのは、コリーノの目指すべき王者像ではありまへん。
 コリーノが選んだのは、自らがバックステージから持ち出した大型梯子
 に自らが何度も叩き付けられ、流血を強いられながらも火の噴くようなチ
 ョップ合戦を披露(絶品!)し、最後の最後にネックブリーカー・ドロップ一
 発でジャスティンを切って捨てるってフィニッシュ。8:2、いや9:1で攻め
 られ続け、それでもギリチョンの薄氷防衛でベルトを守る。いかにもコリ
 ーノらしい王者像ではありましたデ。
【道頓堀次郎のボヤキ】
  コリーノがベルトを薄氷防衛した途端、リングには竹刀を片手にサンド
 マンが乱入。精根尽き果てているコリーノに竹刀の雨を降らせ、「この世
 界王者のベルトはワシの物じゃ!」とアピール。当然ここで缶ビールの
 プル・トップが勢い良く開けられ、客席と一体になった酒宴へと雪崩れ込
 みます。けど、当日会場で流されていたはずのメタリカの名曲『エンター・
 サンドマン』がチープな打ち込みBGMに差し替えられていて...
 Aでもボヤいたし、英国PAL版の『負の特徴』だと分かってはいるのや
 けど、モニター画面の中でサンドマンを囲んでお客達が盛り上がってい
 る様子を見るとなァ。折角の好内容なPPVなのに勿体無いし、後日こう
 してDVDを鑑賞するワシらのためにも、選手入場テーマ曲については
 キチンと当日会場で収録されたライヴ音源を使用して欲しかったなァ。


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