では収録内容の詳細を

BACKYARD WRESTLING
Super Bonus Pack Vol. 6 & 7
(DVD*2枚)(合計約1時間58分収録)
 このHPでは皆さん余り肯定的に語られない『バックヤード・レスリング』。
ワシ自身も何度か映像を観た事はあるのやけど、正直これってどうなんや
ろか、って感想を持ちました。でも、このHPにもよく遊びに来ていただいて
いる鴨川次郎吉さんより、過去にCZWの編集ものDVDなども発売してい
る『Extreme Entertainment Group』がシリーズもので製作中の『Backyard
Wrestling』の『Super Bonus Pack - Vol.6 & 7』が、実際はイアン・ロットン
の統治するIWA−MIDSOUTHのデス・マッチ特集であるとの情報を入手
さっそくアマゾン日本のマーケット・プレイス『import-cd-specialists』にオー
ダーを入れ、送料込み1,958円で購入してみました。
さて、以前このHPの掲示板において『バックヤード・レスリング』と、デス・
マッチを主体とする独立団体との線引きについて意見交換を行った覚えが
あります。その際は『バックヤード・レスリング』出身のニック・モンドやJC・
ベイレイらがCZWやIWA−MIDSOUTHで活躍しているって揺るがし難い
事実もあって、明確な線引きは出来ませんでしたんや。
では主に『バックヤード・レスリング』を主体に商品展開をしている『Extreme
Entertainment Group』が、本DVDの中でIWA−MIDSOUTHって素材を
どの様に料理してみせるのか?。早速レビューへと移りますワ。

★★DISC-1★★

○Opening
  自らもJCWなる団体を運営(?)しているヒップ・ホップ・グループのIC
 P(Insane Clown Posse)の“Homies”って曲をBGMに、『バックヤード・
 レスリング』の模様や、お姉さん方のエロ画像などを挿入したもの。
 尚、このDVDに収録されているIWA−MIDSOUTHの試合の映像は全
 てダイジェスト収録で、試合と試合の間にも『バックヤード・レスリング』の
 模様や、お姉さん方のエロ画像が挿入されるって編集内容。混じりっ気な
 しのIWA−MIDSOUTHを期待されるなら辛いでしょうが、適度に流れる
 エロ映像のお陰で、ワシはそれなりにリラックスしてDVDを最後まで鑑賞
 出来ましたワ(笑)。
@Cash Flo vs. Sick Nick Mondo
  多分、2001年6月1日に開催された『2001年デス・マッチ・トーナメン
 ト』より選出された映像。『バックヤード・レスリング』から始まり、CZWな
 どの独立団体にて名を成し、決して長くはなかった選手生活にピリオドを
 打ったニック・モンドの姿が収められております。試合開始早々、自らリン
 グ上にバラ撒かれた蛍光灯の破片の上でバンプを取り、対戦相手のフロ
 ーやお客さん達を挑発するモンド。各種凶器での攻めっ振り、相手からの
 キツい攻撃の受けっ振り、乱戦の中に見せるハイ・キックなどの切れの良
 さ、端正なマスクとカリスマ性。やはりこいつは『一山ナンボ』の選手では
 ないと思いましたな。試合はモンドが蛍光灯をフローの背中にテープで固
 定させて、これをセントーンにて一気に踏み抜いて激勝や。 
A? vs. ? 
  収録日時も対戦している両選手の名前も、残念ながら皆目調査出来な
 かった謎の一戦。ここでは『?1号』が『?2号』を有刺鉄線ボードにて轟
 沈させる場面のみが抽出・収録されております。
BPeter B. Beautiful vs. Ian Rotten
  多分、2001年6月1日に開催された『2001年デス・マッチ・トーナメン
 ト』より選出された映像。IWA−MIDSOUTHを統治するイアン・ロットン
 首領が、ピーターって名のブヨブヨの身体をした選手(なんかイアンとよく
 似ているなァ)を椅子攻撃にて一方的に潰しております。あ、このイアンに
 よる椅子攻撃ですが、ホンマに残酷な代物でしたデ。四半世紀以上プロ
 レスを見続け、そんじょそこらの椅子攻撃なら屁とも感じぬこのワシが、
 心底恐怖を感じましたモン。イアン・ロットンって人間に巣食う、暗くジメジ
 メとした暴力衝動ってのが垣間見えた思いですワ。
CAxl Rotten vs. Bull Pain
  多分、2001年8月11日に開催された定期興行より選出された映像。
 ブル・ペインの凶器攻撃を受けたアクセル・ロットンが十八番のブレード・
 ジョヴを行うんですが、『河童の川流れ』と言うか、『猿も木から落ちる』と
 言うか、『弘法も筆の誤り』と言うか、どうもアクセルのブレードが何時も
 以上に深くザックリと入った様で、額の傷口から噴水のごとく吹き上がる
 鮮血が全く止まりませんのや。よくプロレスを扱った文章には、丸で『血の
 海』の様だったと選手の流血の様子が書かれるのですが、この試合にお
 けるアクセルの大流血こそが正調『血の海』。気の弱い方なら失神確実
 のおぞましさでっせ。
D? vs. ? 
  収録日時も対戦している両選手の名前も、残念ながら皆目調査出来な
 かった謎の一戦。ここでは『?1号』が素手に油を掛けて火を点け、『?2
 号』に即席火炎手刀を見舞う場面のみが抽出・収録されております。
EIan Rotten vs. Corporal Robinson
  収録日時不明の一戦。試合会場となった体育館もしくは倉庫には陽光
 が射し込んでいる事から、多分土曜日か日曜日の昼下がりの開催なん
 やろね。デス・マッチとは縁遠そうな僅かな数のおじさんやおばさん、子
 供さん達が遠巻きに見守る中、イアン・ロットンとロビンソン軍曹が蛍光灯
 などの公認凶器をフル活用して、互いの身体を切り裂きあっています。
 あ、試合は蛍光灯へ向けてのバック・ドロップ・フォールド(ってほどには
 美しくないブリッジでしたが)にてイアンに凱歌。また試合後に控え室にて
 バックリと開いた腕の傷口を瞬間接着剤にてくっ付けて貰っているイアン
 の姿も収録されており、これまた気の弱い方なら失神確実か(苦笑)。 
FRollin Hard vs. Deranged
  多分、2001年6月1日に開催された『2001年デス・マッチ・トーナメン
 ト』より選出された映像。ハードの猛攻を受けた巨漢デランジド(ROHなど
 で活躍中の人とは別人)が血の混ざったゲロを吐いている場面のみが抽
 出・収録されております。それにしてもデランジドがゲロを吐いている姿を
 生で観て笑っているモニター画面の中のお客さん達も、スロー・モーション
 によるリピート再生映像を組み込む本DVD編集者も、こうして観戦レビュ
 ーを書いているワシも、どいつもこいつもがまともな神経やおまへんデ。
GMad Man Pondo vs. "Spyder" Nate Webb
  多分、2002年7月12日に開催された『2002年デス・マッチ・トーナメ
 ント』より選出された映像。“くも男”ウェブが会場となった体育館もしくは
 倉庫の壁面によじ登り、2連テーブルに寝っ転がしたポンドに向けて自殺
 ダイヴを一閃。綺麗に2連テーブルは破壊され、ポンドはそのままフォー
 ル負けや。あ、これもダイヴの場面のみが抽出・収録されております。
HNecro Butcher vs. "Mr. Insanity" Toby Klein
  多分、2003年8月1日に開催された『2003年デス・マッチ・トーナメン
 ト』より選出された映像。蛍光灯でリングを囲み、エプロン下には複数個
 の蛍光灯で組まれたやぐらを配置。そう、おなじみの蛍光灯テンコ盛り戦
 ですワ。で、この地獄の舞台にて雌雄を決するのが、我等がネクロ・ブッ
 チャーと、“狂気人間”トビー・クレイン。さすがにこの両者、蛍光灯の攻防
 を恐れる素振りなど微塵も見せず、ネクロによる蛍光灯を添えての頭突
 き攻撃なんて驚きのスポットが何気にサラッと披露。他にも蛍光灯で組ま
 れたやぐらに向けてのバンプも当然あったのですが、ワシが腰を抜かした
 のは、クレインがリング上からリング下で悶絶しているネクロの頭頂部に
 ビデオ・デッキを投げ付けたシーン。なんとも形容し難い鈍い音をたて、ビ
 デオ・デッキはネクロの頭の上で不気味に跳ねました...。最後は蛍光
 灯地獄をくぐり抜けたネクロがクラインをスリーパーで落として幕となりまし
 たが、これは完全収録版で再度鑑賞してみたい映像でしたデ。

★★DISC-2★★

@Opening
  DISC−1収録のものと同内容のプロモ。
AMad Man Pondo vs. JC Bailey
  2003年2月21日と22日の両日に渡ってイリノイ州のクラークスヴィル
 で開催された『ウルトラ・スタイル・クラッシュ』の大トリを飾ったポンドとベ
 イレイによるサーカス・デス・マッチ。これ、トップ・ロープを利用してリング
 上に有刺鉄線にて蜘蛛の巣状のトラップを張り巡らし、リング・サイドに設
 営されたやぐら(建築現場でよく見かけるもので、床上から約2m、約4m、
 約6mのところに各々コン・パネによって足場を作ってある)から対戦相手
 をトラップに落とし合うって形式のデス・マッチですワ。この映像について
 は、既に『VOLCANO GIRLS 2004-5-30』にボーナス収録されたものを入
 手済でして、詳細はこちらをご覧いただけますやろか。
B? vs. ?
  収録日時も対戦している両選手の名前も、残念ながら皆目調査出来な
 かった謎の一戦。ここでは『?1号』が機材搬送用トラックの屋根から羽
 ばたき、2連テーブルの上に寝転がした『?2号』を一気に粉砕する場面
 のみが抽出・収録されております。両者の体格から推測するに、『?1号』
 は“くも男”ウェブで、『?2号』はマッド・マン・ポンドの様にも思えるのです
 が、遠距離からの撮影映像なのでどうにもはっきりといたしませんのや。
CNecro Butcher vs. Mad man Pondo 
  収録日時不明の一戦。蛍光灯テンコ盛り戦で激突しているのはネクロ
 とポンドですワ。この試合も例によって例のごとく壮絶なシーンの連続で
 すが、幕引きの際に蛍光灯で組まれたやぐらへと叩き落されたネクロの
 無残な姿を見てビックリ。血まみれの左肘から、皮膚なのか肉片なのか
 さえも判別のつかない『人体の一部』がブラブラとしておりますんや!
 攻撃を仕掛けたポンドや、この様子を見ていて素早くリングに上がり負傷
 したネクロの左肘をタオルで包んでやっているイアンの姿を見ても、これ
 は『ちょっとやり過ぎ』だったんでしょうな...。
DIan Rotten vs. ?
  収録日時不明の一戦。イアンが各種公認凶器による猛攻撃で『?1号』
 を血ダルマ状態とし、もうほとんど虫の息となってしまっているのに、なお
 も執拗に数発のスープレックスをお見舞い。『?1号』にはイアンのフォー
 ルを返す余力などなく、早く楽にしてやれば良いものを、何故かイアンは
 カウント2で『?1号』を無理やり起こし、試合に幕を引こうとしません。
 ま、若手育成と称して他団体でもしょっちゅう見られる光景なんやけど、
 これが余りに何度も続くものやから、もうこれ以上は見ておれないと男性
 客と女性客が1人づつリングに詰め寄り、イアンに対して「いい加減に止
 めてやれ!」と真剣に抗議...。尚、この試合を制したイアンはどうやら
 王座に就いたみたいですワ。場内アナウンスが聞こえ辛かったので自信
 を持っては書けませんが、これはIWA−MIDSOUTHではなくMAWでの
 試合映像やないやろかと推測いたします。
 【重要情報!】
  当HPに遊びに来ていただいているキングコングニーさんより、以下の
 情報をいただきました(感謝)。
 ○総師ロッテンによる執拗なスープレックスの場面にて、試合を終らせる
 よう要求している米人標準体型(笑)の男女二人ですが、『こうして、オー
 ナーシップの2/3が反対してるんだぞ!』という発言から察して、団体共
 同経営者のようです。
ENecro Butcher vs. Mean Mitch Page
  収録日時不明の一戦。ネクロが愛用のブラック・ジーンズに油を染み込
 ませて火を放ち、ペイジに向けて火炎レッグ・ドロップを投下!!!
 おぉ、これは凄い場面やないか、って思いましたが、この直後のネクロの
 フォールをペイジが返してしまいます。あれ、残酷・驚愕シーンだけの抽
 出・収録やなかったんかいな、なんて首を捻っていると、今度はペイジが
 頭にタオルを巻き油を染み込ませて火を放ち、ネクロに向けて火炎ダイヴ
 ィング・ヘッドを投下!!!!!。ウーン、さっきのネクロによる火炎レッグ
 ・ドロップを軽々と凌駕する驚愕スポットやないか。こいつらホンマ、命知ら
 ずな奴らやデ。この試合も改めて完全版にて鑑賞してみたいですワ。
FBull Pain vs. Hido
  多分、2001年6月1日に開催された『2001年デス・マッチ・トーナメン
 ト』より選出された映像。薄暗い会場の中で『W★ING魂』の権化である
 有刺鉄線バットを振り回し、ブル・ペインをラリアットにて切って捨てている
 のは、日本国を代表するデス・マッチ・ファイターの“悪童”非道ちゃん。
 ジメジメとした人間関係や利害関係に支配される日本国のマットに見切り
 を付けて、こうして米国の独立団体を腕っ節一本で渡り歩いている彼の
 姿を見ると、何やらこっちまで勇気付けられる思いです。
 【重要情報!】
  当HPに遊びに来ていただいているキングコングニーさんより、以下の
 情報をいただきました(感謝)。
 ○非道ですが、ボディプレスの着地の時に左肘があらぬ方向に…。
 気付いた周りが、試合を止めろと騒然とするなか、左肘をブラブラさせな
 がらも、いたって冷静にイスを介したラリアットで相手をフォールした非道
 に、文字通り【片腕一本で米国を渡り歩く】プロ根性を見ました。
 【ワシの目は節穴やった】
  例によってお酒を呑みながらDVDを観賞していたとは言え、非道が左
 肘を負傷した瞬間を見逃していたとは。なので非道ちゃん、なんか腕が
 調子悪そうやな、とは思いつつ最後まで試合を観終えてしもて...。
 いやはやこうしてお教えいただかなければ、多分二度と本試合を再生す
 る事もなく、非道ちゃんのプロ意識も、異常を察して試合に即刻幕を引か
 せたブル・ペインのプロ意識も気付かぬままやったと思います。
 キングコングニーさん、ありがとうございました。
GEFW
  収録日時不明の一戦。余り聞き慣れないEFWって名前の団体の試合
 模様が収められていて、M−DOGG20が体育館の2階席よりダイヴをブ
 チかましております。あ、この映像なんですが、本編としての扱いではなく
 って、『幕間』の埋め草として収録されている一連の『バックヤード・レスリ
 ング』の試合模様と同等の扱いなんやけど、知っている選手が映っている
 ので一応ご紹介してみました。
HNecro Butcher vs. "Mr. Insanity" Toby Klein
  2004年6月25日と26日の両日に渡ってイリノイ州のオーリティクにて
 開催された『2004年デス・マッチ・トーナメント』。ここから選出されたのは
 初日のトリを飾ったネクロとクレインの激突ですワ。レビューは既にアップ
 済なので、詳細については詳細はこちらをご覧いただけますやろか。これ
 もたっぷりと流血戦が堪能出来る内容でっせ。

【DVDを鑑賞し終えて...】
  映像の収録日時も、熱戦を繰り広げている選手達の名前までもを割愛
 し、ただただ残酷シーンにのみ主眼を置いて編集された本DVD。プロレ
 スってものに愛着のある方なら拒絶反応を起されるか、『バックヤード・レ
 スリング』なんてものを商いにしているところが編集するなら、やはりこの
 程度か、なんて苦々しく思われる事やと想像いたしますワ。
 当のワシにしたって似たような感想なんやけど、本DVDの編集者よりは
 ちょっとだけプロレスってものに愛着を持っていると自負するので、お金さ
 えあれば映像の提供元となっているSMARTMARKへ、ダイジェスト版で
 はなくコンプリート・バージョンをオーダーしてみようかな、なんて思ってい
 る次第であります!。  


トップへ
戻る