では収録内容の詳細を
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History Of The Extreme 3-Way Dances
(DVD-R*2)
(DISC-1 : 約2時間5分収録)
(DISC-2 : 約1時間48分収録) |
ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
怒涛のリリース・ラッシュでワシらECWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、『RF-VIDEO』が厳選したECW名物とも言える
3WAYダンス戦の歴史。今でこそリングに3選手(3チーム)が同時に上
がり勝敗を競うスタイルも珍しくはなくなりましたが、このスタイルを定着
させたのはECWって団体の功績。ではDVD−R×2枚、合計4時間弱
に渡って収録された『3WAYダンスの歴史』を早速振り返ってみましょ。
あ、本DVD−Rに収録されている映像は、DISC-2のG以外は全てジョ
ーイ・スタイルスの実況が入った正規VHSテープ(?)等が元ネタ。
最初期の頃の映像はさすがに『それなり』ですが、全般的に平均以上の
クオリティは保っている(あくまでワシの主観)ので、これまでの実況のな
いハンディ・カメラ1台のベタ録りもの『FAN CAM』シリーズを敬遠されて
いた方にも、お勧め出来るんやないやろかなァ。
★★DISC-1★★
@ECW World Heavyweight Championship :
Sabu (w/Paul.E.Dangerously & 911)
vs. Shane Douglas (w/Sherri Martel) vs.
vs. Terry Funk 〔w/Bad Breed (Ian Rotten & Axl Rotten)〕
"The Night The Line Was Crossed" 94-2-5
ECW Arena, South Philadelphia, PA
2005年6月12日、WWEが直々に編集したECWのヒストリーもの
DVD『THE RISE + FALL OF ECW』が空前の大ヒットとなったお陰で、
WWEの肝煎りによって一夜限りのECW復活祭『One Night Stand』が
開催されました。けど、今ならECWってものが『商い』になると目ざとく
嗅ぎつけたか、『One Night Stand』の2日前の6月10日に(元)ECW
アリーナを開催地として、主に『One Night Stand』に出場オファーのな
かった反主流派(発起人がシェーン・ダグラスなので、ダグラス一派や
ろか)が中心となり、こっちこそが『元祖』で『本家』と、これまた一夜限
りの復活祭を開催したのは皆様ご存知でしたでしょうか。
さてワシの手元には、反主流派の復活祭開催を記念して作られたT
シャツがありまして、胸には当夜のメインの3WAY戦を戦った、テリー
御大、サブゥ、シェーン・ダグラスのイラストが描かれてあります。で、こ
れだけならばチープなスーヴェニールで、ワシも購入はしなかったので
すが、背中側のデザインを見た途端、即購入を決意いたしましたんや。
その背中側のデザインですが、そこには『the match that started it
all ! 02.05.94』とあるんですワ。直訳すれば、『94年2月5日、この試合
から全ては始まった』とでもなるのやろかね。そして何を隠そう(隠して
も仕方ないけど)、その94年2月5日の試合こそがこれからご紹介する
一戦。これ、『THE RISE + FALL OF ECW』によると3WAYダンスって試
合形式の初お披露目となったものらしいんや。
では前置きが長くなりましたが、肝心の試合の方をご紹介しますワ。
まずはダグラスがケバい化粧をしたマーテル姉さんを引き連れリングへ
と上がり、当時サブゥのマネージャー役をこなしていたポール・Eが携帯
電話を片手にマーテル姉さんの後頭部を殴り付けて(よ、名場面や!)
試合は開始。あ、王者の特権なのか、テリー御大は試合開始から15
分が経過した時点での入場を許されており、そこまでは主にサブゥが
ドラゴン・スリーパーや変形のアーム・バーと、らしくない攻撃でダグラス
を攻め立てておりましたが、止めとばかりに放った場外テーブルへのア
ラビア式の月面水爆がものの見事に自爆。これでサブゥは足を負傷し
たようで、911(米国で救急車を呼ぶ際の電話番号)の肩を借りて控え
室へと搬送。で、これと入れ替わるように『ダブル・クロス・ランチ出身』
との紹介でリング上に現れたのがテリー御大。御大、お客を煽ってリン
グへパイプ椅子を投げ込ませ、ここにダグラスをDDTで叩き込み、その
後に場外乱闘へ持ち込み、続いてダグラスと息の合ったスピニング・ト
ゥ・ホールドを巡る攻防スポットを披露してくれるなどと、絶好調の様子
でっせ。さて負傷したサブゥですが、このままではシーク爺からの叱責
が待っていると思い出したか、痛む足を引き摺ってリングへと復帰し、
これでやっと本来の3WAYダンスの形式が整いました。
ここでは御大による魂大爆発式の四つん這い頭突きがサブゥとダグラ
スに見舞われ、3選手同時のスリーパー・ホールド(以降、スタンダード
なスポットとして定着)や、御大の僕であったバッド・ブリードの介入など
が矢継ぎ早に展開されましたデ。ただどうにもサブゥの足の負傷が深
刻な様でして、サブゥはほとんど身動きが取れず。しからばと御大がダ
グラスからの強烈なラリアットを受けてリング下へと転落し、遂に『スイ
ッチ・オン』モードへと突入。レフリーへ頭突きを見舞って失神させ、ダ
グラスとサブゥの股間に向けロー・ブロー・キックを連発する大暴走や。
でもただの大暴走やないのをよく見て欲しいな。サブゥが痛む足を引
き摺りコーナー上から月面水爆(直前にロープを利用して放とうとして
2度続けて失敗)を放とうとしているのを見た御大、さっとマット上でポ
ジションを変え、サブゥからの月面水爆を受け易くする細かな心遣い。
いやはや、やっぱり御大のプロレスって『芸』に対する真摯な態度は特
筆ものです。さてさてこうした各自の努力で3WAYダンスもいよいよお
開きの時間。最後は失神から目覚めたレフリーの前で、各自のセコンド
陣が介入合戦を行う中、タイム・キーパーがアナウンスするカウント・ダ
ウンをBGMに、御大、サブゥ、ダグラスがフォールの極めっこを披露し、
遂に60分フル・タイムのドローを迎えたんですワ。ウーン、1人60分を
戦い抜き、実は試合の全般を完全に制御・統治していた“フランチャイ
ズ”シェーン・ダグラスの懐の深さ。十八番のテンぱっているネタを演じ
ながら、それでもキチンと戦況を把握し、とっさの判断を誤らないテリー
御大のキャリアに裏打ちされた力量。常に一試合完全燃焼を心掛け
ているサブゥの、正に一期一会と評すべきファイト振り。どれもこれもが
ハイ・クオリティで、しかもここで初めて提示された各種スポットが礎と
なって、その後の3WAYダンスって表現領域が進化発展して行ったの
がよく分かりましたワ。なるほど、13年後に作られるTシャツの背中を
飾る値打ちがある、Tシャツをデザインした人を含め、ECWってものに
係わった多くの人達に、未だに忘れ得ない郷愁めいたものを抱かせず
はおかない、これはホンマにグッド・マッチでした。
【追記】ベタ褒めの本試合ですが、マスター・テープに難があったのか、
タイム・アップ寸前の数十秒間が欠落しております。これはちょっと残念
でしたが、まさかまたまた『RF-VIDEO』の編集者がチョンボしたんやな
いやろな。
AECW World Tag Championship :
Chris Benoit & Dean Malenko
vs. Peblic Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
vs. Taz (w/Paul.E.Dangerously) & Rick Steiner
"Three Way Dance" 95-4-8
ECW Arena, South Philadelphia, PA
陽気さと危なさを合わせ持つ名ユニットのパブリック・エネミー、ジョン
・ロードの奏でるオルガンの音色に(ディープ・パープルのパーフェクト・
ストレンジャー)に乗って颯爽登場の“クリップラー”クリス・ベノワと“シ
ューター”ディーン・マレンコ、スープレックスの切れ味なら他の追随を
許さぬタズとスイタナー(日本への出稼ぎを優先し、この夜の試合をド
タ・キャンしたサブゥ。さすがにこれでは他のレスラーへの示しがつか
ないと、ポール・Eは断腸の思いでこの夜の興行開始前にサブゥの解
雇を発表。そしてタズのパートナーとして急遽お呼びが掛かったのが
リック・スタイナーでしたんや)。って事でこの3チームによって争われ
たのが本試合。まずはタズとスタイナーが当たるを幸いに誰彼れなく
得意のスープレックスを見舞って序盤戦を完全に掌握。しかしタズ目
掛けてベノワが早くもフィニッシュ・ムーヴのダイヴィング・ヘッドを放ち、
これでなんとタズがフォールされてしまいますんや。不覚を取ったタズ
とスタイナーがなかなか引き下がらず、加えてまたまた他の2チームに
やりたい放題のスープレックスを食らわし、リング上が混沌とした場面
もあったものの、ここからはパブリック・エネミー対ベノワ&マレンコの
直接対決へと移行。けど、故ロッコー・ロックのダイヴを自爆させたま
では良かったものの、フォール役をベノワとマレンコが「どうぞ、どうぞ」
と譲り合い。この余裕を持った試合運びが裏目に出て、マレンコがフ
ォール負けする大波乱(そろそろWCWへの転出に備え、腰周りを軽
くせんとアカンかったのかも)や。パブリック・エネミー、3度目のタッグ
王座奪取の瞬間ですワ。
BSandman & 2 Cold Scorpio (w/Woman)
vs. The Headhunters (w/Damien Kane & Lady Alexander)
vs. The Gangstas
"Big Ass Extreme Bash" 96-3-9
ECW Arena, South Philadelphia, PA
序盤に女子マネのキャット・ファイトを仕込み、併せてハンターズの巨
体が見事に宙を舞うスポットも挿入。ここで会場には『ナチュラル・ボー
ン・キラーズ』がガンガンと流れ、お待ちかねのギャング・スターズの登
場となります。当然ニュー・ジャック親分が絡むので試合は乱戦模様と
なり、それでもスコーピオが絶品の450スプラッシュにてハンター1号
をフォール。しかし“首狩り族”の名をおめおめ汚すまいとハンターズが
奮起し、試合の権利を喪失しているはずなのにスコーピオを圧殺や。
で、これは絶好の勝機到来とギャング・スターズが合体攻撃にてスコー
ピオに襲い掛かり、あっと言う間に試合に幕を引いてしまいました。
エッ、サンドマンは何をしていたんや、でっか?。サンドマン、ハンターズ
と縺れ合って控え室に戻り、そのまま帰って来なかったんですワ。
多分、控え室でハンターズの集中砲火を浴びてボコボコにされたんや
と思います。間違っても、相方のスコーピオをほったらかしにしてお役
御免と大好物の缶ビールをグビクビと呑っていた、なんて事はないと思
います(苦笑)。
CECW World Heavyweight Championship :
Raven (w/Stevie Richards & Blue Meanie & Miss Patricia)
vs. Sandman (w/2Cold Scorpio & Missy Hyatt)
vs. Pitbulls#2 (w/Pitbulls#1 & Francine)
"A Matter Of Respect" 96-5-11
ECW Arena, South Philadelphia, PA
レイヴェンの保持する世界王座を巡っての3WAY戦。圧倒的な破壊
力を持つピットブル2号、守護神の竹刀をブン回すサンドマン、キャラに
忠実に不機嫌ファイトを繰り広げるレイヴェンと、皆さんそれぞれに見
せ場を作り、まずは必殺のスーパー・ボムをサンドマンに放って安堵し
たのか、一瞬の隙を見せてしまったピット・ブル2号をレイヴェンが背後
から急襲(キャラ通りの攻撃や)し、まんまとピン・フォール。と、この卑
怯なやり口(苦笑)を目の当たりにした“猛獣使い”のフランシーンちゃ
んがリングに上がり、レイヴェン許すまじと馬乗りになってビンタの雨を
降らせます。当然レイヴェン側に付いているパトリシア嬢もリングに上
がり、待ってましたのキャット・ファイト。しかもここにミッシー姉さんまで
もが一枚絡んで...。で、その後セコンド陣総出の介入スポットをはさ
み、最後はサンドマンが己がリングへと投げ入れた場外鉄柵へレイヴ
ェンのDDTによって叩き込まれて天晴れな轟沈です。レイヴェン、して
やったりの王座防衛劇でしたな。
★★DISC-2★★
@ECW World Tag Championship :
The Gangstas vs. The Eliminators vs. Sabu & Rob Van Dam
"Novmber To Remember 1996" 96-11-16
ECW Arena, South Philadelphia, PA
もともとはギャング・スターズの保持するタッグ王座への挑戦権を懸
けてイリミネーターズとサブゥ&RVDが戦ったのですが、これが二度の
延長戦でも決着が付かず。で、観客からの『3WAYダンス』の要求を
コミッショナーのタッド・ゴードン氏が聞き入れ、急遽(苦笑)ギャング・ス
ターズ対イリミネーターズ対サブゥ&RVDへとなったものです。
詳しくは既にレビューを掲載済の96年11月16日の『Novmber To Re
member 1996』を参照下さいな。
あ、このDVD−Rには残念ながら3WAYになってからの映像しか収録
されていません。二度の延長戦でも決着が付かなかったイリミネーター
ズ対サブゥ&RVDはハイ・クオリティやったのですが、これは『3WAY
ダンスの歴史』って趣旨からは外れるから仕方ないな。
尚、この試合なんですが、冒頭の数分だけがDISC-1に収録されており
まして、その続きがDISC-2に収録されておりました。こんなけったいな
編集をしなくっても、DISC-2に全て収める時間的な余裕はあったはず
やのに。ウーン、相変わらず『RF-VIDEO』は仕事が雑やなァ。
AThe Eliminators vs. The Gangstas
vs. Buh Buh Ray Dudley & Big Dick Dudley (w/D-Von Dudley)
ECW Arena, South Philadelphia, PA
クローナスの450スプラッシュやニュー・ジャック親分の2階席からの
自殺ダイヴなど、見所タップリの3WAY。試合は『デカチン』ダッドリー
がニュー・ジャック親分をチョーク・スラム葬したものの、直後にイリミネ
ーターズの必殺技である『完全殺戮』が火を噴き敗退や。これ、収録日
時(97年の春〜初夏頃?)を調べられなかったのですが、どちら様か
ご存知ないでっか。
BECW World Heavyweight Championship :
Shane Douglas (w/Francine)
vs. Sabu (w/Bill Alfonso) vs. Terry Funk
"Hardcore Heaven 1997" 97-8-17
War Memorial Auditorium, Ft. Lauderdale, FL
97年8月17日に開催されたECWの第2弾PPV『Hardcore Heaven
1997』より選出された、因縁の3人(←DISC-1の@を参照)による3W
AY戦。まずは頭脳派ダグラスが長丁場の試合となる事を想定してか、
テリー御大とサブゥが直接戦う様に仕向け、自身は序盤戦で力を温存
する事にまんまと成功。これに気付いたテリー御大とサブゥが2人掛か
りで襲い来るのも得意のベリー・トゥ・ベリー・スープレックスの連発で
切り返し、試合のペースをガッチリと掌握。と、ここで突然サンドマンが
リング上に現れサブゥを襲撃や。これに応戦したサブゥを、サンドマンと
もどもセキュリティが強制排除し、なんとサブゥは8月9日にテリー御大
から奪ったばかりの世界王座より脱落してしまいます。あ、このサンド
マンの乱入なんですが、PPVの冒頭にサブゥ&RVDより暴行を受け、
サンドマンが救急車で運び出される『大事件』があって、救急車の中で
意識を取り戻したサンドマンが、怒り心頭で救急車をジャックして会場
に引き返した来たって訳なんです(ヘリコプターからの中継映像なども
挿入された、ちょっと手の込んだネタでした)。さて、サブゥが消えて、
テリー御大対ダグラスの直接対決となった頃、花道には当日のPPV
に参加していた選手達がぞくぞくと顔を出し、ここから改めて始まる本
日一番の山場の目撃者となる事を志願。で、目の肥えたお客達や、同
業者及び若手選手達の前で披露されたのが、フランシーン嬢の介入、
テリー御大の実兄ドリー・ファンク・ジュニアの介入(エルボーの3連打
は失禁ものの格好よさ!)、ベリー・トゥ・ベリー・スープレックスの連発
で自身3度目の世界王座へと就くダグラスの晴れ姿でしたんや。
追記:これは是非とも単独のPPVで通しでご覧になって欲しいワ。本
DVD−Rでも試合は楽しめるけど、冒頭のサンドマン襲撃や、サンドマ
ンが救急車をジャックして会場へ引き返してくる映像は、底抜けに楽し
い出来上がりやからね。
CFTW Championship :
Taz vs. Bam Bam Bigelow vs. Sabu (w/Bill Alfonso)
98-6-27 ECW Arena, South Philadelphia, PA
タズが勝手に創設したFTW(Fuck The World : この世は全てクソった
れ)王座。これを巡るサブゥとの闘いの最中、“東から来たイレズミ獣”
ことバン・バン・ビカロが姿を見せますんや。で、これにタズが即座に呼
応し、「よっしゃ、3WAY戦でやってやる!」と決断。ここからはホンマに
骨の軋む音がこちらに伝わって来るかのような激闘が続き、あっと言う
間に規定時間となってドローに。これ、ダイジェスト収録なのが惜しまれ
る好勝負でしたデ。
DBuh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley & Big Dick Dudley
(w/Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
vs. Balls Mahoney & Axl Rotten & Sandman
vs. Kronus & New Jack & Spike Dudley
"Cyberslam 1998" 98-2-12
ECW Arena, South Philadelphia, PA
ババがマホーニーを血まみれにして非常用ゲート下に持ち出したテ
ーブルの上へ寝転がし、自身はゲート上よりのダイヴを狙います。と、
その瞬間会場に流れたのは、ニュー・ジャック親分のテーマである『ナ
チュラル・ボーン・キラーズ』!。慌てふためいたババが親分の姿を探す
のですが、親分の姿はどこにも見つかりません。それもそうや、親分は
ババの背後に立っているのやから(ババも役者やのゥ)。で、ババを蹴
散らした親分、ダイヴならワシに任しておかんかいと、マホーニー目掛
けて助走を付けた遠距離飛行の自殺ダイヴを一閃。これ、花道下から
のカメラで捕らえられているので、丸で親分がこっちに向かって飛び込
んで来るようで、実に迫力満点でしたワ。あ、試合はスパイクの敗退で
親分達が最初に試合から脱落し、続いてサンドマン組がババに狙いを
絞っての激勝で幕引きとなっておりまっせ。
EECW World Tag Championship :
Sabu & Van Dam
vs. Bam Bam Bigelow & Chris Candido
(w/Shane Douglas & Francine)
vs. Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley
(w/Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
98-8-?? Queens, NY
サブゥ&RVD対ダッドリーズのタッグ戦が始まる直前、フランシーン
嬢を引き連れてシェーン・ダクラスが姿を見せ、嫌味ったらしくマイクを
握って、己の持ち駒であるビガロ&キャンディードの参戦をゴリ押しや。
試合はタズの無差別テロ介入によりダッドリーズに土が付き、その後
にサブゥ&RVDが華麗に舞い、キャンディードを沈めてタッグ王座の
防衛に成功しております。あ、この試合が行われた正確な日付を調査
し切れなかったのですが、この当時、98年の8月14日がオーバーン
大会、8月15日がバッファロー大会、そしてこのクイーンズ大会があっ
て、8月21がポプキシー大会と、ECWは8日間でNYの4地区を絨毯
爆撃して回ったみたいですワ。しかも驚くべきは、4会場全てでこの3
WAY戦が行われたって事実(『RF-VIDEO』の商品紹介欄から調べた
ので、正直信憑性が低いけど)。まさか毎回毎回、サブゥ&RVD対ダッ
ドリーズのタッグ戦にダグラスが顔を出し、毎回毎回難癖を付けて3W
AY戦へ無理やり変更させていたんやないやろな(苦笑)。
FYoshihiro Tajiri vs. Super Crazy
vs. Little Guido (w/Sal E. Graziano)
99-7-3 Queens, NY
この腕達者な3選手の3WAY戦、ECWマットでいったい何度演った
んやろか。“シシリー島出身のシューター”グイドーがシシリアン・クラヴ
(ただのボストン・クラヴなんやけど、シシリー島出身なので)でクレイジ
ーを締め上げ、そのグイドーの股間に蹴りを集中させたタジリが、最後
は垂直落下式のブレイン・バスターでキチンと幕引きや。あ、この試合
がタジリ&クレイジー&グイドーによる3WAY戦の最高作品かと問わ
れると、他にももっともっと高内容の試合があったと答えるしかありま
せん。ただ、『3WAYダンスの歴史』って趣旨のDVD−Rに、この3選
手による試合が何も入らないってのは問題やもんな。21世紀の今日、
米国の独立団体では軽量級の若手選手達によるスピーディで複雑怪
奇なスポット回しが主流となっているけど、タジリ&クレイジー&グイド
ーによる3WAY戦は彼等に大きな影響を与えたんやないやろか。
しかも、ややもすれば高度なスポットの披露ばかりに傾倒しがちな今日
の若手選手達の試合とは異なり、タジリもクレイジーもグイドーもキャラ
クターとファイト・スタイルが明確に確立されていて、その上に三者三様
であったのが、試合に深みとコクを与えとる。『高度なスポットに乗せ、
古典的なプロレスの面白味を伝える』。文字で書けば簡単やけど、この
時期の3人にしか成し得なかった、これもひとつの高みなんやろね。
常に過激な仕掛人と評されるものの、根っこの部分で単純にブロレスっ
て『芸』を愛して止まないポール・Eが、この3人の絡みに全幅の信頼を
寄せていたってのもとてもよく分かりますな。
GNew Jack vs. Balls Mahoney vs. Axl Rotten
『3WAYダンスの歴史』もそろそろ大団円。最後の最後にチョイスされ
たのは、収録日時不明のローカル興行からニュー・ジャック親分の絡む
3WAY戦ですワ。相手を務める2人もマホーニーにアクセルと、少々無
茶な事をやっても潰れぬ屈強(で鈍感?)な体躯が自慢。ニュー・ジャッ
ク親分、例によってフォークで相手を突き刺し、工業用大型ホチキスを
相手の体の所かまわず打ち込む大暴れ。ただし試合はマホーニー&
アクセルの共闘に、まず親分が沈められ、その直後にアクセルがマホ
ーニーを粉砕して幕となっております。親分の十八番の自殺ダイヴこそ
なかったけど(残念や)、ローカルの会場での3WAY戦の実態が見れ
て、これはこれでそれなりに意義ある収録だったのでは、などと思って
いる次第です。 |

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