では収録内容の詳細を
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Main Event Mayhem 1997-11-1 (DVD-R*
2枚)
(DISC-1 : 約1時間11分収録)
(DISC-2 : 約1時間36分収録) |
ECW存命時に、地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、2005年11月期に発売された3タイトルの内
の1タイトル。ニュー・ジャージー州はエリザベスのダン・スポーツ・センタ
ーにて1997年11月1日に開催された定期興行の模様を収録したもの
なんですワ。
尚、ワシはこのDVD−Rを大阪梅田のイグニッション・レコードさんで2,
800円にて購入しました。別にイグニッション・レコードさんに義理立てす
るつもりはないけど、米国から通販で購入すると送料込み22ドル必要と
なるし、おまけに最近の『RF-VIDEO』はビジネスが適当(元々海賊もの
のショップなんやから、必要以上に期待するこちらも悪いけど)やから、
海外通販に絡む諸々の不安材料も払拭出来ての2,800円ってのは非
常に良心的ではないやろか。ではでは早速レビューへと...。
【追記】
『RF-VIDEO』もちょっとは顧客満足度ってのを意識したんやろか、今
回発売された3タイトルについてはメニュー画面も付加され、お好みの
試合に直接アクセス可能な様に改善されました。
またメディアであるDVD−Rを2枚使う事で、これまでのタイトルの様に
ビット・レートを無理やり下げて興行全体をメディア1枚に押し込むなん
てのも止めたみたい。只、それならメディアの容量一杯までビット・レー
トを上げたらエエのやけど、これがそうでもないみたいで、メディアを裏
返して鏡面を見てみると、使用しなかった『余白』が結構あって...。
ウーン、どうにも『RF-VIDEO』はやる事が中途半端やなァ。また今回の
3タイトルより、海賊版防止目的なんやろか、画面右下にデカい(実際、
目障りな位にデカいんです)RFのロゴ・マークも入って......。
おいおい、確かに海賊もの商売はアカンけど、当のアンタらがめちゃく
ちゃな事をやったから、◎◎◎に訴えられて抜き差しならん状態になっ
てしもたんやないの(苦笑)。
★★DISC-1★★
@ECW World Tag Team Title Match :
The FBI (Little Guido & Tracey Smothers)(w/Tommy Rich)
vs. Axl Rotten & Balls Mahoney
この時点でタッグ王座に就いている『純血イタリア人軍』のグイドーと
スマザーズ。後見人であるトミー・“最短命NWA王者”・リッチをデンと
控えさせての防衛戦や。でも表面上(地力はあるデ、念のため)は『お
とぼけ&小悪ファイト』が売りの彼等なので、パイプ椅子をブンブンと
振り回してデモンストレーションを行う様な『乱暴者コンビ』のアクセル
&マホーニーはどうにも苦手なタイプ。仕方がないのでリッチを介入さ
せ、レフリーの失神スポットを演出。ここに自分達の息の掛かったサブ
・レフリーをジャストのタイミングで投入し、光速カウントにてベルトを手
堅く防衛ですワ。おぉやっぱりやりよるなァ、『純血イタリア人軍』は。
APaul Diamond (w/Chastity) vs. Chris Chetti
地味ながらも過不足ない試合でして、チャスティティ嬢の彩りだけが
少しだけ華やかさを与えてくれます。で、そのチャスティティ嬢が身体を
張って作ったチャンスに、ポール・ダイアモンドがフィニッシュ・ムーヴと
して複雑な入り方を要するDDTを選択。でもこれがチェッティと息が合
わなかったのか、誰にもモロに分かる失敗ムーヴに。当然客席からは
「この下手くそ!」チャントが沸き上がりますんや。ま、失敗ムーヴは多
かれ少なかれ誰にもある事。要はここからどう持ち直すのかで個々の
レスラーの度量が問われのやけど、ポール・ダイアモンドはチェッティに
対して「今度はしっかりと受けろよ」とでも耳打ちしたか、再度同じフィニ
ッシュ・ムーヴを披露しよります...。あぁ、アカン。咄嗟に他のムーヴ
に切り替えるだけの判断がこいつには出来んのやな。こいつは所詮は
底の浅いレスラーやと烙印を押した道頓堀次郎ですが、内心はどうで
あれ悪びれたり落ち込んだりする様子もなく、「チョンボをしたのはチェ
ッティやデ」とでも言いたげな表情で控え室に戻るポール・ダイアモンド
(ちなみに全日本・新日本・WWFに参戦経歴あり)を見ると、これくらい
図太い神経ではないと、レスラー稼業は勤まらないのやな、とも思えて
しもて...。
BMikey Whipwreck & Spike Dudley
vs. Doug Furnas & Phil Lafon
全日本マット等でお馴染みのカンナム特急のファーナスとラファン(ダ
ニー・クロファット)が登場。当時ECWと不思議な提携関係にあったW
WF(現WWE)からの出向組でして、マイキー&スパイクに『幻の3カウ
ント』を与えてやり、最後は短時間での勝利で試合に幕引き。ま、ワシに
はどうでもエエ試合でしたな。
CJustin Credible (w/Jason) vs. Tommy Rogers
全日本マット来日時に作って貰ったのであろう『ファンタスティックス』
とカタカナで背中に名前の入ったジャージを羽織り、ファンタスティックス
の片割れトミー・ロジャースが登場。まぁ何とも物持ちがエエですが、全
日本マットで作って貰ったジャージは米国マット界ではそれなり以上の
ステータスがあるのやろね。試合は墓石式パイルを巡るスポットを盛り
込んで、 Bに続いての短時間マッチでジャスティンの勝ちでしたワ。
DECW TV Title Match :
Taz vs. Jerry Lynn
タズの保持するTV王座を巡る戦いでして、カードを見ると非常に注目
なのですが、BやCに引き続いてまたもや短時間で決着。T−ボン・タ
ズプレックス〜タズ・ミッションでタズがリンを寄せ付けずに試合にケリを
付けております。ウーン、タズの圧倒的な強さをディスプレイするって狙
いもあるのでしょうが、ここはもうちょっと時間を割いてじっくりと見せて
欲しかったなァ。
★★DISC-2★★
@Rob Van Dam (w/Bill Alfonso) vs. Al Snow
マネキンの首『HEAD』を唯一の理解者とする、孤独な都会の青年っ
てギミックを行っていた当時のアル。プロディジーのヒット曲『Breathe』
を流して『HEAD』を振り回しながら踊るってのが大受けで、この夜も当
然『HEAD』を手にしての登場。対するのはRVDで、これまた注目のカ
ードや。例によってRVDをサポートする“オトコ芸者”のアルフォンソも
元気一杯で、『RF-VIDEO』のカメラ・マンに前に立ち、「どうだ、“ミスタ
ー・マンデー・ナイト”のRVDだ。月曜の夜だけじゃない、火曜も水曜
も、12月になってもだ!」とアジテーション(苦笑)。けど肝心のRVDに
どうにも覇気がなく、アルフォンソのアジテーション直後に痛恨のロープ
・ワーク・ミス。アルフォンソの介入も誤爆となり、RVDはアルのパワー
・ボムやパイプ椅子攻撃の前に青息吐息。最後はヴァン・ダミネーター
にて何とかアルを沈めましたが、こんなRVDもちょっと珍しいね。
ABam Bam Bigelow (w/Rick Rude)
vs. Chris Candido (w/Shane Douglas & Francine)
大物役者のリック・ルードにより「新たな世界王者!」と紹介されたの
はイレズミ獣のビガロ。実はルードと、キャンディードのセコンドに付い
たダグラスさんは、97年4月13日に開催されたECWの初PPV『Bare
ly Legal』を巡っていろいろと物語もあった間柄(ここでは割愛)。
また、本興行の2週間前の10月16日、ニュー・ヨークはクイーンズ区
での興行においてダグラスはビガロに世界王者のベルトを奪われてお
りまして、本興行の1週間後である11月8日のECWアリーナ定期戦に
おいてリターン・マッチを行うんです(本興行の時点で正式にアナウンス
があったのかは不明)。ま、ビガロに奪われたベルトを奪回するため、
子飼いのキャンディードをまずビガロにぶつけ、ビガロを弱らせようって
腹積もり(勿論これもアングルの一部やけどね)なんでしょうな。
で、抗争アングルを盛り上げるため、ここにベルトを失ったダグラスさん
の天敵であるルードが賑やかしに呼ばれた、と。
ただ、ベルト移動の直前まで、ダグラスさんとビガロとキャンディードは
3人でトリプル・スレットってユニットを結成していたはず。実際、97年9
月20日の定期戦『As Good As It Gets』ではビガロもキャンディードも
選手紹介の際にはトリプル・スレットのメンバーであると説明されており
ました。それが何時、何を契機にダグラスさんとビガロは争う事になっ
たのやろ。どちら様か、ここら辺りに詳しい方は居られまへんか。
試合自体はダグラスさんの介入や、フランシーン嬢のパウダー攻撃を
余裕で受けきってビガロが圧勝。ぶっちゃけ、キャンディード君の受け
っ振りの良さを堪能する内容でしたワ。
【追記】ダグラスさんとビガロの抗争の発端については、10月16日の
定期興行の模様を収めた『RF-VIDEO』作製のファン・カムDVD−R
『Beast of the Extreme』に詳しく書いておきました。
○うわっ、あのDX軍がECWマットを襲撃や!
シェーン・ダグラスの紹介により、ショーン・マイケルズのテーマ曲に乗
って会場に現われたのはショーン・マイケルズ、HHH、チャイナの3人。
当時WWF(現WWE)マットを席巻していたクールな悪役トリオの出現
に会場内も蜂の巣を突っついた様な大騒ぎ。けどよくよく見てみると、
どうも様子がちょっと変。そう、実はショーン・マイケルズはブルー・ミー
ニーが、HHHはノヴァが、チャイナはルーパス(多分)が扮装している
んですワ(苦笑)。hWoをパロッて一世風靡したbWo(首謀者であるス
ティーヴィ・リチャーズはWCWへ転籍中)が、柳の下の二匹目のドジョ
ウを狙ってDX軍をパロってみたんやろね。しかしみんな、ホンマにそっ
くりで大笑いさせて貰いましたワ。ウン、ここは必見でっせ。
B3 Way Dance : Sabu (w/Bill Alfonso)
vs. Shane Douglas (w/Chris Candido & Francine)
vs. Tommy Dreamer (w/Beulah)
ダグラスさん、ニセのDX軍を呼び込んだはずなのに、何がお気に召
さなかったか、3人をボコボコにしてしまいました。で、サブゥやドリーマ
ーの入場を待って始まったのが、ECWの専売特許である3WAYダン
ス。まずは3人によるロック・アップ、フランシーンを加えた4連式のチョ
ーク・スリーパー合戦があって、戦場はそこから会場奥のスタンド席最
上段へと移行。勿論ここではドリーマーが階段落ちを志願し、その後は
ビューラ嬢対フランシーン嬢対アルフォンソの番外3WAYダンスまで盛
り込んでくれましたデ。そうか、どうやら今夜の3WAYダンスは『質の
高さ』ではなく、『ネタの波状攻撃』でお客さんを沸かすつもりなんやね。
試合はダグラスさんがまず沈み、その後にサブゥがテーブルの上にドリ
ーマーを寝かし、アラビアン・レッド・ドロップを放ってジ・エンド。
今となってはECWって先鋭的であって、その象徴が3WAYダンスで
あるとの認識が広く行き渡っている様に思うけど、こんな(←あえて、こ
んなって書きます)楽しい3WAYダンスもあったんやねェ。
CNew Jack & Kronus
vs. The Dudleys(Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
(w/Big Dick Dudley & Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
ゴミ箱一杯の凶器をリング上に放り投げたニュー・ジャック親分、試合
の権利がないはずの『デカチン』ダッドリーと火花散る場外戦を展開。
おぉ、やっぱり素で凶暴な2人が闘うと迫力も違いますな。
方やリング上ではレフリーの失神スポットを引き金に、クローナスが見
事な450スプラッシュを披露するも『幻のフォール』となる定番のネタを
行い、続いてここにDISC−1−@で暗躍した『純血イタリア人軍』の息
が掛かったサブ・レフリーが登場。するとこれを見逃してはアカンと思っ
たか、DISC−1−@で『純血イタリア人軍』&サブ・レフリーに煮え湯を
飲まされたばかりのアクセル&マホーニーがリングへ上がり、それを追
う形で『純血イタリア人軍』までもがリング上へ。もうこうなったらリング
上は全くのカオス状態。最後はクローナスが再び450スプラッシュを放
ってババをフォールしましたが、『RF-VIDEO』の編集者が本DVD−Rを
『Main Event Mayhem』と銘打ったのも分かる混乱振りでした...。
って事で、これにてニュー・ジャージー州はエリザベスのダン・スポーツ
・センター大会も滞りなくお開き。選手の皆様、お疲れ様でした。
【DVD−Rを観終えて】
本DVD−R、ハンディ・カメラ1台を使ったベタ録り映像で、画質その
ものはそこそこ綺麗だしデジタル・ノイズも特に気にはなりまへん。
只、自動ピント合わせ機能をオンにしているみたいで、リングの中の選
手ではなく、その手前にあるロープにピントが合ってしまい、肝心の選
手の姿が度々ピンボケとなってしまいますんや。ウーン、ハンディ・カメ
ラを使わせたら天下一品のはずの『RF-VIDEO』らしくないやないの。
折角の好映像やのに、これはちょっと残念やなァ。 |

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