では収録内容の詳細を

TRIFECTA ELIMINATION U
BONUS DISC (DVD-R)(約1時間49分収
録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
3枚組(今回は特典DVD−Rが1枚付いて来るんや)で20ドルにて発売さ
れている団体公認(?)の代物でして、ワシは我が国で唯一SMARTMAR
Kのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田のイグニッション・レコードさ
んで2,800円にて購入しました。別にイグニッション・レコードさんに義理立
てするつもりはないけど、米国から通販で購入すると送料込み27ドル必要
となるので2,800円ってのは非常に良心的ではないやろか。
あ、本DVD−Rの内容は2004年6月12日にペンシルベニア州フィラデル
フィアのヴァイキング・ホール(元ECWアリーナ)にてCZWが開催した定期
興行を完全収録したものです。さて早速レビューへと進みたいところなんや
けど、時系列的にも収録された内容の重大さからもまずは特典DVD−Rか
ら語らんと駄目なんですワ...。

【特典DVD−R】
@Death Match : Joker vs. Zandig (June 10, 2004 ?)
  CZWではサビアンやラッカスと『Blackout』って黒人ギャング・チームを
 結成しているジョーカーが、道場で練習中のザンディグ親分を突然訪問。
 なんとジョーカーはイラクへの派遣に備えてもうすぐ軍隊に入る事になった
 そうで、自らのCZW所属の証としてザンディグとのデス・マッチを志願。
 最初はジョーカーの突然の申し出を固辞していたザンディグもついにジョー
 カーの熱意に折れる形でデス・マッチを受ける事に。
 で、次の定期戦(本編でレビューする6月12日の興行)を待っていたので
 は時間がなかったか、道場(リングが2個も設営されている凄く立派な施
 設や)のリングを戦いの舞台に、僅か20数名程度の関係者達の前でジ
 ョーカー(何時ものペイントはなく、素顔でした)の壮行試合は開始。
  まずは試合の序盤、ザンディグの振り上げた蛍光灯を制してオーソドッ
 クスなスタイルでの手合わせを望んだジョーカー。ザンディグもこれを了承
 して静かな立ち上がりとなりました。けどジョーカーが欲したのはデス・マ
 ッチ。試合の中盤からはガラッと試合の様相が変わり、蛍光灯や有刺鉄
 線ボードなどがフル動員される凄惨な内容へと一直線や。こうなるとデス・
 マッチ慣れしたザンディグの独壇場。ジョーカーをリフト・アップしてリング
 下のパイプ椅子&蛍光灯トラップへ叩き落し、哀れジョーカーは失神寸前
 の大ダメージ。けどここからジョーカーは脅威の粘り腰を見せ、ザンディグ
 を画鋲の海にDDTで沈め、続いてザンディグを場外テーブルに蛍光灯を
 抱かせて寝かせ、バルコニーからフット・スタンプをお見舞い!!。
 何時果てるとも分からない一戦は、ザンディグによる「これが○○だ(←
 ヒアリング出来ませんでした)、赤と白と青(←アメリカ国旗の事やね)じゃ
 ねェ!」って叫びとともに放たれた有刺鉄線ボードへ向けての投げっ放し
 パワー・ボムで終止符となるかと思われたのですが、これ以上は見ていら
 れないと判断したか、ジョーカーを援護射撃すべくサビアンやラッカスが試
 合に介入。けどジョーカーは仲間達の乱入を拒否し、あくまでもザンディグ
 との独力決着を希望。するとサビアンとラッカスがジョーカーの態度に切れ
 て、ザンディグともども蛍光灯攻撃でボコボコにする大暴挙へと発展。
 ここにザンディグ一派の若手達も駆け付け、最後はザンディグがリフト・ア
 ップ・ボムでラッカスを、ジョーカーが十八番のジョーカー・ドライバーで盟
 友サビアンを、それぞれ同時に蛍光灯の山へと叩き付け、直後に精根尽
 き果てた様子のジョーカーを横目に、ザンディグがマットに自ら横になり、
 ジョーカーの体を己の体に覆い被せて3カウントを刻みます...。
  どないでっか、ザンディグのこの男気は。そしてジョーカーの壮行試合に
 率先して憎まれ役を買って出てくれたサビアンとラッカスの態度は。
 それにしてもこうしてビデオの中でしか知らないジョーカー(本名すら知ら
 んのや!)って1人の人間がイラクに赴くって事実、日頃プロレスなんて非
 日常的な空間でブラブラと遊んでいるワシには、米国の若者が直面して
 いる厳しい現実が突然目の前に突き付けられた思いでしたワ。こんなHP
 で戦争の是非を論じても仕方がないし、肝心のジョーカー自身がどの様な
 気持ちで居るのかも分からないから軽はずみな事も書けません。
 けど本当にイラクへと派遣されるのなら、どうか無事で戻って来て下さい。
AFake You TV Episode 153
  『FAKE YOU TV』とはCZWの試合模様を定期放送している番組名の事
 でして、SMARTMARKの商品紹介欄によると第153回放送分は余りに
 残酷過ぎるって判断からお蔵入りになったそう。その幻の第153回放送
 分がこうして特典DVD−Rに目出度く収録されましたんや。
 さてその注目の内容についてですが、2003年の夏季に勃発したCZWと
 IWA−MIDSOUTHとの血で血を洗う抗争を振り返るって趣向。
 CMを除外した約48分程度の番組内で、下記のような興行を主に暴力場
 面だけを抽出して再編集してあります。 
 ◆June 14, 2003 Philadelphia, PA ''Truth or Consequences''
 ・Ultraviolent Strap Match :
  Rockin Rebel vs. Zandig
   2003年6月14日の定期興行『Truth or Consequences』より。この夜
  ロッキン・レベルと対戦していたザンディグ親分、画鋲をバラ撒いたテー
  ブルを駆使してロッキン・レベルを仕留めに入った瞬間、リング上にIWA
  −MIDSOUTHのイアン・ロットン、コーポラル・ロビンソン、JC・ベイレイ
  が突然乱入しザンディグを不意討ち。どうやら彼等はロッキン・レベルと
  内通していたようで、手際よくザンディグを取り囲んで額や頬や胸に工業
  用大型ホチキスを用いて1ドル紙幣を打ち込む大暴走や。
  旦那の身を案じて飛び出して来たザンディグ夫人(少なくともワシは初め
  て見ました)の目の前で、執拗にザンディグへの暴行は続きます...。
 ◆June 28, 2003 Dover, DE ''Extreme 8''
 ・Barbed Wire Board & Barbed Wire Table :
  Corporal Robinson vs. Deranged
 ・Fans Bring The Weapons Gauntlet Match :
  Bishop Slade, Van Hughes, Necro Butcher, Axl Rotten
  & "Spyder" Nate Webb
 ・Unlucky 13 Staple Gun Death Match :
  JC Bailey vs. "Mr. Insanity" Toby Klein
 ・Barbed Wire Bat & Thumbtack Bat Match :
  Ian Rotten vs. Lowlife Louie Ramos
   ってな事で2週間前のIWA−MIDSOUTH勢の興行破りをキッカケに、
  CZWとIWA−MIDSOUTHとの対抗戦が始まりました。まずは2003
  年6月28日の定期興行『Extreme 8』がその第1弾でして、この日はCZ
  W勢との直接対決ってよりはIWA−MIDSOUTH勢同士の試合を組む
  事によって、CZWのファンにIWA−MIDSOUTHとはこんな団体である
  と親切にディスプレイしてやった印象。ここらはIWA−MIDSOUTH勢も
  心得たもので、ネイト・ウェブがネクロ・ブッチャーにより半殺しにされて見
  せ、続いてベイレイが自身の舌に1ドル紙幣を工業用大型ホチキスで打
  ち込まれて見せ、過激な試合に慣れているCZWファンに、IWA−MID
  SOTH侮り難しって印象をしっかりと植え付ける事に成功しとりますワ。
 ◆July 26, 2003 Dover, DE ''Tournament of Death 2''
 ・Panes of Glass Match :
  "Spyder" Nate Webb vs. Zandig
 ・Lightubes & Ladders Match :
  JC Bailey vs "Sick" Nick Mondo
 ・Four Corners of Pain Match :
  Necro Butcher vs. Corporal Robinson
 ・Barbed Wire Boards & Lighttube Table Match :
  Ian Rotten vs. Nick Gage
 ・Fans Bring The Weapons Match :
  Necro Butcher vs. Ian Rotten
 ・Two out of three log cabin lightubes Match :
  Zandig vs. "Sick" Nick Mondo
 ・200 Lighttube & Barbed Wire Ropes Match :
  Ian Rotten vs. "Sick" Nick Mondo
   2003年7月26日の定期興行『Tournament of Death 2』より。この日
  はCZWの年に一度のデス・マッチ祭りである第2回デス・マッチ・トーナメ
  ント、両団体の精鋭達によって日頃の興行以上に凄惨な試合が多数
  われましたんや。詳しくはレビューを掲載済なのでこちらを参照して。
◆August 23, 2003 Dover, DE ''Respect''
 ・Exploding Barded Wire Cage Match :
  Ian Rotten vs. Zandig
   2003年8月23日の定期興行『Respect』より。『Tournament of Deat
  h 2』の決勝戦でCZWの若大将ニック・モンドとIWA−MIDSOUTHの
  首領イアン・ロットンが拳を交えた末に、両団体間には和解ムードが漂っ
  たのですが、頑固にこれに異を唱えたのがザンディグ親分。イアン・ロッ
  トンを指名して米国初(?)の金網爆破マッチを要求や。ロットンもこれに
  応じ、両巨頭が金網の中へと歩を進めました。で、金網の中で互いのデ
  ス・マッチに対する思いを確認しあった両巨頭には互いに相通ずるもの
  があったようで、試合に敗れたロットンの口からはザンディグに対して素
  直に「アンタを尊敬するワ」って台詞も。こうして2003年の夏を発狂寸
  前にまで燃え上がらせた両団体の抗争劇には一応のピリオドが打たれ
  る事に。あ、詳しくはレビューを掲載済なのでこちらを参照して。

本編DISCのレビューはこちらを参照して。


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