では収録内容の詳細を

HIGH STAKES 2004-9-11 Night Show
(DVD-R*2枚)(約3時間46分収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
2枚組で20ドルにて発売されている団体公認(?)の代物でして、ワシは我
が国で唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田
のイグニッション・レコードさんで2,900円にて購入しました。
別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつもりはないけど、米国から
通販で購入すると送料込み27ドル必要となるので2,900円ってのは非常
に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容は2004年9月11日にペンシルベニア州フィラデル
フィアのヴァイキング・ホール(元ECWアリーナ)にてCZWが開催した定期
興行(そして初のPPV!!!)を完全収録したものですんや。
あ、本興行は初のPPVなんですが、しかもこの日は昼夜2興行ってこれま
た団体初の試みもありました。当然こちらもDVD−R化されているんやけど、
ワシもそこまで銭を突っ込んでCZWを追い掛ける気力がないので未購入。
この“お昼の部”での勝敗や振られたネタも“夜の部”に大きく影響するので
しょうが、ここは実際に行われたカードだけ以下に記してお茶を濁します。

 "High Stakes : Afternoon Show"
 Sept. 11, 2004 Philadelphia, PA
  1. Kingston vs. Jon Dahmer vs. Merc vs. DJ Hyde
  2. Alex Shelley vs. Chris Hero
  3. Amazing Red & Sonjay Dutt vs. Jimmy Rave & M-Dogg 20
  4. All Money Is Legal vs. Spyral & Ghost Shadow
  5. Super Dragon vs. B-Boy vs. Excalibur vs. Bobby Quance
  6. The Blackout (Ruckus & Sabian) vs. Jose & Joel Maximo
  7. Mike Quackenbush, Shane Storm, Icarus, Gran Akuma
    & Mister ZERO vs. Larry Sweeney, Hallowicked,
    UltraMantis Black, Jigsaw & Black Jack Marciano
  8. Steel Cage Match : Ian Knoxx vs. Adam Flash

★★DISC−1★★
○オープニング・プロモ
  上記したように本興行が行われたのは2004年9月11日。『同時多発テ
 ロ』からきっちり3年後でして、あの悲劇を意識した重厚な作りとなっており
 ます。またCZWのHPにもLINKされているジプシー・サリバンってバンドの
 “Complicated”って曲が使われとりまっせ。
○場面は変わって...
  3WAYの梯子戦を闘うJC・ベイレイ、ネイト・ウェブ、クリス・キッャシュが
 会場裏の駐車場で口論を始めました。
@CZW World Tag-Team Championship :
 Steel Cage Match :
 The H8 Club (Nick Gage & Nate Hatred) vs.
 The Blackout (Ruckus & Sabian)(w/Eddie Kingston ,
 Robbie Mireno , Maven Bentley)
  2004年6月12日の定期戦『TRIFECTA ELIMINATION U』においてブラ
 ック・アウト側から何度もフォール勝ち出来る場面を作っておきながら、そ
 度にまだまだ痛め付け足りないとフォールを解いている内に、3人のマネー
 ジャーを加えた陣営総動員の反撃を受けてゲージが痛恨のフォール負け。
 これによってH8クラヴからタッグ・タイトルがブラック・アウトへ移動したん
 す。で、初PPVのオープニング・マッチにはこのリ・マッチがブック。ブラック・
 アウトとH8クラヴによる金網方式のタッグ・タイトル戦ですワ。
 さて試合なんですが、これまでの遺恨が積もり積もったためか、金網戦な
 のに全選手が早々に場外へ飛び出す大乱戦。ラッカスによってゲージが
 血ダルマにされたものの、小柄な『黒い岡村隆史』ことサビアンに狙いを絞
 ったヘイトリッドが押せ押せの猛攻。当然金網頂部での絡みから場外テー
 ブルへの落下スポットや各種ダイヴ・スポットも挿入され、自軍の劣勢を挽
 回せんとブラック・アウトのマネージャー氏が試合に介入し、H8クラヴによ
 って逆にテーブル葬とされた直後に大事件が勃発。
 なんと『妻殴り』ことワイフ・ビーターと『正義痛』ことジャスティス・ペインが
 金網内に乱入し無差別テロを決行や。実は『妻殴り』と『正義痛』は以前コ
 ンビを組んでいて、何を隠そう(隠しても仕方ないか)彼等こそがオリジナル
 のH8クラヴなんですワ。それが紆余曲折(詳細はワシも勉強中)あってニ
 ック・ゲージとネイト・ヘイトリッドがH8クラヴを名乗る事となったんや。
 さてさてタイトルは宙に浮いたままで、タッグ王座戦線にはオリジナルH8
 クラヴが割って入った格好。特にゲージ&ヘイトリッドによる現H8クラヴは
 右にブラック・アウトとの遺恨、左にオリジナルH8クラヴとの屋号争いを見
 据えて苦しい舵取りを要求されるやろね。ま、CZWって団体としてはこれ
 から年末商戦を迎えるにあたって、団体内の遺恨や抗争劇はいくらあって
 も足りないはずなので、このゴタゴタ騒動は待ってましたってとこやろな。
ADerek Frazier, GQ & Sean Bishop vs.
 CKNY(Cory Kastle & Niles Young) & Jude
  若手選手6人によるタッグ戦。ある程度のミスには目をつむって、展開の
 速さで勝負って感じや。さすがに選手が入り乱れると誰が誰か分からなく
 なってしまうけど、CKNYの2人やユダの活躍が印象に残りましたな。
 試合はフレイジアとGQによるスレテオ・タイプのコーナー〜コーナーのヴァ
 ン・ダミネーターがユダに見事に決まって幕となっとりまっせ。
BCZW Iron-Man Championship :
 Super Dragon vs. Chris Hero
  前王者であるジミー・レイヴもセンスがあったけど、現アイアン・マン王座
 に就くクリス・ヒーローもこれまた一癖も二癖もある腕達者な選手。
 今夜はPWGなどに出場している覆面レスラーのスーパー・ドラゴンを迎え
 ての王座防衛戦です。あ、アイアン・マン戦と言うとCZWでは15分リミット
 で相手から何本フォールを取れるのかを競うルールが一般的なんやけど、
 今夜はどうした訳か1本勝負で行われることとなっております。
 さて試合なんですが、ヒーローとドラゴンを見比べると失礼ながら体格もス
 キルもヒーローの方が上。ここらはヒーローも認識しているようで、20分近
 い試合時間(←ブッカーから言い渡されたんやろな、20分間やってって)
 をドラゴンをリードしつつ、観客席を飽きさせなかったのは実に立派。 
 十八番のヒーローズ・ウェルカムからハングマンズ・クラッチ(変形STF)に
 繋いで余裕のアイアン・マン王座を果たしました。
CIWS Four-Way Dance
 Sexxxy Eddy vs. Kevin Steen vs.
 Excess69 vs. El Generico
  カナダの異能集団IWS(Internet Wrestling Syndicate)に所属する4選
 手による4WAYダンス戦。2004年7月24日のデス・マッチ・トーナメント
 『Ultraviolent Tournament Of Death V』にて度を越した弾け具合を披露し
 たセクシー・エディのヴァイキング・ホール初お目見えって事もあり、客席も
 盛り上がっております。で、注目のエディですが、例によって仕込みと思わ
 れる女性客をリングに上げて白黒ショー(若い人は聞き慣れん言葉やろか、
 お父さんに尋ねてみてや)もどきまで披露するなどと今夜も乗り乗り。
 試合になっても“ミスター・レスリング”と呼ばれるケヴィンや覆面のジェネリ
 コらの大技を身体を張って受け止め、トータル・セクスタシーって名のセント
 ーンを電光石火で放ち大勝利や。客席からは自然発生的にIWSチャントが
 沸き起こり、本部席からこの様子を見ていたザンディグ親分、マイク片手に
 「またIWSを観たいか!?」と客席に問い掛け。当然客席に異論はないよ
 うですが、ホンマはザンディグ直々にIWS勢に「また出場してね」って頼ま
 ないとアカンのやないの?(苦笑)。
○場面は変わって...
  試合中、場外へ放った月面水爆がものの見事に場外フェンスを直撃。こ
 れによって負ったと思われる脛の傷口を誇らしくエディが見せております。

★★DISC−2★★
@CZW Xtreme Strong Style Tournament :
 B-Boy vs. Kingston(w/The Blackout)
  2004年2月7日の定期興行より突然始まったXSS(エクストリーム・スト
 ロング・スタイル)トーナメントの一環である試合。ほぼ毎興行1試合必ず
 マッチ・メイクされて来たこのXSSですが、どうも全体像が掴めません。
 そう、一体何人がトーナメントにエントリーしていて、一体何時トーナメント
 の優勝戦が行われるのか丸っきり分からんのですワ。
 で、この夜も多分トーナメントの予選と思われる試合が組まれました。顔
 合わせは小兵ながら強豪のB−BOYに、ブラック・アウト軍の三下キング
 ストンが挑むって図式。さて試合をするところを初めて観る事となったキン
 グストンですが、数ムーヴ見ただけでワシからは『使えん奴』のレッテルを
 貼られてしまう体たらく。当然試合を盛り上げようとブラック・アウトのラッカ
 スとサビアンも適時試合に介入するものの、最後はキングストンをコーナ
 ーに座らせてテーブルを立て掛け、これを突き破るドロップ・キックがB−B
 OYによって放たれジ・エンド。
ABobby Quance vs. M-Dogg 20
  ドッグがCZW認定のジュニア・ヘビーのベルトを持って花道に姿を現しま
 した。すると背後から凄い勢いでドッグを襲撃する選手が1人。誰かいなと
 思うとこれがジュニアの猛者サンジェイ・ダッドや。実は現在もCZWのジュ
 ニア王者はサンジェイなんやけど、2004年2月7日の定期戦『5 YEARS I
 N THE MAKING !』での防衛戦後に何者かにベルトを盗まれるって事件
 ありまして、どうやらこの下手人がドッグやった、と。なんと半年以上もかけ
 た気の長いネタではありますが、とりあえずこんな前振りのネタがあって試
 合が始まりました。さて試合の方ですが、ドッグとボビーによる古のUWF
 チックな内容でして、先の試合より余程XSS(エクストリーム・ストロング・
 スタイル)っぽいもの。最後はシューティング・スター・プレス合戦からドッグ
 に凱歌が上がりましたが、ザンディグ親分もこの試合には満足したようで、
 奮闘したボビーを讃えております。また試合後に再びサンジェイが現れて
 何やらアジテイト。近くドッグとの試合が組まれるのでしょうか?。
BLadder Match :
 JC Bailey vs. Chris Cash vs. "Spyder" Nate Webb
  CZWの若手成長株クリス・キャッシュ、IWA−MIDSOUTHから派遣さ
 れた“新世代のデス・マッチ王”JC・ベイレイ、同じくIWA−MIDSOUTHか
 らオール・ラウンド・プレイヤーの“くも男”ネイト・ウェブ。この3人による梯
 戦が今まさに始まらんとするその瞬間、本部席に陣取ったザンディグ親分
 がマイクを握って一席。どうも年末恒例の金網戦『CAGE OF DEATH』の
 第6回大会にチーム・ザンディグとして5名の選手を選出する必要があるの
 やけど、この試合の勝者をチームのキャプテンとして指名したいとの事。
 今夜の全ての試合が年末興行へ向けての1ステップみたいなものやから、
 このザンディグ親分のマイクも別に驚くべき事ではないですが、とりあえず
 こんなネタ振りを含めて梯子戦は火蓋が切られました。
 さてその梯子戦の内容なんですが、これが壮絶の一言や。椅子や各サイ
 ズの梯子が多数投入され、3選手それぞれが身体を張ったバンプを必要と
 する各種スポットを志願し、最後はウェブが場外に設営された椅子トラップ
 に落ちて悶絶。直後にキャッシュが梯子上からベイレイを、リング上に椅子
 を支持台として梯子を横に寝かしたトラップへ頭から叩き落とし激勝です。
 あ、晴れて『CAGE OF DEATH』第6回大会にチーム・ザンディグのキャ
 プテンとして参加資格を得たキャッシュにザンディグ親分も満足げに、「チ
 ーム・ザンディグではなく、チーム・キャッシュと名乗れ」と指示。
 この粋な計らいを受けたキャッシュ、早速キャプテンの判断だと好敵手のベ
 イレイをチーム・キャッシュに迎え入れる事をアナウンスしとりまっせ。
C4 Corners of Pain : (Special Guest Referee : Lobo)
 Necro Butcher vs. Wifebeater(w/Big Mack Smack)
  金網戦があって、各熱戦があって、気合の入りまくった梯子戦があって、
 そろそろデス・マッチが一大売り物であるCZW初のPPVとしては血の滴る
 様な試合が観たくなる頃。ならばと組まれたのが『妻殴り』ことワイフ・ビー
 ターと『死体解体人』ことネクロ・ブッチャーによる『苦痛の4コーナー戦』や。
 あ、この顔合わせなんですが、2004年7月24日のデス・マッチ・トーナメ
 ントである『Ultraviolent Tournament Of Death V』の決勝戦の再戦。
 あの時は過激な予選道中にネクロが完全なガス欠状態となっており、決勝
 戦では満足にファイト出来なかったので、言わばネクロによる名誉挽回(そ
 れでもあの時の決勝戦は壮絶でしたデ)って側面もあるんですワ。
 で、両者による再戦なんですが、過日晴れてCZW認定の殿堂入りレスラ
 となったロボを特別レフリーに仕立てての一戦でして、ひな段席最高部か
 ネクロが『妻殴り』をテーブル葬したり、お返しとばかり今度はひな段席中
 段から『妻殴り』がネクロを投げっ放しパワー・ボムにて床上の椅子目掛け
 て投げ込んだりと乱戦気味。その上に客席後方に設営されたVHSテープ
 で山積みのSMARTMARKによる特設販売ブースを、両者がもつれ合っ
 て直撃したものやからさぁ大変。1本15ドル也のVHSテープは哀れ手ご
 ろな凶器として手当たり次第に両者に使用されてしまいました。
 で、場外戦を十二分に堪能した両者はリングへと戻り、今度は大量の画鋲
 が導入される番。その後、満を持して『妻殴り』が繰り出した十八番の携帯
 用芝刈り機による攻撃こそPPVの放送コードを案じた(?)ロボが身体を
 張って阻止したものの、最後は機械油に点火した事によって燃え盛るガラ
 ス板トラップへ、『妻殴り』がネクロのパワー・ボムによって投げ込まれて天
 晴れなる憤死。ネクロ・ブッチャー、きっちりとデス・マッチ・トーナメントにお
 ける貸しを『妻殴り』に倍返ししとります。
DCZW World Heavyweight Championship :
 Messiah(w/Adam Flash & Dewey) vs. Justice Pain
  いよいよCZW初のPPVの大トリとなる一戦。半年以上の期間に渡って
 世界王座を保持し続けるメサイアに、『正義痛』ことジャスティス・ペインが
 挑むって構図です。さてXPW時代の狂乱ファイトがまるで若気の至りであ
 ったかの様に、近頃のメサイアはデス・マッチ色を極力排除しようとしてい
 る様でして、これがことデス・マッチとなるとどうにも思い切りに欠けてしまう
 『正義痛』のファイト・スタイルと奇妙な一致を見せたのが本試合。
 駐車場にまで雪崩れ込む場外乱闘もあったものの、最後まで流血も凶器
 の使用もない、オーソドックスでベーシックなムーヴにて構築された内容
 でして、途中メサイアが膝を痛めて動きが鈍るって一幕もあったものの、
 長丁場の試合を客席をダレさすことなくやり遂げたのは表彰ものや。。
 最後は一撃必殺のゴッド・スマックこそ不発に終わったものの、『妻殴り』の
 介入を手下のアダム・フラッシュに迎撃させ、粘る『正義痛』を一瞬の固め
 技で下したメサイア。ザンディグ親分不参加のPPVをピシッと締めておりま
 すワ。尚、試合後にはオリジナルH8クラヴと現H8クラヴによる番外戦
 あって、改めてメサイアがリングに上がり勝利の美酒に酔っていると、客席
 から疾走乱入する黒い影ひとつ。これ、メサイアとはXPW時代に血生臭い
 覇権争いを繰り広げていたキッド・ケオスでして、虚を突かれたメサイアは
 いとも簡単にリング下に叩き出されてしまいました。
 さぁ、年末の『CAGE OF DEATH』第6回大会に向け、各種抗争劇のネタ
 も充分仕込まれ、いよいよCZWマットから目が放せない状態となって来ま
 したデ!!!。


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