では収録内容の詳細を

NIGHT OF INFAMY V
2004-11-14 (DVD-R*2枚)
(約3時間55分収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
2枚組で20ドルにて発売されている団体公認(?)の代物でして、ワシは我
が国で唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップをされている大阪梅田
のイグニッション・レコードさんで2,900円にて購入しました。
別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつもりはないけど、米国から
通販で購入すると送料込み27ドル必要となるので、2,900円ってのは非
常に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容は2004年11月14日にペンシルベニア州フィラデ
ルフィアのヴァイキング・ホール(元ECWアリーナ)にてCZWが開催した定
期興行を完全収録したものです。では早速レビューへと...。

★★DISC−1★★

@Jon Dahmer & DJ Hyde vs.
 CKNY (Cory Kastle & Niles Young)(w/Jude) vs.
 Derek Frazier & Sean Bishop
  道頓堀次郎命名するところの『CZW前座戦線のクラッシャー』、DJハイ
 ドも絡む3チーム参加のタッグ戦。この試合、3チームが同時に戦う3WAY
 方式ではなく、最初に他の2チームの内のどちらかを負かせば勝ちってル
 ールでして、勝ちたければ積極的に撃って出る必要があるし、余りしつこく
 戦い続けると逆に敗退するって危険性も孕んでいて...。
 内容の方ですが、やはり今夜もDJハイドが“クラッシャー振り”(←褒めて
 いるのやないデ、念のため)を発揮する場面もあったものの、フレイザーが
 CKNYの片割れをフォールして幕となっておりますワ。
ARoderick Strong vs. Alex Shelley
  一時に比べると目に見えて会場への観客動員数がガタ落ちのCZW。こ
 れでは先々心配やな、って本DVD−Rを観ていて感じました。で、そんな
 月例定期興行の第二試合に組まれたのがロドリックとアレックスの激突。
 この試合、一応2004年10月9日の定期戦『BREAKING POINT』で起こ
 ったロドリックによるアレックスへの不意討ちを下地に組まれるんですワ。
 両者とも各地の独立系団体を転戦している猛者でして、いかにも融通の
 利かなさそうな面構えのロドリックと、随所にショー・マン・シップを盛り込
 んだアレックスの絡みは見所もあって楽しめました。ただ勝負タイムが15
 分以上ってのは少々長過ぎ。10分程度に凝縮してくれたら逆に試合全体
 にメリハリも付いて良かったのに。あ、一瞬の丸め込みに敗退したロドリッ
 クですが、これに納得出来ない様でして、年末恒例の『CAGE OF DEAT
 H』第6回大会でお互いにパートナーを連れて来てタッグ戦にて決着を付け
 ようと提案。あれあれ、ブッカー殿に無断で一選手が年末興行のカードを
 決めてもエエの?。いやいや、これもブッカー殿からの指示なんで
 しょ、ホンマに雇われ者は辛いねェ。
BAll Money Is Legal (K-Murda & K-Pusha) vs.
  "Double C"Claudio Castagnoli &
 Blackjack Marciano (w/Chris Hero)
  クリス・ヒーローに小判鮫の様にピタリとくっ付いて、丸で水戸黄門にお
 ける助さん角さん状態のダブルCとマシアーノですが、今夜は小柄な体格
 をスピードと高度な合体技でカバーするマネー軍との対決がブック。
 ダブルCとマシアーノによるおちゃらけファイト、リング下からのヒーローの
 介入と、いかにも前座のタッグ戦ってネタを十二分に盛り込み、最後はマ
 ネー軍に凱歌が。両チームとも、これからもタッグ戦線を賑やかしてや。
CHeretic (w/Ghost Shadow) vs. Spyral
  日本マットの“至宝”怨霊と、あのバンピーロを足して2で割ったようなヘレ
 テックと、ヘレテックのセコンドに付いているゴースト・シャドー相手に2004
 年10月9日の定期戦『BREAKING POINT』で凡戦を繰り広げたスパイラル
 が対戦。どうやら両者ともCZWが運営するレスリング・スクールの生徒さん
 らしく、厳しく月謝を徴収するばかりでなく、たまには興行にも出してやらん
 と若い子らは長続きせんて経営側の裏事情(苦笑)も透けて見えます。
 さて試合の方ですが、ヘレテックの高度なルチャ・ムーヴ、スパイラルのコ
 ーナー・ポスト超えのトペ・コンと派手なスポットも挟みつつ、そろそろフィニ
 ッシュかと思わせた頃、ゴースト・シャドーがリングに上がってヘレテックと
 スパイラルに和解を呼び掛け。ここにBで試合を終えたばかりのマネー軍
 が現れ、新たな対立図式が一丁上がりって感じて勃発や。「お前ら、何を
 勝手な事しとるんや!」って本部席からザンディグ親分が現れましたが、
 年末恒例の『CAGE OF DEATH』第6回大会に向けて彼等にネタを振る
 ように指示したのは当のアンタでっしゃろが(苦笑)。
D"Lightning"Mike Quackenbush vs. Skayde
  ウルトラ・キング〜ウルトラの父〜ウルトラマン・タロウと連綿と繋がる『角
 の生えたウルトラマンの系譜』。で、今マットに上がっているのは、円谷プロ
 激怒必至のタロウのバッタものであるスイカデ。やった者勝ちってのも分か
 るけど、そこまで似せてはアカンやろ...(笑)。
 あ、試合は場外への竜巻式アトミコなども披露したマイクに凱歌が上がりま
 したが、試合を制御していたのはスカイデや。実況によるとミステリオら有
 ルチャ選手を指導したって事やけど、これが事実なら凄いなァ...。
 追記:このHPによく遊びに来てくださる『バイクビーターさん』よりスカイデ
 情報をいただきました。それによると正体はJorge Libera(ホルヘ・リベラ)
 て人だそうで、メキシコのウルティモ・ドラゴン・ジムにてトレーナーをしていて、
 ジャベ(関節ワザ)を教えたりしているそう。日本には素顔やスカイデで、闘
 龍門、T2Pなどに来日していて、エキシビジョンもやっているのだそうです。
 尚、ウルトラキングに実は角がなかったのもご指摘いただきました。
ESuper Dragon & Excalibur vs. Quicksilver & Scorpio Sky
  PWG(カリフォルニアに根を張る独立系団体:Pro Wrestling Guerrila)所
 属の4選手によるタッグ戦。CZWも自前の選手達だけでは興行を組み立
 てられないと見えて、最近はカナダの異能集団IWS(Internet Wrestling
 Syndicate)と急接近したりと、生き残りに四苦八苦状態みたいやね。
 さて試合なんですが、ここではPWG王者のスーパー・ドラゴンがデカい態
 度で試合を支配。このドラゴン、2004年9月11日に開催されたPPV『HIG
 H STAKES』ではクリス・ヒーローにあっさりと捻られたのに、身内相手だと
 コロッと掌を返した様に強いから驚きや。なにやら彼を見ていると木村浩一
 郎(そう言えば被っている覆面までスーパー宇宙パワーに似ているなァ)を
 思い出してしまいましたワ。
FCZW Junior Heavyweight Championship :
 Sonjay Dutt vs. M-Dogg 20 vs. Jimmy Rave
  2004年2月7日の定期戦『5 YEARS IN THE MAKING !』にて発生した
 サンジェイ所有のジュニアのベルト盗難事件。下手人はドッグと判明した
 ものの、サンジェイ自身が左腕を負傷し、また年末恒例の『CAGE OF D
 EATH』第6回大会までこのネタを引っ張らないとアカンって切実なる理由
 もあって、またもや今夜も3WAY戦でのお茶濁しや。試合は序盤協調路
 線を敷いてサンジェイを攻撃し続けたドッグとレイヴに勝機が訪れる場面も
 あったのですが、最後はやはりやはりの内紛勃発(笑)。
 ドッグによってベルトで殴打され失神中のレイヴをちゃっかりサンジェイが
 泥棒フォールしてしまいました。で、虎の子のベルトを盗人ドッグから取り
 戻して歓喜に咽ぶサンジェイでしたが、喜びの余り背後に注意をはらわな
 かったのが運の尽き。ドッグの奇襲を受けてまたまたベルトは盗人ドッグ
 の手にへと逆戻りですワ。悔しさの余り、来月の『CAGE OF DEATH』
 第6回大会では反則OKのエニウェア戦で、敗者はCZWからの完全撤退
 を賭けて対決やとドッグに迫ったサンジェイですが、ここまで長くネタを引
 っ張られると、客席は完全に白け切っているのがありありと分かります。
 折角の試合巧者サンジェイなのに、もっともっと上手な活用方法があると
 思うけどなァ。ザンディグ親分、ちょっとワシと膝を詰めてディスカッション
 でもしましょか???。

★★DISC−2★★

@Street Fight :
 Justice Pain (w/Big Mack Smack) vs. Nick Gage
  2004年9月11日のPPV『HIGH STAKES』にて突如起こったH8クラヴ
 (ニック・ゲージ&ネイト・ヘイトリッド)とオリジナルH8クラヴ(『妻殴り』&
 『正義痛』)による骨肉の屋号争い。これ、早くからCZWのHP上では年末
 恒例の『CAGE OF DEATH』第6回大会にて完全決着と煽られておりま
 して、まぁ今夜はゴール直前の最後の鞭って位置付けやろか。
 試合はストリート・ファイトと銘打たれているものの、序盤はプロレス技の応
 酬で構成されていて、上手い下手や面白い面白くないは別にして、『正義
 痛』にはデス・マッチよりもこんな試合の方が向いているなって思った次第。
 で、中盤からはリング下に降りての攻防へとシフト・チェンジ。ここでは最前
 列に座る客達を煽って場外フェンス上にパイプ椅子を横一列にズラリと設
 営させ、11連発で『正義痛』の顔面をパイプ椅子に叩き付けたゲージに
 大注目でっせ。その後試合は再びリング上へと戦場を移し、ゲージが『正
 義痛』をテーブル上で垂直落下のブレイン・バスターに切って捨てたところ
 で、『正義痛』のセコンドに付いた巨漢マネのビッグ・マックが助け舟を。
 当然相方ゲージの危機を救えとヘイトリッドも姿を現し、これでやけにあっ
 さりとゲージが『正義痛』をフォールですワ。ウーン、期待の暴虐場面は皆
 目なかったし、120%現れるだろうと思われた『正義痛』の相方である『妻
 殴り』は出て来ないし、これでは来月の『CAGE OF DEATH』第6回大会
 に向けてのプロモーションとしては落第点でっせ.......。  
ACZW Xtreme Strong Style Tournament Final #1:
 Chris Hero (w/"Double C"Claudio Castagnoli &
 Blackjack Marciano) vs. "The New Age Punisher"B-Boy
  2004年2月7日の定期戦『5 YEARS IN THE MAKING !』より突然始まっ
 たXSS(エクストリーム・ストロング・スタイル)トーナメントの一環である本
 試合。ほぼ毎興行1試合必ずマッチ・メイクされ、DVDのジャケット裏には
 この試合は『Final #1』って文字もある事から、どうやらトーナメントの予選
 は終わって少なくとも準決勝辺りにまで進んでは来ているみたい。
 ただどうもトーナメントの全体像が掴めませんのや。そう、一体何人がトー
 ナメントにエントリーしていて、一体何時トーナメントの優勝戦が行われる
 のか丸っきり分からんのですワ。
 試合はヒーロー(現アイアンマン王者)のヤクザ・キックをモロに顔面に浴
 びたBOYがふらふらになりつつも、ヒーローの手下であるダブルCとマシ
 アーノのセコな介入を跳ね返す奮闘振りを披露。これにやっとれんと場外
 カウントアウト負けを狙ったヒーローですが、本部席からザンディグ親分が
 マイクを握って逃走を図ろうとするヒーローを一喝や。
 で、最後はBOYのフィニッシュ・ムーヴであるシャイニング・ウィザードとヒ
 ーローのフィニッシュ・ムーヴであるヒーローズ・ウェルカムによる手に汗
 握る競演(絶品でしたデ)の末、BOYがヒーローを撃破。これでBOYが長
 期政権を敷くヒーローのアイアンマン王座に照準を合わせたみたい。
BAdam"The Ego"Flash vs.
 "The Rock Superstar"KAOS
  2004年10月9日の定期戦『BREAKING POINT』にて元XPWの同僚ケ
 オスを撃ち破り世界王者の座を死守したメサイア。けど、再戦をアピール
 するケオスに「それならワシの手下のフラッシュを倒してみろ」って言った
 のが災いの元に。ケオスには再戦の機会を与えたし、メサイアの言葉を
 【ならばケオスを倒せば、ワシにも世界王座の挑戦権が!】と理解したフ
 ラッシュは親分のメサイアをダブル・クロス。こうして年末恒例の『CAGE
 OF DEATH』第6回大会での、メサイア相手の世界王座挑戦権が懸かっ
 た試合が開始とあいなったんですワ。ただしとことん下手クソのケオス相
 手では試合も盛り上がりまへん。中盤までで一番客席が沸いたのが、フラ
 ッシュによるレフリーへの誤爆のパイプ椅子攻撃なんやから...。  
 これではアカンと察したか、フラッシュが移動式の高所足場を持ち出して
 ケオス目掛けてレッグ・ドロップを見舞い、客席も途端にヒート・アップや。
 しかしここで(実際、折角一度は盛り上がったのに、最悪のタイミングやっ
 たデ)渦中の人であるメサイアが介入し、試合は即刻不透明決着に。
 声を大にして怒ってもよいはずのフラッシュとケオスは何故かすぐに姿を
 消してしまい、ここからはメサイアと本部席に陣取るザンディグ親分との
 トンチ問答の時間。あぁ、フラッシュとケオスもこれでは浮かばれんなァ。
 そしてどうなる、いよいよ来月に迫った『CAGE OF DEATH』第6回大会
 でのメサイアによる世界王座戦?。震えて待て!。ってそら無理やね。 
CThe Blackout (Ruckus & Sabian & Eddie Kingston
 & Robbie Mireno & Maven Bentley) vs.
 Chri$ Ca$h & JC Bailey & "Spyder" Nate Webb & Joker
  前述したH8クラブの屋号争い同様、これまでの月例定期戦にて煽りに
 煽り続けて来たのが、年末恒例の『CAGE OF DEATH』第6回大会(←
 この文字も、もう見飽きて来たでしょ。ホンマ、ごめんな)での激突がアナウ
 ンスされているクリス・キャッシュ率いるチーム・キャッシュとブラック・アウト
 軍との金網戦。とりあえずは4人対4人での対決と定められている(最初
 は5人対5人のはずやったのに、選手が集まらんのやろね)ものの、まだ
 両軍とも全メンバーは決まっておらず、それでもプロモーションだけは大切
 だと、本日今夜の戦いとなりましたんや。また、戦地イラクへの派兵のた
 めにとCZWから一時退団していた、元ブラック・アウト軍所属のジョーカー
 (退団直前のザンディグ親分とのデス・マッチは感動の逸品や)が一夜限
 りの嬉しい復帰となってもおりまして、役者も出揃い、いよいよ今夜のメイ
 ン・エベントが始まりました。
  さて試合の方ですが、頭数だけで判断すると軍団総出の5人構成で出
 場となったブラック・アウト軍が優勢かと思われるでしょうが、若手精鋭の
 みの4人で構成されているチーム・キャッシュに比べ、ブラック・アウト側は
 駆け出しの巨漢キングストンに、広報担当のメリーノ、マネージャ役のメイ
 ヴェンと半人前以下が3人も混じっており、これでは逆ハンディ・キャップ
 戦って感じがありありとします。しかも半年弱振りの復帰となったジョーカ
 ーが憎悪剥き出しでブラック・アウト軍に仕掛け、これを追う様にキャッシ
 ュ、ベイレイ、ウェブが我先にと十八番のスポットを繰り出すので、ラッカス
 もサビアンも青息吐息の防戦一方。最後こそベイレイに狙いを定めて連続
 攻撃で勝利を得たラッカスとサビアンですが、来月に迫った『CAGE OF
 DEATH』第6回大会に向け、陣容の見直しが急務となりそうですな。
DCZWで一番危ない奴は誰だ!?
  ベイレイに土が付いたものの、番外戦はまだまだ続き、遂にはバルコニ
 ー席の手摺りからジョーカーが飛び降り、テーブルに寝かせたキングストン
 にフット・スタンプをお見舞い。今夜限りの復帰を残念がる客席には、『CA
 GE OF DEATH』第6回大会では俺の代わりにカナダの異能集団IWS
 所属の人気者セクシー・エディを、と粋な御指名です。
 これには客席も(無論、ブッカー殿の)ザンディグ親分も異論はなく、ザンデ
 ィグ親分の、「お前ら、来月の『CAGE OF DEATH』で組んだ金網戦で、
 CZWにおける一番危ない奴は誰かを決めろ!」とマイクを握っての激が。
 あぁ、これで今夜は大団円やと思いました。けど、『CZWで一番危ない奴』
 って言葉だけは聞き捨てならんと、メサイア、ケオス、アダム・フラッシュが
 現れ、金網戦はワシらがやるとアピール。すると他方からは『正義痛』、ニ
 ック・ゲージ、ネイト・ヘイトリッドも現れ、金網戦はH8クラヴの屋号争いに
 こそ相応しいとこちらも一大アピールを。当然チーム・キャッシュの面々や
 ブラック・アウト軍も、今更何を寝ぼけた事を言うてるんやと猛反論...。
 この様に、とことん収集のつかなくなったリング上ですが、最後はザンディ
 グ親分の(予定通りの)大岡裁きが。
 それによると、ひとつ、メサイアら3人は高所足場形式の金網戦を行う事。
 ふたつ、CZW名物の『死の金網式デス・マッチ』は、H8クラヴの屋号争い
 と、チーム・キャシュ対ブラック・アウト軍の二試合に適用し、これをダブル
 ・メイン・エベントとする事、との反論をこれっぽっちも許さぬ厳格な御達し。
 さあさあこれで大袈裟に言うなら、一年間を費やして練りに練った(練り過
 ぎて、若干原型を留めぬものもあるけどね)ネタの数々も最終の仕込みが
 完了。来る12月11日はCZWの総力を上げた年間最大のビック・イベント
 である『CAGE OF DEATH』第6回大会。今度こそ、全ての『お話』に決
 着がキチンと付くはずや。早くDVD−Rを入手したいなァ。


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