では収録内容の詳細を

このDVDはPAL方式で収録されており、通常の国産モニターでは
鑑賞できませんので、ご購入の際はご注意下さい。

CLOSSING THE LINE AGAIN 1997 (PAL
版)
(約1時間47分収録)
 本DVDは97年2月1日にペンシルベニア州はフィラデルフィアのECW
アリーナにおいて開催された、ECWの定期戦を収録したものです。

○ポール・Eのアジテーション
  2003年に米国で発売されたECWのヒストリーものDVD『THE RISE
 + FALL OF ECW』によると、96年末頃にECWはリクエストTV局で初の
 PPVを予定していたらしいのですが、マサチューセッツ州リビエラの興
 行においてニュー・ジャック親分が年齢を詐称してリングに上がった、実
 は当時17歳であったエリック・クラスって名前の殆ど素人に近い選手を
 試合中に半殺しにしたそう。結局これが裁判沙汰となって、会社のイメ
 ージ・ダウンを懸念したリクエストTV局はPPVの中止を勧告...。
 しかしこれでポール・EがPPVを断念するはずもなく、ファン・レベルの
 草の根運動的な支援もあり、遂に再度のPPVチャレンジが決定や。
 ポール・E、この吉報を、ECWアリーナに詰め掛けたファンに報告して
 おります。あ、PPVの興行名も『BARELY LEGAL』直訳するなら『なん
 とかギリギリで合法』って意味で、このタイトル名だけでも思わずニヤリと
 なってしまいまへんか。あ、ポール・Eとともに多数の選手がリングに上
 がっておりますが、ニュー・ジャック親分も神妙な顔付き(?)でここに参
 加しており、何時もの極悪非道振りを思うとちょっと笑ってしまいました。
○Louie Spicolli vs. Mike Awesome
  ネット上で調べたところ、当日こんなカードも組まれていたとの情報を
 得ました。本DVDには未収録なのですが、もしやダーク・マッチの扱い
 で上掲したポール・Eのアジテーションに先立ち行われたのかも。けど
 オーサム対スピコリなんて、ダーク・マッチになんてするやろか?。
@Lance Storm vs. Balls Mahoney
  角刈りで後ろ髪だけを伸ばして金色に染める。ワシのファッション・セン
 スの範疇外に属する、全くもってダサ過ぎる井出達でリングに上がった
 のはランス・ストーム。プロレスは結構上手いし、マスクもそんなに悪くは
 ないのにずっと大ブレークしないのは、やはり彼独特のファッション・セン
 スが彼のプロレス自体に影を落としているからやないやろか。あ、試合
 はマホーニーの体躯とロー・ブローに押される場面もあったものの、最
 後はストームに凱歌が。それにしてもあの後ろ髪......(失笑)。
 ※これが多分、ストームのECWデビュー戦のはずです
ABig Stevie Cool (Steve Richards)
 (w/bWo : Da Blue Guy & Hollywood Nova & 7-11)
 vs. Ricky Morton
  ロバート・ギブソンとの『R&R超特急』で一世を風靡したリッキー・モー
 トンがECWマットへ参戦。この試合とFの試合は、確かサムライTVで
 放映された事があって探せば我が家の押入れの中から出てくると思う
 のですが、リッキー・モートンやトミー・リッチの芸風が大好きなワシとし
 てはどうしてもDVDで所有したくって...。さて試合なんですが、かつて
 の有名選手の衰え具合をとことん楽しんでやろうなんて底意地の悪さが
 客席の随所に感じられますが、モートンの相手を務めたスティーヴィ君
 自身はさぞや誇らしい思いやったと想像いたしますな。あ、最後はスー
 パー・キックを決まり手としてスティーヴィ君に軍配が。ただしミーニーの
 鉄柱攻撃を受けたモートンが、珠玉のブレード・ジョヴを披露してくれなか
 ったのだけがホンマに心残りですワ。
 【雑知識】
  試合前、ビッグ・スティーヴィ・クール(爆笑)らbWoのメンバーが勢揃
 いしておりますが、ブルー・ガイ(爆笑)、ハリウッド・ノヴァ(爆笑)の横に
 ショーン・ウォルトマンのパロディである7−11の姿も。例によってハン
 ディ・ビデオ・カメラを片手にメンバー達を撮影しておりますが、彼こそが
 ECWの生撮りビデオを売りさばくRF−VIDEOのオーナーであり、新興
 団体ROHのオーナー(未成年に手を出してオーナー職から降りた?)
 であり、タジリが自伝の中で米国滞在時に世話になったと記していたロ
 ヴ・フェインシュタイン氏だそうです(あくまで噂ベースで読んでね)。
 ショーン・ウォルトマンのパロディを行いつつ、RF−VIDEOでの撮影業
 務までパロディにしていたとは、つくづくECW周辺の奴らはコアな笑い
 が好きなのばっかりやったんやなァ、って感心しております。
B"Dr, Death"Steve Williams vs. Axl Rotten
  『殺人医師!』チャント(←当然英語やデ)で迎えられたのは、スティー
 ヴ・ウイリアムス。なんか今夜はゲスト陣が豪華やなァ。試合はフットボ
 ール・タックルで楽々ロットンを宙に舞わし、オクラホマ・スタンピード〜
 ブッコ抜きバック・ドロップでウイリアムスの秒殺勝ちでしたワ。
CECW Championship :
 Raven vs. "Dr, Death"Steve Williams
  いきなり場面が切り替わり、ウイリアスムに対峙するのはECW認定の
 世界王者であるレイヴェン。これ、本DVDではカットされているけど、実
 はBの試合終了直後にレイヴェンが突如リング上に現れてウィリアムス
 に突っ掛け、これが引き金となって急遽予定になかった(←そんな事は
 ないけどね)タイトル戦が突然始まったって事なんです。で、レイヴェンの
 椅子攻撃によりブレード・ジョヴ(余り上手くないみたい)をウイリアムスが
 行い、続いてウイリアムスからの椅子攻撃でレイヴェンも律儀にブレード
 ・ジョヴのご返杯(苦笑)。これで両者とも顔面を朱に染め、いよいよ試合
 が佳境へ向かいます。ただ試合の内容はウイリアムスの一方的なもの
 で、レイヴェンの放ったコーナー上からのスープレックスも焼け石に水。
 と、ここでAで試合を終えたばかりのbWoの面々がリング・サイドに。
 しかもサンドマン夫人のロリさんと、息子のタイラー君まで一緒(呑んだ
 くれのサンドマンに愛想をつかして、新興宗教の教祖に納まっているレ
 イヴェンの下に走ったってサイド・ストーリーがあり)に登場ですワ。
 しかし揃いのbWoシャツに身を包んだbWo一派とレイヴェンにキナ臭
 い雰囲気(実際、この当時はスティーヴィ君が一本立ちかって雰囲気で
 したんや)が流れ、続いてスティーヴィ君はbWoシャツをつらつかせて、
 ウイリアムスを軍団員へと勧誘。でもウイリアムスに入団の意志などな
 く、これを察知したスティーヴィ君がスーパー・キックの3連打をウイリア
 ムスにお見舞い。すると絶妙のタイミングでレイヴェンがリングに復帰し
 て、リングに伸びたウイリアムスを泥棒フォール...。ウーン、なんだか
 よく分からない田舎芝居でしたが、ウイリアムスの強さだけは再認識い
 たしましたワ。で、レイヴェンとスティーヴィ君の『明日』はどうなる!?。
DSandman vs. D-Von Dudley
  格好良く客席に向かってポーズを決めるサンドマン。その背後からD−
 ボンが奇襲攻撃を仕掛けて始まったこの試合も、Cと同様に客演陣と
 サイド・ストーリーにまみれた内容でしたワ。試合自体はサンドマンが場
 外フェンスと竹刀を駆使してD−ボンを叩きのめし幕となったのですが、
 ここに脂っこい笑顔がプリティ・グッドなリング・アナのジョエル・ガートナ
 ーが登場。誰がどう見てもサンドマンの圧勝であったのに、勝者はD−
 ボンであると高らかにコール。これ、当然怒ったサンドマンからシバキ倒
 されるお馴染みのネタの前振りなんやけど、今夜はここにババ・レイとス
 パイク君も登場。今でこそババ・レイとD−ボンは熱い兄弟盃を交わした
 間柄ですが、当時はD−ボン1人がダッドリー一族と敵対しているって
 設定でして、当然ババ・レイの振り上げた椅子はD−ボンの頭部に振り
 下ろされるはずや。でも注目の椅子はサンドマンの頭部へと振り下ろさ
 れ、これを理解出来ないとババ・レイ相手に詰め寄るスパイク君は、バ
 バ・レイとD−ボンのダブル・ババ・カッター(現在は3Dと呼称)の餌食と
 なり、追ってゴミ箱一杯の凶器を携え乱入したギャング・スターズのご両
 人も、最初こそ威勢が良かったものの、ババ・レイとD−ボンの返り討ち
 に...。これ、初期はユーモラス・ユニットの雰囲気もあったダットリー
 ズってギミックが、ババ・レイとD−ボンの結託によってバリバリの武闘
 派へと変貌を遂げるきっかけとなった非常に大切な試合やと思います。
 【道頓堀次郎のボヤキ】
  英国版DVDの常で、本DVDも選手のテーマは全て安っぽいインスト
 曲に差し替え済や。冒頭のサンドマンのテーマの『エンター・サンドマン』
 やギャング・スターズのテーマの『ナチュラル・ボーン・キラーズ』がその
 まま収録されていたら、桁違いに楽しめるものになっていたのになァ。
EECW Tag Championship :
 The Eliminators vs. Sabu & Rob Van Dam
  流れるようなチーム・プレーで攻めまくるイリミネーターズと、『7拍子の
 変則プロレス野郎』サブゥ&『9拍子の変則プロレス野郎』RVDの顔合わ
 せ。これ、96年11月26の定期興行『November to remember '96』でも
 好勝負を披露した両チームの再度の激突ですんや。水も漏らさぬ鉄壁
 のアンサンブルを誇るイリミネーターズに対し、サブゥとRVDは共に『変
 拍子』を体内に宿しながらも、サブゥが『7拍子』でRVDが『9拍子』では、
 アンサンブルもへったくれもおません。それでも4人がこうして戦うと、心
 地よいリズムが生じるのやからプロレスって芸はホンマに不思議。
 試合はサブゥのアラビア式月面水爆をRVDに誤爆させたイリミネーター
 ズが、直後にフィニッシュ・ムーヴである『完全殺戮』をRVDに見舞って
 幕となりました。しかしこの試合、これでは終わりません。サブゥを長期
 間付け狙うタズがリングへ現れ、サブゥの目の前でRVDを得意の片羽
 締めでチョーク・アウト。2カ月の97年4月13日に迫ったECW初のPPV
 『BARELY LEGAL』での直接対決に向け、タズが大デモンストレーション
 を敢行したみたいです。
FTerry Funk vs. Tommy Rich
  はい、出ました。『荒馬』テリー・ファンク御大と、僅か4日だけNWA世
 界王座に君臨いた偉大なる実績の持ち主『野生の炎』トミー・リッチのシ
 ングル戦です。試合の冒頭のまるで仏様のようなテリー御大の笑顔も素
 敵ですが、ゴングが鳴る前に観客席の中でテリー御大から後頭部にパ
 ンチを喰らっただけでブレード・ジョヴを披露してくれるトミー・リッチさんも
 これまた素敵。途中、パイプ椅子に腰掛けてトミー・リッチさんにまるで辻
 説法のように平手打ちを見舞ったテリー御大でしたが、トミー・リッチさん
 の反撃を喰らい、こちらも額を割ってしまいます。この後、両者とも膝を
 リングに付けてのヨレヨレ状態での頭突き合戦があって、最後はトミー・
 リッチさんの掟破りのスピニング・トゥ・ホールドなんてベタなネタが仕込
 まれ、テリー御大による正調スピニング・トゥ・ホールドで幕引き。
 いやー、これは掛け値なしのエエ試合やった。で、近頃の総合格闘技だ
 の、プロ格だのに路線変更する若きレスラーのみなさんへ。アンタらがプ
 ロレスって芸から逃げたくなるのも、この試合を観れば理解出来ますワ。
 ちょっとやそっと猛練習したからって、アンタらにテリー御大やトミー・リッ
 チさんの醸し出す『コク』なんか出せんやろからね。さっさと、尻尾を巻い
 て何処でも行きや。
GTommy Dreamer (w/Beulah) & The Pitbulls
 vs. Shane Douglas (w/Francine) & Chris Candido & Brian Lee
  遺恨が新たな遺恨を連鎖的に生み、実に抜き差しならぬ状況下にあっ
 た両チームの激突。腕っ節だけは超一級の暴れん坊ブライアン・リーも
 絡んで荒れた展開となりましたが、そんな雰囲気の中でコブラツイストに
 よりドリーマーを締め上げるのがインテリ・レスラーのシェイン・『ご本家』・
 ダグラス大先生(何時もながら痺れる佇まいや)。試合はリーへの誤爆
 もあったものの、トリプル・スレット(ダグラス大先生率いる悪のユニットの
 名前です)揃い踏みによるレッグ・ドロップがドリーマー&ピットブルズに
 炸裂し、これで幕かと思われたところで花道奥から謎のマスクマンがマ
 イク片手に登場。ただ折角の『謎の』マスクマンなのに、情報通が集うE
 CWアリーナ、満場の『ルード』チャントでマスクマンをお出迎えですワ。
 そう、この夜は正体は明かさなかったけど、このマスクマンの正体はリッ
 ク・ルードなんや。で、マスクマンの登場に気を取られたトリプル・スレット
 には油断が生じ、ここからドリーマー&ピットブルズが大反撃を開始。
 最後はダグラス大先生をテーブル上に寝かし、ピットブルズのフィニッシ
 ュ・ムーヴであるスーパー・ボムが爆発。しかもピットブル2号(アンソニ
 ー)がピットブル1号(ゲイリー)の身体を『実弾』としてダグラス大先生に
 叩き付けての激勝です。
 【雑知識】
  最後のフィニッシュ・シーン、ピットブル1号が『実弾』となって、ダグラ
 ス大先生に叩き込まれたと書きましたが、なんとこれによってピットブ
 ル1号は首に大きなダメージを負ってしまいますんや。
 実はピットブル1号は96年7月13日の定期戦(ピットブルズ2号、ダグ
 ラス大先生、スコーピオ、ジェリコによる4コーナーTV王座戦。この試合
 においてフランシーンがピットブルズをダブルクロスし、ダグラス大先生
 のマネへ華麗に転身)に介入し、ダグラス大先生との絡みの中、首を
 骨折する、正にレスラー生命どころか実人生さえも途絶えかねない大
 怪我を負い、懸命のリハビリの末に97年1月11日の定期戦『House P
 arty 1997』にてGに登場した謎のマスクマン(正体は上記したようにリ
 ック・ルード)の紹介によりダグラス大先生とのシングル戦(大先生のT
 V王座が懸かっておりましたが、無効試合?でタイトルの移動はなし)
 でやっとこさ復帰したばかり。
 これから2ケ月後の4月13日に迫った初PPV『BARELY LEGAL』に向
 けて新たな遺恨ネタを構築して行く段階にあったはずで、これにはポー
 ル・Eやダグラス大先生も頭を抱えたやろなァ。あ、結局『BARELY LEG
 AL』ではダグラス大先生と、相方の敵討ち(今回は自爆気味のアクシデ
 ントであり、大先生には少しの非もないのやけどね)に燃えるピットブル
 2号との遺恨戦が組まれ、ピットブル1号は首にギプスを巻いた痛々し
 い姿で試合を観戦する事となってしまうんですな。


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