では収録内容の詳細を

Anarchy In Atlanta 1999-12-2
(DVD-R*2枚)
(DISC-1 : 約1時間19分収録)
(DISC-2 : 約1時間10分収録)
 ECW存命時に、地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』。
2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、怒涛のリリース・ラッシ
ュでワシらECWマニアの懐を直撃しているのは既に皆様ご存知やろか。
さて今回ご紹介するのは、2005年3月期に発売された3タイトルの内の
1タイトル。ジョージア州アトランタにて1999年12月2日に開催された興
行の模様を収録したものなんです。では早速内容のご報告を...。

★★DISC-1★★

○いきなり大混乱...
  謎の2人組に呼び出されてリングに入ったのは、『オトコ芸者』のビル・
 アルフォンソ。早速場内からは割れんばかりの『フォンジー』チャントが飛
 び交うのですが、謎の2人組がアルフォンソを襲い、ここへ右膝を負傷し
 て歩行さえままならぬ感じのサブゥがアルフォンソの救出に出撃。謎の
 2人組の片割れを場外テーブル葬に沈めてみせました。でも満身創痍
 でこんな事をしているサブゥ、ホンマに身体が心配ですワ。
@3Way Dance :
 Danny Doring (w/Electra) & Roadkill
 vs. Kid Kash & Nova
 vs. New Dangerous Alliance
 〔CW Anderson & Bill Wiles (w/Lou E.Dangerously)〕
  飛び技で仕掛けるノヴァ&キャッシュ、合体技で攻め込むドーイング&
 ロード・キル、ルー・Eの携帯電話攻撃誤爆で真っ先に3WAY戦より離
 脱したCW&ビルの『ニュー・デンジャラス・アライアンス』。試合中、クリ
 ス・チェッティが現れてドーイング専属の女子マネであるエレクトラ嬢の唇
 を無理やり奪う小芝居を含め、既にレビュー済の12月17日ナッシュビル
 大会や、12月23日のニュー・ヨーク大会とほとんど同内容の構成の試
 合は、今夜もやっぱりドーイング&ロード・キルに凱歌が上がって幕に。
 これ、当時のドサ回りの定番オープニング・マッチなんでしょうな。
AJerry Lynn vs. Little Guido (w/Sal Graziano)
  黒のショート・タイツ姿が格好良い『純血イタリア人軍』のグイドー。今
 夜はジェリー・リンとの対戦でして、これはちょっと注目のカードや。試合
 はいきなりのグランドの展開で、斜に構えた観客達の意識をリングに引
 き付け、おぉ今夜は『シシリー島出身のシューター』の面目躍如となるス
 トロング・スタイルの御披露かと震撼させた途端、何時も通り客席に悪
 態を付くグイドーにブラウン管の前のワシも思わずニヤリ。比較的短時
 間でリン必殺の変形墓石パイルにて撃沈させられたグイドーですが、グ
 イドーらしい芸心の発揮振りにワシは大満足でしたデ。
BSuper Crazy vs. Super Calo
  客に受けなアカン、客に受けなアカン、の思いばかりが先走るカロ。場
 外フェンス越えの月面水爆などで、いとも簡単に客を手玉に取るクレイジ
 ー。余りに対象的な両者の絡みはクレイジーの勝利でジ・エンドや。
CSpike Dudley vs. Kamala
  今夜の特別ゲスト第1弾である『ウガンダの大魔神』カマラがリングへ
 堂々の登場。さて対戦相手はとなるのですが、この大物を相手に試合を
 やれる根性の持ち主はあの人しか居ませんな。そう、『巨漢殺しのスペ
 シャリスト』、リトル・スパイク・ダッドリー君ですワ。ま、顔合わせを見て、
 一度はスパイク君の十八番のアシッド・ドロップをカマラが受け、二度目
 を返してカマラが圧勝、と想像いたしました。それが何と皆さん、開始早
 々のアシッド・ドロップがズバリとカマラを捕らえ、レフリーの超高速カウ
 ントもあってスパイク君が僅か10秒程度でカマラをフォール。汗ひとつか
 かぬ前に敗退させられたカマラは、超高速カウントを食らわしたレフリー
 を圧殺して鬱憤晴らし。カマラもスパイク君も、今夜は楽なお仕事で大助
 かりでしたなァ(苦笑)。
DTom Marquez vs. Ikuto Hidaka
  後に『天才児』プロディジーを名乗るトム・マルケスと、格闘探偵団バト
 ラーツ所属の日高郁人の顔合わせ。勢いのある者2人の戦いに期待し
 たワシですが、数ムーヴ両者がこなしたかこなさないかの時点で、革の
 上下に身を包み、アタッシュ・ケースをブラ下げたレイヴェンが無差別テ
 ロ乱入を決行。実はレイヴェン、直前にWCWから解雇され、99年11月
 7日のPPV『November To Remember '99』に出場したばっかりなんや。
 で、この乱入劇に客席からは『お帰り』チャントが。でもちょっと考えて。
 今夜の興行地はWCWのお膝元ジョージア州アトランタでっせ。この『お
 帰り』チャント、普通ならWCWを解雇されてECWへ『お帰りなさい』って
 意味やろけど、ワシには解雇されて恨み骨髄のWCWのお膝元へ『お
 帰りなさい』って意味のブラック・ユーモアに取れてしまいますワ...。
○場面は変わって...
  TNN局の定期放送番組のオープニング・シーンの撮影のため、ジョー
 イ・スタイルスとジョエル・ガートナーがリングに。ここでスティーヴ・コリー
 ノをリングに招いて即席のインタビューが始まります。すると自身過剰気
 味のコリーノ、ジェリー・リンやサンドマンやレイヴェンの名を挙げ、次々
 に得意の『口撃』で先輩レスラーをバッサリと切って捨て、最後に客席に
 座る特別ゲスト第2弾の『アメリカン・ドリーム』ダスティ・ローデス!!!
 を挑発。当然ローデスも黙っておられずリングに上がり、コリーノやセコン
 ドに付いたジャック・ビクトリーを十八番の『バイオニック・エルボー』の連
 射で楽々と粉砕や。これ、ローデスのECWマット初登場の瞬間らしいの
 ですが、それ以上に、この後世紀を越え、団体枠を超え、太平洋を越え
 てまで繰り広げられる事となるローデスとコリーノの血で血を洗う抗争劇
 の第一幕のはずやと思うんです。となると、これは21世紀のアメ・プロ・
 ファン、必見の場面ではないやろか。
EECW World Championship match :
 Mike Awesome (w/Judge Jeff Jones)
 vs. 2 Cold Scorpio (w/Jazz)
  オーサムの保持するECW認定の世界ヘビー級王座に今夜挑戦する
 のは、特別ゲスト第3弾である2・コールド・スコーピオ(ホーム・タウン・
 ボーイみたいや)。WWF時代のギミックであった『フラッシュ・ファンク』の
 名残がちょっと気になるコスチュームを身に纏い、ジャズ姉さんを従えて
 の御出馬ですワ。さて試合なんやけど、スコーピオはあくまでも華麗に
 舞い、対するオーサムはあくまでも怒涛の馬力で押し込み、ちょっと噛み
 合っていないかな、なんて思わせる瞬間もありました。それでも最後はオ
 ーサム必殺のテーブルへのスーパー・アッサム・ボム(←ここだけFMW
 時代風に記します)をスコーピオが志願して轟沈。お客の求めるものを、
 身を挺して披露してくれたスコーピオ。アンタのプロ意識に感謝します。
 
★★DISC-2★★
  
@ECW Television Title Match :
 Rob Van Dam (w/Bill Alfonso)
 vs. Tracy Smothers (w/Tommy Rich)
  リングに上がるなりシャドー・ボクシングでやる気を見せる『南部の仕事
 人』トレーシー・スマザーズ(悪のジェイソン!)、マイクを握って客席を必
 要以上に煽る『4日天下の元NWA王者』トミー・リッチ。RVDの保持する
 TVタイトルへの挑戦を目前にした曲者2人の様子ですワ。さて、注目の
 タイトル戦の内容なんやけど、スマザーズが胡散臭いマーシャル・アーツ
 ・スタイルでRVDと対峙し、絶妙のタイミングでリング下からトミー・リッチ
 がセコな介入を行うものやから、どうにもRVDのエンジンが噴き上がりま
 へん。それどころかRVD必殺のヴァン・ダミネーターまでをカウント2でス
 マザーズが返し、これにはアルフォンソも「信じられない!」と絶句。
 ここを勝機と悟ったスマザーズ、南部テイスト溢れるパイル・ドライバー
 RVDを追い込みます。ま、最後こそヴァン・ダミネーター〜5★スプラッシ
 ュで粘るスマザーズを振り切ったRVDでしたが、これはホンマに思わぬ
 グッド・マッチ。顔合わせだけを見ると前座で試合時間は5分と、ブッカー
 様から申し渡されても仕方ないものなんですが、それをここまで手に汗
 握らせる内容へと昇華させたのはRVD、スマザーズ、リッチ、アルフォン
 ソの心憎い芸心。ウン、とても美味しい試合をありがとうございました。
○満身創痍のサブゥ、またまた登場...
  RVDが勝ち名乗りを上げた途端、リングには足を引き摺りつつサブゥ
 が登場。なんとアルフォンソの制止を振り切って松葉杖をRVDに叩き付
 ける大暴走や。ただ、試合を終えたばかりとは言え、RVDに全身ボロボ
 ロ状態のサブゥの攻撃を跳ね返せないはずはないのですが、RVDはサ
 ブゥにされるがまま...。けどそのサブゥ、身体は全く動いてくれないし、
 客席からのオーダーで繰り出したテーブル葬も、肝心のテーブルが上手
 く壊れてくれず...。底なし沼の中でもがいているかの様なサブゥの姿
 を見ていると、こっちまでホンマに切なくなってしまいましたワ。
 あ、このRVDとの抗争なんやけど、約一ヵ月後の00年1月9日に迫った
 PPV『Guilty As Charged '00』でのRVDとの一騎打ちに向けたネタ振り
 なんやと思います。尚、そのRVDとの一騎打ちを区切りに、サブゥはEC
 Wから離脱するんですな。
AJustin Credible (w/Jason) vs. Sandman
  リング登場と共に“ビールのガブ呑み”、“シンガポール・ケイン”なんて
 キー・ワードでサンドマンを挑発するジャスティン、守護神の竹刀ではなく
 ってホウキを手に現れたサンドマン。多分英語のヒアリングが堪能な方
 なら、両者のトンチ問答もとことん楽しめるんでしょうなァ...。
 さて試合なんですが、テーブルをコーナーに立て掛けてジャスティンを叩
 き込もうとサンドマンが構えた瞬間、ライノがリングに登場。哀れサンドマ
 ン、自ら立て掛けたテーブルへライノのゴアによってブチ込まれ、続いて
 試合に介入して来たランス・ストームの蹴りをモロに受けて敗退ですワ。
 尚、この無法にトミー・ドリーマーが現れサンドマンを援護するんやけど、
 こっちも最後はあっさりと返り討ちに。ジャスティン率いるインパクト・プレ
 イヤーズの独壇場って感じの内容でした。あ、ストームに付いたダーン・
 マリーと、ドリーマーに付いたフランシーンのキャット・ファィトも申し訳程
 度にはありましたデ。
○場面は変わって...
  周囲の観客に囃し立てられ、おネェちゃん2人がオッパイをポロリの大
 サービス。銭なんて貰ってないはずやのに、ホンマによくやるワ。
BAxl Rotten & Balls Mahoney & New Jack
 vs. Da Baldies (DeVito & Angel & Vito LaGrosso)
  今夜の興行のラスト・マッチは、待ってましたって感じのニュー・ジャック
 親分の出番。テーマ曲の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』をガンガン流し、
 何時果てるとも分からぬ凶器での殴り合いや。しかも親分の持ち込んだ
 ゴミ箱一杯の各種凶器に加え、有刺鉄線や画鋲や工業用大型ホチキス
 などもフル活用され、相手側のデヴィト、エンジェル、ヴィトーは揃いも揃っ
 て顔面を朱に染める大流血。で、最後は親分のバルコニーからの自殺ダ
 イヴがヴィトーを捕らえ...。いやー、こんな試合を生で観れたなら最高や
 ったやろうな。

【注意】
  ハンディ・カメラ1台で撮影した映像が元ネタなので、どうしても手ブレ
 などで見辛くなる箇所もあったものの、技術の進歩から画質だけは及第
 点以上のものを提供していた本シリーズでしたが、何故か本作はデジタ
 ル・ノイズが顕著に現れますんや。特に動きの早い箇所では、選手や物
 体の輪郭がボケてしまう事が散見されて。マスター・テープに難があった
 のか、それともDVD−R化の際にビット・レートの設定を誤ったのか。
 いずれにしてもこれはちょっと残念でしたな。   


トップへ
戻る